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ヨーロッパ都市の持続可能性に向けた
取り組みの成果と今後の展望
1992-2012
ジノ・ファン・ベギン
イクレイ・ヨーロッパ ディレクター
2006年11月29日
講演概要
1. ヨーロッパの地方政府において、どのように地域の持続可能性
が取り入れられたのか:どのような政治的背景があったのか
2. ヨーロッパの地方政府のこれまでの成果
3. ヨーロッパの地域の持続可能性の今後の展望
4. 成功の条件
5. 事例紹介とまとめ
1. ヨーロッパの地方政府において、どのように
地域の持続可能性が取り入れられたのか:
どのような政治的背景があったのか
1.1 ヨーロッパにおける地域の持続可能性の動き:政治的背景
1992 地球サミット
リオ・デ・ジャネイロ
アジェンダ21
第28章:ローカル・アジェンダ21
City of
Aalborg
1990
ICLEI
1990
欧州委員会
ローカル
アジェンダ21
都市環境に関する
グリーン・ペーパー
持続可能な都市プロジェクト
(LA21)
ICLEI
Sponsored
by
European Commission
1994 第1回ヨーロッパにおける
持続可能な都市づくり会議
First European Sustainable Cities & Towns Conference (Aalborg Conference)
1.2 リオの成果をヨーロッパの地方政府へ:
オールボルグ・プロセス(Aalborg Process) 1994-2004
1994
第1回 ヨーロッパにおける
持続可能な都市づくり会議
(オールボルグ会議)
オールボルグ憲章
(Aalborg Charter)の採択
Charter
ヨーロッパにおける
「持続可能な都市づくりキャンペーン」
の立ち上げ
1.3
オールボルグ会議 1994
1994
1.4 オールボルグ憲章 1994
パート1
合意宣言:
ヨーロッパの都市と
持続可能性
1994
原則
パート2
ヨーロッパにおける
持続可能な都市づくり
キャンペーン
キャンペーンの促進
行動への
コミットメント
パート3
LA21への取り組み: 持続可能性に
向けたローカル・アクション・プラン
1994
第1回会議
オールボルグ、デンマーク
オールボルグ憲章
1996
第2回会議
リスボン、ポルトガル
リスボン行動計画
1998
北東会議
トゥルク、フィンランド
トゥルク声明
南東会議
ソフィア、ブルガリア
ソフィア声明
南西会議
セビリア、スペイン
セビリア宣言
北西会議
ハーグ、オランダ
ハーグ声明
1999
2000
第3回会議
ハノーバー、ドイツ
2004
第4回会議
オールボルグ、デンマーク
ハノーバー喚起
(Hannover Call)
オールボルグ・コミットメント
キャンペーン
1.5 ヨーロッパにおける持続可能な都市づくりキャンペーン:
道程 1994 - 2004
オールボルグ+10
会議
1.6 持続可能な都市づくりキャンペーンへの参加
1994-2004
2600
ヨハネスブルク
会議
2030
ミレニアム(千年期)
会議
1521
1859
1406
地方会議
オールボルグ
会議
880
627
305
383
446
174
80
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002 2003 2004
1.7 持続可能な都市づくりキャンペーンの参加都市
1.9 持続可能な都市づくりキャンペーンの活動
オールボルグ憲章の
署名窓口
LA21
概要説明シート
LA21
策定ガイド
LA21
自己評価システム
「ヨーロッパの
持続可能な都市賞」
キャンペーンの
ニューズレター
意識改革・喚起のための
ワークショップ
LA21の手引き&
トレーニング・プログラム
ヨーロッパのLA21
円卓会議
利害関係者による
「都市の持続可能性のための
オープン・プラットフォーム」
各国のLA21コーディネーター
のネットワーク
1.10 ヨーロッパの持続可能な都市賞
Stockholm
Albertslund
Norwich
Tampere
1996
Leicester
1997
Gdansk
1999
Den Haag
2002
Dunkerque
Heidelberg
Veliko Tarnovo
Graz
Diputació de
Barcelona
München
Calvià
2. ヨーロッパの地方政府のこれまでの成果
2.2 何が達成されたのか?:
ヨーロッパのサクセス・ストーリー
1994-2004 オールボルグ憲章の広がり : 署名都市が80から
2300へ
ローカル・アジェンダ21の10年 : 全世界で6500都市、そのうち
5200がヨーロッパの都市
政治的サポートの増加 : EU、地方政府のネットワーク、個別の国
々(イギリス、オランダ、北欧、イタリア、スペイン、フランス)
2.2 何が達成されたのか?:
ヨーロッパのサクセス・ストーリー
環境、経済、社会の相互関係性への理解の増加
長期的かつ全世界的視野の必要性が地方政府レベ
ルにおいて認識
新しい環境マネジメントの手段の出現
行政と市民/利害関係者の協働の仕方が変化
2.3 何が達成されたのか?:
ヨーロッパのサクセス・ストーリー
市民参加の増加 : LA21と&都市計画
政策形成における環境問題への取り組みの増加 : セクター
間および包括的アプローチ
地方政府におけるLA21の採用 : よりよいガバナンスへ
地域視点から全世界的視点へ
!!NEED FOR ACCELERATION!!
