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第１２回 GISで地域変化を捉える 地理的変化を見る 地理的変化を捉える 地理的変化を分析する 地理的変化を予測する 変化とは T＋１期 T期 外部的要因 地理分布A ↑ 新しい分布が形成される 地理分布B （分布の変化） (内部的要因) 分布量PB 分布量PA 変化量Δ= PB- PA 地理学は変化がおきた場所やそれによる構造の変化に関心が強い GISは地理的変化がどこで，なにが，どれぐらい起きたのかを答える． 人口集中地区（DID）の推移 変化の量がわかる．どこなのか，わからない 人口の移動と土地利用の転移に伴う国土環境の問題 変化の内生的力を示唆するものです． 低未利用地の増加 何が変化しているかを示唆するもの 大都市における市街地の拡大 どこで変化が起きているかがわかる 人口移動に伴う土地利用の転移 何が，どのように，どれぐらい変化したか，わかる 1974 1979 横浜市・都筑区 1994 1984 1989 GISで地理的変化を捉える（土地利用） 1979 1994 1984 1989 1974 土地利用の年別集計（セルの数） 細 密 数 値 情 報 の 土 地 利 用 番 号 年 1974 1994 ZoneID 32 32 0 0 0 1 90402 26043 2 20431 5189 3 64798 42460 4 2795 20455 5 23150 48357 6 10667 13983 7 29265 39888 8 824 804 9 1213 6855 10 6065 15278 11 18076 37920 12 2112 7596 13 4065 10371 14 5427 4091 15 0 0 16 0 0 17 0 0 18 0 19 0 土地利用の変化マトリクス（単位：セル数または面積） 1994 1974 森林 農地 森林 200 400 農地 100 住宅地 5 商業地 1 合計 1974 住宅地 50 商業地 合計 10 660 360 1974年の土地利用と 1994年の土地利用との対 応を集計したもの 1994 変化マトリクスの解読 時期Tの状態1 時期T+1時の状態4 時期T+1 時期T 1974 S31994 S4 Sum 商業地 合計 S1 S2 森林 農地 住宅地 S1 森林 0.30 0.61 0.08 S2 農地 0.10 1.00 S3 住宅地 0.02 1.00 S4 商業地 0.01 1.00 0.02 1.00 Sum 合計 1974年の森林が1994年 の時に商業地となった割合 遷移行列（変化のモデリング） 時期T+1の状態 時期T の状態 S1 S2 S3 S4 Sum S1 p11 p12 p13 p14 1.0 S2 p21 p22 p23 p24 1.0 p44 1.0 pij S3 S4 p41 これは遷移行列という p42 p43 T期の状態iがT+1期 にｊとなる確率．遷移確 率という． 多時期の遷移確率 T+2期 T+1期 T期 S1 S2 S3 Sum S1 0.5 0.3 0.2 1.0 S2 0.3 0.4 0.3 1.0 S3 0.2 0.2 0.6 1.0 T+1期 S1 S2 S3 Sum S1 0.5 0.3 0.2 1.0 S2 0.3 0.4 0.3 1.0 S3 0.2 0.2 0.6 1.0 T+1～T+2期までも，T～T+1期と同じ確率で遷移するならば，T～T+2の遷移行列は 0.5 0.3 0.2 0.5 0.3 0.2 0.3 0.4 0.3 × 0.3 0.4 0.3 0.2 0.2 0.6 0.2 0.2 0.6 = 0.38 0.３１ 0.31 0.33 0.31 0.36 0.28 0.26 0.46 このような状態間の遷移を遷移確率行列を持って推計する方法は，マルコフ連鎖モデルという． マルコフ連鎖による土地利用変化の予測 地域全体の合計の予測 T期３種類の土地利用の面積 S1 S2 S3 1000 500 300 T+2期 遷移確率行列 × 0.38 0.３１ 0.31 0.33 0.31 0.36 0.28 0.26 0.46 = 380+165+84 S1 310+150+78 S2 310+180+138 セル単位の予測 T期，あるセルの土地利用がS2 S1 S2 S3 0 1 0 T+2期，他の土地 利用になる確率． 遷移確率行列 × 0.38 0.