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1
米国におけるHIV治療に伴う課題:
長期の非AIDS合併症のマネージメント
Ann Khalsa, MD, MSEd, AAHIVS
Centro de Salud Familiar La Fe CARE Center
Texas-Oklahoma AIDS Education
and Training Center
El Paso, Texas, USA
2
概要
• 非AIDS合併症と早期老化
• 合併症:
– 心血管疾患
– 肝臓疾患
– 腎疾患
– 骨粗鬆症
• 早期老化の予防 / 治療
3
非AIDS合併症の有病率の増加
治療を受けている HIV陽性患者に認められている
• 心血管疾患
• 癌 (非AIDS)
• 骨粗鬆症
• 肝疾患
• 腎疾患
• 神経認知障害
• 代謝障害: 糖尿病, 脂質代謝異常
高齢のHIV陽性患者で認められるものと同様
4
合併症および早期老化の増加
年齢、HAARTおよびトラディショナルなリスクファクターで調整後も認められる
正常
老化
HAART
毒性
継続的な
ライフ
免疫機能
スタイル
障害
Adapted from Deeks, RWCA Clinical Update 2009
5
USでは50歳以上のHIV感染者数が増加
• 2005年の50歳以上の患者の内訳は
– 15%は新たにHIV/AIDSが診断された人
– 24%はHIV/AIDSと共に生きる人
• 2001年の17%から増加
– 29%はAIDSと共に生きる人
– 35%はAIDS患者での死亡者
• 2015までにHIV/AIDSと共に生きる人の50%が高齢者となると
予測されている。
• この増加の原因として挙げられることは:
– 効果的な抗HIV薬が利用可能、そして
– 高齢者で新たに感染が判明
CDC. HIV/AIDS Surveillance Report, 2005. Vol 17. Rev ed, 2007.
治療を受けたHIV感染患者における
炎症性マーカーの上昇
年齢、性別、人種やCVリスクで調整しても
調整していない
年齢、性別、人種で調整
全CVリスクファクターで調整
for CV risk factors
年齢45-76歳
*BMI、喫煙、TC、HDL、DM、
BPおよび高脂血症治療
Neuhaus J, et al. CROI 2009. Abstract O-140.
From SG Deeks, MD, at 12th Annual Ryan White HIV/AIDS Program Clinical Conference, IAS–USA.
6
7
免疫機能不全:
CD4低値と非AIDS合併症
現在のCD4低値はリスク上昇と有意に相関するか?
非AIDS関連
悪性腫瘍
腎疾患/死亡
心血管イベント
/死亡
肝疾患
/死亡
FIRST
Yes
Yes
傾向あり, NS
No
D:A:D
Yes
Yes
傾向あり, NS
Yes
CASCADE
Yes
NA
Yes
Yes
傾向あり, NS
傾向あり, NS
傾向あり, NS
Yes
試験
SMART
Phillips A, et al. 15th CROI; 2008; Boston. Abstract 8.
治療中にもかかわらずCD4低値の場合、
AIDSおよび非AIDSイベントのリスクが高い(D:A:D)
Relative Risk
100
HIV/AIDS
癌
10 -
心臓
肝
1.0
<50
50–99 100–199 200–349 350–499 >500
CD4+ Cells/mm3
Weber R, et al. CROI 2005. Abstract 595. See also: Weber R, et al. Arch Intern Med. 2006;166:1632-1641.
Philips AN, et al. AIDS. 2008;22::2409-2418. Baker JV, et al. AIDS. 2008;22:841-848.
From SG Deeks, MD, at 12th Annual Ryan White HIV/AIDS Program Clinical Conference, IAS–USA.
8
9
概要
• 非AIDS合併症と早期老化
• 合併症:
– 心血管疾患
– 肝臓疾患
– 腎疾患
– 骨粗鬆症
• 早期老化の予防 / 治療
10
PI投与期間と共に心臓イベントのリスクが上昇
D:A:D Study Group: 他のリスクファクターと独立的なリスク上昇
総症例数 =23,437
追跡期間
中央値 = 4.5yrs
心筋梗塞 = 345
Friis-Moller N et al. NEJM 2007;356:1723-1735.
