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第153回
インストラクショナルデザインを指向した
教員用LMSユーザインタフェースの構想
※LMS=Learning Management System WebCTとかMoodle、UI=ユーザインタフェース(利用者との接点)
• LMSとeラーニングの現状
– LMSの導入が進んでいるけど,eラーニングの実施の割合を増やすのが大変?
• 授業での利用方法が分からない,準備に時間が掛かる,教育効果の向上に繋がるかわからない
• eラーニング実施教員成長ペルソナ(仮)
– レベル1:eラーニング浸透→ レベル2:ID化→ レベル3:使いこなし?
• インストラクショナルデザインを指向したUI?
– OPTIMALモデルを活用したUIの構想?
– ステップ1:学習目標や評価の明確化,ステップ2:コースデザインの構造化,
ステップ3:コース内の活動(評価)と目標のマッピング
• 先行研究
IDテンプレート,OPTIMALモデルチェックリスト,LePo(吉崎弘一ら)
※ JSISE特集論文研究会@山口大学 2013/3/16申込済みの内容
©2013 井ノ上憲司
eラーニング推進機構eラーニング授業設計支援室
ランチョンセミナー
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LMSとeラーニングの現状
• 大学でICT教育=81%,LMS導入=52%
• 普及が進むが,不安・問題点の指摘も・・・
– 機能がそろっていても,授業での利用方法が分からない
– システム操作に係る負担が大きく,準備に時間が掛かりすぎる
– eラーニングをやっても教育効果の向上に繋がるかわからない
出典:独立行政法人メディア教育開発センター(NIME)の2008年度調査報告より
• もっとeラーニングを普及させたい
• システム操作の負担低減 →ゲームニクス
• 教育効果の向上 → インストラクショナルデザイン
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eラーニング実施教員成長ペルソナ?
• レベル1のペルソナ → レベルnのペルソナ
レベル1
レベル2
レベル3
• IDもしらないしeLもで
きない教員(eL浸透)
• IDはしらないけどeL
を行う教員(ID化)
• IDを活用しeLを行う
教員
• レベル1
– UI操作を覚えさせるのでなく,eLのコンセプト(しくみ)を理解するための,
直感操作。操作でなく,eLによってやりたいことを中心のUI(eL実施能力
の概念化)
• レベル2
– LMSを使いこなせる教員が,IDの仕組みを活用したコース・コンテンツを
作れるようになって,eラーニングの効果を高めてもらう
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OPTIMALモデル
• ブレンド型eラーニング向けのID活用モデル
– シンプル(3ステップ),即座に実行可(LMSに直結)
出典: 鄭仁星, 久保田賢一, 鈴木克明:“最適モデルによるインストラクショナルデザイン:ブレン
ド型eラーニングの効果的な手法”,東京電機大学出版局, 東京(2008)
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UIの全体デザイン
• OPTIMALモデルのように3ステップで構造化する
マクロデザイン
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マイクロデザイン
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LMSへの統合
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コース全体(マクロデザイン)
• eラーニングコースをどのように使うかをデザインす
ること,どこで何を使うかを考えるのにあたり,目標
を定める
– OPTIMALモデルのマクロデザイン・目標を定めるに相当
• 学習目標の設定をサポートするインターフェースの
仕組み
– 学習成果と出口の明確化の対応表を元に学習目標を明
確に設定できるようにする
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学習成果と出入り口の明確化
出典:鈴木克明:“放送利用からの授業デザイナー入門”,日本放送教育協会,東京(1995) p.62 表III-2の一
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学習目標を設定する仕組み
• 「○○○」の部分は記述式サブジェクトを記入
• 右側の選択肢から、「何ができたら目標を達成した
と言えるのか」を表す記述を選択
• ここでの選択
により,この先
の学習方略が
変化する
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単元のデザイン
• OPTIMALモデルではマクロデザインのプロトタ
イピング中で行われる作業の一つでコースの目
標に対する「全体的な方略」
• ここで設定する項目は
– どのように単元を構造化するか
– 何という単元を設定するか
– 各単元にはコースデザインで設定したどの学習目標
が相当するか
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単元の構造化3モデル
• 階層分析図のような綿密な課題の構造化は行わず、単
元の存在がどのようにつながっているかを示す
(c)は野嶋栄一郎,鈴木克明,吉田文:“放送大学大学院教材 人間情報科学とeラーニング”, p.114より変形して使用
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学習方略のデザイン
(マイクロデザイン+LMSへ統合)
• 資料の提示方法、学習目標の評価方法、双方向
性のデザインの3つの要素を決定する仕組み
• それぞれの例
– 言語情報
– 知的技能
– 認知的方略
– 運動技能
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学習目標の種別に応じた情報提示・評価
・双方向性デザインの方法
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言語情報の場合
• 覚えた(学習した)ことを試験などで再生することで評価でき
る。よって、評価方法として試験となり、試験に合格するため
の双方向性のデザインは、練習問題で試験のように再生す
ることをトレーニングすることになる。
• これにはじめの情報提示のリソースを含めた3つがその単元
の構成要素としてシステムから提案され、LMS上に使用方
法の方略とともに展開されるといった具合である。
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知的技能の場合
• 評価方法に試験とレポート課題が選べる。
• しかし、言語情報の試験とは違って、練習問
題と試験は同じではなく、試験は同等の知識
を使って解答する別の問題である必要があり
、レポートはその単元の知識を使って解答す
るものとなる。
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認知的方略の場合
• かなり高度な課題を行える。
• レポート課題、グループ作品、ポートフォリオ作品のどれにお
いても総合的な課題を科すことができ、評価に関しても、一
定の評価指標をルーブリックなどで表現し用いる。
• 双方向性のデザインにおいては、学生同士のチェック体制(
相互評価や相互コメント)、リフレクションなどの学生間、学生
と教員間の双方向性がこれまでよりも高まる。
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運動技能の場合
• 言語情報に近い面もあるが、評価方法が実
技試験であり、再生するためには体を使うこ
とが伴う。これらを訓練するためには、セルフ
チェックや相互評価ができる仕組みが入って
いるとなお良いものと思われる。
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先行研究
• IDテンプレート
– 村嶋亮一さんGSIS修士論文 教授系列と指導方略の類型化に基づ
く市民参加型講座のためのコーステンプレートの設計および試作
http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/research_info/08_3.html
ほか...
• OPTIMALモデルチェックリスト
– 村木純偉さんGSIS修士論文 OPTIMALモデルによるeラーニング作
成支援ツールの開発
http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/research_info/09_3.html
JSETショートレター http://ci.nii.ac.jp/naid/110008506708
• LePo(吉崎弘一ら)
– LePo :Learning Portfolio http://lepo.info/
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