Epimutagen と非変異原性発癌物質

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Epimutagen と非変異原性発癌物質
Ⅰ. 主な非変異原性発癌物質と発癌メカニズム
Ⅱ. Epimutagen
Ⅲ. Epigenetic制御機構
Ⅳ. Epigeneticsを導入した発癌メカニズム
Ⅵ. Epimutagenesisの問題点など
Ⅰ.主な非変異原性発癌物質と発癌メカニズム
• ペルオキソーム増殖剤
Wy16,432 ,DEHP, フェノバルビタール,クロフィブラートなど
PPAR-α →長鎖脂肪酸産生→ ペルオキシソーム
→β-oxidation →H2O2 → DNA adduct?
・Ahレセプターリガンド
B(a)P,DDT, DET, TCDDなど
Ahレセプター → CYP1A1,CYP 1A2, CYP 1B1
→ ?→細胞増殖
・ステロイドホルモン様レセプターリガンド
17αエチニルストラジオール,dihydroepiandrosteron
ステロイドホルモン核レセプター → プロラクチン
→
下垂体、子宮細胞増殖
• 金属発癌物質
ヒ素,ニッケル、クロムなど
ROS
→ DNAadduct, DNA修復阻害
・細胞傷害性/炎症誘発性 物質
CCl4, アスベスト, シリカなど
HGF,IL-1,IL-6,TNFα →
→ 活性酸素?
met , EGFβ,TGF-β
Ⅱ.Epimutagen
遺伝子配列そのものは変化していなくとも、そ
の機能発現を調節するさまざまな機構があり、
その異常が発癌等に大きくかかわっている。
• Epimutagen =遺伝子発現機構に作用し、
「発現変異」を引き起こす物質
Ⅲ.Epigenetic制御機構
• ヒストン修飾
転写コアクチベーター
ヒ ス トン ア セチ ル
化酵素
ヒ ス トン ア セチ ル
化酵素
転写活性化因
子
Ac
転写活性化因
子
Ac
Ac
クロマチンリモデリ
ング因子
転写活性化因
子
クロマチンリモデリ
ング因子
Ac
Ac
転写活性化因
子
Ac
転写開始
RNAポリメラーゼ
Ac
Ac
Ac
• ヒストン修飾⇔DNAメチル化
ヒストンメチル化酵
素
DNAメチル化
酵素
ヒストン 脱アセチ
ル化酵素
HP1
Me
H3K9
M
e
ヒストン脱アセチル化
DNAメチル化
ペルオキシソーム増殖剤 発がん機構モデル
細胞増殖、がん
化?
HO
リガンド
レセプター
H2O2
転写
β酸化
ペルオキソーム
長鎖脂肪
酸
ペルオキシソーム増殖剤 発がん機構モデル+ epgenetics
ヒストン,CpGメチル化
複合体形成
リガンド
HO
POLβ, XRCC1等
修復酵素
PCNA
レセプター
細胞増殖、がん化
転写
β酸化
長鎖脂肪
酸
ペルオキソーム
Ni発がん機構モデル+ epgenetics
Ni(Ⅱ)
水酸化酵素
Fe(Ⅱ),O2,2OG
ヒストン脱メチル化
DNA修復
低下
HIFα
ピルビン酸
ピルビン酸脱水素酵
素(PD)
ピルビン酸脱水素酵素キナーゼ
(PDK)
アセチルCo-A
ヒストンアセチル化
低下
OH-HIFα
Ⅵ.Epimutagenesisの問題点など
• Epigenetic変異感受性差
Balb/c ⇔ B6C57Black など細胞レベルで感受性差が
ある。
→ 何らかのイニシエーションの有無を反映している可能性
DNAadduct, RNA/chromatin modufication etc.?
• Epigenetics維持(修復)機構
*CpGlslandの非メチル化→メチル化複製のエラーは
0.1%程度。
*ある程度のメチル化が蓄積した状態で、全体のメチ
ル化をキャンセルする機構が存在する。
*一方、エラー率の高い場合には、全体がメチル化す
る可能性がある。
・Epimutagen 検出系
* CpGIslandのメチル化部位を特異的に増幅す
るPCR(MSP)を用い、マイクロアレーで検出する系
* methylation,/ unmethylation でGFP発光
ON/OFFの細胞系