Transcript 第7回

電子回路Ⅰ 第7回(2008/12/1)
小信号動作量
トランジスタ回路の接地形式
今日の内容

小信号動作量
トランジスタ回路の接地形式
 ベース接地
 エミッタ接地
 コレクタ接地
 各接地形式の特徴

増幅器の特性を現す諸量
増幅器(回路)
入力
中身は何でも良い
出力
ある回路に電気信号を入力して、その結果得られる出力を利用
するとき、何がわかれば入力側(前段)、出力側(後段)の設計が
できるか?
一般的に考えると
入力電源
わかっているもの
入力側
・内部抵抗(r)
・電源電圧(v0)
増幅器
出力(負荷)
出力側
・負荷抵抗(RL)
v1, i1, v2, i2はどのようにして決まるか?
入力で必要な情報
(入力インピーダンス)
i1 
v0
r  Zi
Zi
v1 
v0
r  Zi
i1 がわかればv1がわかる
v1 がわかればi1がわかる
v1
Zi 
i1
v1  i1Z i
:入力インピーダン
ス
Zi
(RLを
含む)
出力側で必要な情報
(出力インピーダンス)
入力インピーダンスと同様に
v2
Zo  
i2
Zo
:出力インピーダン
ス
マイナスに注意(i2の向きが逆なので)
小信号動作量
v1
Zi 
i1
v2
Zi  
i2
:入力インピーダン
ス
:出力インピーダン
ス
v2
Av 
v1
:電圧利得
i2
Ai 
i1
:電流利得
v2i2
Ap 
v1i1
:電力利得
接地形式
トランジスタは3端子デバイス
2端子対回路として利用すると、共通端子の取り方は3通り
B
E
C
B
E
C
B
ベース接地
E
エミッタ接地
それぞれの接地方法で、動作量が異なる
C
コレクタ接地
ベース接地
直流分をカットするためのコンデンサ(結合コンデンサ)
負荷
ベース接地の
等価回路
C1, C2は交流に対してはインピーダ
ンスが低いので短絡とみなす
バイアス電源VEE, VCCは交流信号増
幅に関係ないのでゼロとする(短絡)
rcはダイオードの逆バイアス特性に
起因するため大きいので、無限大と
する(オープン)
他の接地形式でも同様
ベース接地の動作量(1)
v1  reie  rb ib
ib  ie  ic  (1   )ie
より、
v1 reie  rb ib reie  rb (1   )ie
Z ib  

 re  rb (1   )
ie
ie
ie
ベース接地の動作量(2)
v2 ic RL ie RL
Av  

v1
v1
v1

RL
Z ib

RL
re  rb (1   )
ic ie
Ai  

ie
ie
v2ic
 2 RL
Ap 
 Av Ai 
v1ie
re  (1   )rb
v0  0のとき
ic  ie  0より
Z ob  
エミッタ接地
結合コンデンサ
バイアス用
抵抗
負荷
バイパスコンデンサ
交流信号に対して
エミッタを接地
電流帰還
バイアス用
抵抗
エミッタ接地の
等価回路
ベース接地と同等に考える
・コンデンサは短絡
・バイアス電源は短絡
・rcは無限大
R1, R2は並列
エミッタ接地の動作量(1)
v1  rbib  reie
ie  ib  ic  (1   )ib
より、
v1 rbib  reie rbib  re (1   )ib
Z ie  

 rb  re (1   )
ib
ib
ib
エミッタ接地の動作量(2)
v2 ic RL  ib RL
Av  

v1
v1
v1

RL
Z ie

RL
rb  re (1   )
ic   ib
Ai  
 
ib
ib
反転増幅
(インバーター)
v2ic
 RL
Ap 
 Av Ai 
v1ib
rb  (1   )re
2
v0  0のとき
ic    ie  0より
Z oe  
コレクタ接地
結合コンデンサ
バイアス用
抵抗
負荷
エミッタ電流で負
荷を駆動
(エミッタフォロワ)
コレクタ接地の
等価回路
エミッタ接地と同様の考え方
ベース接地と同等に考える
・コンデンサは短絡
・バイアス電源は短絡
・rcは無限大
R1, R2は並列
コレクタ接地の動作量(1)
v1  rbib  re  RL ie
ie  ib  ic  (1   )ib
Z ie 
より、
v1 rbib  reie rbib  re  RL (1   )ib


 rb  re  RL (1   )
ib
ib
ib
コレクタ接地の動作量(2)
v2 ie RL 1   ib RL
Av  

v1
v1
v1

1   RL

Z ie

1   RL

rb  (1   )re  RL 
ie 1   ib
Ai  
 1 
ib
ib

v2ic
1    RL
Ap 
 Av Ai 
v1ib
rb  (1   )re  RL 
2
コレクタ接地の動作量(3)
v  reie  rb  R0 ib
ie  ib  ib  1   ib
ただし R0  r // R1 // R2
 reie  rb  R0 ib
v
Z oc 

 ie
 ie
 reie  rb  R0 ie / 1   

 ie

rb  R0 
 re 
1   
ie
各接地形式の動作量
ベース接地
Zi
Av
Ai
Zo
エミッタ接地
コレクタ接地
re  1   rb
rb  1   re
rb  1   re  RL 
RL
re  1   rb
  RL
rb  1   re
1   RL
rb  1   re  RL 

1 



re  1   rb  R0 
各接地形式の特徴
ベース接地
低入力インピーダンス、高出力インピーダンス
エミッタ接地
中入力インピーダンス、中出力インピーダンス、一般的
コレクタ接地
高入力インピーダンス、低出力インピーダンス、インピーダンス変換向き