Transcript 13_BT_KZK
大学生における対人依存傾向者の
ソーシャル・サポート知覚とストレス反応との関連
○神崎 あかね1) 東條 光彦1)
1)岡山大学大学院教育学研究科
<目的>
<問題>
1.
従来の想定されていたストレス処理過程
ソーシャル・
サポート
ストレッサー
ストレス反応,対人依存,ソーシャル・サ
ポートの相互関連について検討する。
対人依存傾向の高低によって,サポート
知覚が異なり,ストレス反応の表出に差
が出るか検討する。
低
2.
ストレス反応
対人依存傾向があると…
干
渉
ストレッサー
依存
性
<方法>
ストレス反応
ソーシャル・
サポート
•
•
調査対象:大学生217名
調査内容:
1)対人依存欲求尺度(竹澤・小玉,2004)
2)大学生用ストレス自己評価尺度(尾関ら,
1994)
3)日本語版ソーシャル・サポート尺度(岩
佐ら,2007)
対人依存傾向はソーシャル・サポートの効
果を相殺する?
<結果と考察>
Table1 下位尺度ごとの相関
Pfas
Pfas
Pis
Pfrs
Efas
Eis
Efrs
Pis
.603**
Pfrs
.631**
**
.757
Efas
.638**
**
.368
.358**
Eis
Efrs
.365**
**
.673
.535**
**
.510
.420**
**
.576
.734**
**
.538
.783**
知覚されたサポート
実行されたサポート
サポート全体
Er
Cbr
心理的反応
Str
Ed
Td
対人依存欲求
**…p<.01, *…p<.05
知覚された
サポート
.858**
**
.883
.900**
**
.521
.584**
**
.647
実行された
サポート
.566**
**
.615
.621**
**
.821
.871**
**
.886
.677
**
サポート
全体
.772**
**
.811
.823**
**
.740
.802**
**
.843
.910
**
.924
**
Er
-.268**
**
-.235
-.292**
-0.076
-0.018
-0.108
-.303
-0.08
**
-.200
**
Cbr
-.300**
**
-.336
-.375**
-0.114
-0.136
心理的反応
-.308**
**
-.301
-.367**
-0.101
-0.081
-.220
**
-.181
*
-.382
**
-.371
-0.14
**
*
-.180
**
-.308
.708**
**
-.273
.958**
**
.880
知覚されたサポートは全てストレス反応との間に弱
い負の相関が認められた。
Str
Ed
-0.094
.172*
**
.276
.256**
0.127
.144*
**
.255
.308**
0.083
.300**
**
.293
.169* .260**
**
**
.238
.296
*
-.147
-.137*
0.094
0.04
-0.018
*
**
-.143
0.049
-0.065
.437**
**
.466
.484**
.264
Td
.264
対人依存欲求
.175*
**
.293
.314**
0.11
**
.293
*
**
.252**
**
.301
.158*
0.126
0.131
*
**
**
.186
**
.249
0.047
0.057
0.031
*
.153
.186
.594** .888**
**
.898
.272
**
.294
.231**
*
.175
.204**
.174
サポートを受けているという「認知的評価」がストレスを軽減しやすい。
対人依存とソーシャル・サポートを変数としてクラ
スター分析を行った結果,3つのクラスターが見
出され,被験者を3つの群に類型化した(「独断」
群、「自立」群、「依存」群)。
→各群のストレス反応を比較
(大切な人のサポート)
• ストレス反応について群の主効果が有意であ
り(Er:F(2,191)=2.99,p<.01,Cbr:F(2,211)
=2.73,p<.01),「自立」群と「依存」群の間に
有意差傾向がみられた(Figure1,2)。
(友人のサポート)
• ストレス反応について群の主効果が有意であ
り(Er:F(2,191)=7.96,p<.01,Cbr:F(2,211)
=3.85,p<.05),「独断」群と「自立」群,「自
立」群と「依存」群の間に有意差傾向がみら
れた(Figure3,4)。
対人依存傾向はソーシャル・サポートの効果
を相殺し,ストレス反応は高くなる。
対人依存傾向の高い個人は,実際にサポー
トを受けても,主観的に認識できていない。
(大切な人のサポート)
*
**
*
*
**p<.01,*p<.05
*p<.05
Figure1 各クラスターのEd,Pis,Eis得点の比較
Figure2 各クラスターにおけるストレス反応得点の比較
(友人のサポート)
*
*
*
*
**p<.01,*p<.05
**p<.01,*p<.05
Figure3 各クラスターのEd,Pfrs,Efrs得点の比較 Figure4 各クラスターにおけるストレス反応得点の比較