Transcript 超伝導とレーザー
エネルギ変換工学 第12回
超伝導とレーザー
2005S06 白木 英二
監修 木下 祥次
超伝導
ある物質を非常に低温に冷やしたときに、その物質の
抵抗がなくなる。
水銀は4.2Kdで電気抵抗0
閉ループコイル内
→永久電流
超伝導現象の性質
完全導電性(電気抵抗ゼロ)
完全反磁性(マイスナー効果)
磁束の量子化
ジョセフソン効果
完全導電性
非常に低温にすると
→物質の抵抗が消失する。
完全導電性:ゼロ抵抗状態
臨界温度で超伝導状態になる。
ある電流以上で超伝導状態が消滅。
完全反磁性(マイスナー効果)
超伝導体を磁界Hの中におくと、内部での磁束密
度Bはゼロになる。
B=μ0(H+M)=0 磁化M、真空の透磁率μ0
完全反磁性 H=-M
臨界磁界で超伝導状態が壊れる。
印加磁界H
磁化M
B=0
常伝導状態
超伝導状態
超伝導ケーブルによる送電(1)
現用の地中送電ケーブル:導体は銅
約1 A/mm2 の電流を流せる
高温超電導ケーブル:酸化物超電導線材
液体窒素温度(77 K)で超電導状態
約50 ~100 A/mm2 の電流を流せる。
断熱管
(株)古河電工
超電導シールド層
電気絶縁層
超伝導層
フォーマ
窒素流路
超電導ケーブルの構造
超伝導線材の構造
Bi2223(Bi2Sr2Ca2Cu3Ox)
超伝導ケーブルによる送電(2)
地中送電ケーブルのコンパクト化
→建設コストを低減。
通電損失の極小化
→運転コストを低減し、CO2 削減効果
漏れ磁界ゼロ化とリアクタンスの低減
→限界送電電力を増加
→送電容量当たりのコストの削減
超伝導ケーブルによる送電(3)
交流損失の低減
ヒステリシス損失
渦電流損失
結合電流損失
大容量長尺化
長尺冷却技術
超伝導電磁石
超伝導コイルで、安定した、高磁界を発生。
2~18Tの高磁界
(銅鉄電磁石:~2T程度)
MRI:磁気共鳴イメージング装置
超伝導リニア
超伝導発電機
核融合発電
超伝導電磁石
東北大学金属材料研究所
強磁場超伝導材料研究セン
ター
大口径無冷媒超伝導マグネットの内側に
8MWの水冷マグネットをたマグネット。
最大30Tの磁場を発生させる。
SMES(超電導電力貯蔵システム)
エネルギーの出し入れが早い
貯蔵効率が高い
SMESの適応箇所
磁束の量子化
超伝導体リングの内側を通る磁束は
φ0= h/2e =2×10-15[Wb]
h:プランク定数、e:素電荷
の整数倍の値しかとることができない。
φ
超伝導シリンダー
ジョセフソン効果
2つの超伝導体の間に挟まれた絶縁体には超
伝導状態を表す波動関数の位相差に比例した
電流が流れる。
J=J0sin(θ2-θ1)
超伝導体 絶縁体 超伝導体
Ψ1
Ψ2
Ψ:波動関数
SQUID(超伝導量子干渉素子)
微弱な磁場の検出
電流I∝cos(πφ/φ0)
ジョセフソン接合a
ja
磁束φ
jb
ジョセフソン接合b
レーザ
単色性:単一の光の集まり
指向性が良い:直進しほとんど広がらない
コヒーレント性:位相がそろっている
自然光
レーザ光
レーザの原理
励起
自然放出
誘導放出
レーザの発振
熱平衡状態
レーザ発振器の構造
反転分布
ポンピング→反転分布→自然放出→誘導放出→
→反射→光増幅→レーザ発振
反転分布の生成
3準位系
4準位系
反転分布は3準位もしくは4準位系で実現
ポンピング→電子遷移→反転分布→発光
レーザの種類
固体レーザ
ネオウジムイオンをYAG(イットリウム・アルミニウ
ム・ ガーネット結晶)に入れたNd:YAGレーザ(1064nm
赤 外線)
液体レーザ
色素分子を有機溶媒(アルコールなど)に溶かした
色素レーザ
ガスレーザ
CO2レーザ(赤外線10.6μm)や、希ガス(アルゴン、
クリプトン、キセノンなど)とハロゲンガス(フッ素、塩
素、臭素など)の混合ガスを使ったエキシマーレーザ
(126nm~351nmの紫外線)
金属蒸気レーザ
半導体レーザ
小型
消費電力が小さい
電流により高周波でレーザ光を変調可能
レーザ加工の原理
レーザ光を物質に照射
吸収されて物質の電子エネルギーに変換
物質の格子エネルギーに変換
物質の温度が上昇。
このとき物質は変性、溶融、蒸発、昇華等の現
象を起こします。
レーザ加工
非接触加工
レーザの集光径とほぼ同じ微細な加工
高パワー密度ビームを照射するため、溶融お
よび溶融金属の除去が迅速
熱影響が少なく、熱変形が極めて小さく切断精
度
切断部の酸化が少ない。
多様な板種・板厚の切断加工
レーザ加工の種類とレーザ出力
レーザ切断
その他のレーザ応用
レーザ治療器:切開メス、皮膚治療、目の治療
など
レーザ測定器
レーザプリンタ
CD/DVD
光ファイバ通信