一致しない結果: HIV感染者およびHAART治療患者に
おけるCVDリスクに関する主な試験より
デザイン
イベント
試験
N
VA1
36,766
R
1,207
CHD
HOPS8
1807
P
SMART9
5472
Kaiser3
抗HIV療法
効果
トラディショナル・リスク・ファクター
HAART or PI
No
上昇なし
84 CV
events
特定の抗HIV薬
No
40歳超, 糖尿病, 高血圧
p
63
CHD
間欠性HAART
No – 治療中断で
合併症が発現
年齢
4408
R
86 MI
PIs
HIV陽性と陰性で
のリスクの比較
PI患者ではリスクなし
上昇なし
Medi-Cal4
28,513
R
NA
ART
18-33歳で抗HIV療
法によるリスク
上昇なし
DAD2
23,490
P
345 MI
HAART and PI
Yes
喫煙, 年齢, 性別, 高血圧,
糖尿病
French5
34,976
R
49 MI
PI
Yes
年齢
Johns
Hopkins6
2671
Case
control
43
CHD
HIV+ vs. HIV-
Yes
年齢, 高血圧, 糖尿病
Frankfurt7
4993
R
29 MI
HAART
Yes
40歳超
1. Bozzette SA, New Eng J Med. 2003;348:702–10
2. Friis-Møller N, 13th CROI, Denver 2006, #144
3. Klein D,13th CROI, Denver 2006, #737
4. Currier JS, JAIDS. 2003;33:506–12
5. Mary-Krause M, AIDS. 2003;21:2479–86
6. Moore RD, 10th CROI, Boston 2003, #132
7. Rickerts V, Eur J Med Res. 2000;5:329–33
8. Lichtenstein K, 13th CROI, Denver 2006, #735
9. El-Sadr W, et al. 13th CROI, Denver 2006, #106LB
11
HIV感染患者におけるCVDリスクに影響
するファクター
遺伝的
影響
脂質異常
糖尿病
体脂肪分布異常
CVD
HIV感染
Adapted from Grinspoon S et al. N Engl J Med. 2005;352:348.
抗HIV療法
12
13
PI治療におけるCVDリスクの原因として、
コレステロール以外で考えられるもの
•
•
•
•
•
•
•
•
内皮機能障害
内皮透過性上昇
インスリン耐性
血管壁への脂質集積加速
炎症
血管損傷に対する反応の低下
酸化的ストレスの増加
リポアトロフィー / アディポネクチン低下
M/ Dube, AAHIVM-AHA CVD Conference Chicago June 2007
FRAM 2 cIMT Study: HIV感染症自体が
アテローム性動脈硬化の独立したリスク
• クロスセクショナルスタディ
• 無症候のアテローム性動脈硬化のエビデンス
頚動脈エコー内膜中膜複合体厚(cIMT) (mm)
HIV陽性
(n=433)
コントロール
(n=5479)
1.17
1.06
–
関連因子に関する多変量解析
内側 cIMT (mm)a
因子
の差
P値
HIV感染症
0.15
<.0001
現在喫煙者
過去喫煙者
0.17
0.09
年齢 (10歳ごと)
0.16
男性b
0.13
糖尿病
0.12
収縮期血圧
0.05
• 人口統計学的事項およびCVDリスクファク
ターによる調整後、HIV感染症ではコント
ロール群よりアテローム性動脈硬化の症例
が多かった。
その差は 0.15 mm (P =.0001)
• HIV感染症はトラディショナルなものと同様
のリスクファクターである。
14
aP
<.001 全ての因子に対して.
(女性 > 男性).
b有意な性差
“HIV感染患者にCVリスクファクターに関して助言する場合には、HIV感染症自体がアテローム性
動脈硬化の独立したリスクであることを考慮すべきである。”
Grunfeld C, et al. 16th CROI; 2009; Montreal. Abstract #146.
