ポスター(power point file)

Download Report

Transcript ポスター(power point file)

P16
MAXI & Astro-E2 時代の
binary研究
○三原 建弘、小浜 光洋 (理研)、
松岡 勝、上野 史郎、冨田 洋、磯部 直樹、片山 晴善、森井 幹雄、横田 孝夫、倉又 尚之、川崎 一義 (JAXA)、
常深 博、宮田 恵美 (大阪大)、河合 誠之、片岡淳 (東工大)、吉田 篤正、山岡 和貴 (青学大)、根来 均 (日大)
MAXIのホームページ: http://www-maxi.tksc.jaxa.jp/
概要
E-mail: [email protected]
MAXIは、全天のX線天体を史上最高の感度で監視する。その観測対象は、我々の銀河系内の天体だけでなく、銀河系の外の天体にも及び、広く宇宙で起こっているダイナミックな振る舞いを調べる
ことが初めて可能になる。MAXIによって全天1000個を越えるX線天体の1時間から1年にわたるX線強度の監視が行なわれる。 急に増光するX線新星やガンマ線バーストなど突発的な天体は、即
時にデータを解析してインターネットを通して世界に速報され、Astro-E2を含めたいろんな望遠鏡で早期に詳しい観測が可能になる。ここではMAXI, GLAST, Astro-satなどが実現するAll-sky monitor
新時代におけるAstro-E2の意味をbinary研究の面から考えてみた。
MAXIの感度と Discovery space
下図は各All-sky monitorの感度とモニタ頻度を書いたものである。
2-10keVの全天モニタの感度とモニタ頻度
X線源の
明るさ
X-ray nova
1Crab
CI Cam Be Binary
All-Sky monitor 新時代
下の年表の通り、MAXIが2008年に打ち上げられ、2年以上
稼動する同時期には、GLAST(アメリカ)、Astro-sat(インド)が
動いているはずである。またLobsterもISSには乗りそうにない
ものの、衛星搭載の道を模索しているので上がるかもしれない。
GLASTはGeVの広視野の観測装置であり、Astro-satには
XTE/ASMのような小型の全天モニタが搭載される。Lobsterは
チャンネルプレートを利用した集光系で軟X線帯である。
XTE/ASMはまだ動いているかもしれない。INTEGRALは広
視野の装置を持ちまだ動いているだろう。ガンマ線バースト衛
星Swiftもまだ動いているかもしれない。これらは感度が低いが、
独自の時間スケール、エネルギー帯をカバーする。
Be Binary recurrent
Her X-1
100mC
10mC
Ariel V
Ginga/ASM
XTE/ASM
1mC
MAXI
1d
1y
1w
現在
2005
2006
2007
2008
2009
2010
10y
タイムスケール
2011
MAXI
RXTE
Chandra
XMM-Newton
104
103
102
長期にわたって活躍しているXTE/ASMは全天を網羅できる感度が
50mCrab程度である。この深度で定常X線源は23個、トランジェント
は1観測あたり平均2.4個である。MAXIはその20倍の感度なのでX
線源数は201.5=90倍に増えるであろう。ざっと定常X線源が1000個、
トランジェントが平均100個である。
1周回
101
1週間
1
100
ASTRO-E2
GLAST
MAXI以前は観測できなかった遠方のX線新星を発見し、その光度
変化を追うことができる。X線新星のサンプル数が飛躍的に増加する。
明るい新星は、増光前、増光後のより暗い時期まで監視できる。
ここでXTE/ASMの観測例を示して、このようなライトカーブ
が、この20倍の感度で取れるということを想像していただき
たい。
XTE/ASMの観測例 Levine 2005
Non-periodic variations
Arial V、Ginga/ASM、XTE/ASMは感度は似たようなものだが、稼動
時期が異なるため、三者三様の活躍をした。MAXIとて、もちろん同
様のチャンスがある。
Astro-sat
Lobster
ブレーザー天体などのGeV天体の放射を理解するにはX線
の観測が必要不可欠である。GLASTの感度と、明るいAGNま
