開発履歴とオントロジーを用いた要求進化支援システムの構築

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開発履歴とオントロジーを用いた要
求進化支援システムの構築
2007/02/10公聴会
海尻・海谷研究室
山部 信夫
目次
•
•
•
•
•
背景
目的
ツールについて
ツールの外観
まとめ&今後の課題
背景
• ソフトウェア開発において、顧客の要求を満たしてい
ることが、高品質なソフトウェアの最低限の条件で
ある。
• 実際に要求を獲得する場合、要求分析者は顧客か
らの要求獲得の段階において、要求分析者は開発
したいソフトウェアが扱う分野についての知識(ドメ
イン知識)を充分に持っているとは限らない。
• そのため、必要な情報の欠落、及び顧客との背景
知識の違いによる誤解が生じる可能性があるため、
欠落や矛盾のない要求を行うことが出来ないことが
ある。
背景(2)
• 前述の理由により、計算機によって要求分析
者のドメイン知識を補い、要求分析の支援を
行うことが有用と言える。
• これに対してドメイン知識としてドメインオント
ロジを用い、業務知識の不足を補うツールが
ある
オントロジとは
• 共通概念を提供する体系化された辞書のよう
なもの。自然言語の暗黙的な情報を明示する
もの。
• 例(明示されていない情報)
ドーピング
・不正行為
・材料に添加物を加える
・全体の5%程度の添加元素を加える…等
オントロジとは
• オントロジには概念クラスと意味リンクから構
成される
例:乗り物オントロジー
乗り物
subClassOf
二輪車
hasPart
A:重さ(Kg)
車輪
数値
Rel:所有者
人間
背景(3)
• 前述のツールにより業務知識の不足をオント
ロジを用いて補うことが出来る。
• しかし、一般に完全なオントロジというものを
作成することは難しく、また、このツールでは
オントロジの関係で直接関係のない外部的な
要因や経験的な要因による要求の変化によ
る対応が不可能だった。
目的
• そこで、本研究では要求仕様の更新履歴に
着目することで、一般に完全でないオントロジ
の内容の補強、改善、及びオントロジに含ま
れなかった経験的な要求の進化パターンを
収集する手法の提案の実現をツールにより
行った。
経験的な要求進化パターン例
• 図書館の本の貸し借りを行うソフトウェアに対
し、図書とは直接関係のない図書館のビデオ
ルームの使用不使用を管理するシステムを
要求としてよく追加されることがあった場合
• 携帯電話にmp3再生機能、クレジット機能な
どの機能をつける
等
ツールについて
• 既存のツールに対して新たな進化パターンの
登録機能とその適用を行う機能の追加を行う。
既存のツールの説明
• 要求獲得において獲得した要求を短い単語
のリストとして扱っていて、それにオントロ
ジーを対応付けることで、オントロジの関係よ
り、要求を満たすために必要なものを推論す
る。
例:前ツールの機能
SysA
文A
図書館で本を借りる
文B ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この関係に
ついて示唆
する
単語とオントロジーの
対応付け
Ontology
図書館貸し出
しシステム
オントロジー
の関係
要求仕様の更新履歴について
• 要求仕様をバージョンごとに管理することで
要求仕様の更新履歴を取れるようにする。
• これにより、バージョンごとの要求文リストの
増減をみて外部的な要因や経験的な要因
(オントロジーの関係では直接関係のないも
の)を進化のパターンとして新たに定義する。
前回作製したシステム
SysA
文A(Ver1)
図書館で本を借りる
文B(Ver2) テレビの使用不使用の管理
単語とオントロジーの
対応付け
例:本研究の機能
オントロジー
の関係
Ontology
図書館貸し出し
システム
新たなシステム
SysB
文C ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この概念を
追加するこ
とを示唆す
る
備考
• 本研究では概念間の(因果)関係を経験的に
収集することを目的にして,概念自体の増減
は扱わないものとする
• 本研究ではバージョンについては枝分かれを
扱わないものとする
Ver履歴保存に使用する言語
• 既存のツールがJAVAで作成されているため、
JAVAを用いる。
登録&削除
時刻
前バージョンで追加&
削除されたもの
追加されたか
削除されたか
現バージョンで追加&削
除されたもの
対応付けた
概念
対応付けされた単語
登録するパターンに
対してコメントを入力
する
対応付けを行うことで次回追加&
削除されるだろう概念を提示
まとめ&今後の課題
• 要求仕様の更新履歴に着目することで既存
のオントロジでは対応できない要求獲得の支
援を行う手法をツールにより提案した。
• 動作実験を含めたテストは行うが有用性につ
いては本格的な検証を行う必要がある