ECLusys Tumor Marker…..

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ECLusys Tumor Marker…..
腫瘍マーカー
CAシリーズ +
Cyfra
(CA19-9 CA15-3 CA125 CA72-4)
ロシュ・ダイアグノスティックス(株)
CD製品学術部製品学術課
2005.5.1社内資料
1
ECLusys Tumor Marker…..
各疾患別死亡率
日本における死亡率の経年的変化
日本における死亡率の割合
(平成15年)
22%
31%
2%
3%
4%
9%
16%
13%
悪性新生物
心疾患
脳血管疾患
肺炎
不慮の事故
自殺
老衰
その他
(財)厚生統計協会.国民衛生の動向より引用
2
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各悪性腫瘍別死亡率
主要部位別・年次別がん死亡率
人口10万対
胃
肝および肝内胆管
大腸
膵臓
気管・気管支および肺
前立腺
乳房
子宮
卵巣
70
60
50
40
30
20
10
0
1970
1980
1990
1996
1998
2000
国立がんセンターホームページより引用
3
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各悪性腫瘍別5年生存率
Cancer
Deaths
New cases
5 year survival
肺癌
大腸癌
乳癌
前立腺癌
膵臓癌
悪性リンパ腫
白血病
卵巣癌
肝癌
膀胱癌
皮膚癌
153,000
56,000
46,000
38,000
25,900
22,700
19,100
13,600
11,300
10,600
6,900
172,000
149,000
182,000
200,000
27,000
52,900
28,600
24,000
27,600
46,000
32,000
13%
58%
79%
77%
3%
52-78%
38%
39%
55%
67-83%
84%
Source: American cancer society, estimates in the US
4
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腫瘍マーカーとは
腫瘍細胞または非癌細胞が癌細胞が作る物質のうちで、癌の存在、
細胞の種類とその量を反映する指標となるもの
目的
(1)特定癌のハイリスク群の診断(スクリーニング)
(2)癌の有無と進行度診断の補助
(3)癌の原発臓器と細胞の種類の鑑別
(4)進行癌の治療経過観察、治療効果判定、再発発見と予
後予測
(5)免疫染色によるマーカー産生腫瘍の同定
(6)免疫シンチグラフィによる腫瘍の診断と標的治療
5
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腫瘍マーカーの特徴
•大部分の癌は遠隔転移をしても原発巣と同じ性質を維持して
同じマーカーを産生するので、血中レベルは病期の進行にした
がって上昇して高値例が多くなり陽性率も増加する
•腫瘍マーカーが陽性値であることは必ずしも癌の存在を意味
しないが、血中レベルが高いほど進行癌が存在する確立が高い
•同時に複数マーカーが陽性値であれば癌の確率が高い
•早期癌の診断には用いられない
(例外:慢性ウイルス性肝炎でのAFP、高齢男性
でのPSA)
•一般に治療後再発において画像診断で再発が確認される2~
6ヶ月前に血中腫瘍マーカーの増加を認める
6
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腫瘍マーカーの変遷
第1世代
第2世代
第3世代
第4世代
1848 多発性骨髄腫の尿中よりBence Jones タンパクが発見される
(英国:Dr. Bence Jones)
1960 AFP(α-Fetoprotein:αフェトプロテイン)を原発性肝癌細胞より発見
(ソ連:Abeleve,他)
1965 CEA (Carcino Enborionic Antigen:癌胎児性抗原)を直腸癌細胞より
発見
(カナダ: Gold)
1979 PSA (Prostate Specific Antigen )を前立腺組織より発見
(アメリカ:Wang,他)
前立腺のみに存在するタンパク
1979 CA19-9 (Carbohydorate Antigen19-9 )を結腸・直腸癌より発見
(アメリカ:kworposki,他)
-モノクローナル抗体で認識する糖鎖抗原
1990 癌関連遺伝子を用いた癌診断
発癌遺伝子ras 癌抑制遺伝子p53
7
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腫瘍マーカーの分類
•
癌特異性が高い腫瘍マーカー
悪性腫瘍で相対的に増加するため、原発臓器に特定は難しいため
広範囲に用いられる腫瘍マーカー
CEA CA19-9
→
•
幅広い診療領域で使用
臓器特異性の高い腫瘍マーカー
特定の臓器が疾患となった場合血中濃度が上昇するが、他臓器の疾
患での上昇はあまりない腫瘍マーカー
AFP PIVKAⅡ PSA NSE proGRP
→
各々の関連診療領域で使用
各診療部門においては、各々の領域の臓器特異性の高いマーカーと広域
腫瘍マーカーの併用が望ましい
8
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腫瘍マーカーの構造類似性
腫瘍マーカーには抗原構造が近似した類似抗原のグループがあり、同
一グループ内の測定値間には高い相関がみられ、臨床的意義もほとん
ど同一です。