でモニタできるようになったMAXIの感度は同程度(1mCrab)で
あり、よきパートナーである。これにより10keV X線と GeVガン
マ線の全天無バイアス観測が実現する。Lobsterも加われば
1keV X線も追加される。銀河系内天体のみならず、系外天体
も含めた「本日の宇宙X線天体の活動状況」 「宇宙の高エネ
ルギー天体の動的なカタログ」が実現する。X線天体の発現は
天気などと違い、不規則かつ予測不可能である。
そのころのAstro-E2
そのころポインテイング衛星としては、Astro-E2のほか、
Chandra、XMMが健在だろう。Astro-E2は、3年間のXRS時代
を終え、CCDとHXDを中心としたbroad-band観測衛星となって
いるだろう。チャージインジェクションなどによりCCDは「あす
か」やACIS-Iほどは劣化していないだろう。長時間観測も比較
的容易になっているだろう。MAXIのアラートを元に、フレアを起
こしたジェット天体のTOO観測やAGNの詳細モニタ観測ができ
るだろう。GRS1915のような天体からの吸収線は十分観測で
きる。MCG-6-30-15のような明るくなったAGN からのdisk line
の観測も十分可能である。長時間広帯域観測を行うことで、
Disk lineについて新見識が得られるかもしれない。
MAXI と Astro-E2 のバイナリ研究
MAXIとAstro-E2のバイナリ研究は、
トランジェント天体とバイナリ研究
X線天文学の歴史を見るに、トランジェント天体で知見が一気に広
がったという例が多い。X線天体の変動は不規則であるので、明るく
なったのを検知して、その放射を集中的に研究してきたという経緯が
ある。1つには単に明るいことを利用したということであるが、もう1つ
には、ある運動を調べたければそのタイムスケールで見なければな
らないということがある。例えば、降着円盤全体の不安定性は1時間
から1週間の変動に現れる。
Frequent transients
トランジェントと言っても系に応じていろんなタイムスケールがある。
変動は各X線源でまちまちなので、いろんなタイムスケールで監視し
なければならない。
X線天体も系が銀河団などと大きくなると、その変動は期待できな
い。運動のスナップショットを数多く撮って研究することになる。AGN
のように108Moのブラックホールだと微妙なところで、典型的な1日と
いう観測時間では短すぎる。そこで高感度全天モニタの出番となる。
Long-term periodicities
トランジェント天体と発見
I型X線バーストの光度
X線新星の降着円盤
NGC6624
A0620-00 GS2000+25
Beバイナリパルサーのサイクロトロン共鳴線
ジェット天体の鉄吸収線
X0115+63
GRS1915+105
ブレーザーのシンクロトロン放射と逆コンプトン放射
ガンマ線バーストの正体解明
Mkn421
GRB970228 GRB030329
1.MAXIの豊富なデータベースを元に観測タイミングを図る。
2.MAXIで発見したトランジェントをAstro-E2で詳細に調べる。
広帯域スペクトルを取得し、数時間以短の時間変動を調べる。
のが主になろう。その時は、既存の観測スタイルに加え、現在
XTE/PCAで行われているような
1.素早いTOO観測
例。アラート後1日以内に見る。
2.連続モニタ観測
例。 3日に2時間見るのを1ヶ月続ける。
が必要となるだろう。
Hardness light curve
Spin period
200
MAXIの感度
時間 [ days ]
INTEGRAL
Swift
MAXI以前
の感度
X線新星出現 !
0
Discovery space
for MAXI
1h
2004
105
天体のX線強度 [mCrab]
2005/2/26にH-IIA7号機が無事打ち上げられ、固体ブース
ター事故から復帰した。スペースシャトルもコロンビア事故から
の再開機STS-114(野口宇宙飛行士搭乗)が5/15に打ち上げ予
定で進んでいる。これでMAXIの打ち上げも見えてきた。MAXI
は2008年度(夏期か冬期)にHTV初号機に格納されH-IIAロ
ケットで打ち上げられる予定である。
MAXIを用いた高感度・長期X線変動モニタ
HEAO-1 A1
MAXIの打ち上げ