Transcript 抗がん剤シスプラチンに対する異なる周波数の交流磁界による影響評価

A-11 600 Hz交流磁界発生装置による
シスプラチンの抗がん作用への影響評価
環日本海域環境研究センター
生体機能計測部門
西頭 浩司
目次
１．研究背景と目的(抗がん作用と磁界影響、渦電流)
２．600 Hz交流磁界発生装置の作成
３．600 Hz交流磁界発生装置の評価(磁界分布)
４．コロニーアッセイ法による測定方法
５．磁界影響測定結果(周波数60 Hz、600 Hz)
６．まとめと今後の課題
１．研究背景と目的
外科治療
放射線治療
化学治療 ・・・抗がん剤を体内に投与する方法
抗がん剤・・・血流と共に全身をめぐり
細胞分裂を停止させ、細胞を破壊する
がん細胞だけでなく正常細胞も傷つけてしまい
様々な副作用が現れる!!
これまでの研究報告
抗がん剤シスプラチンにおいて周波数60 Hz、磁束密度
50 mTの交流磁界を曝露すると抗がん作用が高まる
交流磁界曝露
シスプラチン
食道がん
減少
胃がん
：磁界曝露
前立腺がん
磁界曝露
渦電流との関連性について
・人体の約70 ％は水分で構成されている
・体内では様々な体内物質がイオン化している
2．600 Hz交流磁界発生装置の作成
材料
フェライトコア
形状
中央脚に
ギャップ
200
30
20
30
Ｉ１
Ｉ
90
実験領域
150
φ
14
２
82
60
銅線直径
1.66 mm
銅の直径(1.6mm)
40
コイル巻数 46 ターン
コイル層数
5層
巻き方
同心配置
寸法：ｍｍ
コイル
磁界発生装置中央部
3．600 Hz交流磁界発生装置の評価
磁束密度50mT±2％以内
容器の深さ
[cm]
磁束密度
[mT]
容器の深さ
容器の幅
容器の幅 [cm]
ギャップ部の磁界分布
４．コロニーアッセイ法に用いる実験材料
●シスプラチン
・プラチナ（Pt)の分子を含む
・抗がん作用を行う過程でイオン化する
●細胞の増殖サイクル
ヒトの培養細胞
2倍
1日
大腸菌
早い!! 2倍
実験しやすい!!
30分
抗がん剤の作用を受ける!!
コロニーアッセイ法による測定方法
抗がん剤
シスプラチン
40 μ g /ml
磁界非曝露
（Control）
固形培地
一定時間経過
大腸菌液
培養
固形培地
36～37℃
磁界曝露
（Exposure）
比較
５．60 Hz磁界影響測定結果
周波数 60 Hz
磁束密度 50mT
*
濃度 0 g ml
濃度
**
**
40 g ml
時間が経過するほど細胞毒性が高まっている
t検定：2時間、4時間、6時間後において有意差あり
600 Hz磁界影響測定結果
周波数 600 Hz
磁束密度 50mT
濃度 0 g ml
濃度 40 g ml
2時間後に細胞毒性が弱まっている
t検定：2時間、4時間、6時間後において有意差なし
６．まとめと今後の課題
まとめ
○周波数60 Hzと600 Hzの交流磁界を曝露した結果、
周波数60 Hzの方が抗がん剤の細胞毒性を高めた
周波数による磁界影響の変化がある可能性が高い
しかし周波数と渦電流のどちらの影響によるものか断定できなかった
今後の課題
●周波数60 Hzと600Hz以外の周波数(静磁界，120 Hzなど)
についても磁界曝露実験を行う
●他の抗がん剤においても周波数による磁界影響があるのか
実験を行う
●より人体に近い条件で曝露実験を行う
５．磁界影響測定結果
周波数 60 Hz
磁束密度 50mT
E 40の方が減少
磁界影響測定結果
周波数 600 Hz
磁束密度 50mT
ギャップ部の磁束密度
ファラデーの法則


B
V
N
 NS
t
t
t
V  2fNSB
周波数の影響
周波数による振動
渦電流
あり
あり(小)
高
なし
あり(大)
静
なし
(一方向に力がかかる)
なし
低