卒論構想2

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知的障害児に対する
バス乗車訓練
問題と目的
知的障害児・者のサバイバルスキルの向上は、彼ら
がより自立した生活をおくるために必要である。サバ
イバルスキルとは、地域社会での生活スキルのこと
である(例えば買い物や交通機関の利用など)。
その中で、交通機関を利用するスキルがない場合
では、知的障害児・者の地域生活の中での活動範囲
は限られたものとなってしまう。また、通学などを自立
して行えない場合などは保護者の負担は大きい(労
力・金銭面など)。よって、交通機関利用スキルを確
立することは、知的障害児・者にとっても保護者に対
しても有意義であると考えられる。
問題と目的
よって本研究では、養護学校において交通機関の一
つであるバスの乗車訓練を行うこととする。
しかし、現行の訓練方法としてはコストの高いものが
多い。そこで今回、シミュレーション場面を組み合わせ
ることで、実際場面での訓練期間を短縮することがで
きるかどうかを試みる。この際、担任と訓練者が話し合
い、現行の訓練法を改良することでより効果的なシミュ
レーション場面を作り出せるようにする。
問題と目的
本研究においての目的のひとつは、バスの利用に際し
て、保護者やヘルパー等のサポートを必要とする知的
障害児に対して訓練を行い、サバイバルスキルの一環
である交通機関利用スキルを身につけてもらい、一人
で通学できるようにすることである。
もう一つの目的は、シミュレーション訓練による乗車行
動の実際場面での般化である。
方法
対象者 知的障害児 名
 実験デザイン 事前テスト→シミュレーション
訓練→テスト→実際場面での訓練→テスト
(また可能なら実験の一月か二月後にフォ
ローアップを行う)

独立変数
バス乗車行動を課題分析した上でのプロンプ
ト
 強化子としての賞賛(+可能なら好きな食べ
物など)、もしくはトークンエコノミー


シミュレーション訓練
従属変数

バス乗車行動

実際場面での訓練期間
仮想データ①
100
80
正 60
反
応
率 40
乗車
乗車中
下車
20
0
試行数
シミュレーション訓練における正反応率
仮想データ②
100
80
乗車
乗車中
下車
正 60
反
応
率 40
20
0
試行数
実際場面の訓練における正反応率
仮想データ③
100
80
乗車
乗車中
下車
正 60
反
応
率 40
20
0
試行数
最終テストにおける正反応率
問題点・疑問点など





実際場面へ移行したときであるが、養護学校の外で
の実験は可能なのか。
信頼性の問題をどうするか(第三者を評定者として
得られるよう記録方法としてビデオを使用するべき
か、それとも記録用紙だけでよいか。)
介入の期間(長さや頻度)
比較データは?
夏休みを挟むことになった場合はどうしましょう。
問題点・疑問点など
独立変数をきれいに特定できなくはないか。
バス通学はシミュレーション期間中などにも
行われる(と思う)ので、その影響は無視でき
るものではないのでは。
 シミュレーション場面において、現実にどれだ
け近い場面が作れるかが現段階では不明。
 独立変数の一つとして自己記録法を用いた
方がいいだろうか。

参考文献




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つA君のひとりバス下校への取り組み 情緒障害教育研究紀要,19,157164.
須藤ゆり子・谷島泰三・古川宇一・後藤敬子・佐藤歩(2003). 自閉傾向
を持つYさんの社会生活スキル獲得へ向けた取り組み―バス乗車と体
育における集団参加― 情緒障害教育研究紀要,22,171-178.
渡部匡隆・山本淳一・小林重雄 (1990). 発達障害児のサバイバルスキ
ル訓練―買物スキルの課題分析とその形成技法の検討― 特殊教育学
研究,28(1),21-31.
渡部匡隆・上松武・小林重雄(1993). 自閉症生徒へのコミュニティスキ
ル訓練―自己記録法を含むバス乗車指導技法の検討― 特殊教育学
研究,31(3),27-35.