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米国通信業界で進展する大型合併の意味と競争への影響
㈱情報通信総合研究所
清水 憲人
1
米国のテレコム・バブルとM&Aブーム
テレコムバブル崩壊
FRB金融政策方針変更*
ブッシュ大統領就任
M&Aブーム
Global Crossing破綻
96年電気通信法成立
新たな
業界再編
WorldCom破綻
同時多発テロ
*「インフレ警戒型」から「景気配慮型」へ
グラフ出典:Bigcharts.com
2
Enron破綻
WorldComが
MCIとして再生
1990年代後半から2000年頃にかけての主なM&A
【規模の追求】
ベルアトランティック-ナイネックス
GTE
小
が
大
を
飲
む
【事業領域の拡大】
AT&T-TCI
メディアワン
テレポート
SBC-パシフィック・テレシス
アメリテック
SNET
ワールドコム-MFS/UUネット
ブルックスファイバー
ワールドコム-MCI
クエスト-USウェスト
【外資の参入】
ボーダフォン-エアタッチ
DT-ボイスストリーム
グローバル・クロッシンク-フロンティア
AOL-タイムワーナー
3
地域ベル電話会社のサービス・エリア(1984~1996年)
AT&T分割で7社が誕生
USウェスト
ナイネックス
アメリテック
メーン
ノースダコタ
ミネソタ
サウスダコタ
RI
ワイオミング
VT: バーモント
CT: コネチカット
NH: ニューハンプシャー
MA: マサチューセッツ
RI: ロードアイランド
NJ: ニュージャージー
DE: デラウェア
MD: メリーランド
ネブラスカ
DE
コロラド
ベル・アトランティック
カンザス
オクラホマ
ニューメキシコ
ベルサウス
テキサス
パシフィック・テレシス
サウスウェスタン・ベル
4
地域ベル電話会社のサービス・エリア(2004年)
M&Aを経て7社が4社に統合
クエスト
(旧USウェスト)
メーン
ノースダコタ
ミネソタ
サウスダコタ
RI
ワイオミング
VT: バーモント
CT: コネチカット
NH: ニューハンプシャー
MA: マサチューセッツ
RI: ロードアイランド
NJ: ニュージャージー
DE: デラウェア
MD: メリーランド
SBC(旧SNET)
ネブラスカ
DE
コロラド
ベライゾン
(旧ベル・アトランティック)
カンザス
オクラホマ
ニューメキシコ
ベルサウス
テキサス
SBCコミュニケーションズ
5
90年代後半のM&Aブームの背景
(1)1996年電気通信法
(2)インターネット神話
(3)マーケットの嗜好
(4)株高
6
テレコム・バブル崩壊の原因/パウエルFCC委員長(当時)
投資家の後押し
インターネット・
ゴールドラッシュ
・ビジョンだけの企業に無尽
蔵に投資
供給過剰
政策の後押し
・競争事業者の数を増やす競
争政策
破綻 or
粉飾決算で
延命
現実に直面
パウエルFCC委員長
出典:パウエルFCC委員長の上院商業・科学・運輸委員会における証言(2002.07.30)を基に情総研が作成
7
事業者の対応
投資家のあせり
ZZZZZZ..….
8
最近発表された大型合併
■シンギュラー・ワイヤレス-AT&Tワイヤレス
(2004年2月発表;10月完了)
■スプリント-ネクステル
(2004年12月発表;2005年8月完了)
□SBC-AT&T
(2005年1月発表)
□ベライゾン-MCI
(2005年5月発表)
9
CingularとAT&T Wireless合併の概要(2004.10.26完了)
【買収発表】
2004年2月17日
【合併後の新会社】
・契約数4,700万の全米No.1携帯電話事業者
・年間売上310億ドル以上
・従業員数68,000人
【規制当局の承認】
司法省 2004年10月25日
FCC
2004年10月26日
【合併のメリット】
・コストシナジ-(2007年までに32億ドル~41億ドル)
→営業費用、設備投資
・調達コスト低下
・100大市場において十分な周波数帯を確保
【合併承認条件】
・一部市場における事業売却
(22市場;主にルーラル地域)
【買収金額】
410億ドル(キャッシュ)
・AT&Tワイヤレスのキャッシュバランスを考慮すると実質360億ドル
・AT&Tワイヤレス株主は一株あたり15ドルを受け取る
【買収資金調達】
・現行出資比率(SBC:BellSouth 6:4)で負担
・手持ちのキャッシュ
+資産売却(BSの南米事業)
+借入れ等
出典:Cingular/SBCの合併完了プレスリリース(2004.10.26)、プレゼンテーション資料(2004.12.01)より情総研が作成
10
Sprint-Nextel合併の概要(2005年8月12日完了)
【買収発表】
