提案書 - 全国社会就労センター協議会

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Transcript 提案書 - 全国社会就労センター協議会

社会福祉法人 共生福祉会
西多賀ワークキャンパス
「工賃水準ステップアップ2年次事業」
~事業報告書~
平成20年3月7日(金)
株式会社 三澤経営センター
コンサルティング事業部 部長 斎藤正憲
MISAWA BUSINESS MANAGEMAENT.INC
施設移転が1年延期へ
• 平成20年4月の施設移転に向けて精力的に準備を進め
てきたが、平成19年6月の改正建築基準法施行以来、
着工前の審査(建築確認)が厳格化された結果、建築計
画が大幅に遅れ移転開業が平成21年4月にずれ込む見
通しになった。
• 今後のスケジュール予定
平成20年3月~5月 確認申請審査期間
平成20年5月~6月 一般競争入札
平成20年7月~21年1月 工事期間(7ヶ月)
平成21年2月 各種検査
平成21年3月 引渡し
平成21年4月 移転開業
2
2年次事業の実施項目
部門
事業内容
食品
平成20年4月新規開業に向けて、前年度策定し
た事業計画の具体化と利用者・職員の教育訓練
印刷
内製化率を高めるため、IT関連の技術力の向上
ものづくり 自然素材を活用した自主製品の開発
全 体
3つの部門業務の相乗効果を高める工夫
3
2年次事業の実施方法
• 食品チーム、印刷チーム、ものづくりチームからなる3つの
プロジェクトチームを立ち上げた。
• 各チームはリーダー・サブリーダー・メンバー(職員と利用
者)で構成し、事業をチーム内で実施・検討するとともに、
毎月1回の作業開拓プロジェクト会議において、チームの
進捗状況・アイデア・課題等の情報を共有した。
• 会議に当たっては、「作業開拓プロジェクト重点実施報告
書」と「スケジュール表」を活用しながら、効率的に検討が
できるようにした。
• 作業開拓プロジェクト会議と地域ネットワーク会議での内
容を、お互いにフィードバックしながら事業の質を高めて
いった。
4
作業開拓プロジェクト重点実施報告書
(平成 年 月度)
西多賀ワークキャンパス
チーム名
リーダー
平成 年 月 日
メンバー
園長
/
統括リーダー チームリーダー
/
/
担当者
/
基本方針
移
転
ま
で
ど
う
す
る
重点目標
目標工賃
(必須)
数値目標
重点目標の
指標と数値
前月の目標
前月の成果
前
月
は
ど
う
だ
っ
た
の
か
具体的実行内容
担当者
①
( )
②
前月
実行したこと ③
( )
④
( )
⑤
( )
( )
■
前月の
反省と課題
■
■
当月の目標
具体的実行内容
当
①
月
は
②
当月
ど
う 実行すべきこと ③
す
④
る
の
⑤
か
■
実行するに
あたっての ■
課題・要望事項
■
※移転までの計画表(スケジュール表)を添付のこと
※その他必要に応じて説明資料を添付すること
担当者
( )
( )
( )
( )
( )
5
地域ネットワーク会議での
有益なアドバイスと協力体制
• ものづくりチームにおいて、自主製品の開発に悩んでい
たところ、地域ネットワーク委員から、仙台七夕の竹を活
用した竹細工のアドバイスを受け、竹の調達協力から竹
工芸館の紹介までしていただいた。
• また移転先においては、特に地域交流の大切さをアドバ
イスしていただき、事業に取り込むことにした。
6
平成20年2月21日
合同会議 & 推進特別委員会の現地視察
7
食品チームの取り組み状況
• 平成20年4月新規開業に向けて、前年度策定した事業
計画の具体化と利用者・職員の教育訓練を中心に、下記
の3つの課題に重点的に取り組んだ。
• 課題に取り組むため、新たに職域のコンサルタントとして
地域ネットワーク委員でもあるフードコーディネーターの
蜷川時夫氏の指導を受けながら進めた。
①教育訓練の実施
②戦略の絞り込み
③ハードの設計
8
教育訓練の実施
• 勉強会を通じて、利用者の姿勢と取り組みに意欲と積極
性が出てきた。
• 調理実習等において、関心が強くなり質問の量と内容が
より専門的になってきた。
• 飲食店のリサーチ・見学の体験を通じて、ハードとソフト
の見極めができるようになった。また、現場を見ることに
より安心感を持ち、イメージが近づいてきた。
• セントラルキッチンの視察を通して、工程の勉強、料理の
味の勉強、調理器具の視察ができた。また、HACCPの
概念も理解できた。
9
平成20年1月23日
セントラルキッチン見学会
平成20年1月30日
食品部勉強会
10
戦略の絞り込み
