PowerPoint プレゼンテーション - 河合研究室

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東京工業大学
大学発小型衛星
河合研究室では工学部の松永研究室と共同で大学発の小型衛星、
「CUTE-1.7」、「燕」、「風鈴」を打ち上げようとしています。すべての小型衛
星に河合研究室が開発を進めているアバランシェフォトダイオードを使用し
た観測装置を載せる予定です。
CUTE-1.7はアバランシェフォトダイオードを使っ
た放射線検出器が宇宙でも正常に動作すること
を確かめることを目的とした衛星です。来年末の
打ち上げを予定しています。
CUTE-1.7
2005年末打ち上げ
基礎物理学専攻
河合研究室
ガンマ線バースト
観測衛星 swift
燕はX線の偏光観測を目的とした小型衛星です。
松永研究室が開発している高速で衛星の向きを
変える技術を利用することで、ガンマ線バーストの
ような発生位置の予想できない天体現象の偏光
観測を可能にしました。この高速姿勢制御は大型
衛星には不可能です。燕は2007年の打ち上げを
目標にしています。
風鈴はHETE-Ⅱ、swiftの次を狙ったガンマ線
バースト観測衛星です。この衛星の設計は、
2002年の衛星設計コンテストで航空宇宙学会賞
を受賞しました。
燕
特別企画
2007年打ち上げ
人工衛星の電波受信をしよう!
10月23日(土)
風鈴
10: 30, 12: 15, 15: 30, 16: 00
2002年衛星設計コンテストにて航空
宇宙学会賞を受賞
10月24日(日)
10: 30, 11: 20, 13: 10, 15: 10, 15: 40, 16: 45, 17: 30
河合研究室では…
新型高エネルギー放射線検出器
河合研究室は、X線で天体現象を観測、研究
するX線天文学の研究室です。X線を放射する
天体には、活動銀河核、超新星残骸、X線星、ガ
ンマ線バーストなどがありますが、河合研究室で
は特にガンマ線バーストの研究に力を入れてい
ます。
河合研究室ではアバランシェフォトダイオード(APD)を利用した高エネ
ルギー放射線検出器の開発を行っています。高エネルギー放射線とは、
X線、ガンマ線のことです。
また、X線を観測するための装置の開発も同時
に行っています。
アバランシェフォトダイオードは、もともとは光通信デバイスとして開発、
利用されてきたものです。これを、河合研究室がメーカーと協力して、放
射線測定用に改良応用しました。
↑ X線観測衛星
Chandraで観測した
かに星雲
ガンマ線バーストで探る宇宙
現在、アバランシェフォトダイオードを利用した放射線検出器は、ガンマ
線の検出器として世界最高の性能を達成しています。また、従来の光電
子増倍管を使用した放射線検出器に比べて、大きさがとても小さいので、
さまざまな場面での応用が可能です。特に、次世代のX線観測衛星
NeXT、XEUSへの搭載が検討されています。
ガンマ線バーストとは、約100億光年と非常に遠い宇宙から、強いガンマ線
という放射線が数秒~数十秒放射される宇宙最大の爆発現象です。ガンマ
線バーストを研究することで、およそ100億年前の宇宙の様子を知ることがで
きます。
この現象を最初に発見したのは核実験を監視するための軍事衛星でした。
地球から来ると思われていた放射線が宇宙の方から来ているとわかり、当時
は宇宙人が核戦争をしているのか?といわれたりもしました。
← アバランシェフォトダ
イオードの写真。隣のペ
ンと比べるとその小ささ
が分かります。
現在までに、ガンマ線バーストを観測するためにいくつかの衛星が打ち上げ
られています。それらの観測結果から、ガンマ線バーストは宇宙のどこかで1
日1回の割合で起きているという結果が出ています。しかし、ガンマ線バース
トがいつどこで起こるかは予想できず、また放射時間も短いために観測が難
しいので、その発生機構については未だよく分かっていません。
→
上がアバランシェフォトダ
イオード、下が従来の放
射線検出器に使われてい
る光電子増倍管です。
日経サイエンス2002年3月号「宇宙最初の星」
ガンマ線は大気が邪魔をするため
衛星でしか捉えることが出来ません。
そこで、河合研究室ではガンマ線
バースト観測衛星HETE-ⅡをMITや
理化学研究所と共同で運用し、その
観測データを使って研究をしています。
また今年の11月には、新たなガンマ
線バースト観測衛星swift(表紙の図)
↑ ガンマ線バースト観測衛星HETE-Ⅱ
が打ちあがる予定です。
最近になってガンマ線バースト発生後に可視光(目
に見える光)が観測されることが明らかになりました。
この光のことを可視光残光といいます。この可視光
残光はバースト自体よりもかなり長い時間継続する
上に、地上から観測できるので観測が容易です。
↑ 東工大屋上に設置され
ている望遠鏡。この望遠
鏡で世界最速の残光観測
に成功しました
河合研究室では屋上に望遠鏡を設置して、この可
視光残光の観測を行っています。昨年の三月には
屋上の望遠鏡を使って世界で一番早く可視光残光