３１ 0.31 0.33 0.31 0.36 0.28 0.26 0.46 = 0.33 S1 0.31 S2 0.36 S3 S3 マルコフ連鎖モデルで時系列変化をモデル化 1979 初期値 P74,79= 5年間 自然 住宅 商業 自然 0.5 0.3 0.2 1974 住宅 0.3 0.4 0.3 商業 0.2 0.2 0.6 P74,89= P74,89３ 15年間 1979 P74,84= 10年間 自然 住宅 商業 自然 0.5 0.3 0.2 1974 住宅 0.3 0.4 0.3 商業 0.2 0.2 0.6 2乗 P74,94= P74,894 20年間 こんなに簡単に変化を予測できるのか．できないなら，問題はどこにあるのかを考えよう． 変化とは，もう一度考えてみよう T期 T＋１期 状態A 状態B 測度（指標）P 地理分布B 示量指標： 面積 容積 人口 エントロピー 外部要因 地理分布A ↑ (内部要因) 新しい分布が形成される過程 新しい均衡への過程 （分布構造の変化） エネルギー転移の過程 分布量PB 分布量PA 変化量Δ= PB- PA 地理学は変化がおきた場所やそれによる構造の変化に関心が強い GISは地理的変化がどこで，なにが，どれぐらい起きたのかを答える． 構造指標： 集積度 接近度 強度指標： 温度 湿度 圧力 密度 マルコフ連鎖モデルの前提 1979 初期値 P74,79= 5年間 自然 住宅 商業 自然 0.5 0.3 0.2 1974 住宅 0.3 0.4 0.3 商業 0.2 0.2 0.6 1979 P74,84= 10年間 1984 自然 住宅 商業 自然 0.5 0.3 0.2 1974 住宅 0.3 0.4 商業 0.2 0.2 自然 住宅 商業 自然 0.5 0.3 0.2 0.3 1979 住宅 0.3 0.4 0.3 0.6 商業 0.2 0.2 0.6 × 次期も，初期と同じ確率 で変化すること 実データからみる土地利用変化の実態 SFC周辺の土地利用：細密数値情報（10m×10m），1974．ライフタウンはまだ造成中土地． SFC周辺の土地利用の変化 1979 1984 1989 1994 土地利用変化の要因と影響 内部要因 人口の自然増加・減少 環境条件の変化 外部要因 人口の転入・転出の変化 内外の経済情勢の変化 制度・政策の変更 気候・環境条件の変化 変化のパターンを影響する要因 地盤条件 交通条件 所有条件 市場の要因 交通の要因 行政の要因 自然の要因 地理的空間構造の 形成の原理と一致 これらはマルコフ連鎖モデ ルの遷移確率を支配する 要因の例である． 土地利用変化を予測する方法 市場の原理 交通の原理 行政の原理 自然の原理 今日使ったデータ：都筑区 http://ecogis.sfc.keio.ac.jp/gis/2004/index.htm 第12回 “都筑データセット” からダウンロードして，フォルダの中からTsuzuki.mxdを開いてください． 今日使ったデータ：SFC周辺 http://ecogis.sfc.keio.ac.jp/gis/2004/index.htm 第12回 “SFC周辺データ セット”からダウンロードして，フォルダの中からStudy4.mxdを開いてください． 空間変化を集計する基本操作 Hawth’s Analysis Tools を使う場合 ゾーン別，主題コード別のセル 数を数える． ゾーン別，主題データの統計量 （最大値，最小値，平均値，合計， 分散など） 主題コードは名義尺度です． 合計値，平均値，分散などは，比 例尺度にしか意味を持たない． Hawth’s Toolsによる集計の時の設定 小ゾーン別，1994年の細密数値情報コード別 のセル数を数える 小ゾーン別，1994年の細密数値情報の統計 量を集計するが，土地利用コードは整数と なっていても，名義尺度なので，意味はない． 集計の相手のラスタデータは比例尺度のもの を使うべき． SFC周辺の土地利用の変遷 1965年 2000年 1978年 1954年 最終課題 課題内容 授業・演習をうけて，あるいは教科書・参考書・参考資料を読んで，あるい は生活の中から，ある問題（社会・環境・経済・情報など）や技術に気づい たとします．その問題や技術の概念を説明し，GISを利用した解決方法，あ るいはGISをさらに発展する提案してください． 作成要領 1)内容にもっともふさわしい題目をつけること 2)教科書・参考書・参考資料から引用した場合，正しく書くこと． 3)A4用紙4枚（4000字相当）以上あること． （図表は１点につき1/4ページに数え，全部で4点以上使用しないこと） 提出方法 紙に打ち出して提出する． 〆切：2006年1月31日17時．