• 飲食業のかなり厳しい経営環境と立地条件の悪いハン
ディを踏まえた戦略を常に考えることが大切。
•
•
•
•
•
•
•
•
業種 → 和食
業態 → カジュアル、デリカテッセン、和のスイーツ系
オンリーワンの商品開発が進行中
ニーズにマッチしたリーズナブルなメニューの充実
規格外食材の調達によるコスト減
資格(ライセンス)を取れるような仕組みづくり
料理教室(障害者対応など)
地域交流のイベント企画
11
ハードの設計
~人間工学に基づいた設備設計~
• 新店舗を設計するに当たり、人間工学に基づいた設備設
計を取り込んだ。
①障害者対応の動線ゾーニング
• 職員と利用者が共有できる車椅子対応のキッチンシステ
ム
• 高さ、スペース、移動のスムーズ性を重視
②安全で比較的誰にでもできる調理器の導入
• コンベクションオーブン、ブラストチラー(急速冷却調理
器)、真空機、電磁調理器等
12
目標事業損益計算書(食品部)
項
売
目
上
変動費
年間
比率%
平成23年度
年間
年間
比率%
比率%
37,728
100
38,814
100
38,814
100
1,572
18,864
50
17,466
45
15,526
40
1,572
18,864
50
21,348
55
23,288
60
1,138
13,656
36.2
14,400
37.1
14,400
37.1
0
0
0
0
水道光熱費
300
3,600
3,600
3,600
広告宣伝費
54
648
1,200
1,200
消耗品費
50
600
600
600
修繕費
30
360
360
360
1,572
18,864
50.0
20,160
51.9
20,160
51.9
0
0
0
1,188
3.1
3,128
8.1
材料費等
人件費
地代家賃
固定費計
経常利益
月間
平成22年度
3,144
限界利益
固定費
平成21年度
(単位:千円)
※変動費率は、初年度50%、2年目45%、3年目40%で計上している。
※利用者平均工賃は初年度25,000円、2年目以降は30,000円で計上している。
13
食品部売上計画(初年度基本形)
部門
売
科目
日額
レ
ス
ト
ラ
ン
部
店内喫食
給
食
部
月間
510,000
@¥1,000×30名×17日
②土・日
72,000
576,000
@¥1,200×60名×8日
1,086,000
朝売上
5,000
150,000
@¥500×10名×30食
夕売上
5,000
150,000
@¥500×10名×30食
朝昼夜
300,000
46,500
月売上合計
就労支援(B型)
訳
30,000
月売上合計
生活介護
内
①平日
月売上合計
福祉ホーム
上(円)
昼
1,395,000
@¥1,550/1日× 30名×30日
1,395,000
16,500
月売上合計
月間売上合計
363,000
@¥550×30名×22日
363,000
3,144,000
①平日売上金額は席数×0.75回転×客単価で算出
②土・日売上金額は席数×1.5回転×客単価で算出
※土・日の客単価は平日の1.2倍の金額になる。
※レストラン部は月曜日を定休とするが、祝日の場合は火曜日が定休日となる。
14
スタッフの概要
(シフト制による週休2日)
人件費(円)
人数(名) 日給/人(円) 稼動日数(日)
日計
割合(%)
月計
利用者
10
1,250
20 12,500
250,000
21.9
パート
6
4,900
20 29,400
588,000
51.6
職 員
1
15,000
20 15,000
300,000
26.4
1,138,000
100
計
17
利用者1人当たり工賃
(実働7時間/日)
(時給)
178
(日給)
1,250
(月給)
25,000
※他に、福祉サービス(基準内)職員2名をキッチンに配置
※営業日は月平均25日程度になるが、有給・連休等を考えて、平均稼動日を20日に設定
15
印刷チームの取り組み状況
• 印刷部門における工賃水準ステップアップへの最大の課
題は、売上はある程度確保できているものの施設内だけ
では処理できず、外注依存率が高いため工賃の源泉と
なる限界利益が十分に確保できないことにあった。
• そのため、今年度は内製化率を高めるべく、利用者の技
術力向上に力点をおいて活動した。
• 具体的には、IT関連会社の協力を受けながら、パソコン
に係るスキルをアップさせるための教育訓練と入力の実
践業務を行なった。
16
データ入力に係るスキルチェック項目
PC業務適応度
スキルアップ
データ入力実践業務
トライアル業務
PCを起動・シャットダウン出来る
エクセルの起動・終了
