二級河川佐野川水系河川整備計画(変更原案)の概要

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二級河川佐野川水系河川整備計画(変更原案)の概要
流域の概要と河川の特性
河川環境(水質)
90
40
80
35
70
30
下水道整備人口
河川
佐野川
住吉川
雨山川
住吉川下流
延長
3.0km
4.8km
1.4km
(府管理区間)
行政人口
普及率(大阪府)
5
佐野川:昭平橋(基準点)
雨山川:佐野川合流直前(準基準点)
D類型
普及率(熊取町)
H22
H20
住吉川:向田橋(準基準点)
基準値(E類型)
〔現状〕
○環境基準については、佐野川が、E類型(BOD10mg/l以下)に指定(環境基準点は昭平橋)
○平成3年度以降、熊取町の下水道整備が進み、平成15年度以降、環境基準を下回るようになっており、
近年は、コイやフナの生息に適するとされるC類型の基準値(5mg/l以下)に近づいている。
○支川の雨山川、住吉川には環境基準が設定されていないが、準基準点が、佐野川合流前(雨山川)、向田橋(住吉川
)に設置されており、近年は佐野川と同レベルの水質となっている。
〔課題〕
○環境基準は達成しているものの、魚の生息の観点からみると、さらなる水質の改善が必要
〔目標〕
○魚の生息にふさわしい水質
〔実施内容〕
○流域市町による下水道整備・接続の促進など、関係機関や地域住民と連携して、未処理生活雑排水の流入を削減
するための取り組みを進める。
河川環境(利水・生態系)
佐野川
住吉川上流
雨山川
○雨山川
・概ね市街地内を流れており、川幅が6~10m程度と狭小で
あるものの、市街地内のオープンスペースとなっている。
・瀬や淵が形成され自然環境が残っている所も多い。
・JR阪和線から平見橋の区間では、自然河岸に、タケやクス
ノキなどの河畔林が形成されている区間がある。
○住吉川上流
・住吉川上流は、農地と宅地が混在する区間を川が流れており、
川幅は5~15m程度である。
・桐方橋~三昧橋の区間では、自然河岸にタケやアラカシ、アカメ
ガシワなどの河畔林が形成されている区間がある。
・三昧橋付近より上流では、コンクリートブロック積の河道が続い
ている。
〔利水・縦断的な連続性に関する現状〕
昭平橋(環境基準点)
○佐野川で4件(取水口は5件) 、住吉川で4件、雨
山川で2件の農業用取水堰が設置されており、い
ずれも慣行水利による取水。
○河道改修区間には、1件(西代井堰)の農業用
取水堰が設置。
○農業用取水堰のほか、住吉川の最下流には落 下の垣外井堰
差工が設置されているが、水位差が大きいもの
下川井堰
の魚道が整備されていないため、上流への水生
生物の移動が困難な箇所がある。
佐野川合流点
○雨山川、住吉川には、小規模の落差工(比高
(準基準点)
0.5m以下)も多数設置
小脇井堰
川田井堰
上川井堰
向田橋(準基準点)
西代井堰
上川井堰
佐野川 川田井堰
大敏町井堰
大井出井堰
菰池井堰
住吉川 西代井堰
環境基準点
住吉川上流
雨山川(JR阪和線~平見橋)
H18
H16
H14
H12
H8
H10
H6
H2
S63
S61
H4
C類型
0
S59
23
21
19
17
15
13
9
11
7
5
3
H1
62
60
58
0
S56
0
10
S57
10
15
S55
20
E類型
20
S53
40
4
25
S51
50
S49
6
S47
60
普及率( %)
8
2
住吉川下流(紺屋橋~紺野上橋付近)
佐野川水系の水質経年変化(BOD75%)
100
10
30
佐野川(佐野川橋上流)
資料 1-1
熊取町における流域下水道の普及率
BOD75%値(mg/l)
○住吉川下流
・熊取町の市街地内を川が流れ、護岸際まで住家が立地。
・川幅は5~15m程度で、河道が蛇行し、瀬や淵を形成。
・万福橋から桐方橋の区間は、屋敷囲塀や蔵のある住家が残る
地区や、熊取煉瓦館が立地する熊取歴史公園内を流れており、
地域の歴史を感じることができる河川景観となっている。
人口(万人)
○佐野川
・市街地内を流れており、川幅が20~30m
・河道内には瀬や淵、河原が形成され、自然環境が残る。
・中庄橋周辺のわん曲部外岸には、淵が形成されており、そ
の護岸上にタケなどの河畔林が形成されており、淵部に日
陰を与えている。下流には瀬が続き、内岸には河原が形成
されるなど、多様な環境となっている。
平成25年9月2日(月)
平成25年度 第5回
大阪府河川整備審議会