15
フラミンガムCVDリスクスコア
• 心筋梗塞あるいは冠動脈死の発現の10年リスクを予測する
ためのもの
• 心臓疾患あるいは糖尿病を有さない20歳以上の成人向け
• 以下に基づくスコア
• 年齢
• 性別
•  総コレステロール
•  HDLコレステロール
• 喫煙者
•  収縮期血圧
• 高血圧治療中
National Heart, Lung, and Blood Institute. http://hp2010.nhlbihin.net/atpIII/calculator.asp?usertype=prof#moreinfo
16
フラミンガム リスク スコア:
HIV陽性患者では過小評価となる
抗HIV薬投与に伴う心筋梗塞発現率の実数および予測値 (D:A:D Study)
1,000 ・
人
年
あ
た
り
の
発
現
率
・
予
測
値
8
7
実数
最善の予測値
6
5
4
3
2
1
0
None
<1
Law MG et al. HIV Med. 2006;7:218-230.
1-2
2-3
抗HIV薬投与期間(年)
3-4
>4
17
概要
• 非AIDS合併症と早期老化
• 合併症:
– 心血管疾患
– 肝臓疾患
– 腎疾患
– 骨粗鬆症
• 早期老化の予防 / 治療
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HIV/HBV重複感染
肝不全リスク上昇
• 多施設AIDSコホート試験
– HB抗原陰性MSM 4967例
• HIV: 47% (n=2346)
– HBs抗原陽性 326例
• HIV: 65% (n=213)
• HIV/HBV重複感染
– HBV単独感染よりも肝死の
リスクが19倍高値
– 肝関連死亡のリスクは以下で
上昇
• アルコール摂取
• CD4陽性細胞数最低値↓
• 抗HIV療法
HIVおよびHBVの状況による肝死
20
1,000
人 15
・
年
あ
た
り 10
の
発
現
率
14.2
* P <.001
5
0.0
0.8
1.7
0
HIV, HBV HBVのみ
なし
HIVのみ
HIV/HBV
*P値は HIV/HBV vs HBV単独 および HIV単独
Thio CL, et al. Lancet. 2002;360:1921-1926.
19
HBV/HIV重複感染患者の治療についての
DHHS推奨
治療の必要性
推奨される治療
HIV必要、HBV不要
NRTIバックボーン第一選択としてTDF/FTCもしくはTDF + 3TCを考慮
注: HBVのみの治療を目的とした3TC, FTC, あるいはTDFの使用は、HBV耐性
リスクを有するため避けるべき
HIV必要、HBV必要
NRTIバックボーン第一選択としてTDF/FTCもしくはTDF + 3TCを考慮
(両ウイルスに対する効果) もしくは
ETC (エンテカビル) + 上記NRTI 1剤
注: HBVのみの治療を目的とした3TC, FTC, あるいはTDFの使用は、HBV耐性
リスクを有するため避けるべき
HBV必要、HIV不要
Peg-IFN-α (HIVもしくはHBVの耐性変異を誘導しない) もしくは ADV
(HIV耐性変異誘導リスクあり)
HIV薬剤耐性変異の早期発現を避けるため、十分なHAARTレジメン以
外では、 FTC, 3TC, TDFおよびETC を使用すべきではない
DHHS. Guidelines for the Use of Antiretroviral Agents in HIV-1-Infected Adults and Adolescents. November 3, 2008.
http://AIDSinfor.nih.gov.
20
HIV陽性患者におけるHCV感染
死亡の増加
• HIVはHCV疾患を悪化 :
–
–
–
–
–
–
ウイルス消失なしの持続的なHCVウイルス血症
 末期肝疾患 (線維症 & 肝硬変)
 肝細胞癌
線維化加速: ~20 vs 30 yrs
炎症グレード高値 (HCV単独と比較)
更なる肝疾患兆候の増加
• HCVはHIV疾患を悪化:
–  抗HIV療法による肝毒性
– HIV病期進行加速
21
HCVの罹患・死亡率
HAART時代における入院および死亡
• New England Medical Center, ボストン, Mass.