入力業務専用ソフトの起動・終了
決められた時間PCに向かうことが出来る
エクセルの基本操作
ログイン・ログアウト
タイピングが出来る
ファイル保存・上書き保存
業務開始・終了報告
マウスが使用出来る
ブラウザの起動・終了
入力規則の理解
フォルダを作成出来る
ウェブ上での閲覧・検索
スピード
閲覧情報の取捨選択
正確性
コピー&ペースト
納品(入力データの送信)
スピード
業務の継続・安定性
正確性
管理スタッフへの質問
体裁(成果物の完成度)
業務改善提案
17
18
西多賀ワークキャンパス スキルレベルアップの傾向
2007.04 ~ 2008.03
作業者
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
※各月毎のスキルチェックの○の数の合計数※
12月
1月
2月
3月
K・S
4
4
4
4
14
15
15
15
23
25
25
M・S
0
0
0
0
4
9
9
10
15
23
23
Y・K
0
0
0
0
6
8
11
12
12
14
14
M・O
5
5
5
5
10
11
11
11
11
12
12
25
スキルL v.03
データ入力
実践業務
K・S
20
M・S
Y・K
15
スキルL v.02
トライアル業務
スキルL v.01
P C 業務適応度
M・O
10
5
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
19
印刷部の移転後の事業展開計画
• 限界利益が確保できないもう一つの理由は、技術力不足
に加えて機械設備等の老朽化により、受注した仕事の内
容に十分に対応出来なかったことがあげられる。
• 移転後においては、新規機械の導入により生産性を高
めることが見込まれ、あらためて売上・限界利益計画を
策定した。
• その結果、従事する利用者の人数は減るものの、限界利
益率のアップ(44.2%→50.0%)により、月平均の1人当
たり限界利益は大幅にアップできる体制が整うことになる。
20
袋原移転後の印刷部の事業展開計画 (単位:千円)
取扱い品目
移転後の年間計画
(平成21年度)
売上計画
限界利益
限界利益率
過去1年間実績
(平成19年1月から12月)
売上実績
限界利益
設備
限界利益率 ☆新規導入
1 名刺
600
450
75.0%
579
350
60.4% プリンター☆
きりっこ☆
2 封筒
1,200
780
65.0%
1,568
850
54.2% オンデマンド☆
頁物
3
(会報・パンフ)
端物
4
(チラシ・リーフ)
3,800
1,500
39.5%
4,754
1,830
38.5% パソコン☆
オンデマンド☆
2,000
820
41.0%
2,011
800
39.8% パソコン☆
オンデマンド☆
300
800
120
560
40.0%
70.0%
41
817
16
500
600
120
170
24.0%
28.3%
91
278
20
70
22.0% オンデマンド☆
25.2% 大判インクジェット
プロッター
200
300
200
80
70
65
40.0%
23.3%
32.5%
27
260
64
11
60
20
40.7% 製版機
23.1% 外注
31.3% 大判インクジェット
30 30.0%
1,000 100.0%
0
0
0
420
300
71.4%
50.0% 10,910
4,827
44.2%
5 ポスター
はがき印刷
6
(年賀・挨拶状)
7 自費出版
8 シール・ラベル
9 スタンプ
10 伝票
11
POP・横断幕
のぼり
12 カッティング文字
13
データ処理
(IT会社)
14 その他
合計
100
1,000
400
235
12,000
6,000
58.8%
500
0
39.0% 大判インクジェット
61.2% オンデマンド☆
0.0% プロッター
0.0% パソコン
年間売上計画 12,000千円(月平均1,000千円)
売上・限界利益計画
移転後の年間計画
(平成21年度)
過去1年間実績
備考
(平成19年1月から12月)
売上額
12,000 (100%)
10,910 (100%)
変動費
6,000 (50%)
6,083 (55.8%)
限界利益
6,000 (50%)
4,827 (44.2%)
利用者数
10名
12名(箱折作業者を除く)
月平均1人当たり限界利益
50,000円
33,521円
9.9%UP
24.3%UP
21
49.2%UP
平成20年2月21日 推進特別委員会の施設(印刷部)視察
22
ものづくりチームの取り組み状況
• ものづくりチームにおいては、巻線の作業が引き続き高い
