Transcript フッ化物洗口実施人数
自由集会 4 G 会場:平成17年10月6日 16:00 ~ 健康日本21における フッ化物応用の普及状況と これからのフッ化物応用 1.フッ化物局所応用の現状 ① フッ化物洗口法 (集団応用:スクールベース,パブリックケア) (家庭応用:セルフケア,ホームケア) 木本一成 (神奈川歯科大学健康科学講座口腔保健学分野) フッ化物洗口法の特徴 ・ ・ ・ ・ ・ 確実な予防効果がある。 安全性が確保されている。(4、5歳児から洗口可能) 実施方法が簡便である。 費用対効果が高い。 集団に応用できる。 (集団応用では管理が行いやすい。) (集団応用では継続性が保たれる。) (家庭応用では保護者の意識や理解度に左右され、 継続性に問題がある。) ・ 自律的応用による予防意識が向上する。(教育効果) 日本における集団応用でのフッ化物洗口状況 (NPO日F会議調査,2004年3月31日) ・ ・ ・ ・ 保育所・幼稚園 2,377施設 (60.6%)/総施設数 36,538 :実施率 6.5 % 小学校 1,318施設 (33.6%)/総施設数 23,633 :実施率 5.6 % 中学校 207施設 ( 5.3%)/総施設数 11,134 :実施率 1.9 % 養護学校・他 21施設 ( 0.5%) 合 計 3,923 施設 ・ ・ ・ ・ 保育所・幼稚園 109,118 人 (27.5%)/総人数 2,268,999 :実施率 4.8 % 小学校 251,866 人 (63.5%)/総人数 7,226,910 :実施率 3.5 % 中学校 34,896 人 ( 8.8%)/総人数 3,748,319 :実施率 0.9 % 養護学校・他 822 人 ( 0.2%) 合 計 396,702 人 現在 東京都神津島 奈良県奈良市 でフッ化物洗口が開始され、47都道府県にて 集団応用が実施されている。 秋田県県域 兵庫県神戸市 その他の地域でも、集団応用の実施施設数と 実施人数が増加している。 フッ化物洗口実施施設数における 都道府県での地域較差 (NPO日F会議調査,2004年3月31日) 1割の都道府県数で 全体の 約50%を占める。 概ね 3 割未満 の 都道府県 数で全体の約80%を占める。 都道府県間での「地域較差」 が明らかである。 「フッ化物洗口実施人数」も 同様な傾向を示す。 保育所・幼稚園 フ ッ 化フ 物兊 洗 化物 口 洗口 実実 施 施施 施 設数 設で 数 の相 で対 の 累積 相頻 対度 累 積 頻 度 小学校 中学校 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 都道府県での相対累積頻度 80% 90% 100 % % 都道府県での相対累積頻度 図1 フッ化物洗口実施施設数における都道府県での地域較差 各施設間における実施率の相関 保育所・幼稚園 r = 0.51 r = 0.47 (P < 0.005) (P < 0.001) 小学校 中学校 r = 0.93 ( P < 0.0001) フッ化物洗口の集団応用 普及に関する問題点 実施施設数、実施人数の総数が未だに少ない。 都道府県間に「地域較差」がある。 週1回法のフッ化物洗口製剤が認可されていない。 実施施設数、実施人数の実施率は、保育所・幼稚園が 小学校・中学校に比較して高く、 年齢が上がるにつれ て低下している。 同一都道府県内において、保育所・幼稚園から小学校 への継続や導入が難しい。 → 学校でのフッ化物洗口実施に障壁がある。 図 日本における集団応用でのフッ化物洗口実施施設数と実施人数 (NPO日F会議調査,2004年3月31日) フッ化物洗口実施施設における洗口回数、使用薬剤、 使用フッ化物濃度、経費負担者の状況 (NPO日F会議調査,2004年3月31日) 調 査 項 目 回 答 肢 週あたりの洗口回数 使用洗口剤 洗口液F濃度 係る経費負担者・団体 保育・幼稚園 小学校 中学校 養護学校他 (全施設合計) 5回/週 1回/週 他 65. 8 22. 6 11. 6 % % % 12. 5 % 85. 9 % 1. 7 % 9. 8 % 90. 2 % 0. 0 % 28. 6 57. 1 14. 3 % % % 43. 9 48. 7 7. 5 % % % フッ化ナトリウム 市販フッ化物洗口製剤 50. 1 49. 9 % % 75. 4 24. 6 82. 4 17. 6 % % 70. 0 30. 0 % % 61. 0 39. 0 % % 250 ppm 900 ppm その他 58. 8 13. 1 28. 1 % % % 8. 9 % 70. 2 % 20. 9 % 8. 6 % 86. 8 % 4. 6 % 25. 0 50. 0 25. 0 % % % 39. 3 36. 2 24. 4 % % % 行政・教育委員会 歯科医師・歯科医師会 施設・学校 保護者 関係者・団体等の複数他 80. 0 5. 1 8. 2 4. 0 2. 6 % % % % % 87. 0 1. 3 5. 3 3. 6 2. 8 92. 4 0. 6 3. 8 1. 3 1. 8 25. 0 16. 7 16. 7 0. 0 41. 7 % % % % % 83. 0 3. 5 7. 0 3. 7 2. 8 % % % % % % % % % % % % % % % % % フッ化物洗口の家庭応用の 実施状況(推計値) (2002年10月時点) 全国の 4 ~ 14歳のフッ化物洗口の家庭内応用の 実施人数推計値 全国推計値: 22.1 ~ 49.4万人 (95%信頼区間) 平均で 約 35 万人 ( 347,942 人) 安藤雄一、瀧口 徹、深井穫博:フッ化物洗口・家庭応用法の歯科医院に おける指導に関する全国実態調査(口腔衛生会誌 55:22-31,2005)より 集団応用+家庭応用 → 約 75 万人 (全国当該児童の約 5.8 %) フッ化物洗口普及における今後の課題 「フッ化物応用についての総合的見解」の周知 「フッ化物洗口ガイドライン」の周知 「健康日本21」:「歯の健康」の目標の設定 フッ化物洗口の数値目標の設定 「健康日本21 の地方計画」の目標の設定 都道府県レベルでの公衆衛生施策の較差の是正 フッ化物応用の導入 フッ化物洗口の数値目標の設定 地域における公衆衛生施策 口腔保健に関する優先課題を認識と施策の位置付け.優先性と持続性の ある方法を計画.行政間や行政内部での連携.地域歯科医師会との連携. 地域住民や関係者との合意形成. 地域住民への情報提供. 口腔保健に 関する教育的支援 など