Transcript io_(ch11).

産業組織論 第11章の目次
•
•
•
•
•
同質財同質財
製品差別化の理論製品差別化の理論
ホテリングのモデルホテリング・モデルの仮定1
ベルトラン=ナッシュ均衡ベルトラン=ナッシュ均衡の定義
フリードマンの数値例 ケース1
ケース1(お互に離れて立地)
• フリードマンの数値例 ケース2
ケース2(近接して立地)
1
産業組織論
第11章 製品差別化と競争
ホテリング・モデル
2
同質財
第6章から第10章までの議論において
は、消費者は市場に提供されている生
産物をどの企業が生産しているかを気に
しない(無差別である)状況を扱ってきた。
すなわち、同質財を考えてきた。
3
よく知られている事実1
1.多くの産業で、多数のまったく同じで
はないが、類似的な商品を生産している。
例:カップラーメンなどの即席めん、ポテ
トチップス、チョコレート、清涼飲料水、
ビール、日本酒、テレビ、ビデオ、パソコ
ン、自動車など
4
よく知られている事実2
2.製品差別化された生産物は、その
可能な範囲のごく一部分しか生産され
ていない。
自動車の塗装には非常に多くの色が
用いられ、一部は消費者の好みの色で
塗装される。
他の多くの商品の色は限られている。
5
よく知られている事実2(続き)
コンピュータ関連商品にスケルトンや色
分けが取り入れられてきたが、20色を
超えない。
6
よく知られている事実3
3.製品差別化された商品を生産する
多くの産業では、2から5の企業数から
なっている。
すなわち、集中度が高い。
7
よく知られている事実3(続き)
例:
たばこ、写真、ピアノ、二輪車、CDプ
レーヤー、DVDプレーヤー、一体型ビ
デオカメラ、コーラ飲料、ウィスキー、
ビールなどの産業
8
よく知られている事実4
4.多くの消費者は、利用可能な商品
のバラエティの中のごく少数のタイプを
選んでいる。
自分の商品購入をチェックしてみよう。
9
製品差別化の理論
製品差別化の理論としては、
・水平的製品差別化理論
・垂直的製品差別化理論
の2つがある。
10
水平的製品差別化の理論
水平的製品差別化理論とは、
あるブランドに対する評価が、消費者ご
とに異なる場合を論じたもので、
代表的なものとして、ホテリングの立地
モデルがある。
11
垂直的製品差別化理論
垂直的製品差別化理論とは、あるブラ
ンドの商品特性に対する消費者の評価
が一致している場合を論じている。
商品の品質の問題を扱うのに適したア
プローチである。
12
ホテリング・モデルの意味するもの
ホテリングの立地モデルにおいて、ある
企業の立地(location)を次のように解釈
できる。
・消費者からの物理的な距離
・消費者がある企業の製品に対して、理
想的に考えている商品特性と実際に購入
したときの商品特性の差を示す
13
ホテリング・モデルの仮定1
1.消費者は上図のMain Street に一様
分布している。
14
ホテリング・モデルの仮定2、3&4
2.消費者は、商品を1単位購入するか、
しないかを決定する。
3.移動費用が単位距離当たり c だけ
かかる。
4.2つの企業が立地点を除いて、同じ
商品を消費者に販売する。
15
ホテリング・モデルの仮定5、6&7
5.企業1は立地点Aで、価格p1をつける。
6.企業2は立地点Bで、価格p2をつける。
7.企業1と企業2の生産費用はそれぞれ
ゼロである。
16
企業1から購入するときの
実質費用
立地点Aから x だけ離れた消費者が企
業1から購入しようとすると、移動費用
込みの実質費用(価格)は
p1+cx
(11.1)
となる。
17
企業2から購入するときの
実質費用
立地点Bから y だけ離れた消費者が企
業2から購入しようとすると、移動費用込
みの実質費用(価格)は
p2+cy
(11.2)
となる。
18
実質費用が等しい消費者
19
立地点の計算
20
連立方程式を解く
21
販売量を計算する
22
企業1の利潤
23
企業2の利潤
24
ベルトラン=ナッシュ均衡の定義
25
ベルトラン=ナッシュ均衡
26
均衡の意味
企業2が価格p2*を選んでいるときは、
企業1は価格p1*で企業1の利潤を最大
化している。