臨床使用にあたっては、原発臓器と細胞の種類の鑑別診断に別グルー
プの項目を数項目組み合わせて検査を行うことにより、組み合わせの
陽性、陰性パターンから癌細胞の種類を推定するとともに、癌の検出
率を向上させることが可能となります。
各種腫瘍マーカー 類似抗原グループ
○ シアリルルイスAグループ(
Ⅰ型糖鎖)
CA19-9 KMO1 CA195
CA50 Span-1
○ シアリルTnグループ(
母核糖鎖)
STN CA72-4 CA546
○ ムチン抗原グループ
○ 前立腺関連抗原グループ
PSA PAP γ-Sm
○ サイトケラチングループ
シフラ TPA
○ hCGグループ
hCG hCGβ β-CF UGP
CA15-3 BCA225
CA125 CA602
腫瘍マーカー臨床マニュアルより引用
9
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検査間隔
進行癌の治療効果判定とモニタリング
治療前に陽性値の腫瘍マーカー2~3項目を選び、手術の場合は術前と術後
1,2,4週に、その他の入院抗癌治療中は月1~2回、外来治療では1~3ヶ月に1
回、完治後の経過追跡では3ヶ月~1年に1回の間隔とする。
手術前後の腫瘍マーカーの検査間隔
1.診断時
(
陽性項目のないときは2~7の検査は不要)
2.術直前(
初回検査から1月以上たったとき)
3.術後1週
術後にマーカー値の上昇を認め
たときは1~3ヶ月間隔で追跡し、
画像精密検査を行う。再発を発
見したら次の治療に移る。
4.術後2週
5.術後1ヶ月(
または4週)
6.術後3ヶ月
7.術後6ヶ月
8.術後1年(
術前陰性でも必ず)
9.以後、再発リスクに応じて5年間は年1~2回検査
腫瘍マーカー臨床マニュアルより引用
10
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各種癌と腫瘍マーカー
国立がんセンターホームページより引用
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腫瘍マーカー オーダー状況
外来・入院別では外来が大部分を占め、術後のfollow-up、あるいはハイリ
スクグループの経過観察を主体に用いられております。
検査数/年
NIPPON ACTA RADIOLOGICA;63.2003
12
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診療科別頻用腫瘍マーカー
循環器
血液
なし
内分泌代
呼吸器
謝
CEA
CEA
SCC
消化器
腎臓
整形外科
乳腺
泌尿器
産婦人
新生児周
産期医学
CEA
CEA
CEA
CEA
CEA
CEA
CEA
AFP
AFP
AFP
AFP
AFP
AFP
SCC
SCC
SCC
SCC
SCC
CA19-9 CA19-9 CA19-9
CA125
NSE
NSE
シフラ
シフラ
CA19-9 CA19-9
CA125
CA125
NSE
NCCST439
NCCST439
PSA
sIL-2R
TGB
proGRP DUPAN2 β2MG
PIVKAⅡ
A L P
PSA
C A 1 5 -3
β h C G
γSM
C A 7 2 -4
VMA/HV
A
h C G
NIPPON ACTA RADIOLOGICA;63.2003
13
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診療科別腫瘍マーカー オーダー状況
NIPPON ACTA RADIOLOGICA;63.2003
14
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診療科別腫瘍マーカー オーダー状況
NIPPON ACTA RADIOLOGICA;63.2003
15
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糖鎖性腫瘍マーカー
CA19-9
CA125
CA72-4
CA15-3
サイトケラチングループ腫瘍マーカー
Cyfra
16
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糖鎖性腫瘍マーカーの構造と分類
糖鎖性腫瘍マーカーの構造摸式図
修飾構造
修飾構造
基幹構造
Ⅰ型 Galβ1→3GlcNAc
Ⅱ型 Galβ1→4GlcNAc
母核構造
O-グリコシド結合糖鎖 GalNAc
N-グリコシド結合糖鎖 GlcNAc Man
修飾構造
基幹糖鎖
Ⅰ型基幹糖鎖抗原
CA19-9 Span-1 DUPAN-2
Ⅱ型基幹糖鎖抗原
SLX
母核糖鎖関連抗原
STN(シアリルTn)
コア蛋白
母核糖鎖
コア蛋白
CA72-4 CA546
コア蛋白関連抗原
CA125 CA602 CA15-3
細胞膜
17
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CA19-9
1979年 koprowski らがヒト大腸癌細胞株 SW1116を用いてマウスを免疫し、作
成した多数のモノクローナル抗体の中から、NS-19-9抗体が大腸癌以外にも膵臓
癌患者血清と強く反応することが見出されました。
同抗体によって認識される糖鎖抗原
(Carbohydrate Antigen)
CA19-9
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CA19-9:シアリルルイスA糖鎖
CA19-9:別名2→3シアリルルイスA
血液型Ⅰ型基幹糖鎖(Gal1→3GlcNAc)を基本骨格とするルイスA
糖鎖の末端にシアル酸がα2→3結合したシアリルルイスA抗原
