鉛フリーはんだにおけるレーザ反射光解析

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鉛フリー半田における
レーザ反射光解析
長南研究室 近澤正明
鉛フリーはんだ導入の背景
電子機器
の廃棄
酸性雨
埋め立て処理
鉛溶出
地下水→飲料水混入
鉛により人体に様々な機能障害が発生する。
鉛フリーはんだ
鉛フリーはんだに対する国内企業の動向
・ 融点が高い
・ソニー
2000年度より鉛フリー使用開始
・ ぬれ性が悪い
・NEC
2000年末に鉛はんだ半減
・ コストが高い
世界の動向
実用化が困難であるといわれてきた
・ヨーロッパ
2004年より鉛の使用禁止(EU)
・アメリカ
2001~2004年に全廃
研究の目的
はんだ面にレーザを照射しその反射光により検
実装基盤の高密度化、小型化→検査が必要不可欠
査を行うはんだ検査装置において
鉛はんだ→
鉛フリーはんだ→
鏡面に近い反射をする
表面が粗く反射光の広がりが
大きいため検査が難しい
両者の反射光の広がりがどの程度違うのか
かを数値化し、比較検討を行う。
検査装置の構成図
ガルバノメータ
エキスパンダレンズ
TOPセンサ
X
ビームスプリッタ
レーザ管
Y
対物レンズ
受光ボックス
プリント基板
XYステージ
受光ボックスの様子
レーザ光
受光ボックス
34
24
14
SD04
34
24
14
UP04
U0
U1
33
23
13
SD03
33
23
13
UP03
U2
U3
受光素子
32
22
12
SD02
32
22
12
UP02
S0
35
25
15
SD05
35
25
15
UP05
S1
S2
S3
部品
プリント基板
TOP
UP01 UP00
11
10
21
20
31
30
SD01 SD00
11
10
21
20
31
30
UP07 UP06
17
16
27
26
37
36
SD07 SD06
17
16
27
26
37
36
受光領域
正規分布曲線
y
1
y
e
 2
  x 2 


2 
 2 
μ:平均
σ:標準偏差
-0.6
-0.4
-0.2
0
x
0.2
0.4
0.6
ベクトル合成による反射光解析
z
合成ベクトル(反射光の中心)
m=(mx ,my ,mz )
m1
θ
x
m
φ 2
m3
y
座標変換の方法
z
m
y
φ
θ
x
①
z’
m
y’
x'  x cos  y sin 

①  y'   x sin   y cos
z'  z

x"  x' cos  z' sin 
②  y"  y'
z"   x' sin   z' cos

この2つの変換の合成は
x’
②
z”
y”
x”
m
x"  x cos cos  y sin  cos  z sin 

 y"   x sin   y cos
z"   x cos sin   y sin  sin   z cos

解析に使用した基盤
鉛はんだ
鉛フリーはんだ
ほぼ真上に反射(X-Y平面)
Φ=88.98 θ=-88.01
200
光の強度
150
100
50
0
-80
-40
0
座標変換後の角度[°]
40
80
斜めに反射(X-Y平面)
Φ=74.03 θ=-169.80
150
光の強度
100
50
0
-80
-40
0
座標変換後の角度[°]
40
80
反射光の広がり比較
鉛はんだ Φ=69.51 θ=-12.93
鉛フリーはんだ Φ=69.15 θ=-8.92
偏差 4.82
偏差 10.43
300
250
光の強度
200
鉛フリーはんだ
鉛はんだ
150
100
50
0
-40
-20
0
座標変換後の角度[°]
20
40
偏差の比較
16
鉛はんだ
鉛フリーはんだ
標準偏差[°]
12
8
4
0
0
1000
検査開始点からの距離[μm]
2000
結論
ベクトル法を使い、座標変換を行うことによって
鉛はんだと鉛フリーはんだにおける反射光の
広がりを数値化することに成功し、鉛フリーはんだは
約1.5倍程度の広がりがあることが確認された。
今後の課題
・さまざまな組成の鉛フリーはんだについて解析を
進める。
・鉛はんだの形状認識のアルゴリズムを開発する。