自然科学総合実験 課題9 弦の振動と音楽

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Transcript 自然科学総合実験 課題9 弦の振動と音楽

自然科学総合実験
課題9 弦の振動と音
楽
実験の説明・注意
レポートについて
この課題の目的と実験の流
れ
• 科学と音楽(文化)の関係を考察する
• 実験1 弦の振動
– 弦の長さと音の高さ(周波数)の関係を調べる
– 波動力学の初歩を学ぶ
• 実験2 音楽と科学
– 楽器の音色や音階成立の過程と振動モードの関係について調べる
• ギターの弦を異なるモードで振動させる奏法の習得
以下の説明はノートをとりながら聞くこと
実験の詳しい説明・手順については教科書に書いてある
読んで理解した上で実験すること
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実験1
について
実験1 弦の振動
• 定常波
– 両端が固定された弦
– 波は両端で何度も反射する
– 振動が特定の条件(教科書, 式 (9.2))を満たしたとき
重なりによって波が強め合う
– 強め合って残る波
• 固有振動数
• 共鳴現象
– 外から加える力の周期=固有振動数の時起きる
– 手で揺らしても良いが、大変
• 電磁石に交流電流を流す
→ 一定の周期で磁石の「ある」「ない」状態を作る
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実験手順
• 四人一組で実験を行う
– 注意:電磁石を使う
• 低周波数磁場に発ガン性の可能性(WHO,IARC勧告)
• ペースメーカー装着者、妊娠の可能性のある者、体
力の衰えている者は通電中の電磁石に近づかない
• 実験手順
– 共振周波数の予測
– 測定
– 表の作成
– グラフの作成
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定常波の周波数
弦の線密度 σ [Kg/m]
電磁石
による力の振動
弦の張力 F=Mg [N]
弦の長さ L [m]
質量 M [Kg]
重力 Mg [N]
• 定常波の振動の様子 = モード
– n=1: 基本振動
n=1
– n2: 倍音
• モードnの定常波の周波数 fn
n F
fn 
2L 
n=2
n=3
実験1では n=1 の
モードの振動を作る
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測定装置の配置
信号発生器
波長(周波数)の異なっ
た交流信号を作る
交流電流計
交流信号の電流の大きさ
を測定する
電磁石
オシロスコープ
信号発生器の波の波
長(周波数)を測定する
オシロスコープ、信号発生器
増幅器
信号発生器からの交流
信号を増幅する
使用方法は各机に説明書がある
教科書 p.211 – 217も参照
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信号周波数と共鳴周波数
• 電磁石に交流電流を流し共鳴させる
– 信号の1波長の
間に、N極とS極
が出来る
1波長
N
電流
N
時間
弦の
受ける力
S
S
時間
– 弦は鋼鉄なので
信号の1波長あ
たり二回もっと
も強く力を受け
る
– 弦の共鳴周波数
は、信号周波数
の倍
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予測値と測定値
• 重りは2.0~3.0kgの間どれか一つに設定
• 関数電卓を持っていない場合は借りる
• 表は自分のノートに書く
1 F
f1 
2L 
重りM = ○ [Kg], 張力 F = Mg = ○[N]
弦の長さ 弦の長さ
の逆数
L [m]
1/L [m-1]
共鳴周波数 f1 [Hz]
予測値
測定値
信号周波数
fE [Hz]
30.010-2
35.010-2
40.010-2
45.010-2
50.010-2
55.010-2
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グラフの書き方
• グラフ用紙に書く
• それ自身で完結していなけれ
ばならない
例
– グラフのタイトル
– 縦・横軸それぞれに
• 測定量の名前
– 記号だけではダメ
– 記号の前か、グラフのページに
その記号が何の物理量か書くこと
• 単位
• 目盛りごとの数値
を必ず書く
• この実験では縦・横軸とも原
点から書く
• グラフ用紙をめいっぱい使わ
ない
– 綴じしろ用の余白を残す
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実験2
について
実験2 音楽と科学
• ギターを使い
–楽器の音色
–音階成立の過程と振動モード
との関係
について調べる
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実験手順
• 二人一組で実験を行う
• 実験手順
– ギターのチューニング(調弦)
– 弦の共鳴現象の確認、スケッチ
– ハーモニクス奏法の習得
– 自然音階の音の高さの決定
• ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シ,ドで言うと何になるか
• 表にする
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自然音階と平均律
• 自然音階
– ハーモニクス奏法によって作ら
れる、一つの弦の中にあるモー
ドを基準とする音階
– 基本振動に対し n 倍の周波数に
なる
n=1
n=2
• 平均律
– 1オクターブ
= 周波数が倍になる
– オクターブ間を等比数列で12
等分した音階
– 隣り合う音(半音)の周波数
比: 21/12
1オクターブ
n=3
n=4
n=5
ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド レ ミ ファ ソ ラ シ
n=6
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設問1の
v自然音階(倍音)と平均律の
比較
65.4Hzを「ド」にしたときの自然倍音(n=6まで)と対応する平均律での周波数
モード
n
1
音名
ド(2C)
自然音階(倍音)[Hz]
65.4
平均律での音名に
平均律 / 自然倍音
対応する周波数 [Hz] の周波数比
65.4
1.000
2
3
4
5
6
聞き取った
音の名前
モード n に対し
て周波数がいくつ
になるか計算
聞き取った音は平均律の計
