講義資料9 - 中央学院大学

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中央学院大学 商学部
野村證券提供講座
投資信託の役割とその仕組みについて①
平成17年6月15日
野村證券株式会社 投資信託部
桑島 雅哉
目次
1.投資信託とは
投資信託とは
投資信託の起源①
投資信託の起源②
投資信託の魅力
3.投資信託のリスク
投資信託のリスク
4.投資信託の仕組み
①契約型
②会社型
2.投資信託の魅力
共同投資
分散投資によるリスクの軽減
専門家の能力の活用
豊富な選択肢
透明性
保全性・簡便性
5.ファンドの具体例
ファンドの仕組み
ファンドの性格及び特色
銘柄選択のプロセス
ファンドの運用体制
リスク管理体制
1
投資信託とは
投資信託とは
■投資信託とは、専門機関が複数の投資家からお金を集め、これを一つの基金(ファンド)として
まとめて運用する仕組みのことです。リスクもリターンも投資家に帰属します。
投資家
運用の
リスク・リターン
資金
専門機関
分散投資
株式
海外市場
デリバティブ
商品
公社債
為替
不動産
等..
(出所)野村證券投資情報部作成
2
投資信託とは
投資信託の起源①
■130年ほど前、英国で誕生したと言われています。
19世紀のイギリス
欧州大陸・新大陸
資金余剰・低金利
資金不足・高金利
海外投資意欲の高まり
問題点は、①資金が小さい、②このため危険分散ができない、③調査も難しい
投資信託の誕生
1868年(明治元年)
世界最初の投資信託「フォーリン・アンド・コロニアル・ガバメント・トラスト」誕生
→ 海外の公債に広く分散投資をした投資信託、現在の「世界債券ファンド」
3
投資信託とは
投資信託の起源②
The Foreign and Colonial Government Trust Company, Limited.
A Complete List of the Securities held by the Company on January 10th, 1885.
Name of Security
・
・
Nominal Amount
(£)
・1873年(明治6年)明治政府発行
Alabama 6 %, State Bonds
(Class A)
の外国公債第2号(ロンドン)
・
・
Egyptian
・
・
Japan 7
・
・
4,160
0.11
143,680
4.00
12,900
0.36
8,000
0.22
20,000
0.56
3,583,300
100
・目的:廃藩置県のための
資金繰り
5 %, Preference
Stock
・発行額:240万£
・発行条件
-利率年7分
-発行価額:100£につき92.5£
%, 1873
-償還:1898年(明治30年)
(3年据置き元利混合斉崩法)
Uruguay 5 %, 1883
・
・
Western Australia Public
ちなみに
外国公債第1号:1871年(明治4年)、
新橋・横浜間の鉄道敷設資金調達
として5 %
Works
Total(104 issues)
%
(出所)Robert Cole;“Getting Standard in Unit and Investment Trusts”,1997(John Wiley & Sons)、 大蔵省百年史、日銀金融年報
4
投資信託とは
投資信託の魅力
■具体的には、次のような魅力が考えられます。
共同投資
豊富な選択肢
分散投資
透明性
専門家の能力の活用
保全性・簡便性
等..
