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工業力学 Industrial Mechanics 第1回:本授業のガイダンス ● 講義はこのスクリーンを用いて行います. 見にくい学生はスクリーンに近い座席に着席してください. 知能システム工学科 井上 康介 E2棟 8階 801号室 担当教員自己紹介 井上 康介(いのうえ こうすけ) 身分:講師,居室:E2棟 8階801号室 専門分野:生物模倣型ロボット(現在は主に ヘビ型ロボットを扱っています) ■ 2 講義の概要 下位科目:力と運動 上位科目:機械力学,材料力学 1年次前期に学んだ「力と運動」では,主に 質点の力学 を扱い,大きさを持つ物体の力学については扱ってこな かった.これは実際に起こっている力学現象を簡素化し たモデルであり,現実の物体の運動の記述には不十分 本講義では 剛体 の相互作用に関する 静力学,運動学 および 動力学 (基礎部分) を学習する 剛体 (rigid body):外部から力が加わっても変形しない (変形量が微少で,無視できる) 大きさを持つ物体 要するに,大きさを持った (変形しない) 物体の力学の 基礎を学ぶ (ただし,2次元空間での議論のみ) 3 講義の概要 静力学 (statics):静止状態にある物体における力やモー メントの均衡を扱う 運動学 (kinematics):物体の運動を,その原因,すな わち力との関係を考慮することなしに,主に幾何学的に 論ずる 動力学 (dynamics):物体の運動状態を力との関係に基 づいて論ずる 4 授業の概要 メカを設計・製作し,これを動かすに当たっては,大き さを持ち多少変形する機械部品の耐久性 (材料力学) や,部品同士の力学的相互作用 (機械力学),その他を数 理的に計算する必要がある 例)ロボットにおいては,各モータにどの程度の電流を 流すとアーム先端がどのような加速度で動くかなど 例)橋の設計をする際,台風が来たときに橋の固有振動 数の振動 (共振) が起こって橋が崩落することを防ぐ場 合,振動の計算やそれに基づく材料強度計算など このようなメカの設計・制御のあらゆる側面において必 要となる基礎がこの講義であり,理解できずにドロップ アウトすることは 許されない (故に必修) 5 到達目標 1. 質点系および剛体系における力・モーメントの合成と分 解ができる 2. 質点系および剛体系における釣り合い,安定の条件を理 解し,求められる 3. 並進運動,回転運動とニュートンの運動法則との関係を 理解し,記述できる 4. 動力学の基礎として,単振動,自由振動,強制振動の事 象を理解できる 6 授業計画 1. ガイダンス 2. 力(力の定義,合力,分解) 3. 力の釣り合い(剛体と質点) 4. 重心(安定と不安定) 5. 剛体の運動 I (速度,加速度,相対速度) 6. 剛体の運動 II (ニュートンの運動法則,平面運動) 7. 中間試験 8. 中間試験解説 9. 衝突 (運動量と力積,運動量の保存) 10.仕事,エネルギー,動力 (力学的エネルギーの保存) 11.摩擦 (すべり・転がり摩擦,ブレーキ,軸受) 12.簡単な機械 (てこ,滑車,斜面など) 7 授業計画 13.動力学:振動 I (単振動,いろいろな振り子) 14.動力学:振動 II (自由振動と強制振動) 15.演習 ただし,これは予定であり,実際には多少ずれる可能性あり (ていうか ほぼ確実です.すいません) 8 講義の進め方 講義は今回と同様PC+プロジェクタを利用して行う 今回と同様,重要箇所を空欄としたノートを配布する. 空欄を埋めつつ,重要と思ったことを空欄にメモしなが ら講義を受けること. 講義の進行 1. 前回の宿題の回収 2. 前回の講義内容のおさらい 3. 前回の講義内容に関連する小テスト (兼 出欠調査) 4. 今回の講義 5. 今回の宿題の出題 6. 今回までの内容に関する質問の受付 (授業前後) 9 指定教科書 (必須) 工業力学:青木 弘・木谷 晋 共著,森北出版株式会社 本体価格 2,000円 教科書の演習問題などを講義で参照するため,必ず講義 に持参してください 10 成績評価と注意 成績の評価方法 レポート (25点)+小テスト (25点)+中間試験 (25点)+ 期末試験 (25点) で評価する 採点においては,途中点を重視するので,分からなくても 分かるところまではきっちり書くこと.