平成 20年度 技術士二次試験に向けて

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平成20年度 技術士二次試験に向けて

試問事項変更に伴う出題を既存データから読む 河川、砂防及び海岸部門を例に

平成19年11月 石渡 一義

技術士(総合技術監理部門・建設部門(建設環境・道路))

1.試験課題の変更

専門 試問事項 平成19年度以降 字数 選択科目に関する専門知識と 応用能力 600字×6枚 時間 3時間30分 平成18年度以前 試問事項 選択科目に関する 一般的専 門知識 一般 技術部門全般に渡る 論理的 考察力と課題解決能力 600字×3枚 2時間30分 技術部門全般に渡る 一般的 専門知識

【ポイント】

○ 「一般的専門知識」を問うものから、【専門】では「応用能力」。【一般】では「論理的考察力」と「課題 解決能力」に変更。 ○ 18年度までの、総監の試問事項が「応用能力」であることから、 【専門】については総監の出題方 式が参考になると考える。 ○ 「応用能力」とは、「改善策の策定を行える能力」で総監では「見解」として問われている。 ○ 予想して暗記で臨む方法はなじまない。日頃の学習の中で対策・解決策を考える練習が必要。

2. 【専門】河川、砂防及び海岸部門の過去の問題

問題の内容 年度 H8

A

グループ 流域・沿岸に渡る広域的土砂管理のあり方 専門分野における技術開発上の課題

B

グループ 浸透破堤防止堤防補強対策、多自然型川づくり、ダム耐震安全性確保、 コンクリダム柱状工法・RCD工法継目工、砂防施設環境配慮、地すべ り抑止工、砂浜の多面的役割、高潮堤防被災 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 自然環境との調和を基本とした水循環の方策 治水計画・利水計画安全度の水準設定の考え方 源流~河口にいたる水環境の課題と対応 源流~海岸の土砂管理のあり方 河川法改正等情勢を踏まえた河川整備管理のあり方 洪水被害軽減方策(ハード・ソフト両面) 自然との調和を図った総合的土砂管理 治水・利水及び環境に関する河川整備計画策定 健全な水循環構築のための方策 水災害・土砂災害最小化のための情報提供の方策 河川における市民団体等との連携 源流~河口にいたる総合的土砂管理 河川砂防海岸に関する情報の収集と提供のあり方 国際的な観点から水問題の現状と課題 中山間地における土砂洪水災害対策・地域社会との関係 河川の多様な機能を活かした地域づくり 源流~海岸域にいたる土砂管理 社会情勢を踏まえた今後の河川管理のあり方 災害時・平常時の住民にわかりやすい災害情報提供 トータルコスト縮減と国土保全施設整備・有効活用 市民とのコミュニケーション・合意形成のあり方 国際水問題を踏まえた我が国の国際貢献のあり方 人間活動の水・物質循環系への影響と課題・解決策 河川堤防耐震性向上、背水影響河川治水対策、ダムサイトと第四紀断層、ダム 洪水調節方式、砂防ダムタイプ、地すべり原因と防止、海岸養浜、海岸保全津 波対策 河川護岸被災、緩流河川治水対策、ダム貯水池堆砂、ダム基礎止水、土石流、 河川近接地すべり応急対策、砂浜断面地形と海岸侵食対策、高潮発生機構・ 挙動・対策 既設河川堤防強化、防災・環境都市河川整備、ダム貯水池水質、ダム 安全性、土石流対策、地すべり踏査、砂浜機能維持増進、総合的津波 対策 護岸洪水破壊、都市河川治水計画、ダム選定地形地質、ダム自然環境 対策、最近の土砂災害、地すべり地下水調査対策、海岸法改正、総合 的海岸保全施設計画策定 河川護岸災害復旧、密集地での治水対策、ダム合理化施工、ダム耐震 性、活火山地域土砂災害対策、土砂災害防止推進法、砂浜海岸侵食 対策、高潮発生機構・対策 都市水害特徴対応、樋門樋管機能維持、ダム温度ひび割れ、ダム基礎 グラウト、砂防流木対策施設、地すべり防止施設、高潮対策、砂礫浜海 岸保全 河川の自然再生、安全性の高い堤防の整備維持管理、コンクリダム骨材・フィ ルダム堤体材料の有効利用、ダム貯水池堆砂対策、透過型砂防堰堤、地すべ り抑止工、海浜利用環境配慮海岸保全技術、総合的津波対策 都市水害対策、防御工における自然環境保全配慮、ダム及び基礎地 盤安全性、既設ダム再開発・ダム群再編、土砂災害情報(知らせる努 力・知る努力)、無人化施工、砂浜保全のあり方、津波災害対策 多自然型川づくり、土堤・堤防強化対策、ダムの役割・洪水調節計画、 ダム堤体材料、土石流対策、砂防ソイルセメント、海岸計画、海岸環境 保全・再生 河川低水管理、中小河川環境保全上配慮、重力式ダムコスト縮減、既 設ダムの問題と機能向上、地震時土砂災害、地すべり応急対策、砂浜 保全、総合的津波防災対策