算をすると周波数がいくつ
になるか
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諸注意
実験終了後のチェック
レポート
その他
実験終了後
• ノートのチェック
– 必ず、教官かTAに見てもらう
• レポートの表紙の確認サイン
– 必要事項(レポート提出日以外)全て記入した上で
• 提出時には提出日の記入を忘れないように(結構忘れている人がいる)
• 退出時刻
– 15時45分以降
• 早く終わったらレポートの課題をする
– 5コマに差し支えが無ければ出来るまでやっててよい
• 音楽と科学についてさらに理解を深める
– バイオリン
– トロンボーン
– ピアノ
の楽器にふれて(遊んで)みる
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レポートについて (1)
• 「実験レポートのまとめ方」に従う
– 実験1と実験2は別々にまとめること
– つまり、構造は
• 実験1
目的、原理、方法、結果、考察
• 実験2
目的、原理、方法、結果、考察
• レポートはそれ自体で完結すべし
– 試験の回答用紙ではない
• 悪い例 :
○○の答: ××
– 教科書を見なくてもやったことが分かるようにする
• 何をしたか、どんな質問に対して何を答えたか
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レポートについて (2)
• 設問と文章中の問い
– 「設問」とある章
• 当然レポートに書かなければならない
– 教科書中に「まとめよ」「~せよ」「答えよ」
「述べよ」と命令形で書かれている物
• それに対する物をレポートに書く
– 何をレポートに書かなければいけないか分から
ない場合
• 教官かTAに聞くこと
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レポートする実験課題と設
問
• 実験2
• 実験1
– 自分の選んだ重りの重さに対し
– 共振による調弦の確認
• 第6弦の5フレット目だけを指で押さえてラの音を出し、第5弦(の開放弦)と共鳴させる
• 弦の長さ L=40cm で
– 共振周波数を予測、信号周波数を測定し
て共振周波数を求める
– 弦の振動の様子をスケッチする
• 弦の長さ L=30cmから5cmきざみで55cm
までに対し
– 振動の様子を観察し、実験1の物コードの振動と比較
• 第5弦の7フレット目を押さえ、強めに弾く
– 第6弦に生じる振動を工夫してよく観察しスケッチ
– 第6弦に現れる振動モードは、図(9.3)のどのモードに一番近いかnの値で答える
– ハーモニクス奏法
• 弦長の1/2 の位置に触れた場合
– 振動モードのnは幾つか
– 現に触れている指の位置を含めて、弦全体にわたる振動の様子を絵で描く
– 共振周波数を予測、信号周波数を測定し
て共振周波数を求める
• 弦長の 1/3, 1/4, 1/5, 1/6 の位置に触れて弾いた場合
– 弦の振動の様子をスケッチする
• 上記の位置以外でハーモニクス奏法が可能になる場所
– 共振周波数 f1を弦の長さの逆数 1/L の関
数としてグラフにプロット
• 測定点を最も確からしく通るような直線
をグラフに書き込む
• 実験結果について考察する
– 振動モードのnは幾つか
– 実際にギターで試し、その位置を調べる
– 弦の振動に含まれるモード
• 弦長の1/2 の位置で確かめ、他の位置でも確かめる
– 弦を弾く位置と振動モード
• ハーモニクス奏法を行うとき、弦を弾く位置によっては音が出ない場合がどこであるか実験を行って確
かめる
• 音が出る、出ない場合の指の位置を図で示し、音が出なく理由を述べる
– ハーモニクス奏法と音階
ここに挙げているようにレ
ポートに書くべき内容は沢
山ある
きちんと教科書を読まない
と見落とす
•
•
•
•
第6弦をド(2C, 65,4Hz)に調弦、他の弦もチューニングする
n=2~6の音をハーモニクスで作り、他の弦で作った音と聞き比べることにより音階を決定する
聞き取った音を楽譜に記入する
6個の音名の性質は何か音楽用語を用いて述べる
– 設問
• 「ハーモニクス奏法と音階」で聞き取った自然音階の音を平均律と比較
– 表を作る
– どのような違いがあるか議論する
– ピアノで和音が「濁る」理由を述べる
• ギターを弾く指の位置を変えると音色が変化する理由を考察する
• 本課題の冒頭にある「はじめに」を読み「文化と化学」の関係について、
幅広い観点から考察する
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レポートについて (3)
• 考察
– 考察の意味
• 物事を明らかにするために、十分に考えること
– 「大辞林 第二版」より
• 物事を明らかにするために、よく調べて考えをめぐらすこと
– 「大辞泉 」より
– 感想文では無い
• 「~と思う」、「~では無いであろうか?」
などで終わる文章は考察とは言えない
– 「○○は□ □ となった」というのは結果であって考
察では無い
• なぜ□□となったか調べ考えることが考察
• 例えば、
– 予想と実験結果が異なっている
→ なぜそうなったのか、原因は何であると考えられるか
– 考察が出来ていない = 再レポート
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レポートについて (4)
• 誤差の無い実験は存在しない
– 誤差の種類: 統計誤差、系統誤差
• 詳しくは教科書付録Aを参考のこと
– 有効数字にも注意
• 参考文献について
– レポートを書くのに何かを参考にした場合、
必ずその文献名を挙げる
– 出自を明らかにしない引用 = 剽窃
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レポートについて (5)
• 発展課題
– やらなくても減点はしない
– しかし、きちんとレポート出来れ
ば追加点がもらえる
• 悪筆だからといって減点は
しない、が
– レポートは人に読んでもらう物
– 丁寧な字で書く、殴り書きはしな
い
• ワープロ使用禁止
• 不正なレポートには厳罰
23
よりよい授業にするため
に
• もしあれば、意見を下さい
– 教科書について
– 例えば、「読みづらい、分かりづらい」
» 具体的に何処が
» どうしたら良くなるか改善策を出して欲しい
• 執筆者に伝えます
– この実験について、等々
• レポートと一緒に提出してもらえる
とありがたい
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