Transcript プラズマ概論
2005.05.
プラズマ概論
•プラズマの状態方程式はPV=NT ?
理想気体とシールド付きクーロン相互作用をもつプラズマ
の違いはどこに?
•気体からプラズマへの転移をどのように記述するか
• 理想気体の定義
• 理想気体のBoltzmann分布の導入
• 状態方程式の導出
• 相互作用の導入
• 典型的な相互作用の場合の例
• プラズマ(シールド付きクーロン相互作用)の
状態方程式の導出
理想気体
• 理想気体とは?
粒子間相互作用が粒子の平均運動エネルギーに比べて無視
して良いほど小さい気体のことである。
• 理想気体の状態方程式
PV=NT
粒子間相互作用を組み込むとこの方程式はどのように
修正されるか?
• 理想気体:Boltzmann 分布
n
1
e
( ) / T
e
( ) / T
• 光子気体:Bose 分布
n
1
e
( ) / T
1
• 電子気体:Fermi分布
n
1
( ) / T
1
Boltzmann 分布
• 理想気体が、あるエネルギー状態あるいは
位相空間をしめる占有密度分布は
dN n( p, q)dpdq,
n( p, q) exp( ( p, q) / T )
exp( K ( p) / T ) * exp(U (q) / T )
速度に依存した分布
位置に依存した分布
• 速度分布関数:Maxwell 分布
N
( p x 2 p y 2 pz 2 ) / 2 mT
dNp
e
dpx dpy dpz ,
32
V (2mT)
3/ 2
N m m( v x 2 v y 2 vz 2 ) / 2T
dNv
dvx dv y dvz
e
V 2T
• ポテンシャル分布関数:Boltzmann 分布
dNr n0e
u( x , y , z ) / T
n(r ) n0e
u( x , y , z ) / T
dxdydz,
• Boltzmann 分布は理想気体のエントロピー
極大の条件からも求めることができる。
即ち、平衡状態においてはエントロピーは最
大値を持ち、粒子数の保存、エネルギーの保
存の条件を付加することにより、
1
( S N E ) 0,
n
T
T
ne
1
T T
e
T
Boltzmann 統計の成立条件
• 理想気体では T>>U
• 即ち粒子数Nに比べて系が取りうる状態数G
N<<G
を満たす。これは、状態占有密度が1に比べ
て著しく小さい条件である。
n=exp ()/T1
• 粒子がエネルギー Tを有している。
• この粒子は運動量として
を持つ。
• したがって、この粒子は位相空間として平均的に
mT
V * (mT)3 2
の体積を占める。
• この体積には状態数
32
~ V (mT) /
3
が対応している。
• この数は粒子数Nに比べて遙かに大きい
•
32
N
V mT
2
•
1
この条件は
e/T1
に相当し、結局、n=exp ()/T1
は満足される。
状態方程式
F
P
V
• 自由エネルギーを分布関数で表現し、体積微
分を行う。
• Gibbs 分布からFを表現しよう。
F Ek
T
k e
k 1
k
Fermi 気体
• 理想気体の温度が低く、取りうる状態数が下が
り、粒子数が状態数と同程度の条件となる系で
の記述はBoltzmann分布ではなく、
新しい表現が必要。
• さらに、ある状態を取りうる場合に、各々の状態
に1個以上の粒子が同時に存在しえない条件
が付加される。
=>この制約は状態方程式をどう修正するか
まとめと予測
• Fermi気体の場合
理想気体ではあるが、量子力学的
交換相互作用(同じエネルギー状態に
1つ以上占有できない)が気体圧力を
増加させる。<=見かけの斥力
• 静止イオンー電子気体の場合 どうなるのか?
シールド付きクーロン相互作用(実空間)
増加?減少? ?
ガスからプラズマへの転移