ヒト血清中の存在様式
 複数の抗原糖鎖が巨大な蛋白分子の表面に露出したシアロムチンとして存在
 癌患者のCA19-9の大部分が高分子(分子量200万以上)
 良性胆管系疾患 高分子と低分子が混在
 正常人 低分子(約20万以下)
 半減期14時間
2→3,2→6ジシアリルルイスA
 正常上皮細胞で発現
 癌細胞では2→6シアル酸転移遺伝子の発現低下が起こり、2→3シアリ
ルルイスA(CA19-9)の発現が亢進する
19
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Lewis式血液型とCA19-9
基幹領域
ST
酵
素
Gal
Gal
GlcNAc
β1→3
DUPAN-2
NeuAc
O型抗原
Gal
GlcNAc
Le
酵
素
α2→3
Le
酵
素
CA19-9
NeuAc
Se
酵
素
GlcNAc
α1→2
Fuc
Lea
Gal
GlcNAc
α1→4
Fuc
Gal
GlcNAc
α1→4
Le
酵
素
Leb
Gal
GlcNAc
Fuc
Gal:ガラクトース GlcNAc:N-アセチルグルコサミン NeuAc:ノイラミン酸 Fuc:フコース
Fuc
ST酵素:シアル酸転移酵素 Se酵素:分泌型遺伝子酵素 Le酵素:ルイス抗原遺伝子酵素
α1→4
Fuc
20
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CA19-9
Lewis式血液型別ヒストグラム
健常者(n=188)
97.5パーセンタイル値
80
全体
70
Le(a+ b-):n=36 35U/mL
Le(a- b-):n=23 0.6U/mL未満
Le(a- b+):n=129 18U/mL
60
50
頻度
:n=188 28U/mL
40
30
20
10
0
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
50
55
60
65
70
C A19-9Ⅱ[U /m L]
医学と薬学52(6):1007-1004,2004
21
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各悪性疾患におけるCA19-9濃度分布
300
C A19-9 [U/m l]
250
200
150
100
50
cutoff 37
0
大腸癌
(n=29)
胃・
食道癌
(n=48)
胆嚢・
胆管癌
(n=15)
膵臓癌 肝癌
(n=20)
(n=18)
医学と薬学52(6):1007-1004,2004
22
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各良性疾患におけるCA19-9濃度分布
140
120
C A19-9 [U/m l]
100
80
60
40
cutoff 37
20
0
下部消化管疾患 上部消化管疾患 胆嚢・
胆管疾患 慢性膵炎 慢性肝炎
(n=25) (n=32)
(n=28)
(n=22) (n=18)
医学と薬学52(6):1007-1004,2004
23
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CA19-9
各種疾患別陽性率
 膵臓癌・胆道癌の再発チェックのモニター
 膵臓癌・胆道癌の診断の補助
疾患
臨床的感度(%)
膵臓癌
83
胆嚢・胆管癌
75
食道癌
20
胃癌
31
大腸癌
11
肝臓癌
31
肺癌
27
乳癌
7
子宮癌
15
日本臨床増刊号:459-461,1999
24
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CA125
CA125はヒト卵巣漿液性嚢胞腺癌から得られた由来の細胞株OVCA433
に対して作成したモノクローナル抗体OC125で認識されるコア蛋白関連
抗原。
第2世代のCA125測定キットは、OC125と別のsubunitを認識するモノ
クローナル抗体M11を固相化抗体、OC125を標識抗体とし、抗イデオタイ
プ抗体の存在による偽陽性の問題を回避しております。
MoAb
OC125
subunit
MoAb
M11
MoAb
F602-1
subunit
CA125分子
MoAb
F602-6
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CA125:コア蛋白関連抗原
CA125:Cancer Antigen 125
モノクローナル抗体OC125によって認識される抗原で、
胎生期体腔上皮に存在する糖蛋白






細胞膜貫通型の糖蛋白質
分子量約100~400kDa
抗原決定基は本体の蛋白部分
胎児の体腔上皮および関連臓器(腹膜、胸膜、心嚢膜 子宮・
卵管内膜など)の発達に関与していると考えられている
これら臓器の悪性、非悪性異常の発生に伴いCA125の発現画亢
進し血中濃度が上昇する
エストロゲンにより産生亢進するため、血中濃度も性周期に
伴って変動し、妊娠初期に増加し、閉経後は低下する
26
ECLusys Tumor Marker…..
CA125:各種悪性腫瘍と良性疾患
1,卵巣癌 2,子宮癌 3,乳癌 4,消化器癌 5,肺・気管支癌 6,その他悪
性腫瘍 7,良性肝疾患 8,良性消化器疾患 9,腎不全 10,その他良性疾患
Clin Chem 44:2530-2536,1998
27
ECLusys Tumor Marker…..
CA125:卵巣癌
Stage別測定値分布
35U/mL
95%健常人
女性
良性婦人科疾患
卵巣癌
Clin Chem 44:2530-2536,1998
28
ECLusys Tumor Marker…..