2004年12月15日
【対等合併】
経営陣:会長はNextel,社長兼CEOはSprintから
12名の役員もSprintから6名,Nextelから6名
本社機能も2拠点
・エグゼクティブヘッドクオーター
バージニア州レストン(現Nextel本社)
・オペレーショナルヘッドクオーター
カンザス州オーバーランドパーク(現Sprint本社)
【規制当局の承認】
司法省 2005年8月3日
FCC
2005年8月3日
【合併後の新会社】
会社名
Sprint Nextel
携帯電話契約数 3,500万超
年間売上
約340億ドル
株価総額
約700億ドル
【実施方法】
株式交換(350億ドル相当)
Sprint株主 1株が新会社株1株になる
Nextel株主 1株につき新会社株1.3株相当分を受け取る
(株式と現金の組合せ;比率は合併完了時に決定)
現Sprint株主と現Nextel株主が新会社株主の1/2ずつに
出典:Sprint-Nextel合併発表資料より情総研が作成
11
会長
社長兼CEO
Timothy M. Donahue
Gary D. Forsee
(現Nextel社長兼CEO) (現Sprint会長兼CEO)
【ローカル事業のスピンオフ】
Sprintの固定ローカル通信事業を資本分離予定
Sprint-Nextelの規模
LTM: Last Twelve Month、OIBDA: Operating Income Before Depreciation and Amortization
Sprint Localの売上、OIBDAデータは再掲
出典:Sprint-Nextel合併発表資料
12
米国の主要携帯電話事業者(2003年末時点)
事業者名
1 Verizon W ireless
2 C ingular W ireless
3 AT&T W ireless
4 Sprint PC S
5 T-M obile
6 Nextel
7 ALLTEL
8 US C ellular
9 D obson C om m .
10 Leap W ireless
その他
合 計
契約数
シェア
(
単位:
千)
(
%)
37,522
24,027
21,980
15,900
13,128
12,882
8,023
4,409
1,552
1,473
17,826
158,722
23.6
15.1
13.8
10.0
8.3
8.1
5.1
2.8
1.0
0.9
11.2
出典:FCC統計資料より情総研が作成
13
備考
VerizonとVodafoneの合弁会社(Verizoの連結子会社)
SBCとBellSouthの合弁会社(持分法対象会社)
DT子会社
米国携帯電話事業者のポジショニング・マップ
高い信頼性
マーケットリーダー
解約率
低 1.5%
Nextel
解約率
1.5%
ARPU
69ドル
ユーザ数 1,450万*
NW技術
iDEN
Verizon Wireless
解約率
1.5%
ARPU
52ドル
ユーザ数 4,210万
NW技術 CDMA
合併合意
Sprint
Cingular Wireless
解約率
2.8%
ARPU
50ドル
ユーザ数 2,570万
NW技術
GSM
統合効果で挽回を狙う
データ通信で先行
卸売モデルを積極推進
解約率
2.7%
ARPU
62ドル
ユーザ数 2,010万*
NW技術 CDMA
T-Mobile
解約率
3.0%
ARPU
55ドル
ユーザ数 1,630万
NW技術
GSM
プライスリーダーからの
脱皮を目指す
高 4.0%
AT&T Wireless
解約率
3.7%
ARPU
58ドル
ユーザ数 2,190万
NW技術
GSM
ARPU
高
70
低
50
*円の大きさはユーザ数(Sprintのユーザ数には関連会社分を含まない、またNextelのユーザ数には「Boost Mobile」分を含まない)
略語:ARPU=Average Revenue Per Unit(一契約あたりの収入)、iDEN=integrated Digital Enhanced Network、PTT=Push to talk
出所:情総研(ARPU等のデータはアナリストレポートなどより引用;2004年Q3時点)
14
PTTで差別化に成功
7割が企業ユーザ
プリペイドでユーザ層拡大へ
次世代網構築に課題
米国携帯電話市場における競争の構図
米国携帯電話市場(約1億7,000万契約*、800億ドル超)
SBC
60%
BellSouth
40%
Virgin
Mobile
Cingular Wireless
4,700万
Qwest
Sprint Nextel
MVNO
3,540万
ESPN
Verizon
55%
その他
Vodafone
45%
約3,000万
ケーブルTV
事業者?