(出所)野村證券投資情報部作成
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投資信託の魅力
共同投資
■共同投資により、規模の効果が得られます。
ファンド
•小額から投資が可能
•投資対象の拡大 (個人には難しい投資対象に投資できるファンドもあります)
•取引コストの減少
・世界中が投資対象です。
・ファンドを通じて、個人では手が届かないような大掛かりな投資をする
ことができるようになります。
・株式や公社債の他、短期金融市場やデリバティブ市場、未上場株式
や不動産等への投資が可能になります。
(出所)野村證券投資情報部作成
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投資信託の魅力
分散投資によるリスクの軽減
■分散投資は、投資信託の大きな特徴です。
分散投資によるリスク軽減
投資信託は、複数の投資対象に分散して投資します。そのため、投資のリスクが軽減されます。
(イメージ図)
分散投資: “卵は1つのかごに盛るな”
投資信託
・・・
(イメージ図)
リ
タ
ー
ン
株式
債券
円短期運用
単独ではリスクの高い投資対象へも
投資信託を活用すれば
少ないリスクで投資できます。
リスク
(出所)野村證券投資情報部作成
7
投資信託の魅力
専門家の能力の活用
■ 内外の有望投資先を選択
■ 各国の経済・政治の変化を監視
■ 様々な運用手法を駆使
■ 高度なリスク管理
■ 個人投資家の物理的制約をクリア
など
個人では入手が難しい情報も、
ファンドはすぐに得ることができます。
(出所)野村證券投資情報部作成
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投資信託の魅力
豊富な選択肢
■目的に合わせて、様々な投資信託が活用できます。
中小型株を中心に運用するファンド
毎月分配金が期待できるファンド
債券を中心に運用するファンド
新興国企業に投資するファンド
不動産に投資するファンド
環境に優しい会社に投資するファンド
未上場株を中心に運用するファンド
すぐに換金できるファンド
指数に連動するファンド
等..
(出所)野村證券投資情報部作成
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投資信託の魅力
透明性
■投資信託は、個人投資家に情報が開示されています。
(購入時)
(購入後)
目論見書
運用報告書
投資信託の各商品ごとに作られている説明書。ファンドの
仕組み、性格及び特色、運用体制、投資リスク、申込手続
き、手数料などの費用や税金など重要な事項が分かり易
く説明されている。
期中の資産
運用経過
運用実績
投資リスク
組入有価
証券明 細
投資方針
手数料
及び税金
投資信託
財産の構成
今後の
運用方針
週次・月次レポート(ディスクロージャー)
(出所)社団法人投資信託協会資料より野村證券投資情報部作成
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投資信託の魅力
保全性・簡便性
■信託財産は分別管理されていますので安全です
信託銀行が安全に保管・管理
Aファンドのために
集めたお金
全てAファンドの
ために使う
最初から分けて管理されてい
るため、他の目的に使用される
ことはありません。
(注)運用によって減った部分を保全するものではありません。
■1人で全てを管理するのは大変です
株式や債券などの個別銘柄への投資には、銘柄選び
や売買タイミングなどの難しさが...
「投資信
託」の活用
リスクを分散するための複数銘柄への投資には、資産
の管理や必要となる資金量の問題が...
時間がなくて個別企業の情報をチェックする余裕がない
などの問題が…
等
(出所)野村證券投資情報部作成
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投資信託のリスク
投資信託のリスク
■投資信託のリスクを知っておきましょう。
基準価額変動リスク
投資対象の持つリスク
株価変動リスク
信用リスク
金利変動リスク
有価証券の貸付等
におけるリスク
為替変動リスク
運用担当者の交代・退職
運用会社の買収・合併
等...
投資手法の変更
等..