企業1が価格p1*を選んでいるときは、
企業2は価格p2*で企業2の利潤を最大
化している。
27
反応関数を求める
ベルトラン=ナッシュ均衡を求めるため
に、まず反応関数を求める。
相手企業の価格を与件として、自分の
企業の利潤を最大にする価格を求める。
28
企業1の利潤
29
企業1の反応関数を求める
30
企業2の利潤
31
企業2の反応関数を求める
32
反応曲線の交点を求めよう
33
企業1の均衡価格を求める
34
企業2の均衡価格を求める
35
企業1の均衡生産量
36
企業2の均衡生産量
37
企業1の最適利潤
38
企業2の最適利潤
39
要約
以上の議論では、ベルトラン=ナッシュ
均衡が存在するとすれば、どのような状
況が成立するかを明らかにした。
40
企業1の利潤(再掲)
41
企業2の利潤(再掲)
42
均衡が存在するための条件
以下では、ベルトラン=ナッシュ均衡が存
在するための条件について検討する。
43
実質費用で比べると
企業1の方が低い場合
44
実質価格の比較
45
実質価格の比較
46
消費者は企業1から購入する
したがって、仮定により、すべての消費
者は企業1から購入する。
47
企業1の利潤
48
均衡の成立条件
49
条件式
50
実質費用で比べると
企業2の方が低い場合
51
消費者は企業2から購入する
したがって、仮定により、すべての消費
者は企業2から購入する。
52
企業2の利潤
53
均衡の成立条件
54
条件式
55
ベルトラン=ナッシュ均衡価格
56
ベルトラン=ナッシュ均衡数量と
利潤
57
Friedman の数値例
次に、π1*<π1 の可能性を指摘した、
Friedman[2]の数値例を別の角度から、
やや詳しく解説する。
58
企業1の利潤(再掲)
59
企業2の利潤(再掲)
60
ケース2(近接して立地) ケース2(近接して立地)
ケース1(お互に離れて立地)
61
企業1の利潤最大化
まず、企業1の利潤を最大にする価格を
見つける。
その条件は、パラメータに与えられた値
を代入し、次のようにして求められる。
62
必要条件
63
十分条件を満たす
利潤のグラフは上に凸のグラフである
ので、企業1の最適価格p1*は500で
ある。
64
実質費用E1の比較
65
実質費用の比較
66
E1を計算する
67
企業1からの距離の範囲
68
実質費用E2の比較
69
実質費用の比較
70
E2を計算する
71
企業2からの距離の範囲
72
表11.1 実質費用の比較
73
E1<E2が成立
74
最適生産量
75
表11.2 実質費用の比較
76
E1<=E2が成立
77
表11.3 実質費用の比較
78
x=70でE1=E2=550
79
表11.4 実質費用の比較
80
x=50でE1=E2=650
81
表11.5 実質費用の比較
82
x=30でE1=E2=750
83
表11.6 実質費用の比較
84
x=10でE1=E2=850
85
表11.7 実質費用の比較
86
E1>=E2が成立
87
表11.8 実質費用の比較
88
E1>E2が成立
89
不連続な企業1の利潤関数
90
企業1の利潤曲線(a=b=10のと
き)
91
ケース1(お互に離れて立地) ケース1(お互に離れて立地)
ケース2(近接して立地)
92
企業1の利潤を最大化する価格
93
必要条件
94
最適価格
95
実質費用E1の比較
96
実質費用の比較
97
E1を計算する
98
企業1からの距離の範囲
99
実質費用E2の比較
100
実質費用の比較
101
E2を計算する
102
企業2からの距離の範囲
103
表11.9 実質費用の比較
104
E1<E2が成立
105
表11.10 実質費用の比較
106
E1<=E2が成立
107
表11.11 実質費用の比較
108
x=10でE1=E2=550
109
表11.12 実質費用の比較
110
x=0でE1=E2=600
111
表11.13 実質費用の比較
112
E1>E2が成立
113
不連続な企業1の利潤関数
114
企業1の利潤曲線(a=b=40のと
き)
115
企業1の利潤曲線(a=b=10のと
き)
116
参考文献
117
第12章へ io_(ch12).ppt
参考文献
118