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9 水環境(4)水質汚濁指標
環境基本法(水質汚濁防止法)
・人の健康の保護に関する環境基準
(健康26項目)
地下水を含む全公共用水域について適用
全シアン・アルキル水銀・PCB→検出されない
こと
(ダイオキシン類は、別枠でダイオキシン類対
策特別措置法により水質における環境基準が
規定されている)
・排水基準
アルキル水銀→検出されないこと
溶存酸素(Dissolved Oxygen、DO)
・きれいな水 DO→大 汚水 DO→小
・DOが低下する条件
気温↑ 気圧↓ 塩濃度↑
・DOの測定法
ウィンクラー法
MnSO4(Mn(OH)2)がアルカリ性でDOに酸化され
H2MnO3を生じ、これとKIが硫酸酸性で遊離したI2
をNa2S2O3で滴定する。亜硝酸の妨害を防ぐため
NaN3を用いる。第二鉄塩の妨害を防ぐためKFも
用いる。
河川におけるDO値と流下距離の関係
生物化学的酸素要求量
(Biochemical Oxygen Demand、BOD)
・きれいな水 BOD→小 汚水 BOD→大
・BODが増加する条件
水中の有機物↑
・BODの測定法
試料100mLに希釈水を加え1LとしDOの測定を行う
(試料に微生物がいない場合、植種水を加える)
BOD(mg/L)=(D1 - D2)×P
D1は、20℃、15分後のDO値( mg/L )
D2は、20℃、5日後のDO値( mg/L )
Pは、希釈倍数
ボーナスページ!
BOD負荷量(mg/min)=BOD(mg/L)×流量(L/min)
BOD(mg/L)= BOD負荷量(mg/min)÷流量(L/min)
問題
ある2つの排水A、BのBODが80 mg/L、40 mg/L、排
水量がそれぞれ6 m3/min、10 m3/minであった。A、
B同時に合流させて排水した時、その排水のBOD
値は?
答え BOD = 55 mg/L
できたかな?
化学的酸素要求量
(Chemical Oxygen Demand、COD)
・きれいな水 COD→小 汚水 COD→大
・CODが増加する条件
水中の有機物↑ 還元性無機物↑
・CODの測定法
酸化力
大 ニクロム酸(K2Cr2O7)法
中 酸性高温過マンガン酸(KMnO4)法
小 アルカリ性過マンガン酸(KMnO4)法
BODとCODの値は必ずしも一致しない
考えてみよう(水質汚濁指標関連)
1 CODは海水や湖沼水の生活環境の保全に
係る環境基準において定められている(76回)
○
2 一定気圧下の清浄水におけるDOの飽和濃
度は、高温ほど高い(82回)
× 高温ほど低い
3 有機物質による汚濁が進行すると、溶存酸
素濃度が上昇する(80回)
× 低下する
4 汚水では微生物が生育しやすく、その結果
DOは増加する(85回)
× 低下する
5 水質汚濁によりDOが低下すると、微生物に
よる有機物の分解が起こらなくなる(86回)
× 嫌気性微生物は分解できる
6 汚濁の進行した河川では、好気性微生物
によりCH4やH2Sが生成される(84回)
× 嫌気性
7 DOの測定に用いられるウィンクラー法では、
Mn(OH)2がDOによってH2MnO3に酸化される反応
を使う(82回)
○
8 BODとは、主として水中の有機物質が生物
化学的に酸化されるために消費する酸素量を
mg/Lで表したものである(82回)
○
9 有機物による汚染が大きいほどBOD値は小
さい(76回)
× BOD値は、大きい
もっと考えてみよう(水質汚濁指標関連)
10 有機物を含んだ水が流入すると、BODは
低下する(86回)
× 増加
11 河川水中の有機汚濁物質は、主に微生
物によって分解される(84回)
○
12 一般に、環境中での窒素化合物の微生
物による酸化は、炭素化合物の酸化より速や
かに起こる(82回)
× 炭素化合物が先に酸化される
13 排水中のBOD値に排水量を乗じることで
汚濁負荷量が算出される(81回)
○
14 工場排水では、BODを測定できない場合
がある(86回)
○ 重金属などを含むと微生物が死ぬから
15 CODは、水中の無機物質量の指標として
用いられる(86回)
× 主に有機物質量
16 海水では、そのCOD値に一定の係数を乗
ずることによりBOD値が求められる(85回)
× CODとBODには一定の関係はない
17 SSとは、水中の有機性、無機性の浮遊物
をいい、その量は汚濁の指標となる(85回)
○
18 n-ヘキサン抽出物質量は、海域の油汚染
の指標となる(86回)
○
BODが200mg/L(ppm)、水量4,000m3/日の排水
を、BODが2mg/L(ppm)、流量4,000,000m3/日の
河川に放流した場合、河川水のBODは何mg/L
(ppm)になるか。ただし、排水と河川水は、直ち
に均一に混合すると仮定する
答 2.2mg/L
BOD(mg/L)= BOD負荷量(mg/日)÷水量(L/日)
(4,000 X 200 + 4,000,000 X 2) X 103 mg/日 ÷
(4,000 + 4,000,000) X 103 L/日 = 2.2
ある工場での排水は二系統であり、その平均
水量と平均BODは、A系統で13,000m3/日、
220mg/L、B系統で4,000m3/日、510mg/Lである。
これらを処理後1つの排出口から放流したとき、
平均BODは49mg/Lであった。水量の増減はな
いものとして、BOD除去率(%)を求めよ
答 83%
AのBOD負荷量は2,860×106 mg/日
BのBOD負荷量は2,040×106 mg/日
処理後のBOD負荷量は833×106 mg/日
従って、BOD除去率は
(2860+2040-833)÷ (2860+2040)
×100=83%