DT 100%
Verizon Wireless
4,210万
T-Mobile
1,630万
*2004年第3四半期現在
MVNO=Mobile Virtual Network Operator
出所:情総研
15
SBC-AT&T合併合意の概要(2005.01.31)
【買収金額】
約160億ドル(AT&T株1株あたり19.71ドル相当)
【買収方法】
株式交換+現金
AT&T株主は1株につきSBC株0.77942株を受け取る
(1/28の株価で18.41ドル相当)
+1株あたり1.30ドルの特別配当を受け取る
【完了見込時期】
2006年上半期
(両社株主総会における承認+規制当局による承認要)
【経営陣】
会長兼CEO Whitacre現SBC会長兼CEO
社長 Dorman現AT&T CEO
新会社の役員 AT&TからはDorman氏以外に2名
【合併シナジー 】
150億ドル以上(NPV:Net present Value);
2008年以降、年間20億ドル以上のシナジー効果
シナジー内訳
約50%
NW運営やITに関する施設/事業の統合によ
るコスト削減効果
約25%
販売/支援業務の統合によるコスト削減効
果
約10~
15%
重複する社内組織の廃止
約10~
15%
新しい顧客セグメントに対する統合サー
ビス提供による売上増(大企業顧客向け
ワイヤレスサービス提供、IPベースサー
ビスの小企業/住宅顧客への展開)
【財務への影響】
2007年にキャッシュフローポジティブ、
2008年にEPSポジティブを見込む
【本社】
テキサス州サンアントニオ
【社名】
AT&T(2005.10.27発表)
(Whitacre会長は「我々はAT&Tブランドの歴史と強みを、世界で最
も広く認識され尊敬されているブランドの一つとして評価してお
り、それは間違いなく新会社の将来の一部になるであろう」とコメ
ントしていた)
出典:合併発表プレスリリースより情総研が作成
16
SBC-AT&T合併の注目点
(1)「地球最大の企業」の消滅
(2)「unthinkable」→「not a big deal」
(3)もはやニッチ事業者としてのAT&T
(4)驚くべき安さ
17
AT&T買収の背景
(1)コアビジネスの縮小
(2)市内参入戦略の失敗
(3)国際戦略の失敗
98年7月 BTとの国際合弁事業発表
00年1月 BTとの合弁会社「コンサート」発足
→02年4月解消
(4)自発的3分割による成長部門の分離
【ブロードバンド】
99年3月 TCI買収
00年6月 メディアワン買収
→02年11月 スピンオフ
【携帯電話事業】
94年マッコーセルラー買収
→01年7月 スピンオフ
18
AT&T買収の背景①:長距離市場の縮小
【長距離市場縮小の要因】
①料金水準の低下(料金値下げ・定額制バンドル)
②新技術による代替(携帯電話・IP電話・Eメール)
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
9 9 ,6 9 1
8 2 ,5 2 5
8 4 ,4 7 8
1 0 0 ,7 9 3
1 0 5 ,0 5 5
1 0 8 ,2 4 6
1 0 9 ,6 1 5
9 9 ,3 0 1
8 3 ,6 9 7
7 7 ,1 8 8
8 9 ,6 2 9
100,000
50,000
0
93年
94年
95年
96年
97年
98年
出典:FCC統計
19
99年
00年
01年
02年
03年
ワイヤレス
長距離
ローカル
AT&T買収の背景②:自発的分割(2000年10月発表)
〔2000年10月当時のプラン〕
Transformation of AT&T
AT&T
Business
Consumer
Broadband
Today
AT&T
Wireless
Tracker
本体
トラッキング株式
End State
2002
AT&T
Business
本体
AT&T
AT&T
Broadband
Consumer
Tracker
トラッキング株式
コンシューマの
トラッキング株式は
発行せず
スピンオフ
02年11月スピンオフ
コムキャストと統合
20
AT&T
Wireless
スピンオフ
01年7月スピンオフ
04年10月に
Cingularと統合
AT&T買収の背景③:自発的分割(2000年10月発表)につながった要因
(1)純負債額急増
(2)株価下落
(3)アームストロング会長に対する風当たり
(4)マーケットの嗜好
→『戦略なき分割』
『顧客志向ではなくウォールストリート志向』
→ M&Aの模索を容易にする意図も
21
MCIを巡るVerizonとQwestの買収合戦
Verizon
Qwest
2月11日 QwestはMCIに対し80
億ドルの買収提案
2月14日 MCIはVerizonの買収
提案を受け入れ(67.5億ドル)
3月16日 Qwestは買収条件を
84億ドルに引き上げ
3月29日 MCIはVerizonの改定
買収提案(76億ドル)を受け入れ
3月31日 Qwestは買収条件を
89億ドルに再引き上げ
4月6日 MCIはQwestの89億ド
