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DVTSを活用した高大間
双方向遠隔授業の実践
○ 中神雄一(北大理)
[email protected]
大島修(鴨方高校),杉山耕一朗(北大理)
倉本圭(北大理),小高正嗣(北大理)
川端善仁(鴨方高校),佐藤光一郎(鴨方高校)
小林和真(倉敷芸科大産業),笹川浩達(ネクステック)
Mosir プロジェクト
本研究の概要
専門家による中学高校での出張授業
生徒に与える刺激は一時的
興味・関心の定着には継続した支援が重要
;縣ら(2002)
研究者側の空間的、時間的制約
頻繁に行えない
インターネットを利用した双方向遠隔授業
北大地惑と岡山県立鴨方高校間で実施
教育環境としての有効性の調査,検討
- 違和感無く授業を受けられるか?(授業環境)
- 生徒の興味・関心は高まるか? (授業内容)
経過
2001/10 : 大島が大学との教材開発の呼び
かけ (惑星科学会秋季講演会)
2002/02 : 北大側から遠隔授業を提案
/05 : プロジェクトスタート
/09 : 授業システム完成
/10 : 「月の科学」
(23, 31日)
: 「惑星気象学」 (24, 30日)
授業システム構築,教材立案/製作に要した期間は
それぞれ約 3 ヶ月
学生有志も主体的に参加
授業システム
DVTS
- Digital Video
Transport system
- DV映像を無圧縮で
伝送
- WIDEプロジェクトが無
償で提供
- 双方向の伝送容量は
40Mbps
鴨方高校へ
JGN (Japan Gigabit
Network)
北大地惑側配線図(鴨方高校もほぼ同
低コスト
汎用品の利用
授業内容
月の科学
惑星気象学
担当講師
倉本圭
生徒
3 年生合計 39 名。 ほとんどが文系だが選択科目「宇宙の科
学」 (大島が開講) を履修。
授業時間
小高正嗣
50 分 × 2 (連続)
授業内容
月の誕生と進化について。2
時限目で月の起源説につい
て検証。
地球、金星、火星の大気, 環境
の比較。大気のある惑星の気候、
気象形成メカニズムの概説。
教材
プレゼンテーション資料
プレゼンテーション資料
月のスケッチ課題(授業前)
参考 Web 資料
予備知識アンケート(授業前) 授業後アンケート
Web資料,授業後アンケート
授業の進行
生徒との対話を重視。生徒に質問しながら授業を進めた。
鴨方高校側にも司会進行役を設置。
授業の様子
検証1:授業環境
― 授業後アンケートから ―
生徒のコメント
講師とスムースに
講師が画面の向こう
コミュニケーションできるか?
にいることに違和感を
こんなにスムースに映像とか音声が届くとは
(二週目、生徒全員)
感じるか?
思わなかった
(一週目、生徒全員)
遠い所からなのに近くに感じた
めっちゃ楽しかったです!
新鮮な感じだった
緊張した (良い緊張感だった)
(普段の授業より)遠隔授業の方が集中できる
違和感の少ない臨場感のある
授業環境を実現できた
検証2:授業内容
― 授業後アンケートから ―
生徒のコメント
いろいろな惑星の内部を覗きたい
地球のことをもっと知りたくなった
火星、金星の年齢
水はどのようにしてできたのか?
こんどは隕石について話してください
地球惑星科学の最先端にも通じる本質的な疑問
まとめ
専門家による出張授業にかわる教育環境として
双方向遠隔授業を実施しその有効性を検討した
授業環境 : 違和感の少ない環境を実現
授業内容 : 単なる面白さでけではなく本質的な
内容についても教授できた
高校生向けの教育環境として十分に機能を
果たし生徒の興味・関心を喚起
する場を提供可能である
今後の課題
遠隔授業を本格的に取り入れていくために
必要な検討課題
1. 定常的に行ったときの生徒の授業に取り
組む姿勢の変化
2. 学力への影響
3. 興味・関心の定着度への影響
4. 長時間画面を見ることによる疲労
協力機関
倉敷芸術科学大学 産業科学技術学部
小林和真研究室
笠岡放送株式会社
(株)ネクステック
北海道大学工学研究科 高井昌彰研究室
北海道大学情報基盤センター
株式会社 日立製作所
北海道地域ネットワーク協議会 (NORTH)
本研究は JGN を用いた通信・放送機構 との共同研究
[JGN-G14022] として行われました。
参考資料
• 北大鴨方遠隔授業 HP
http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~mosir/work/
2002/kamokata/index.html
• 日本惑星科学会誌
「遊星人」 第12巻 2号 (6月25日発行予定)
• DVTS詳細,活用方法については
「映像の地学」 JO77 にて