三昧橋より下流
最上流部付近
井堰の箇所図・水質調査位置図
治水(河道改修)
〔魚類に関する現状〕
○全川を通じて、府域で広く見られる魚が確認されている。
○佐野川では、海と川を回遊するウナギが確認されている。
○上流側の住吉川・雨山川では、比較的自然環境が残った川に見られる魚が確認されている。
佐野川(
感潮域)
【 住吉橋】
種数
9( 3)
1)
住吉川
雨山川
【 桐方橋】
【 巽橋】
8( 3)
1)
9( 2)
〔現状〕
○佐野川水系河川では、50mm/hr降雨で危険度Ⅱの被害が発生。(特に、中庄橋下流の屈曲部付近、住
吉川の向田橋~煉瓦館付近、住吉川の上流、雨山川のJR阪和線~平見橋付近の区間(図中の赤囲
い部))。
○現在、国道26号~中庄橋の区間については、ショートカット部を含め、河道改修を実施中。(図中の青
囲い部)
〔課題〕
○住吉川下流
:地域の歴史的・文化的景観を損ねる恐れ
○住吉川上流・雨山川:狭小部における自然環境への配慮
〔目標・実施内容〕
○住吉川下流
:周囲の景観に配慮した護岸材料を選定する。
○住吉川上流・雨山川:現状の自然環境(瀬と淵など)に近づくよう、河床に変化をもたせる。
1)
ド ジ ョ ウ・ タ モ ロ コ
大阪府R D B 記載種
カ ワア ナゴ
その他の主な種
ウナギ・
ボラ ・ コ ト ヒ キ・ モ ツ ゴ
ブ ルーギル
ド ンコ
メ ダカ
カ ワムツ ・ ギン ブ ナ
コ イ ・ モツ ゴ・
オオク チバス
ブ ルーギル
現況河道における氾濫シミュレーション
時間雨量50mm(1/10年)
※被害最大となる破堤地点での破堤を想定(1
洪水)
1) ()内の数値はH17年の結果(調査箇所が一部異なる)
河川環境(水利用・生態系)からみた課題・目標・実施内容
〔課題〕
○井堰や落差工による縦断的な不連続性が存在しており、回遊性の魚類の移動を妨げている。
〔目標〕
○井堰や落差工による縦断的な不連続性を解消する。
〔実施内容〕
○農業関係機関と連携し、農業用水などの適正かつ効率的な水利用を図るとともに、改修や維持補修の機
会に合わせて、魚道を設置する等により、不連続性を解消し、河川の流水の正常な機能を維持することに努
める。
河川沿いの旧家(住吉川紺屋上橋)
景観に配慮した
護岸のイメージ
(金沢市内)
住吉川下流における改修
昭平橋
現改修区間
河川利用(空間利用・住民ニーズ)
〔現状〕
○住吉川での過年度のアンケート調査によると、「散
歩・散策」や「河川の清掃活動」といった利用がなさ
れているが、水とふれあうような利用はあまりなされ
ていない。
○その理由としては、護岸が0.5~1.0割と急勾配であり、
護岸上から河床まで3~7mと深く、河道内へのアクセ
スが困難なことが考えられる。
○護岸上に家屋が立地して、河川沿いの道路が少ない。
2 3 .0 %
散歩・散策
0 .0 %
水遊び
住吉川下流における改修区間
1 .8 %
釣り・魚とり
4 .4 %
休憩・憩い
3 .5 %
自然観察・昆虫や植物の採集
2 3 .9 %
河川の清掃活動
2 .7 %
農業用水などの管理
2 3 .9 %
その他(意見)
無名橋下流
1 6 .8 %
無回答
0%
5%
10%
15%
20%
25%
雨山川における改修区間
30%
アンケート調査(住吉川に行く目的)
〔課題〕
住吉川の清掃活動
○アドプト・リバーなど、地域住民による河川利用を活性化する上で、
※出典 NPO法人まちづくりネット熊
河道内へのアクセスが困難なことが課題。
取HP
〔目標〕
○河川や河道内へのアクセスの改善
〔実施内容〕
○地域住民による河川の利活用が活発な区間において、河道内へ
のアクセスポイントを確保する。
○河川改修に合わせて、管理用通路の確保に努める。
佐野川 佐野川橋下流
住吉川 熊取駅前
雨山川 豊穣橋下流
住吉川上流にお
ける改修区間
河川の維持管理
久保地区の河道
〔現状・課題〕
○昭和27年7月の集中豪雨を契機として災害復旧事業に着手し、昭和47年に治水計画が策定され、また、
昭和54年度から局部改良事業に着手するなど、設置後30年以上が経つ護岸の老朽化が目立つ。
〔目標・実施内容〕
○老朽化護岸対策について、河川の特性や施設の劣化状況を踏まえつつ、計画的な維持管理を実施し
て災害の発生を未然に防ぐため、人命を守ることを最優先に、施設の損傷状況にあわせ、地先の危
険度や土地利用状況などを考慮し、危険度の高いところから計画的に実施。実施にあたっては、箇所
ごとの原因分析を行い、長寿命化につなげていく。