ル買収提案拒否を決定
4月23日 MCIがQwestの97.4億
ドルの買収提案受入れを発表
5月2日 MCIはVerizonの再改定
買収条件(84.4億ドル)を受入れ
*買収は現金+株式交換で実施される。買収金額は概算。
出典:MCI社プレスリリース、WSJ記事より情総研が作成
22
MCIがVerizon提案を受け入れた理由
以下のような事柄を考慮した:
①電気通信業界における競争の性質の変化と
Verizon/MCIとQwest/MCIの競争上のポジション
②規模及び包括的なワイヤレス提供能力の重要性
③アクセス・コストの削減
④シナジーの水準と実現可能性
⑤Qwestの偶発債務の規模とそれに関わるリスク
⑥ネットワーク・サービスを維持していく継続的な能力
⑦新規投資に対する意思と能力
⑧MCIの大企業顧客及び政府系顧客の信頼を維持すること
など
出典:MCIのプレスリリース(2005.05.02)より情総研が作成
23
Verizon-MCI合併の注目点
(1)より低い買収条件受入れの是非
(2)SBC v.s. Verizon
24
合併会社の事業領域
SBC+AT&T
ベライゾン+MCI
ローカル
【SBC】
電話回線数4,500万で
全米第2位の地域電話会社
【ベライゾン】
電話回線数5,200万で
全米第1位の地域電話会社
長距離
【AT&T】
全米第1位の長距離通信事
業者
【MCI】
全米第2位の長距離通信事
業者
携帯電話
【シンギュラー・ワイヤレス】
4,900万顧客を擁する
全米第1位の携帯電話会社
【ベライゾン・ワイヤレス】
4,400万顧客を擁する
全米第2位の携帯電話会社
25
米国主要通信事業者の業界内ポジショニング
◆携帯電話などの成長ドライバを持たないAT&TやMCIは売上規模に比して株価総額が小さく、
買収ターゲットになった。
成長率
高+ 15%
Comcast
売上高 203億ドル
成長率 10.7%
株価総額 724億ドル
Verizon
Sprint
売上高 274億ドル
成長率 4.7%
株価総額 351億ドル
SBC
売上高 408億ドル
成長率 0.7%
株価総額 803億ドル
BellSouth
売上高 203億ドル
成長率 ▲0.2%
株価総額 475億ドル
Qwest
売上高 713億ドル
成長率 5.7%
株価総額 1,002億ドル
合併合意
売上高 138億ドル
成長率 ▲3.4%
株価総額 70億ドル
AT&T
買収提案
MCI
売上高 305億ドル
成長率 ▲11.6%
株価総額 155億ドル
売上高 207億ドル
成長率 ▲14.7%
株価総額 72億ドル
低-15 %
売上高
大
700億ドル
小
100億ドル
*
の大きさは、株価総額を反映
**「売上高」は連結売上高、「成長率」は連結売上高の年間成長率
出所:情総研
26
2004年以降の業界再編の背景
(1)競争
(2)リストラの進展
(3)株価の安定
27
米国で進展している業界再編の意味
(1)「長距離通信事業者」の消滅
(2)携帯電話事業のプレゼンス
(3)競争の構図の変化
28
米国通信業界の競争の構図
携帯電話市場
携帯電話市場
897億ドル
815億ドル
①シンギュラーワイヤレス
②ベライゾンワイヤレス
③スプリント-ネクステル
他
MVNOで提携?
代替
資本関係
販売提携
長距離通信市場
長距離通信市場
772億ドル
837億ドル
①AT&T
②MCI
③スプリント
他
買収
相互参入
ローカル通信市場
ローカル通信市場
1,242億ドル
1,271億ドル
①ベライゾン
②SBC
③ベルサウス
④クエスト
他
相互参入
相互参入
販売提携 衛星放送
①ディレクTV
②エコスター
IP電話提供で提携
※市場規模は2003年時点
29
ケーブルTV市場
ケーブルTV市場
543億ドル
513億ドル
①コムキャスト
②TWC
他
トリプルプレイ/クワドラプルプレイによる競争
ベルと衛星事業者の連携
○Verizon-DirecTV
○BellSouth-DirecTV
○SBC-EchoStar
○Qwest-DirecTV
Echostar
【ベル電話会社】
【ケーブルTV事業者】
電話
IP電話
インターネット
・DSL
・FTTP/FTTN
インターネット
・ケーブルモデム
TV
・衛星TVの販売
・ブロードバンド放送
30
ケーブルTV
ケーブルTV事業者の戦略-株式非公開化
◆米国のケーブルTV業界では最近、株式を非公開化する動きが目立つ。
→迅速な投資判断、長期的視点での経営を可能に
ユーザ数
コムキャスト
2,150万
タイムワーナー
ケーブル
1,090万
コックス
630万
チャーター
600万
アデルフィア
520万
ケーブルビジョン
300万
メディアコム
150万
インサイト
130万
株式非公開化への動き
2004年12月に非公開化
株式非公開化を検討中
(2005年6月~)
2005年7月に株式非公開の方針決定
(2005年第4四半期完了予定)
出典:Wall Street Journal紙記事(2005.06.27)
31