• HIV関連死:
– 肝不全:
1991
1996
1998-99
13.9%
11.5%
50 %
58 %
93.8%
– HCV+:
Soriano V, et al. J Antimicrob Chemother. 2006;57:815
22
HCV/HIV重複感染患者の治療についての
DHHS推奨
• すべての重複感染患者でHCV治療を検討
• 標準ガイドラインによるHCV治療
– CD4 < 200では、HAARTによる免疫再構築がある程度落ち着くまで
HCV延期を検討(HCVへの効果の改善のため)
– CD4高値では、薬剤数の負荷、薬剤毒性および薬物相互作用の点
からHCV治療終了までHAART開始延期を検討
– HCVへの効果を最大化するため、HCV治療の減量よりも副作用治
療を試みる
• 抗HIV薬の併用は注意が必要
– 肝毒性の可能性について抗HIV薬をモニターする
– 貧血増加のため、AZTとリバビリンの併用は避ける
1DHHS.
Guidelines for the Use of Antiretroviral Agents in HIV-1-Infected Adults and Adolescents. November 3, 2008.
http://AIDSinfor.nih.gov. 2Soriano V, et al. AIDS. 2007. 21(9):1073-1089.
HCVによってHAART施行中の
CD4上昇は鈍化する
Grueb G et al. Lancet 2000; 356(9244):1800-5.
23
24
概要
• 非AIDS合併症と早期老化
• 合併症:
– 心血管疾患
– 肝臓疾患
– 腎疾患
– 骨粗鬆症
• 早期老化の予防 / 治療
米国における慢性腎疾患(CKD)の疫学
20歳以上
GFR <15*
Stage 5
0.4%
Stage 4
GFR 15-29*
Stage 3
GFR 30-59*
5.4%
Stage 2
25
米国人の16.8%がCKDを有する
• 白人, 非ヒスパニック
16.1%
• 黒人,非ヒスパニック
19.9%
• メキシコ系米国人
18.7%
GFR 60-89*
5.4%
Stage 1
GFR >90*
5.7%
*GFR measurement in mL/min/1.73 m2; MMWR, 2007;56:161-165.; NHANES 1999-2004
26
腎疾患の相加的なリスクファクター
修正可能なリスクファクター 修正不可能なリスクファクター
• 糖尿病
• 高血圧
• 鎮痛剤の過剰使用
•
•
•
•
•
•
•
治療に対するアレルギー反応 •
(抗生剤など)
薬物乱用
腎結石
炎症(糸球体腎炎など)
年齢
外傷または事故
腎疾患の家族暦
他の疾患の存在
– HIV/AIDS, HCV, 狼瘡,鎌状赤血
球貧血, 癌, うっ血性心不全
27
Johns Hopkins HIV 臨床コホート:
人種によるHIV感染者のCKD (1990-2004)
0.25
黒人
白人
0.20
(
全
コ
ホ
ー
ト
)
CKD
を 0.15
有
す 0.10
る
率 0.05
0.00
HR 1.9, 95% CI (1.2-2.8)
P =.002, log rank test
0
12
24
36
48
月
リスクの数
白人
924
819
696
565
464
アフリカ系
3261
2949
2464
2031
1629
Lucas G et al. 15th CROI; 2008; Boston. Abstract 972.
28
スイスHIVコホート : TDFは近位尿細管障害
(PRT)のリスク上昇と関連
•
スイスHIVコホート試験のクロスセクショナル解析 (N = 1202)
•
PRT = 以下の4つの指標のうち3つ以上の病理学的状況を有する: リン酸塩もし
くは尿酸の分画排泄率 (FE) , 尿中のタンパク/クレアチニン比, 正常血糖性糖尿
病
•
PRT発現率はTDF+PI投与患者で最も高かった (TDFなし, PIなし との比較):
OR: 7.1 (95% CI: 2.5-19.8; P < .001)
TDF+, PI+ (n = 426)
TDF+, PI- (n = 320)
TDF-, PI- (n = 221)
2%
5%
12%
11%
17%
9%
18%
PRT
50%
FE (phos) > 20%
FE (phos) > 10%
および低リン酸血症
機能正常
20%
97 (80-118)
20%
58%
78%
103 (88-124)
cGFR中央値(IQR)
Fux C, et al. CROI 2009. Abstract 743. Graphics reproduced with permission.