年度 H18 H19 Aグループ Bグループ(内容は一部略) 1.河川など水辺空間が持つ様々な公益 的機能について地域との関わりの観点か ら述べ、それらの機能を今後強化していく ための方策と留意点を幅広く論ぜよ。 2.河川、砂防、海岸に関する諸データを 適切かつ継続的に取得、整理、活用する ための課題を述べるとともに、その解決方 策について幅広く述べよ。 1.多自然型川作りの推進方策について幅広く論ぜよ。 2.内水対策の備えるべき事項について、ソフト・ハード両面から幅広く述べよ。 3.ダム形式の構造的特徴を考慮した技術的判断を行う際の留意点。 4.重力式コンクリートダムのコンクリート打設時期の推定。 5.地すべり対策工法の計画・設計の際の検討・留意すべき点 6.土砂災害の特質と、講ずべきソフト対策の技術的課題 7.海岸の現状と海岸保全の方向 8.砂浜の機能と維持管理の方策 1.地球温暖化等による気候変動に起因し た異常気象の増加が懸念されている。こ れらに関する現状の知見を整理した上で、 河川、砂防、海岸分野において対処すべ き課題と方策について幅広く意見を述べよ。 2.今後、ストックが増大して中で、いかに して維持管理を行っていくべきか、あなた の考えを述べよ。 1.代表的な護岸被災形態を3つ挙げ、そのうちの一つについて環境に配慮した 復旧工法を提案せよ。 2.ある河川について、流下能力を増大させる改修工事に当り、問題点、代替え 案の提示。 3.寒冷地におけるフィルダム建設に際して、コスト縮減提案を考えたい。VE効 率や独創性を考慮し、自己の経験も踏まえ、あなたが最も提案したいと思うもの を、仮設計画、施工計画、その他の3分野でそれぞれ一つ挙げ、その理由と期 待する効果を述べよ。 4.大規模地震に対するアーチ式コンクリートダム本体の耐震性能調査の手順 を、各検討段階における留意点を含めて説明せよ。また、照査の結果、所要の 耐震性能が確保されないと判断される場合、どのような対策が考えられ、その 技術的課題は何かソフト・ハード両面から論ぜよ。 5.国や自治体の危機管理が問われるような大規模土砂災害の代表的災害形 態と対策上の留意点について述べるとともに、土砂災害に対する危機管理体制 の課題と今後のあり方について論ぜよ。 6.砂防えん堤の機能について述べたうえで、透過型砂防えん堤の役割と計画 上の留意点について論ぜよ。 7.平成19年4月に公布された海洋基本法のポイントを述べ、今後の沿岸域管 理について、技術者の立場からあなたの考えを述べよ。 8.津波の発生メカニズムについて述べ、津波災害に関する防災対策のあり方 についてあなたの経験を踏まえて論ぜよ。