CA125:各種疾患別陽性率
 卵巣癌の治療効果モニタリング、予後予測
 子宮内膜症の治療効果判定、再発の診断
疾患
陽性率(%)
卵巣癌
78
子宮頸癌
26
子宮体癌
13
胃癌
大腸癌
子宮良性疾患
34
32
39
日本臨床増刊号:455-458,1999
29
ECLusys Tumor Marker…..
CA72-4:母核糖鎖関連抗原
CA72-4:Cancer Antigen 72-4
モノクローナル抗体CA-72およびCC49により
認識されるムチン型糖鎖関連抗原
CA72-4は、B72.3およびCC49の2種類のモノクローナル抗体により認識され
る腫瘍関連抗原で、ムチン様高分子上に発現される糖蛋白と考えられてい
ます。
B72.3は乳癌肝転移組織の膜分画を免疫原として作成されたモノクローナ
ル抗体であり、 シアリルTn抗原を認識すると考えられております。この
B72.3抗体を用いて結腸癌細胞株から精製した糖蛋白(TAG-72)を免疫原
として作製されたモノクローナル抗体がCC49です。
ECLusys Tumor Marker…..
CA72-4:各種悪性腫瘍と良性疾患
悪性疾患
良性疾患
100
[U/mL]
80
60
40
膀胱癌
前立腺癌
腎臓癌
肝細胞癌
乳癌
膵臓癌
肺癌
胃癌
卵巣癌
感染症
自己免疫
乳腺
肺
泌尿器
婦人科
消化器
0
結腸・直腸癌
20
Multicenter Study ISOBM 2001検討データより引用
31
ECLusys Tumor Marker…..
CA72-4:ムチン性嚢胞腺癌
CA72-4はCA125と比較しムチン性嚢胞腺癌において高い陽性率を示し、ROC分析でも
優れた診断効率を示しております。
良性婦人科疾患(307例)vs.ムチン性嚢胞腺癌(26例)
100
sensitivity [%]
80
CA 72-4-ECLIA
60
CA 125
40
20
0
100
80
60
40
20
0
specificity [%]
Multicenter Study ISOBM 2001検討データより引用
ECLusys Tumor Marker…..
CA72-4:胃癌
CA72-4は胃癌においても高い陽性率を示し、他の血中腫瘍マーカーと
比較し、ROC分析で優れた診断効率を示しております。
良性消化器疾患(435例)vs.胃癌(136例)
100
sensitivity [%]
80
CA 72-4-ECLIA
60
CEA
40
CA 19-9
20
0
100
80
60
40
20
0 specificity [%]
Multicenter Study ISOBM 2001検討データより引用
ECLusys Tumor Marker…..
CA72-4:各種疾患別陽性率
 卵巣癌の治療効果モニタリング、予後予測
 胃癌の再発の診断
疾患
卵巣癌
胆嚢・胆道癌
大腸癌
胃癌
膵癌
陽性率(%)
50~60
50~60
40~60
40~50
30~40
乳癌
30~40
子宮内膜症
20~30
腫瘍マーカーハンドブックより引用
34
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CA15-3
CA15-3:Cancer Antigen 15-3
モノクローナル抗体115D8とDF3によって
認識されるムチン様の糖蛋白
CA15-3はヒト乳汁脂肪球膜上の蛋白を抗原にして作製したモノクローナル
抗体115D8と、ヒト乳癌肝転移腫瘍の膜成分を抗原として作製したモノク
ローナル抗体DF3の組み合わせにより認識される分子量400kDa以上の
ムチン様糖蛋白です。
ECLusys Tumor Marker…..
CA15-3:乳腺良性疾患と乳癌
乳腺良性
疾患
初発乳癌
転移なし
再発なし
再発乳癌
初発乳癌
転移あり
Clin Lab 49:15-24,2003
36
ECLusys Tumor Marker…..
CA15-3:悪性・良性疾患陽性率
乳癌病期・再発別陽性率
CA15-3値は乳癌のスクリーニング
には不適当とされておりますが、
術後のモニタリング、予後予測に
有用性が認められています。
乳癌以外の悪性疾患での陽性率
CA15-3値は肺癌、消化器系癌、卵巣癌
等、乳癌以外の悪性腫瘍でも上昇するこ
とが認められております。
陽性率(%)
陽性率(%)
乳腺良性疾患
4
原発乳癌
肺癌
1 7 ~ 2 4
膵癌
2 2 ~ 2 9
9 ~ 2 1
S tage 0
0
胃癌
S tage Ⅰ
3
子宮癌
1 8 ~ 2 7
S tage Ⅱ
3
卵巣癌
3 8 ~ 4 2
S tage Ⅲ
6
肝癌
S tage Ⅳ
55
術後無再発
大腸癌
10
8 ~ 1 7
0
再発乳癌
局所・リンパ節
33
骨
52
内臓
67
日本臨床増刊号:474-477,1999
ECLusys Tumor Marker…..