※ この他にも多様なリスクがあります。投資対象や運用方針の違いにより、変わってきます。
(出所)野村證券投資情報部作成
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投資信託の仕組み
①契約型
■投資信託の運営の仕組みには、契約型と会社型があります。
日本では契約型が主流です。
投資家
申込金
販売会社(投資家との窓口)
分配金
償還金
損益
申込金
分配金・償還金・損益
運用会社(投資信託の設定・資金運用)
信
託
契
約
運用の指図
信託金
損益
投資
受託銀行(信託財産の保管・管理)
損益
(注)投資信託を直接投資家に販売する(直販方式)投資信託会社もあります。
(注)契約型投資信託には、このほか委託者非指図型があります。
(出所)野村證券投資情報部作成
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投資信託の仕組み
②会社型
■会社型の投資信託の運営の仕組みは、証券投資法人を設立します。
株式会社と似たような仕組みをもちます。
申込金
投資家
販売会社(投資家との窓口)
分配金
償還金
損益
申込金
分配金・償還金・損益
証券投資法人(投資する専門の会社)
運用の委託
運用会社(投資信託の設定・資金運用)
(注)投資信託を直接投資家に販売する(直販方式)投資信託会社もあります。
(出所)野村證券投資情報部作成
資産の保管委託
受託銀行(信託財産の保管・管理)
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ファンドの具体例
ファンドの仕組み
■ファンドの仕組み (例)
ファンド
マザーファンド
(親投資信託)
委託会社
受託会社
証券投資信託契約
(委託者)
(受託者)
○○アセットマネジメント株式会社
△△信託銀行株式会社
[ファンドの運用の指図、受益証券の発行]
[ファンドの保管、管理業務]
募集・販売等に関する契約※
販売会社
[募集の取扱いおよび販売、一部解約に関する事
務、収益分配金の再投資に関する事務、一部解約
金・収益分配金・償還金の支払いに関する事務]
※「募集・販売等に関する契約」は、契約終了の3ヶ月前まで
に当事者の一方から別段の意思表示のないときは、原則
1年毎に自動的に更新されるものとします。
販売会社は、販売・一部解約等の申込み、一部解約金・収益
分配金等の支払いに関する投資者の窓口になります。
投資者 (受益者)
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ファンドの具体例
ファンドの性格及び特色
■ファンドの性格及び特色 (例)
《ファンドの目的及び基本的性格》
わが国の株式を実質的な主要投資対象とし、信託財産の成長を目標に積極的
な運用を行うことを基本とします。
TOPIX(東証株価指数)をベンチマークとします。
ボトムアップ・アプローチをベースとしたアクティブ運用を行ないます。
株価の割安性をベースに銘柄選択を行ないます。
株式の実質組入比率は、原則として高位を維持します。
《ファンドの投資対象》
わが国の株式を主要投資対象とします。
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ファンドの具体例
銘柄選択のプロセス
■銘柄選択のプロセス (例:イメージ図)
ポートフォリオ
定性的評価を加えた
総合判断
定量的な割安性判断
投資対象銘柄
(全国上場・店頭登録銘柄)
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ファンドの具体例
ファンドの運用体制
■ファンドの運用体制 (例)
経済調査・企業調査部署
による市場・企業の調査分析
マクロ分析・企業調査
の依頼等
運用管理・運用審査部門
によるファンドのリスク管理・分析
調査・分析結果の
提供等
運用担当者
運用状況・データの
開示等
モニタリング・分析結果
の提供等
独自の銘柄調査・分析、ファンドの管理
売買指図
トレーディング部署による
株式等の発注
※なお、マザーファンの
運用体制も同様です。
◆ファンドの運用にあたっては、下記の日本株調査体制がサポートを行います。
日本株調査体制
•電機グループ
企
業
調
査
部
門
•通信・ソフトグループ
•医薬品・消費グループ
•素材グループ
•機械・自動車グループ
•金融・インフラグループ
•店頭・小型株グループ
•日本経済担当
経
済
調
査
部
門
•欧米経済・国際金融担当
•アジア経済担当
これに加えて運用関連部署と企業
調査関連部署が共同で銘柄検討を
行う委員会がバックアップします。
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ファンドの具体例
リスク管理体制
■リスク管理体制図 (例)
投資リスク管理に関する委員会
パフォーマンスの考査
運用リスクの管理
・運用パフォーマンス実績等の
モニター
・信託約款等の遵守状況の
モニター、審査、管理
・運用パフォーマンス実績等の
考査(分析、評価) 等
・投資対象の信用リスク等の
モニター、審査、管理 等
分析提供
評価
指導 等
分析提供
評価
等
投資信託運用関連部署
リスク分析とリスク管理の特徴
ファンドのリスク管理については、「個別銘柄の管理」と「全体(ポートフォリオ)管理」の二つの側面から行っております。
・「個別銘柄の管理」は、組入れ銘柄中心に継続フォロー銘柄の綿密な調査・分析を継続して行って対応しています。
・「全体(ポートフォリオ)管理」の側面からは、委託会社の株価・ポートフォリオ分析モデルを用いてベンチマークとの
乖離状況を把握しながら全体のリスク管理を行います。
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