3. 【専門】 河川、砂防及び海岸部門の過去問題の傾向

過去問題の内容をまとめてみると以下のようになります。 Aグループは 1 問選択して、総合的な河川砂防の あり方 について見識を問います。流域全体における 土砂管理はH 7 ・H 9 ・H 11 ・H 13 ・H 15 と見事に1年おきに出題されており、順番からすると した。水・物質循環系など、環境保全にウェイトが置かれているなあというのが 17 17 年度は出題 かな?と思っていましたが、市民とのコミュニケーション・合意形成という、PI方面からの初出題となりま 年度の感想です。また、 世界水フォーラムをうけたグローバルな水問題からも出題されました。 このように、Aグループは、より広い視野での 見識 を問われる問題が主体になっています。 Bグループも 1 問選択ですが、専門分野ごとに、やや細かくテーマを設定して、 知識( 工法列挙など)・ 留意点・意見 を問います。河川堤防・護岸、都市河川治水、ダム(

2

題)、砂防(土砂災害)、地すべり対 策、高潮、海岸保全の各分野から出題されていますが、 17 年度は災害・環境・コストといった、時代の要 請に応える問題が多かったように思います。

4.18年度までの【専門】の試問事項のパターン例

■ ○○○について概説するとともに、△△△における有効な対策について論ぜよ。 ■ ○○○について概説するとともに、課題と方策についてあなたの考えを述べよ。 ■ ○○○について説明せよ、その対策を挙げ、対策の効果及び課題について論ぜよ。 ■ ○○○について留意点を述べよ。 ■ ○○○について検討すべき点について述べよ。 ■ ○○○の現状と課題を述べるとともに、今後実施強化すべき対策について論ぜよ。

5.応用能力とは

専門知識とは ⇒ 物事について知っていることがら。物事の本質を見通すすぐれた判断力(見識) ⇒ 「見識、留意点、意見」といった問い方をしている。 総監では「応用能力」が試問事項となっている。 そこで、総監に見る「応用能力」の試問方法は ⇒ 見解、ある状況を与えられての実施状況 ⇒ 見解とは、物事に対する見方・考え方・解釈や評価の仕方 一般的に「応用能力」とは ⇒ 理論を実際に当てはめて用いる能力 ⇒ 改善策の策定を行える能力 以上を考慮すると「専門知識と 応用能力 」の試問方法は ⇒ 従来のように「見識、留意点、意見」を踏まえて、「物事に対する見方・考え方・解釈や評価の仕方、 解釈や評価の仕方、又は改善策の策定」を問われると考える。

6.【専門】具体の出題方法の変化

■ ○○○について概説するとともに、△△△における有効な対策について論ぜよ。 ■ ○○○について概説するとともに、課題と方策についてあなたの考えを述べよ。 ■ ○○○について説明せよ、その対策を挙げ、対策の効果及び課題について論ぜよ。 ■ ○○○について留意点を述べよ。 ■ ○○○について検討すべき点について述べよ。 ■ ○○○の現状と課題を述べるとともに、今後実施強化すべき対策について論ぜよ。

○○○について、述べたうえで あなたの意見を述べよ 知識だけではなく、どのようにしていくかという、自分の意見を述べられる 学習が必要

7.河川砂防及び海岸の【専門】(A)の過去10年間抽出 □ 下記の9問題に集約できる。 □ 近年は新しい問題が出題されている。

H19 「地球温暖化」「維持管理」

18 年度 公益的機能と地域との関わり ○ 17 16 15 14 13 12 諸データの取得・整理・活用 市民とのコモュニケーション・ 合意形成 国際貢献 平時・災害時の情報提供 コスト縮減 土砂管理 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 11 10 09 ○ 水問題全般 洪水被害 ○ ○ ○ ○