Cyfra:サイトケラチングループ
Cyfra:サイトケラチン19フラグメント
サイトケラチンは上皮細胞に広く分布する細胞骨格を構成する蛋白で
肺は19フラグメントの主要な発現部位となっており、その可溶性成分
サイトケラチン19は非ラセン状N末端ドメイン、約40nmの中央ロッドドメイ
ン、C末端ドメインから成り、中央のロッドドメインは親水性のコイル1a、
コイル1b、コイル2の3つのコイル部分に分けられます
悪性疾患、特に非小細胞肺癌において可溶化した19フラグメントが血中に
存在していることが認められております
HEAD
ROD
Coil 1a
Coil 1b
TAIL
Coil 2
N
C
Ks19.1
BM19.21
38
ECLusys Tumor Marker…..
肺癌症例におけるCyfra測定値分布
扁平上皮癌
腺癌
大細胞癌 小細部癌
良性肺疾患
Jpn.J.Cancer Res 85,1178-1184,1994
39
ECLusys Tumor Marker…..
各種良性疾患におけるCyfra測定値分布
肺結核
COPD サルコイドーシス
(n=85)
(n=52)
(n=42)
間質性
肺炎
細菌性
肺炎
気管支
喘息
気管支
拡張症
(n=41)
(n=40)
(n=34)
(n=26)
その他
n=(104)
Jpn.J.Cancer Res 85,1178-1184,1994
40
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非小細胞癌病期別Cyfra測定値分布
Jpn.J.Cancer Res 85,1178-1184,1994
41
ECLusys Tumor Marker…..
Cyfra
各種疾患別陽性率
 肺非小細胞癌の診断
疾患
臨床的感度(%)
肺癌 扁平上皮癌
腺癌
50~90
20~60
大細胞癌
15~50
小細胞癌
30~50
食道癌
20~85
肝臓癌
30~70
卵巣癌
60
子宮体癌
50
子宮頸癌
45
口腔癌
42
日本臨床増刊号:478-481,1999
42
ECLusys Tumor Marker…..
疾患別腫瘍マーカーの有用性
食道癌
 胃癌
 大腸癌
 膵・胆道癌
 肺癌
 乳癌
 子宮頸癌
 子宮体癌
 子宮内膜症
 卵巣癌

43
ECLusys Tumor Marker…..
食道癌
食道癌の約90%は扁平上皮癌であり、腫瘍マーカーとしては扁平上皮
癌に特異性のあるマーカーが主に用いられます。
いずれのマーカーもスクリーニング検査としての診断意義は少ないが、
モニタリングマーカーとして再発の早期発見、治療に有用性が認められ
ております。
主な腫瘍マーカー
SCC CEA TPA BFP CA19-9 Cyfra
食道扁平上皮癌の病期と各腫瘍マーカーの陽性率
組織学的病期
陽性率(
%)
SCC
CEA
Cyfra
0
0~20
0~20
0~10
Ⅰ
0~20
0~20
0~20
Ⅱ
10~30
10~20
10~40
Ⅲ
20~40
10~20
30~50
Ⅳ
40~60
20~30
50~70
腫瘍マーカーハンドブックより引用
44
ECLusys Tumor Marker…..
食道癌
コンビネーションアッセイおよびモニタリングマーカーとしての有用性
食道扁平上皮癌におけるコンビネーショアッセイ
陽性率(
%)
病期との相関
SCC+CEA
32
p=0.041
SCC+Cyfra
60
p=0.0094
CEA+Cyfra
60
p=0.074
食道扁平上皮癌再発後の各マーカー陽性、偽陽性率
陽性率(
%)
偽陽性率(
%)
SCC
60
2.3
CEA
50
20
Cyfra
55
13
SCC+Cy
f
ra
91
13
腫瘍マーカーハンドブックより引用
45
ECLusys Tumor Marker…..
胃癌
胃癌における腫瘍マーカーの存在診断としての意義は小さいが、胃癌の術前
の進行度診断、転移の有無や術後再発のフォローアップに有用性が認められ
ております。
主な腫瘍マーカー
CEA CA125 NCC-ST-439
Ⅰ型基幹糖鎖抗原(CA19-9 TPA DUPAN-2)
母核糖鎖関連抗原(STN CA72-4)
胃癌の病期別 各腫瘍マーカーの陽性率 Study 1
組織学的病期
陽性率(
%)
CEA
CA19-9
CA125
Ⅰ
10
5
0
Ⅱ
20
10
Ⅲ
30
Ⅳ
40
胃癌の病期別 各腫瘍マーカーの陽性率 Study 2
組織学的病期
陽性率(
%)
CA72-4
CEA
CA19-9
Ⅰ~Ⅲ
0
0
0
0
Ⅳa
33
17
0
30
0
Ⅳb
41
24
12
60
65
腫瘍マーカーハンドブックより引用
46
ECLusys Tumor Marker…..
