コンクリートの構造物の力学を学ぶために

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Transcript コンクリートの構造物の力学を学ぶために

コンクリート構造物の
力学を学ぶために
コンクリート工学研究室
岩城 一郎
教科書の構成
1章 序論
第1編
コンクリート構造物
の力学基礎
構造力学
力と変形,
断面諸量
建設材料
コンクリートの性質,
鉄筋の性質
鉄筋コンクリートとは?
2章 設計法
性能照査型設計
限界状態設計法
部分安全係数
第2編
コンクリート構造物
の変形とひび割れ
鉄筋コンクリートの力学
3章 曲げ
4章 軸力と曲げ
5章 せん断
コンクリート構造物
の変形とひび割れ
維持管理,変状,劣化
施工とひび割れ,劣化とひび割れ,損傷とひび割れ
講義の流れと教科書との対応
• 1章:鉄筋コンクリートの力学を学ぶために
• 3章:曲げを受ける鉄筋コンクリート部材
• 5章:せん断力を受ける鉄筋コンクリート部材
• 2章:設計法
• プレストレストコンクリート
力と変形に関する重要用語
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応力
ひずみ
応力-ひずみ関係
弾性係数(ヤング係数)
荷重(外力)
変位(変形)
断面力(内力)
曲げモーメント(関連語句:曲率)
せん断力
主応力(例:主圧縮応力度,主引張応力度)
強度(例:圧縮強度,引張強度,せん断強度等)
耐力(耐荷力)
剛性
力と変形の関係
力の釣合
M
断面諸量
Px
2

M
y
I
外力
内力・断面力
応力
(荷重P)
(曲げモーメントM)
(曲げ応力σ)
(M-φ関係)
(σ-ε関係)
(P-δ関係)
Px(3l 2  4 x 2 )

48EI
変形
(変位δ)

M
EI
(曲率φ)


E
ひずみ(ε)
用語の説明
• (直)応力とは?
部材に外力(P)が作用するとき,この外力に釣り合う内力の単位
面積(A)当たりの力
σ=P/A→単位:N/mm2あるいはMPa
• (直)ひずみとは?
部材に外力が作用するとき,部材に生じる変形量(ΔL)をもともと
の長さ(L)で除した値
ε=ΔL/L→単位:無次元
• 応力-ひずみ関係
y軸に応力,x軸にひずみをとり,両者の関係を表したもの.
• 弾性係数(ヤング係数)とは?
材料のかたさを表す指標で,単位ひずみあたりの応力の値(応力
-ひずみ関係が直線であれば,E=σ/ε)で表される.→単位:
N/mm2あるいはMPa
例題
• 長さ1mの鉄筋を0.3mm伸ばしたときのひずみ
と応力?ただし,鉄筋の弾性係数は,
Es=200kN/mm2とする.
問題を解く上での留意事項
1.
2.
3.
4.
式を立てる.
数値を代入する.
答えを出す(有効数字に気をつける)
単位の有無を考え,有の場合,単位が妥当で
あるかどうか考える.
5. 答えが妥当なオーダーであるかどうか考える.
6. 検算する.
→コラム:教科書p.27(単位と有効数字)
例題
• 長さ1mの鉄筋を0.3mm伸ばしたときのひずみ
と応力?ただし,鉄筋の弾性係数は,
Es=200kN/mm2とする.
解答
• ε=ΔL/L=0.3/1000=3.00×10-4あるいは
=300×10-6
• σ=εEs=300×10-6×200×103 N/mm2=
60.0N/mm2(MPa)
つよさ?かたさ?もろさ?
• つよさ
材料→強度
部材・構造→耐力(耐荷力)
• かたさ
材料→弾性係数(ヤング係数)
部材・構造→剛性
• もろさ
材料→最大ひずみ
部材・構造→最大変位
演習
• 直径10cm,長さ20cmのコンクリート(円柱供
試体)に500kNの圧縮力を作用させたときの,
軸応力(圧縮応力),ひずみ,変形量を求め
よ.ただしコンクリートの弾性係数Ec=
30kN/mm2とする.単位・有効数字に気をつけ
ること.
演習
• 直径10cm,長さ20cmのコンクリート(円柱供
試体)に500kNの圧縮力を作用させたときの,
軸応力(圧縮応力),ひずみ,変形量を求め
よ.ただしコンクリートの弾性係数Ec=
30kN/mm2とする.単位に気をつけること.
解答
• σ=P/A=500×103/(50×50×π)=63.6619
・・・→63.7N/mm2(MPa)有効数字!!
• ε=σ/Ec=63.7/(30×103)=2.12×10-3
• ΔL=L×ε=200×2.12×10-3=0.424mm