8.河川、砂防及び海岸部門【専門】(A)の具体的対策

(出題傾向) ・平成2年多自然型川づくり通達後の関連出題、バブル崩壊後は経済状況や労働環境等の社会背景の関連出題、平成5 年 題、平 の環境基本法施行を受けた(建設行政における「環境」の内部目的化等の)関連出題、平成9年河川法改正後の関連出 成15年世界水フォーラム前後での関連出題等のタイムリーな出題傾向もみられた。しかし、平成15年の特定都市河 川等の新 法が制定された後でも、都市洪水対策等の出題がみられなかった状況もある。 ・過去問を確認すると、古くて新しい問題ばかりであることから、河川技術者にとっては必須知識と考えられる。したがって、 過去 問の類似問題も出題されると考えてよい。 ・H18の設問形式に「課題を述べ、解決方策を述べる」とあり、H19も、このような設問形式となっていた。 化 (対策) ・今後の出題は、「課題を述べ、解決方策を述べる」に近いものと予想されるが、回答時間が増加したことから、設問の高度 も想像される。 せる 予想例1 「あるべき河川管理の水準を踏まえ、限られた予算と管理体制という制約の中で、地域の特性に即した河川管理を実現さ ための課題を述べるとともに、その解決方法についてのあなたの考えを述べよ」 ど、 予想例2 「危機事態発生時に、河川管理者として、河川の特性を踏まえ、被害の拡大防止、住民への情報提供、他機関との連携な それらの観点からの危機管理体制の課題と実施方法を述べよ。 ・学習方法としては、従来どおり過去問を穴があくほど眺めること。それらの出題の背景・論点を読みとり、現状と課題、対 応策、 評価、効果、発展の流れで、論文ストーリーが描ける必要。 ・ 国土交通省河川局HPの社会資本整備審議会(河川分科会)資料等を読み込むこと。昨年からの審議会提言には、次の 3 例がある。それ以前の審議会資料も全てチェックする必要あり。 1.安全・安心が持続可能な河川管理のあり方検討委員会 最終提言 2.提言「多自然川づくりへの展開」について 3.総合的な豪雨災害対策の推進について 提言 (豪雨災害対策総合制作委員会)

9.河川、砂防【専門】(B)の具体的対策

(出題傾向) ・出題傾向はバラバラ。予測は不可能であるが、砂防分野では、設問方法は多少のバリエーションがあるものの、土石 流対策についてハード・ソフト両面から論ぜよ、とう主旨の設問が多い(平成14年以前も同じ)。 ・また、今後は、平成18年度のダムで出題されたような、数値と根拠の論理的説明が求められる設問形式となる可能性 もあり得る。平成19年度も具体的実務に近い設問が出された。 H18出題 ・ある重力式コンクリートダム(堤高50m、堤頂長300m、堤体積20万m 3 )のコンクリート打設工期をできるだけ短くする ことが至上命題であるとき、打設工期は概ね何日となるか。推定根拠・あなたの工夫を含めて解答せよ。 H19出題 ・ある河川について、流下能力を増大させる改修工事に当たり、問題点、代替え案を提示せよ。 (対策) ・設問の表現が変わるとして、どれくらいの変更があるのか不明 ・学習方法としては、従来どおり過去問を穴があくほど眺めること。それらの出題の背景・論点を読みとり、現状と課題、 対応策、評価、効果、発展の流れで、論文ストーリーが描けるようにすることしかない。 ・また、担当業務の実施にあたって、現状と課題、対応策、評価、効果、発展の流れを意識しながら取り組むことも肝要。 ・審議会資料、技術基準類、技術マニュアル・手引き等が参考となる。

10.海岸【専門】(B)の過去5年間抽出

□ 保全に関するものは毎年出題されている。 □ もう一問は、H18、H19で新問が出題された。 海岸保全・砂浜保全・環境保全 砂浜の機能と維持管理 津波被害 海岸計画 海洋基本法 19年度 18 ○ ○ 17 ○ ○ ○ 16 15 ○ ○ ○ ○ ○

