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A-3
超小形針形状磁気プローブを用いた
磁界の微小な空間分布計測
奥谷 俊彦
磁気応用研究グループ
電気電子システム工学科
目次
1.研究背景・目的
2.超小形針形状磁気プローブ
3.磁束密度分布計測システム
4.磁束密度分布測定
5.まとめ・今後の課題
研究背景
電流検出・・・配線を切断
電子機器の普及
→配線の破損
→プリント基板の検査など
配線からの信号検出が重要
非接触による検出に
磁気センサを応用
磁気センサには様々な種類がある
SQUID
GMR素子
ホール素子
感度
◎
○
△
感度・空間分解能共に性能のよい
磁気センサが必要
分解能
△
○
◎
超小形針形状磁気プローブ
針形状
セラミック
一定方向の磁束密度を
高感度に検出可能
小形針形状
磁気プローブ
GMR(巨大磁気抵抗効果)センサ
センシング方向
計測範囲
磁界の変化によって電気抵抗率が変化
する現象
→小型化が可能
B
I
導線
GMRセンサ
75 × 40 mm
図1 GMRセンサ概略
y
x
針にGMRセンサを配線
→センシング方向の指定が容易
z
感度
(1.8mV/mT)
→数mAの電流を検出可能
空間分解能(検出部75×40mm)
→針形状のためセンサ移動が容易
研究目的
電気製品にはプリント基板が多く使われている
→プリント基板からの信号検出の必要性
配線を破損させずに信号検出
非接触
超小型針形状磁気プローブを用いた
プリント基板配線に流れる信号検出
電流など
超小型針形状磁気プローブを用いた
磁束密度の空間分布の計測
磁束密度分布計測システム
マイクロ
メーター
セラミック針
(GMRセンサ)
超小型針形状
磁気プローブ
GMRセンサを
水平に固定
マイクロメーターに接続
された移動台に測定対
象を固定
→測定対象の
精密な移動
微小な空間分布測定
図2
測定対象
計測システム(マイクロメーター付) ・ミアンダ状配線
・3重直線配線
プリント基板配線モデル
ミアンダ状配線
y
x
z
3重直線配線
I
I
I
I
I
I
配線(導線)
図3 プリント基板の単純モデル
計測方法
ミアンダ状配線・3重直線配線に
1000Hz 1V 方形波電圧を印加
→可変抵抗100kWにより
10mAの電流を印加
y
x
z
I
I
配線(導線)
I
図4 磁束密度分布計測法
配線まわりに磁界が発生
センサと配線との距離r = 20 mm
x,z方向にセンサを動かし
磁束密度分布を測定する
x方向の磁束密度空間分布測定
磁束密度B[nT]
磁束密度B[nT]
14
14
12
12
磁束密度分布(計算値)
センサ出力(計算値) r = 20 mm
60
60
10
10
r = 35 mm
88
66
測定点
44
50
50
30
30
00
00
2000
2000
位置x[mm]
位置x[mm]
ミアンダ状電流
3000
3000
4000
4000
測定点
20
20
10
10
1000
1000
r = 20 mm
40
40
22
00
r = 15 mm
70
70
磁束密度B[nT]
磁束密度B[nT]
16
16
磁束密度分布(計算値)
センサ出力(計算値)
00
200
200
400
400
位置x[mm]
位置x[mm]
3重直線電流
図5 磁束密度の空間分布測定(x方向)
センサ移動位置
600
600
800
800
y
z
x
z方向の磁束密度空間分布測定
r = 5 mm
r = 20 mm
r = 60 mm
r = 5 mm
r = 20 mm
r = 60 mm
20
60
測定点
測定点
15
50
5
0
-5
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
磁束密度B[nT]
磁束密度B[nT]
10
40
30
センサ
出力
(計算値)
20
-10
10
-15
-20
センサ出力(計算値)
0
0
100
200
300
位置z[mm]
位置z[mm]
ミアンダ状電流
3重直線電流
y
図6 磁束密度の空間分布測定(z方向)
z
x
センサ移動位置
400
500
600
まとめ 今後の課題
まとめ
・40mT程度の磁束密度を検出可能 しかし位置設定誤差が
大きい
・電流の方向が同じ場合、センサとの距離が配線上-配線間の
差に非常に大きく影響する
今後の課題
・測定位置設定による誤差
→測定前に測定範囲の四方を測定し,x,y,z軸のずれを補正
・複雑なプリント基板モデルでの測定
御静聴ありがとうございました
巨大磁気抵抗効果
外部磁界B
強磁性体
電子
非強磁性体
強磁性体
入力周波数による検出信号の変化
500
600
測定点
磁束密度[nT]
磁束密度[nT]
400
300
200
100
0
100
測定点
550
センサ出力値
500
450
400
センサ出力値
350
300
250
200
300
500
700
900
100
300
入力周波数[mm]
ミアンダ状電流
図7 検出信号の周波数依存性
500
700
入力周波数[mm]
3重直線電流
900