炎症性細胞 - Press

Download Report

Transcript 炎症性細胞 - Press

エリンギの肺炎マウスモデルに対する抗炎症作用
肺炎と抗炎症作用について
肺炎は、細菌やウィルスなどの病原微生物が肺に侵入し、
肺組織で急性の炎症反応を起こす疾患です。平成 23 年
には脳血管疾患にかわり日本人の死因の第3位になっている、
罹患率・死亡率の高い、極めて重要な疾患です。
悪性新生物
・病原微生物
・細菌
・ウイルス 等
脳血管疾患
心疾患
肺
肺炎
肺炎
肺
脳血管疾患
不慮の事故
自殺
肝疾患
結核
病原微生物
周辺組織の
炎症
出典:平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況
炎症反応は、もとは病原微生物を殺すための反応
殺菌作用
ですが、急性の炎症反応は、その過剰な殺菌作用
により肺組織まで傷つけてしまいます。
炎症性細胞
この過剰に起きてしまう炎症を抑える働きを抗炎症作用といいます。
エリンギの肺炎マウスモデルに対する抗炎症作用
きのこと抗炎症作用の研究
■ シイタケ由来β‐グルカン
は、RAW264.7のLPS刺激によるNO産生と、TNF-α産生を抑制する。
■ ヒラタケ水抽出物
はNF-κBとAP-1シグナルを抑制することで、抗炎症作用を示す。
■ マイタケ水抽出物
はTNF-α産生とそのシグナルを抑制することで、小腸炎症を軽減させる。
Xu X. et al. , J Biol Chem. , 2012; Jedinak et al. , Nutrition J. , 2011
Jong Suk Lee et al. , Exper. Mol. Med. , 2010
炎症性細胞を使った実験
【結果1-1:炎症関連遺伝子(iNOS)のmRNA発現】
エリンギ熱水抽出物
細菌内毒素(LPS)添加
炎症反応を起こす。
結果1 - 1 :
炎症関連遺伝子(
iN O S)のm R N A 発現
LPS
(100 ng/ml)
0.0030
炎症性細胞
(肺胞由来マクロファージ)
炎症関連遺伝子
(iNOS※)の解析
※iNOS(誘導型一酸化窒素合成酵素)
iNOSは一酸化窒素(NO)を合成する酵素です。
マクロファージは貪食した微生物を殺すためにNOを産生します。
このNOの過剰な産生は、様々な炎症に関与していると言われています。
iNOS mRNA
0.0025
#
0.0020
#
#
0.0015
#
*
0.0010
0.0005
0.0000
未処理
LPS
のみ
10
30
100
エリンギ熱水抽出物 (μg/ml)
n = 4, #p<0.05 vs. 未処理, *p<0.05 vs. LPSのみ
エリンギ熱水抽出物により、炎症関連遺伝子(iNOS)の発現が抑えられた。
エリンギの肺炎マウスモデルに対する抗炎症作用
肺炎マウスモデルを使った実験
マウスに与えるエリンギの作成
細菌内毒素(LPS)を経鼻接種
肺炎を誘発
1時間前
又は、水
周辺組織の
炎症
LPS
肺
肺
加熱処理
(100 ℃ 10分間)
水に溶いた加熱処理エリンギ粉末
又は、水を経口投与した。
LPS
(10 μg /50 μl/マウス)
40
#
*
#
*
20
0
水
水
0.1
0.3
1
エリンギ (g/kg)
DEX
タンパク質量 (mg/ml)
6
細胞数(×10 cells/ml)
#
0.25
#
0.20
#
0.15
#
*
#
*
0.10
*
0.05
0.00
結果2-3:肺洗浄液中の一酸化窒素(NO)量
結果2 - 3 :
肺洗浄液中の一酸化窒素(
N O)
量
0.25
水
0.1
0.3
1
エリンギ (g/kg)
DEX
#
0.20
*
0.15
*
*
0.10
0.05
0.00
水
LPS
(10 μg /50 μl/マウス)
0.30
LPS
(10 μg /50 μl/マウス)
0.30
80
#
*
結果2-2:肺洗浄液中のタンパク量
結果2 - 2 :
肺洗浄液中のタンパク量
(細胞膜透過性の指標)
(
細胞膜透過性の指標)
一酸化窒素(NO)量(nM)
結果2-1:肺洗浄液中の細胞数
結果2 - 1 :
肺洗浄液中の細胞数
60
炎症性細胞↑
細胞膜透過性↑
肺炎を起こしたマウスの肺では、
細胞膜透過性が上がり、炎症性細胞が集まることで、
一酸化窒素(NO)が過剰に産生され、炎症が悪化します。
凍結乾燥・粉砕
加熱処理エリンギ粉末
100
NO産生↑
水
水
0.1
0.3
1
DEX
エリンギ (g/kg)
抗炎症薬デキサメタゾン(DEX 5 mg/kg)はLPSの経鼻接種1時間前に腹腔内注射した。 n= 6 (DEXはn=4), #p<0.05 vs 水, *p<0.05 vs 水+LPS
エリンギの経口前投与により、LPS接種マウスの肺洗浄液中の
炎症性細胞数、タンパク量、及びNO産生量の増加が有意に抑制された。
エリンギの肺炎マウスモデルに対する抗炎症作用
結果のまとめと考察
細菌内毒素(LPS)を経鼻接種
肺炎を誘発
周辺組織
エリンギ熱水抽出物
LPS
細菌内毒素(LPS)添加
炎症反応を起こす。
肺
肺
NO産生↓
エリンギを食べたマウス
(エリンギ1 g/kg )
炎症関連遺伝子(iNOS)の
発現が抑制された
エリンギを食べたマウスでは、肺炎を誘発されても、
過剰な炎症反応が抑えられた。
炎症性細胞↓
細胞膜透過性↓
エリンギの細胞・動物レベルでの抗炎症作用が明らかとなった。
病原微生物
細菌
ウィルス
など
肺
肺
エリンギを食べた人
(エリンギ60 g/体重60kgの人 )
エリンギは細菌感染
による肺炎予防効果
肺
肺
を持つことが期待できます