Transcript 第9回-2

Silicate Earth: 地殻+マントル
地球惑星物性学1要点 2012年度(2013/1)
以下の要点を復習すること。
1、月、地球、火星、水星はそれぞれ特徴的な内部構造を持っている。それぞれの天体の半径、慣性モーメントファクター、平均密度の特徴から
内部構造の違いを説明せよ。ただし均質な弾性体の球では慣性モーメントファクターが0.4となる。
2、地球内部のBullenの区分(A~G層)について説明せよ。
3、次の物理量の定義式を記せ。縦波Vp、横波Vs、バルク音速Vb、地震パラメータΦ。断熱体積弾性率Ksとの間にはどのような関係があるか。ま
た、それらは温度と圧力とともにどのように変化するか。
4、最近の地震波トモグラフィの情報から地球内部のマントル遷移層と核マントル境界に大きな異常が見出されている。これらはどのような異常か、
そのような異常はどのように解釈されているか。
5、地球内部の温度分布はどのように推定されているか。推定方法を述べよ。また、その温度分布はどのようなものか。
6、地球内部の断熱温度勾配はdT/dZ=-αgT/Cpで表わせることを証明せよ。ただしαは熱膨張係数、gは重力加速度、Tは絶対温度、Cpは定圧
比熱である。α=4*10^(-5) /K, Cp=0.25cal/gKすると下部マントル最上部での断熱温度勾配は-0.4K/kmとなることを示せ。下部マントル最上部が2
000Kとするとき核マントル境界のマントル側の温度を見積もれ。
7、PREMとはなにか。その特徴を、密度、縦波速度、横波速度について説明せよ。また、地球内部の大きな不連続を4つ挙げ、それぞれの原因に
ついて説明せよ。
8、熱力学的関係式について、関係式と定義を説明せよ。①熱膨張係数、②等温体積弾性率、等温圧縮率、断熱圧縮率、③クラウジウス・クラペ
イロンの式、定圧比熱、定積比熱。
9.地球内部は静水力学平衡になっているとみなされる。その関係式を示せ。均質、静水力学平衡、断熱、弾性体の天体ではAdams-Williamson
の関係がなりたつ。この関係式を説明せよ。
10、宇宙存在度と地球の珪酸塩の部分(地殻+マントル)の組成の類似点と相違点を記せ。Mg/Si比、親鉄元素存在度、揮発性元素の存在度の
相違などについて記せ。
11、原始太陽系星雲で生じた凝縮作用(Condensation)について説明せよ。アレンデ隕石にCAIと呼ばれる物質が含まれている。この物質につい
て説明せよ。
12.初期地球で生じた諸過程を主要なものを4つ記せ。
13、上部マントルを構成する岩石をなんと言うか。またその岩石はどのような鉱物から構成されているか。代表的な鉱物を3つ上げよ。また、それ
らの鉱物の化学式(分子式)を記せ。
14、マントルをつくる元素について、多いものから7種類を上げよ。また、地球の核は主にどのような組成を持っていると考えられるか。また、その
ように考えられる理由を記せ。核をつくる軽元素について、可能性のあるものを3つ上げよ。また、その軽元素が核に含まれていると考えられる理
由を記せ。
15、地球のモデルとしてRingwoodやWankeによって提案された二成分モデルがある。このモデルについて説明せよ。地球と火星はこのモデルで
はどのように説明されるか。
16、マントルの化学組成の特徴について、以下のことを説明せよ。
(1)ニッケルのパラドックスとは何か。
(2)ニッケルのパラドックスはどのように説明されているか。
(3)強親鉄元素の存在度にはどのような特徴があるか。
(4)強親鉄元素の存在度の特徴はどのように説明されているのか説明せよ。
(5)マントルと地殻の揮発性元素の存在度はどのような特徴があるのか。
(6)揮発性元素の存在度の特徴はどのように説明されているのか。