107 (88-127)
29
Johns Hopkins HIV 臨床コホート:
TDFの腎に関する安全性
GFRのベースラインからの>25%および
>50%低下のKaplan-Meierプロット
GFR25%低下に関連する多変量解析
1.00
Hazard
Ratio
95% CI
TDF vs NRTI 使用
1.04
0.68, 1.59
黒人
1.52
0.85, 2.72
高血圧
1.56
1.00, 2.45
PI(RTVブースト)
2.14
1.37, 3.34
45歳以上
2.31
1.44, 3.69
CD4 <200
(ベースライン)
2.66
1.65, 4.29
TDF (n=201)
NRTI (n=231)
GFR
低 0.75
下
の
確 0.50
率
GFR 低下 >25%
0.25
GFR 低下 >50%
0.00
0
100 200 300 400 500 600 700 800
日にち
Gallant JE and Moore RD. AIDS. 2009;23(15):1971-1975.
30
概要
• 非AIDS合併症と早期老化
• 合併症:
– 心血管疾患
– 肝臓疾患
– 腎疾患
– 骨粗鬆症
• 早期老化の予防 / 治療
31
加齢に伴う骨密度低下
ピーク骨密度に対する相対的影響(男性):
•40~83%は遺伝要因
•27~60%は環境要因
骨
量
変
化
率
(
%
)
骨量は年0.5~1.0%低下
ピーク
1.2
1.0
0.8
男性
0.6
0.4
女性
0.2
0
0
10
20
30
40
年齢
Orwoll ES, et al. Endocr Rev. 1995;16:87-116.
50
60
70
80
HIV感染患者における骨密度低下には
多くの要因の関与の可能性が考えられる
•骨(要素)獲得減少
•骨髄における脂肪沈着
•身体活動減少
•筋量減少
•脂肪量減少
•栄養不良
•HIV感染
•肝疾患
•早発閉経
•性腺機能低下症
•喫煙
骨密度低下
•ヌクレオシド系薬/
ミトコンドリア障害
•PI
•他の治療(ステロイド, 抗痙攣
薬)
•アルコール摂取
Glesby M et al. CID supplement September 2003.
•家族暦
•女性
•加齢
32
HIV陽性患者における骨密度変化の
メタアナリシス
HIV陽性患者
• 骨密度低下:
– 有病率
– リスク
67%
6.4倍
• 骨粗鬆症:
– 有病率
– リスク
15%
6.4倍
骨密度減少(%)
報告
HIV陽性
HIV陰性
Amiel et al 2004
82.5
35.8
Brown et al 2004
63
32
Bruera et al 2003
64.8
13
Dolan et al 2004
63
35
Huang et al 2002
66.6
11
Knobel et al 2001
87.5
30
68
34
59.3
7.8
Tebas et al 2000
40
29
Teichman et al 2003
76
4
77.4
56
Loiseau-Peres et al 2002
Madeddu et al 2004
Yin et al 2005
Brown TT & Qaqish RB. AIDS. 2006;20:2165-2174.
33
34
骨折有病率はHIV感染と関連する:
ボストンデータベース
1996-2008年: HIV陽性者 8,525例 / HIV陰性者 2,208,792例
7
6
5
4
3
2
1
0
HIV+
HIV-
P=0.0002
(全体比較)
男性
Fracture Prevalence/100 Persons
Fracture Prevalence/100 Persons
女性
HIV+
7
6
5
4
3
2
1
0
P=0.0001
(全体比較)
30-39
30-39 40-49 50-59 60-69 70-79
Age (years)
a
Clinical care data registry from the Partners HealthCare System:
Brigham Women’s Hospital and Massachusetts General Hospital.
Triant, VA et al. JCEM. 2008;93:3499-504.