胃癌
リンパ節転移の予測においてCA72-4およびCEA+CA19-9コンビネーションアッ
セイの有用性が認められております。
胃癌におけるリンパ節転移と各腫瘍マーカーの陽性率
リンパ節転
移
CA72-4
CEA
CA19-9
+
36
5
2
-
0
0
0
胃癌におけるCEA+CA19-9コンビネーションとリンパ節転移
CEA+CA19-9
リンパ節
転移
合計
合計
+
-
+
42
59
101
-
11
100
111
53
159
212
Sensitivity 41.6%(42/101)
Specificity 90.1%(100/101)
腫瘍マーカー臨床マニュアルより引用
47
ECLusys Tumor Marker…..
胃癌
肝転移の予測において各腫瘍マーカーの有用性が認められております。
胃癌の肝転移における各腫瘍マーカー陽性率
陽性率(
%)
CEA
38~65
CA19-9
35~60
AFP
8~15
CA125
15
腹膜播種ではCA125が他のマーカーと比較し極めて高い陽性率を示します。腹膜播種
は画像診断で診断が困難であることから高い診断意義が認められております。
胃癌の腹膜播種における各腫瘍マーカー陽性率
陽性率(
%)
CEA
8~9
CA19-9
7~9
AFP
0~1
CA125
43~52
腫瘍マーカー臨床マニュアルより引用
48
ECLusys Tumor Marker…..
大腸癌
大腸癌の検診(スクリーニング)には便潜血反応が用いられ、大腸癌死亡率
の減少に成果をあげています。
一方、大腸癌スクリーニングにおいて単独で血清腫瘍マーカーを測定するこ
とは、感度・特異度ともに不測しており、有効性は確立されていません。
ただし、便潜血反応は進行癌でも偽陰性率が6~20%あることから、腫瘍マー
カーの存在診断としての意義は小さくありません。
大腸癌は肉眼的、組織学的、生物学的特徴が胃癌の分化型腺癌と類似してお
り、腫瘍マーカーもCEA CA19-9が中心です。
主な腫瘍マーカー
CEA NCC-ST-439
Ⅰ型基幹糖鎖抗原(CA19-9 Span-1)
母核糖鎖関連抗原(STN CA72-4)
49
ECLusys Tumor Marker…..
大腸癌
大腸癌における腫瘍マーカーの陽性率は、Dukes分類、すなわち進行度が進む
従って上昇します。
特にCA19-9は陽性率は低いものの、転移を伴わないDukes A, Bと転移を伴う
Dukes C, Dとの間にはっきりとした差が認められるのが特徴であり、大腸癌
においてCA19-9の上昇がみられたら、転移が強く疑われるといえます。
大腸癌における病期別各腫瘍マーカー陽性率
Dukesステージ
陽性率(
%)
CEA
CA19-9
NCC-ST-439
A
9~19
7~15
8~11
B
35~45
9~20
14~29
C
36~60
27~40
35~36
D
74~100
52~74
56~79
腫瘍マーカーハンドブックより引用
50
ECLusys Tumor Marker…..
膵胆道癌
膵癌、胆嚢癌の95%以上は各々膵管上皮、胆管・胆嚢上皮に由来した腺癌
が占めています。このため胃・大腸癌と類似した腫瘍マーカーが用いられ
ております。
膵管癌では、腫瘍による閉塞膵管の抹消側に膵臓炎が生じ、膵外分泌酵素
(AMY エラスターゼ等)およびインヒビターが血中に逸脱して増加する
ため、膵酵素、インヒビターは膵実質障害の指標として癌発見のきっかけ
となるが、良悪性の鑑別はできません。
主な腫瘍マーカー
CEA NCC-ST-439 CA125
Ⅰ型基幹糖鎖抗原(CA19-9 Span-1 DUPAN-1)
Ⅱ型基幹糖鎖抗原(SLX CA72-4)
膵酵素(AMY エラスターゼ PST1)
51
ECLusys Tumor Marker…..
膵胆道癌
膵癌における5年生存率
通常型膵癌
切除症例
StageⅠ 腫瘍径2cm以下
切除手術実施症例
9.5%
13.2%
58.1%
CT、MRIでは2cm以下の小膵臓癌は発見困難であるため、診断の補助に腫瘍
マーカーの有用性が高くなっております。
膵臓癌における病期別各腫瘍マーカー陽性率
腫瘍径
陽性率(
%)
CA19-9
SLX
CEA
TS1(
2cm 以下)
25~45
5~15
10~30
TS2(
2~4cm )
70~80
15~40
30~50
TS3(
4~6cm )
75~90
40~55
40~65
TS4(
6cm 以上)
80~95
50~65
50~75
腫瘍マーカーハンドブックより引用
52
ECLusys Tumor Marker…..
