卒論(発表用パワーポイント)

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Transcript 卒論(発表用パワーポイント)

問題①
 ソーシャル・スキルとは?
→対人場面において,個人が相手の反
応を解読し,それに応じて対人目標と
対人反応を決定し,感情を統制したうえ
で対人反応を実行するまでの循環的な
過程(相川, 2000)
問題②
ソーシャル・サポートとは?
→特定の個人が,特定時点で,彼・彼女と関
係を有している他者から得ている,有形・無
形の援助(稲葉ら, 1987)

→本研究では,ソーシャル・スキルとソーシャ
ル・サポートの関係について調べる
目的

大学新入時におけるソーシャル・スキルが,
ソーシャル・サポート形成にどのように影響し
ているか?

ソーシャル・スキルが親友の数を増やし,ソー
シャル・サポートへ間接的に影響を与えてい
るのではないか?
方法①
調査対象者:久留米大学に2005年度に入学
した1年生
 調査時期:7月上旬(入学後3ヶ月にあたる)
 質問紙: ①Kiss-18
②ソーシャル・サポート尺度(嶋,1991)
③親友の数への質問

方法②
①は,ソーシャル・スキルを簡便に測定
②は,ソーシャル・コンパニオンシップが組み
込まれた尺度
※ソーシャル・コンパニオンシップ:直接に援助
を意図していないが,結果として援助的な効
果をもたらすようなもの(ex.遊びに行く ,お
しゃべりをする等)
方法③
③親友の数への質問:「現在,あなたにとって大切な
大学の友達は何人ですか?」(Cohen, S., 1986)
手続き
・ソーシャル・スキル(4月),ソーシャル・サポート(4月,
7月),親友の数(7月)を測定
・ソーシャル・サポート,親友の数は,同性と異性の二
対象について調査

結果①


検証的因子分析の結果,因子間相関が0.8以上
→ソーシャル・サポートは合計得点を用いる
ソーシャル・サポート(4月,7月)について,潜在曲線モデル
と、多母集団同時分析(母集団比較)を用いて分析を行っ
た
※潜在曲線モデルとは?
→ソーシャル・サポート(4月,7月)を予測する回帰式を推
定するモデル.ソーシャル・スキルという個人差の影響を
同時に検証できる
結果②
0, 0
0, 0
e
0, 0
e
e
1
1
4月
7月
1
4月
7月
0
1
1
1
17.71***
1
12.06***
切片
d
1
d
0.36***
2.24
切片
1
0.07
d
傾き
1
0.11
d
0.33***
-0.05
-0.56***
-0.30***
スキル
親友
1
1
2.84
傾き
-0.12
e 1
e
1
0
1
0, 0
0.28***
図1.ソーシャル・サポート形成における潜在曲
線モデル(同性)
e 1
スキル
親友
0.30***
図2.ソーシャル・サポート形成における潜在曲
線モデル(異性)
※赤は、二つのモデルにおいて有意な差が見られた場所
結果③
サポート(4月,同性)=17.71+0×12.06+誤差
 サポート(7月,同性) =17.71+1×12.06+誤差
★スキルの平均点(58.13)より1点高い者の切片は0.36
上昇

サポート(4月,異性)=0+0×0+誤差
 サポート(7月,異性)=0+1×0+誤差
★スキルの平均点(58.13)より1点高い者の切片は0.33
上昇

結果④
ソーシャル・スキルは,4月のソーシャル・サ
ポート(切片)に影響したが,増加量(傾き)には
影響しなかった
 親しい親友を通しての,サポート増加量(傾き)
への間接効果も見られなかった
 切片と傾きに負の相関がみられた
→4月においてサポートが高いほど,その後の
増加量が減る

考察①
ソーシャル・サポートは,同性を中心に形成さ
れる.増加量も同性の方が大きい
 特にソーシャル・スキルの影響を除いても,同
性からのソーシャル・サポートは形成される.
(異性からのソーシャル・サポートは形成され
ない)
 ソーシャル・スキルは,ソーシャル・サポート形
成に貢献している

考察②
ソーシャル・スキルは親友の数を増やしてい
るが,親友の数が増えることはソーシャル・サ
ポートの増加量とは関係ない
 ソーシャル・コンパニオンシップなどのサポー
トは,形成が早く個人ごとに飽和点がある
 ただし,異性からのソーシャル・サポートは飽
和点の影響が同性に比べて弱い