を観測することに成功しました。また現在、山梨県の
明野村に東工大の屋上にあるものよりも大きく、より
深い観測のできる可視光残光観測望遠鏡を建設中
です。
↑ 東工大の屋上望遠鏡が世界で一番最
初に観測したガンマ線バースト
(GRB030329)の可視光残光
↑ 現在、明野に建設中の
ドーム。この中に可視光残光
を観測する望遠鏡が設置さ
れています
新たな側面からのアプローチ ~偏光観測~
天体からの光を捉えるには (1)光の強さを測る [測光]、 (2)波長ごとの成分
を分離する [分光]、 (3)天体の画像を取得する [撮像]、そして (4)光の偏りを
はかる [偏光] という、4つの手法があります。電波や可視光の 観測では 既
に4つの方法を駆使して様々な観測が行われていますが、X線やガンマ線 で
偏光を測る試みは、30年も昔から停滞しています。 X線のように高いエネル
ギーの光は電波や可視光と同じ手法で偏光を捉えることはできないのです。
しかし、もしX線やガンマ線で偏光を捉えることができれば、現在未解決の問
題への全く新しい方法となります。
光は電磁波の一種で、右の図のよう
に電場と磁場の振動が横波として伝
わっているものです。太陽光や電球の
光には、色々な方向に振動する光が
混ざって含まれています。しかし、いく
つかの特定の物理過程によって発生
した光は、振動方向が特定の方向に
偏ります。このような光のことを偏光と
いいます。
電場
光(電磁波)
磁場
河合研究室ではスタンフォード大学などと
共同で、X線の偏光を測定する検出器を気
球に載せて打ち上げ、天体からのX線の偏
光を捉えるという国際プロジェクト「PoGO」を
進めています。PoGO は Polarized of
Gamma-ray Observer の頭文字をとったもの
で、ウォルト・ケリーのキャラクターPOGOとか
けています。初フライトは2007年の予定です。
↑ PoGOのネーミングのもとになっ
たウォルト・ケリーのキャラクター
↑ PoGOプロジェクトで打ち上げる
予定のX線偏光検出器の概観
ガンマ線は大気が邪魔をするため
衛星でしか捉えることが出来ません。
そこで、河合研究室ではガンマ線
バースト観測衛星HETE-ⅡをMITや
理化学研究所と共同で運用し、その
観測データを使って研究をしています。
また今年の11月には、新たなガンマ
線バースト観測衛星swift(表紙の図)
↑ ガンマ線バースト観測衛星HETE-Ⅱ
が打ちあがる予定です。
最近になってガンマ線バースト発生後に可視光(目
に見える光)が観測されることが明らかになりました。
この光のことを可視光残光といいます。この可視光
残光はバースト自体よりもかなり長い時間継続する
上に、地上から観測できるので観測が容易です。
↑ 東工大屋上に設置され
ている望遠鏡。この望遠
鏡で世界最速の残光観測
に成功しました
河合研究室では屋上に望遠鏡を設置して、この可
視光残光の観測を行っています。昨年の三月には
屋上の望遠鏡を使って世界で一番早く可視光残光
を観測することに成功しました。また現在、山梨県の
明野村に東工大の屋上にあるものよりも大きく、より
深い観測のできる可視光残光観測望遠鏡を建設中
です。
↑ 東工大の屋上望遠鏡が世界で一番最
初に観測したガンマ線バースト
(GRB030329)の可視光残光
↑ 現在、明野に建設中の
ドーム。この中に可視光残光
を観測する望遠鏡が設置さ
れています
新たな側面からのアプローチ ~偏光観測~
天体からの光を捉えるには (1)光の強さを測る [測光]、 (2)波長ごとの成分
を分離する [分光]、 (3)天体の画像を取得する [撮像]、そして (4)光の偏りを
はかる [偏光] という、4つの手法があります。電波や可視光の 観測では 既
に4つの方法を駆使して様々な観測が行われていますが、X線やガンマ線 で
偏光を測る試みは、30年も昔から停滞しています。 X線のように高いエネル
ギーの光は電波や可視光と同じ手法で偏光を捉えることはできないのです。
しかし、もしX線やガンマ線で偏光を捉えることができれば、現在未解決の問
題への全く新しい方法となります。
光は電磁波の一種で、右の図のよう
に電場と磁場の振動が横波として伝
わっているものです。太陽光や電球の
光には、色々な方向に振動する光が
混ざって含まれています。しかし、いく
つかの特定の物理過程によって発生
した光は、振動方向が特定の方向に
偏ります。このような光のことを偏光と
いいます。
電場
光(電磁波)
磁場
河合研究室ではスタンフォード大学などと
共同で、X線の偏光を測定する検出器を気
球に載せて打ち上げ、天体からのX線の偏
光を捉えるという国際プロジェクト「PoGO」を
進めています。PoGO は Polarized of
Gamma-ray Observer の頭文字をとったもの
で、ウォルト・ケリーのキャラクターPOGOとか
けています。初フライトは2007年の予定です。
↑ PoGOのネーミングのもとになっ
たウォルト・ケリーのキャラクター
↑ PoGOプロジェクトで打ち上げる
予定のX線偏光検出器の概観