HIV-
40-49
50-59
Age (years)
60-69
70-79
ビタミンD欠乏症は人種、CD4陽性細胞
最低値およびEFV使用と関連
• 2008年のロンドンのコホートにおけるクロスセクショナルスタディ
– ビタミンDレベル, 25(OH)D, 成人患者で連続的に測定
– 35%は重度のビタミンD欠乏症; 適切値は9%のみ
リスクファクター
全患者
(N = 1077)
HAART治療中の患者
(n = 845)
OR
(95% CI)
P Value
OR
(95% CI)
P Value
黒人
3.4 (2.5-4.7)
< .001
2.6 (1.8-3.7)
< .001
冬季
2.2 (1.6-2.9)
< .001
2.1 (1.6-2.9)
< .001
1.40 (1.03-1.80)
.03
1.4 (1.0-1.9)
< .05
1.7 (1.2-2.3)
< .01
 EFV
1.9 (1.3-2.7)
< .001
 PIs
0.9 (0.6-1.3)
NS
(重度ビタミンD欠乏症と独立的に関連)
CD4陽性細胞数最低値
< 200 cells/mm3
現在のHAART
Welz T, et al. IAS 2009. Abstract TUPEB186.
35
36
HIV陽性患者におけるビタミンD値と
補給療法
25(OH)D3 値
175
1,25(OH)2D3 値
a
300
a
a
125
a
100
75
50
N=20
1,25(OH)2D3 (pmol/L)
25(OH)D3 (nmol/L)
150
250
b
200
150
100
50
25
aP
aP
<.05 vs baseline.
bP
<.05 vs baseline.
<.05 vs 24 weeks.
0
0
0
12
週
24
48
Van den Bout-van den Beukel CJP et al. HIV Medicine. 2008;9:771-779.
0
12
週
24
48
37
ビスホスフォネートは骨減少症/骨粗鬆症
を有するHIV患者の骨密度を改善する
Change in BMD from Baseline (%)
● 腰椎骨密度の変化率, N=31, HAART治療中のHIV陽性患者
● 治療:アレンドロネート70mg 毎週 + カルシウム + ビタミンD
P=.007
P=.02
P<.05 vs Baseline
Mondy K et al. J Acquir Immune Defic Syndr 2005;38:426–431.
P<.05 vs Baseline
38
概要
• 非AIDS合併症と早期老化
• 合併症:
– 心血管疾患
– 肝臓疾患
– 腎疾患
– 骨粗鬆症
• 早期老化の予防 / 治療
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加速的な老化の予防 / 治療
• 早期のHIV診断およびHAART開始
• 他の感染症の治療 ( 炎症)
– C型肝炎, STD, 等
• PIベースのレジメンを検討
• 抗炎症療法の追加を検討
– アスピリン および スタチン
• 免疫ベースの治療を検討
– CCR5阻害薬
– HAART強化
– インターロイキン, 成長ホルモン
CD4最低値が低い症例はCD4が正常
まで上昇しない
CD4 最低値 <200の患者において、CD4正常化失敗は40%にも上る
~40%
Kelley CF, et al. Clin Infect Dis 2009; 48: 787-794.
40
41
治療開始時のCD4最低値:
平均余命の短縮
HAART開始時のCD4最低値
平均余命
(20歳以降)
<100
100-200
>200
32
42
50
現在のHAART時代で、平均余命は10-30年短い
1) ART-Cohort Collaboration. Lancet 2008;372:293-299. 2) Lohse N, et al. Ann Int Med 2007;146:87-95.
3) Lewden C, et al. JAIDS 2007;46:72-77.
早期診断の必要性:
CD4低値でのHAART開始が多い
2003-2005, 42 ヵ国, 176 ヵ所, n=33,008.
Egger M, et al. CROI 2007. Abstract 62.
42
43
全体の結論
• ウイルス抑制と免疫回復は依然として、HIV感染症
マネージメントの最も重要なゴールである
• HIV感染者の寿命が延びたことで、焦点は患者の
全般的健康ケアにシフトしてきている
– 年齢に関連する合併症のマネージメントは、長期予後の
最適化において重要
• 広範的な初回の臨床検査値評価および精密検査
によって、患者がベストのケアを受けることを確実
にする
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HIV治療の新たなパラダイム
HIV非治療:
 炎症
バイオマーカー
= 病期進行と
関連,
HAART開始時の
CD4最低値が
低いと悪化
HIV治療:
慢性的
炎症
抗HIV薬の
副作用
心血管障害
慢性腎疾患
骨粗鬆症
糖尿病
脂質代謝異常
リポジストロフィ