利益額の確保が見込まれることから移転後も継続し、手
空き時の作業を開拓すべく、自然素材を活用した自主製
品の開発に取り組んだ。
• 地域ネットワーク委員からのアイデアと全面的な協力を得
て、仙台七夕で使用した竹を使った「マイハシ」の製造と
いう結論に至った。
• 竹細工に係る知識・技術の習得の第一歩として、竹工芸
館を視察し竹細工指導員から話を聞いた。
• 8月に開催される仙台七夕終了後の竹の調達に向けて、
今後試作品を製造していく。
• 野菜づくりの試作。
23
「竹ハシ」プロジェクトの戦略
• 仙台七夕は全国的に知名度があり、夏のイベントとして来
客数は多い。
• 地球温暖化は深刻な国際問題になっている。資源問題。
環境汚染問題。
• 「マイハシ」ブームであり、仙台の飲食店でもマイハシ運
動が始まってきた。
• 「マイハシ」のブランド化も出始めてきた。(ベネトン¥1,000円)
• 今、 「マイハシ」マーケット市場の始まりである。
• 箸にどのような付加価値をつけてPB(プライベートブラン
ド)を確立させるか。
• ストーリーのある販売促進が必要である。
24
宮城県主催の研修会で工賃水準ステッ
プアップ事業の報告をする
• 平成19年11月12日(月)、宮城県主催の「平成19年度
宮城県工賃倍増計画支援事業研修会」において、西多賀
ワークキャンパスの工賃水準ステップアップ事業の報告
をした。
• 報告内容
①西多賀ワークキャンパスの取組事例について
施設長 市川義直
②コンサルタントの立場から
株式会社三澤経営センター
コンサルティング事業部長 斎藤正憲
25
平成19年11月12日 宮城県工賃倍増計画支援事業研修会
26
宮城県が「授産施設工賃倍増五ヵ年計
画」をまとめる
• 現在、月額13,061円(2006年度)の平均工賃を、2011年
度までに27,000円にアップさせる目標を掲げた。
• 工賃倍増の目標達成に向け、県独自の支援策のほか、
各事業所が自主的に工賃引き上げ計画を策定すること
も盛り込んだ。
• 支援策として県は、県内の授産施設数ヵ所をモデル事業
所に指定してコンサルタントを派遣。商品開発や市場開
拓、作業効率の向上に向けた業務改善策といった経営
指導も行なう。
(平成20年3月4日、河北新報の記事より一部抜粋)
27
成果と課題は何か(食品部)
・期待・悩み・不安の中でのスタートだったが、勉強会を
通じて意欲と積極性が徐々に見られ、ハード・ソフトの見
極めなど、知識ベースを中心に確実に利用者のスキル
成果 はアップした。
・業種・業態の絞込みも80%はできた。
・オンリーワンの商品開発も進んでいる。
・人間工学に基づく設備も設計図に取り込んだ。
・食品部で扱うメニューに近い調理実習をする必要があ
る。
課題 ・実習を通して食品部希望利用者の適性を見極めていく
必要がある。
・安全安心の低コスト食材の確保にはまだ至っていない。
28
成果と課題は何か(印刷部)
・パソコン操作に慣れ、スキルも着実にアップした。
成果 ・アプリケーションソフトを理解して商品提供ができた。また、入力
業務で売上計上ができるまでになった。
・指導員が1人だけであり、常時指導できる体制が取れなかった。
・利用者の反応やスピードはまちまちであり、理解ができず説明の
繰り返しに終始した場面もあった。
・ハンディ状況に応じて機器の設定が個別に必要だった。
・印刷部の利用者全員が、パソコン操作のスキルをアップさせてい
課題 く必要がある。
・デザイン力の習得と入力のスピードアップ。
・別の仕事が受注できるように、今後更なるスキルアップのメ
ニューを策定して訓練していく必要がある。
・移転後に導入する新機械の操作スキルアップ。
・就労移行支援業務を踏まえ、教える側の体制づくりが必要。
29
成果と課題は何か(ものづくり)
・仙台七夕の竹を使った「マイハシ」という自主製品の
絞り込みができた。
成果
・自主製品開発の検討段階で、利用者が意欲的に竹
を使った籠を製作した。
・試行錯誤が続き、当初の目標である試作品の完成ま
でには至らなかった。
・技術の習得、コンセプトの具体化、販売方法など、如
課題
何に売れる商品づくりを行なっていくかは今後の課題
である。
30
ご質問・お問い合わせ先
株式会社 三澤経営センター
(三澤公認会計士事務所)
コンサルティング事業部 斎藤 正憲
〒980-0821 仙台市青葉区春日町7番32号
パセオ 8階
TEL 022-262-4554 FAX 022-262-4710
[email protected]
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