3. ヨーロッパの地域の持続可能性の今後の展望
3.1 今後の展望 : ヨハネスブルクの成果をヨーロッパの地方政府へ
- オールボルグ・プロセス(Aalborg Process)+10 2004-2014
3.2 オールボルグ・コミットメント
• = 共有されたコミットメントを共同で実行 - EUにおける
今後10年間の行動枠組み
• = オールボルグ憲章との違い : 基準設定のための再評
価と質的・量的ターゲットの設定プロセス
• = 柔軟なツール : 地域のニーズに適合できる
• = 今後10年のLA21の活動を強化
• 持続可能な都市づくりキャンペーンによる再評価とモニタ
リング
3.3 オールボルグ・コミットメント – 署名都市の代表者
3.4 オールボルグ・コミットメント
• 会議中に、110名以上の首長や代表者によって署名
• 現在、400以上の地方政府が署名済み
• ヨーロッパの地方政府ネットワークが、「持続可能な都市づくりキャ
ンペーン」の一環として、オールボルグ・コミットメント実践のフォロー
アップにさらなる協力を行うことを同意
• EUの「持続可能な発展戦略」にオールボルグ・コミットメントが明示
• ICLEI(イクレイ)は、地方政府の基礎調査や目標設定プロセスを
有効に進めるためのガイダンスを提供している
4. 成功の条件
[ 議会の決定 ]
[ 運営組織体制 ]
[ 参加の戦略 ]
[ ファシリテーション ]
[ プロセスの予定表 ]
[ 情報戦略 ]
4.1 議会の決定
利害関係者の時間を責任を持って利用する
 計画策定プロセスへの誠意ある対応を
参加している市民に示す
 行政にプロセスを維持管理するための
権限と資源を与える
 参加型計画策定プロセスと政治的決定
プロセスとのリンクを定義する
4.2 運営組織体制
プロフェッショナリズムと相互関連性
 責任の所在は戦略的決定が下せる上級職員
へ : 内部のさまざまな部局や外部の利害関係
者に影響を与えうる
 部局横断的なワーキング・グループ
 LA21活動推進オフィス
 諮問機関 / 専門家(有識者)グループ /
政治的な理事会あるいは委員会
 公的(政治的)な組織との関係に
関する協定
4.3 参加の戦略
何を提示するのかをクリアに!
 誰がプロセスに組み入れられるのか?
利害関係者あるいは興味をもつ市民?
 何を参加者は求められるのか?
コメント、計画や政策の策定、プロジェクトの実
行?
 どれだけの時間を参加者はささげるのか?
参加には全体でどれくらいの時間が必要か?
 どのような参加形式で行われるのか?
定例のテーマ別ワーキング・グループ(夜間)、
大規模な年次フォーラム、週末ワークショップ
4.4 ファシリテーション
質の違い生み出すために
 会合を「リードする」能力から「ファシリテートす
る」能力へ
 参加者全てに会合への貢献のための平等な
機会を提供する
 グループの総意を導き出せる最高のポイント
を見出す
 透明性と効率性を高めるためにすべての意見
や議論の結果を視覚化する
 専門的スキル(能力)を持った専門家と予算が
必要となる
4.5 プロセスの予定表
出発点の設定 - 帰着点の設定も重要
 LA21プロセスのはじまりと終わりをしっかりと
設定した予定表を作成する
 プロセスの段階を設定し、節目の成果をその都
度祝う
 参加へのモチベーションが下がる前に成果をあ
げることが重要
4.6 情報戦略
市民への発信
 すべての市民を積極的に巻き込むのは不可能
 しかしながら、持続可能な発展はすべて市民の日常
生活におけるさまざまな決定の変更を迫るもの
 人々が、仕事場やスーパー、バス停といった日常の
場で、持続可能な発展やLA21について普通に話を
するような社会づくり
 明確な情報戦略原則に沿ってすすめる:
- 機会を設定
- 対象となるグループを選定
- 彼らの利益を明確に提示
- メディアの選定
- オリジナリティの追求
5. 事例紹介とまとめ
ハイデルベルク(ドイツ)とフェラーラ(イタリア)
ハイデルベルク
フェラーラ
対象期間: 25年間 / AC
対象期間: 10年間/AC
戦略: 「プラン2010」
1997年策定。社会、健康、
経済、環境、教育、雇用の流動性
などの問題を扱う
戦略: 1998年に策定
社会、経済、環境、経済、雇用の流動性
健康などの問題を扱う
参加者: 企業セクター、
NGO、警察、環境関連、女性、
失業者、少数民族、若者、
大学
参加者: LA21フォーラムの4つの
ワーキング・グループに属する150名の
個人と、企業セクター、NGO、女性、若者
ハイデルベルク(ドイツ)フェラーラ(イタリア)
ハイデルベルク
フェラーラ
実践:
• 1992年より1997年まで
• 具体的な目的、ターゲット、指標
• LA21グループがすべての政策を
統合する首長の特別な部として
機能
• 一連の具体的な計画
• グリーン購入
• 4,5名のスタッフ
• 特別な活動
実践:
• 1995年より1998年まで
• 具体的な目的、ターゲット、指標
• LA21:部横断的、特別な部はなし
政治的なコントロール
• 一連の具体的な計画
• グリーン購入
• 3~5名のスタッフ
• 特別な活動
ICLEIについての情報は下記ウェブ
サイトまで
www.iclei.org/europe
Thank you !