肺癌
肺癌はあらゆる臓器癌の中で最も組織学的多様性を示す癌であり、腫瘍
マーカーも組織型別に比較的特異性の高いマーカーが利用されています。
肺癌の主な組織型は腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌、小細胞癌であり、臨床
的には非小細胞癌と小細胞癌に大別されます。
分類
非小細胞癌
治療法
腺癌
扁平上皮癌
大細胞癌
小細胞癌
手術、化学療法、放射
線療法
化学療法、放射線療法が非常に
有効なことが特徴
主な腫瘍マーカー
非小細胞癌に有用なマーカー
Cyfra SCC SLX CA19-9 CEA
小細胞癌に有用なマーカー
proGRP NSE
53
ECLusys Tumor Marker…..
肺癌
肺癌腫瘍マーカーは程度の差はあるものの組織型に相関するため、胸部X
線写真に異常陰影を見出した後に、その陰影が癌か否か、癌ならば組織型
は何かを追及する武器として利用されています。
肺癌における病期別各腫瘍マーカー陽性率
特異性
臨床病期別陽性率(
%)
偽陽性率(
%)
ⅠⅡ
Ⅲ
Ⅳ
(
肺良性疾患)
CEA
全肺癌
20~30
40~50
50~70
25
SCC
扁平上皮癌
25~30
50~60
50~70
15
Cyfra
扁平上皮癌
40~50
70~80
70~80
10
SLX
腺癌
5~15
50~60
50~80
10
NSE
小細胞癌
0
60~70
65~80
5
proGRP
小細胞癌
35~45
55~70
70~80
3
腫瘍マーカー臨床マニュアルより引用
54
ECLusys Tumor Marker…..
肺癌症例における各腫瘍マーカー陽性率
100
陽性率(
%)
80
シフラ
CEA
SCC
NSE
60
40
20
0
肺癌全体
扁平上皮癌
腺癌
大細胞癌
小細胞癌
(n=391)
(n=141)
(n=61)
(n=35)
(n=54)
機器・試薬 16:6 1993
55
ECLusys Tumor Marker…..
肺癌
ROC曲線
小細胞がん
小細胞癌
肺良性疾患
(n=334)
100
100
90
90
80
80
70
60
50
40
Cyfra
CEA
SCC
NSE
30
20
10
TPR(Sensitivity) (%)
TPR(Sensitivity) (%)
非小細胞がん
(n=54)
非小細胞癌
(n=337)
肺良性疾患
(n=334)
70
60
50
40
Cyfra
CEA
SCC
NSE
30
20
10
0
0
0
10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
FPR(1-Specificity) (%)
0
10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
FPR(1-Specificity) (%)
機器・試薬 16:6 1993
56
ECLusys Tumor Marker…..
肺癌におけるコンビネーションアッセイ
各々組織特異性の異なる腫瘍マーカーによる組み合わせ測定が肺癌の検
出率を高めるのに有効です。
Sensitivity & Specifisity
/ All lung cancer
100
90
Cyfra
SCC
CEA
NSE
Cyfra+SCC
Cyfra+CEA
Cyfra+NSE
CEA+SCC
CEA+NSE
SCC+NSE
Sensitivity(%)
80
70
60
50
40
30
20
10
0
0
10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
Specificity(%)
機器・試薬 16:6 1993
57
ECLusys Tumor Marker…..
乳癌の腫瘍マーカー
乳癌は視触診や画像診断により早期発見の比較的容易であるため、
腫瘍マーカーの有用性は再発(遠隔転移)の診断、再発後の管理の
指標としてのみ認められています。
主な腫瘍マーカー
CA15-3 BCA225 CSLEX NCC-ST-439 CEA TPA
乳癌における病期別各腫瘍マーカー陽性率
病期
陽性率(
%)
CA15-3
CEA
NCC-ST-439
原発Ⅰ・
Ⅱ期
5~10
5~10
20~30
原発Ⅲ・
Ⅳ期
20~30
20~30
40~50
再発
50~60
50~60
50~60
腫瘍マーカーハンドブックより引用
58
ECLusys Tumor Marker…..
子宮頸癌
子宮頸癌の約90%は扁平上皮癌であり、残りが腺癌、腺・扁平上皮癌であ
る。このため主に扁平上皮癌に特異性の高いマーカーが用いられます。
主な腫瘍マーカー
扁平上皮癌 SCC
腺癌 CA125
汎用 HCGβ-CF TPA
CEA
子宮頸癌における病期別各腫瘍マーカー陽性率
病期
病期別陽性率(
%)
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
頸部扁平上皮癌(
SC C )
25
70
91
87
頸部線癌(
C A125)
34
76
50
100
体部腺癌(
C A125)
17
33
75
67
腫瘍マーカー臨床マニュアルより引用
59
ECLusys Tumor Marker…..