答えのみは0点. 60点未満 (12T以前は50点未満) は 不合格. 不合格のヤバさと,それに至る典型的パターン 落とすと,ほぼ留年確定:Aコース Bコース聴講不可, 往復の時間 / Bコース 時間割が詰まりすぎ レポートと小テストだけで50点を占めることを甘く見す ぎて落とす学生が多い (予習・復習の重要性) 途中でサボるとその先が一気につらくなる 分からないくせに教員にも友達にも聞かない 11 恐怖の実績データ 昨年度までの実績は右の表 受講者中の単位取得者割合 の通りである. Aコース Bコース …お分かりいただけるだろ 2011 76.7% 93.6% うか? 2012 69.8% 84.1% 3割近くが落としている, という事実は,よく考え 2013 70.0% 76.6% るとかなり恐ろしい話 不合格者の特徴 レポート提出をさぼる 小テストが不出来 (復習に時間を使わない) この講義の性質上,復習にたっぷり時間が必要 (講義時間だけで習得できるのはかなり頭のいい学生のみ) 12 履修上の注意 1年前期の教養の物理学「力と運動」を習得しているこ とを前提に授業を行う.ほぼ毎回レポートおよび小テス トを出すので,しっかり予習・復習を行うこと. 中間試験終了後と期末試験の前の週ごろにアンケートを 実施するので,日頃からこのことを意識して受講してほ しい (その際,必要な批判はきちんと行うこと). オフィスアワー:月曜2限,金曜6限 (ただし日立にいます) 質問を躊躇しないこと.授業料を支払っているだけの サービスを受けてよいのだから,遠慮した結果理解がで きなくなってドロップアウトという事態は絶対に避ける 基本的に,Aコース:講義直後の昼休み,Bコース:授業前30分間 他に,希望に応じて別途時間を取ります.遠慮無く希望すること. E-mail: [email protected] (メモを) 13 ホームページの活用 講義において,講義ホームページを活用する.内容は以 下のとおり: 連絡事項 (テストの実施場所など) 各回に進んだ範囲 実施した小テストとその模範解答・解説 各回に出題した宿題 教科書の章末問題のヒント集 オリジナル練習問題とその模範解答・解説 中間・期末テストの問題・模範解答・解説 教科書の誤植 http://biorobot2.ise.ibaraki.ac.jp/inoue/lecture/im14/ (メモってください) 14 小テスト・宿題・テストにおける注意 この講義では,テスト等における回答において,最終的 な答えは必ず数値化すること,および正しい単位を表記 すること.これをやらないと減点する. また,有効数字は指示がない場合は3桁とする. 例) N= 4p 3 cos 3 N = -0.866 [Nm] ダメな例 OK 単位の表記の際には,カギカッコでくくること. ベクトルは必ず太字で書くこと. 15 お説教的な… まず最初にお詫び:井上は教え方が上手ではありませ ん.他の先生より分かりやすくもありません. 講義の時間だけ井上の言うことを聞いていると工業力学 がいつのまにか理解できているというようなすばらしい 現象を期待してはいけません. 授業改善の努力は続けていますが,一方で,大学とはど ういうところか も理解してもらう必要があります. 大学での勉強は小中高とは根本的に違います.学ぼうと いう主体性のない人間が,口を開けて餌を待つような受 け身の姿勢でいても何も身につきません.「おい,早く オレに分からせろ」という気持ちは捨ててください. 将来何をしたいのか,そのために何を身につけなければ ならないのかを踏まえ,主体的に取り組んでください. 16 お説教的な… 分かろうとする努力,これを我々は全力でサポートしま す.一方で,分かろうとしていない人間に無理に理解さ せるという趣旨の教育機関 (小中高) ではない というこ とを理解してください. 質問対応の時間 (活用してください) Aコース:授業後 (昼休み) Bコース:授業前30分間 ※ ただし,提出前の宿題についてはあまり教えません. 以上 17