11.専門問題の勉強方法 1.出題課題の分析 2.課題の知識を得て現状を調べる 3.課題の現在の問題点を調べる 図書 図書、HP、雑誌、論文 4.問題点に対して取られている対策とその評価を調べる 5.新技術を調べる NETIS、雑誌、論文 HP(審議会)、雑誌、論文 6.自分の意見を整理する。

12.【一般】の過去の問題

H08 わが国の社会資本整備を進める上で、求められる品質とそれ確保するための方策 わが国の建設技術の課題と今後の技術開発のあり方 財政構造改革が進められる中で、建設事業におけるコスト縮減の課題と今後の社会資本整備のあり方 H09 環境保全の観点から、わが国の建設事業の現状と建設技術の果たすべき役割 社会経済情勢が変化する中で、効率的・効果的な国土基盤整備を進めるための方策 H10 H11 H12 H13 国際化の現状( ISO 規格、SI単位系、 WTO 協定等)と建設分野に及ぼす影響 少子高齢化が進む中での社会資本整備のあり方 国民の理解を得ながら社会資本整備を進める上での現状での問題点と説明責任向上のための方策 循環型社会の構築に向けた社会資本整備のあり方 建設分野における情報化技術の現状と今後のあり方 これからの社会資本の維持・管理と再生のあり方 経済社会の構造改革が求められている中で、今後の技術開発のあり方 社会経済情勢が変化する中で、これからの都市部と地方部の社会資本整備のあり方 H14 地球温暖化や廃棄物処理等の環境問題に国民の関心が高まりつつある中で、建設分野がとるべき方策 H 15 H16 H17 我が国全体として人口減少がみこまれるなかでの社会資本整備の進め方 いろいろな分野・場面での市民参加の声が高まりつつあるなか、社会資本整備を進めるに当たっての社会的合意形成のあり方 巨大地震の発生が懸念される中で、地震防災対策の現状と課題について述べるとともに、今後のあり方についてあなたの意見を述べよ。 活力ある経済社会を構築するための社会資本整備のあり方について、あなたの意見を述べよ。 災害に強い国づくりのための社会資本整備のあり方について、あなたの意見を述べよ。 平成 17 年 2 月に発効した京都議定書を踏まえ、建設分野が取るべき地球温暖化対策について、あなたの意見を述べよ

H18 ・維持管理・更新投資が増大すると見込まれる中で、その現状と課題を述べ、今後の社会資本整備のあり 方についてあなたの意見を述べよ。 ・社会資本整備における工事の品質確保に関する方策について、あなたの意見を述べよ。 H19 制約の下で、地域の活性化を図っていくための社会資本整備のあり方について、具体策を示しあなたの意 見を述べよ。 ・産業構造の変化等により、人口減少傾向にある地域における社会資本整備の課題を挙げ、厳しい財政の ・巨大地震の発生が懸念される中で地震防災対策の現状と課題について述べるとともに、今後のあり方につ いてあなたの意見を述べよ。

13.18年度までの【一般】の試問事項のパターン例を踏まえての出題方法の予想

■ ○○○について、あなたの意見を述べよ。 ■ ○○○の方策について述べよ。 ■ ○○○の役割について述べよ。 一般的専門知識(H18まで) 論理的考察力と課題解決能力(H19より) 考察力:考え調べること。 「専門知識」は試問事項より削除

□□□する中で、具体策を示し、 ○○○についてあなたの意見を述べよ。 建設白書中心に現在の社会状況を踏まえて、その状況に関わる知識はもちろんのこと、 加えて、課題、問題点及びその解決策を考えておく必要がある。 またそれが自分の身近で起きた場合の具体の対処についてシミュレーションし自分の意見 を整理しておく必要がある。