子宮体癌
子宮体癌は約85%が腺癌であり、次いで腺・扁平上皮癌が多い。このため腺
癌系で陽性率の高い腫瘍マーカーが用いられます。
主な腫瘍マーカー
CA125 CA19-9 CEA
子宮体癌における各腫瘍マーカー陽性率
子宮体癌におけるコンビネーションアッセイ陽性率
陽性率(%)
com b in ation assay
陽性率(%)
CA 125
2 1 ~4 3
C A 1 2 5 +C A 1 9 -9
41
C A 1 9 -9
2 4 ~3 1
C A 1 9 -9 +C A 7 2 -4
42
C A 7 2 -4
2 2 ~3 3
C A 1 2 5 +C A 7 2 -4
45
C EA
C A 1 5 -3
SC C
2 ~1 4
2 4 ~3 2
17
C A 1 2 5 +C A 1 9 -9 +C A 7 2 -4
51
産婦人科の実際.52(9).1289-1299.2003
60
ECLusys Tumor Marker…..
子宮内膜症
子宮内膜症の確定診断には開腹術もしくは腹腔鏡といった侵襲的な検査を
必要としますが、日常臨床の場では問診、内診、直腸診に加え超音波断層
法などの臨床診断により診断されることが多く、血清マーカーも補助診断
として頻繁に用いられます。
子宮内膜症重症度別のCA125、CA19-9平均値と陽性率
血清C A 1 2 5 平均値
CA 125
血清C A 1 9 -9 平均値
C A 1 9 -9
平均値(±標準偏差IU /m L )
陽性率(%)
平均値(±標準偏差IU /m L )
陽性率(%)
1 1 .3 ± 4 .3
0
9 .3 ± 5 .7
0
4 6 .5 ± 9 0 .7
1 6 .7
1 4 .8 ± 6 .7
0
Ⅱ期(n =8 )
5 2 .2 ± 6 7 .9 *
2 5 .0
1 6 .0 ± 7 .6 *
0
Ⅲ期(n =2 8 )
6 7 .8 ± 6 1 .0 *
6 0 .7
4 3 .7 ± 3 6 .5 *
4 6 .4
Ⅳ期(n =3 5 )
9 5 .8 ± 1 0 4 .4 * **
7 1 .4
1 0 7 .7 ± 1 7 1 .5 * **
6 0 .0
6 9 .8 ± 8 8 .9
4 8 .5
5 5 .1 ± 1 0 9 .5
3 3 .7
コントロール(n =2 2 )
Ⅰ期(n =3 0 )
全子宮内膜症(n =1 0 1 )
* :p <0 .0 5 vs コントロール群
**:p <0 .0 5 vs Ⅰ期群
産婦人科の実際.52(9).1313-1319.2003
61
ECLusys Tumor Marker…..
卵巣癌
早期卵巣癌の臨床症状は皆無に等しく、また卵巣の解剖学的位置から術前
の良・悪性の鑑別を含めた病理組織学的検索が通常は困難であることか
ら、卵巣癌の診断には超音波断層法、CT、MRIとともに腫瘍マーカーの果た
す役割は大きなものとなっております。
主な腫瘍マーカー
コア蛋白関連マーカー(CA125 CA130)
漿液性嚢胞腺癌
子宮内膜症
母核糖鎖関連マーカー(CA72-4 STN)
粘液性嚢胞腺癌
基幹糖鎖関連マーカー(CA19-9 SLX)
その他 GAT HCGβ-CF
62
ECLusys Tumor Marker…..
卵巣癌
卵巣癌は極めて組織学的多様性を示す癌であるため、腫瘍マーカーは組織
型別に比較的特異性の高いマーカーが利用されています。
卵巣疾患における各腫瘍マーカーの陽性率
コア蛋白関連抗原
母核糖鎖関連抗原
基幹糖鎖関連抗原
糖転移酵素
CA 125
CA 602
C A 7 2 -4
CA 546
STN
C A 1 9 -9
S LX
GAT
良性卵巣腫瘍
23
22
7
12
6
32
4
16
子宮内膜症
55
57
29
19
14
32
16
21
漿液性嚢胞腺癌
86
85
68
67
48
38
46
47
粘液性嚢胞腺癌
59
59
63
75
45
53
50
36
明細胞腺癌
71
68
13
41
30
41
43
63
類内膜腺癌
85
83
56
63
56
48
20
67
卵巣癌全体
77
76
53
61
41
45
47
55
産婦人科の実際.52(9).1257-1265.2003
63
ECLusys Tumor Marker…..
卵巣癌
卵巣癌では治療の効果判定を兼ねてsecond look operationを行うことが多いが、その際
血中CA125濃度が陽性であれば約95%の確率で手術時に腫瘍が発見されています。
CA125測定はSLO前の単なる術前評価ではなく、開腹時の所見を反映するマーカーとして
意義が大きいと言われております。
SLO前CA125値と腹腔内所見
CA 125
最大腫瘍径
患者数
>3 5 U /m L
陽性率(%)
≦1 cm
18
10
55
1 ~2 cm
20
16
80
2 ~5 cm
20
16
80
≧5 cm
26
24
92
CA125値の連続上昇
C A 1 2 5 値上昇
なし
1回
連続2 回
連続3 回以上
再燃群
0
29
29
43
治癒群
70
26
4
0
産婦人科の実際.52(9).1275-1281.2003
64