(参考).総監の過去の問題 ■平成13年度

予想参加人数5万人規模のイベントの開催について 5万人規模のイベント。花火大会など。 主催者側の実行委員長の立場で、このイベントを実施するうえでの 課題と実施方法 を述べよ。 イベントの開始時刻は午後7時、終了時刻は午後9時の予定。 交通機関は、JRの支線が最寄り駅。会場から500m離れている。普通は1時間に1本の割合だが、当日はJR増発を 予定。会場から10kmの距離にある近郊大都市からはシャトルバスによる輸送も検討。 JR最寄り駅から会場へは1本の道路しかない。会場へ向かう道路の途中、交通量の多い国道あり。そこには歩道橋 が架かっている。イベント会場は海浜。陸上からの動線は上記のみ。

■平成14年度

「環境アセスメント」、「ライフサイクルコスト」、「工程管理」に言及しながら、総合技術監理の視点から 見解 を述べよ。な お、考察に当たって、具体的な設定を自分で行い、その設定した事項も記載せよ。 (1)5万人規模のサッカー競技場の建設

■平成15年度

危機管理の事項に関して述べよ。 考察に当たって,必要に応じ具体的な設定を自分で行い,その設定した事項も記載せよ。ここでいう危機管理とは,緊 急時対応としての初動から再発防止までの範囲をいうものとする。 地震の発生に伴い大きな建物被害が予想される地域で,完成後は多数の人々か継続的に利用する建築物を建設中 である。この工事において,内部検査により耐震性能が基準を満たさないことが明らかとなった。その建築物の落成が1 ヵ月優に追っており,落成直後のイベントも決定されている。このような状況において,施工会社の総合技術監理の技術 士として 実施すべき事項 を記載せよ。

■平成16年度

最近、施設事故や製品欠陥等に起因する大きな社会問題が発生している。 これらの中には、大きな事故等の可能性を示す小さなトラブルや予兆があったにもかかわらず、その対処がう ま くいかず大きな問題を発生させてしまった場合も多い。 このような状況を防止するために必要な 対策プログラムを検討 し述べよ。その際、プログラムの対象とする 事 故等を設定し、組織マネジメント、コンプライアンス対応、情報開示の対策を必ず含めることとする。

■平成17年度

コストや安全時の諸管理は、トレードオフの関係にあるとの認識が定着しつつある。しかし、二律背反的な トレードオフという認識にとどまっている限り、どちらかの管理を優先させ他の管理目標を切り捨てれば済むとい う安易な発想に陥ったり、掲げる方針と実態が乖離することにより本来求めるべき管理の最適化とはならない 場合がある。今日の複雑化する社会においては、多くの管理技術について、総合的な関係の把握とそれらを 踏まえての最適な技術的管理対応が求められる。 以上の観点を踏まえ、あなたが過去に従事した業務に置いて、5つの管理分野(「経済性管理」、「安全 管 理」、「人的資源管理」、「情報管理」、「社会環境管理」)の個別管理の徹底だけでは解決できない状 況 となった具体的なケースを取り上げ、その課題を総合技術監理の視点から整理して述べよ。なお、整理に 際 しては、3つ以上の管理分野に言及しつつ記述すること。また、1つの業務において3つ以上の管理分野に わ たる課題が設定できない場合には、複数の業務に関して言及してもよい。 上記で述べた課題について、総合技術監理の立場から、 あるべき判断と実施すべき対応 をまとめよ。

■平成18年度

以下の(1)、(2)の問題に答えよ。 (1).チェツクリストを作成する対象として、あなたが従事した、または従事している業務から一つ取り上げ、 その内容を簡潔に記述せよ。 その業務に関して、チェツクリストとして作成すべき事項を、計画時、実施時の2つのフェーズに分け、 計画時のチェツク項目を「経済性管理」と「社会環境管理」の2つの視点から、また実施時のチェツク項目 として「安全管理」、「人的資源管理」、「情報管理」の3つの視点の中から2つ選んで記述せよ。 (2).業務状況が変化した場合の変更管理の考え方を(1)に記した業務を前提として、総合技術監理の視 点から記述せよ。検討の条件となる業務状況の変化は以下の通りとする。 「業務実施時の後半において、納期達成のためには今の人的リソースが不足していることが判明し た。」

■平成19年度

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