国内動向

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2003年 第6号
【9/1~9/30/2003】
~本号のメイントピックス~
《国内》 NEDO、共同実施等FSを採択
《国際》 ロシア大統領、議定書批准に後退発言
もくじ
Monthly News
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国内動向
 経済産業省
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産構審・市場メカニズム専門委員会の状況
 環境省
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「温暖化対策税を大臣と語る集い」
CDM認証モデル事業に係る事業案件募集
中環審・地球環境部会の状況
 その他省庁の動き
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NEDO、共同実施等FSを採択
 民間の動き
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日本経団連 「税制改正に関する提言」で環境税に牽制
国際動向





京都議定書批准状況
議定書批准に関するロシアの動向
ADB、「CDMファシリティ」を発足
デンマークとブルガリアのJI合意
シカゴ気候取引の第1回オークション結果
Appendix
国内動向 (制度・政
策)
Points ・クレジットを無形資産として計上し取得原価で評価する案を提示。(経済産業省)
・経団連とエネ研から温暖化対策税に反対意見。(環境省)
◎経済産業省
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産構審・市場メカニズム専門委員会の状況 (9月8日)
第6回会合が開催され、同省が来年度実施する「京都メカニズムの活用に対する支援とイン
フラ整備」についての案が示された。資料は京都メカニズムの活用効率を高めるための同省
の体制を示すもので、国内登録簿の設計概要やクレジットの会計上の性格などが議論され
ている。特に企業会計上のクレジットの取り扱いについては、無形資産として計上するとし、
資産評価は金融資産としてではなく取得原価で評価する、など論点整理を行うと共に今後の
議論を促すものとなっている。それ以外にも、京都議定書に関する国内外動向や同省の支援
体制が説明され、 来年度予算要求ではCDM/JI支援で24億円とするほか、人材育成、インフ
ラ支援などで予算額が増加している。共同実施等推進基礎調査は前年度予算額22億円から
大幅減の8.5億円となっている。
◎環境省

「温暖化対策税を大臣と語る集い」(9月16日)
環境省は一般公開の「温暖化対策税を環境大臣と語る集い」を開催し、中環審委員、NGO
代表、経団連代表、エネ研理事などのパネリストが鈴木大臣の前で議論を繰り広げた。環境
推進派の賛成論ばかりでなく、経団連、エネ研側から理論的、現実的な反対意見が明確に
出され、大臣および国民に対して賛否両論があることを印象づけた。
国内動向 (制度・政
策)
Points ・CDM認証モデル事業で、事業実施者と認証機関の両方を募集。(環境省)
・温暖化対策税検討のための施策総合企画小委員会の設置を決定。(環境省)
◎環境省 つづき


CDM認証モデル事業に係る事業案件募集(9月24日)
環境省はCDM認証モデル事業に係る事業案件募集を開始した。昨年度は認証機関の育
成を目的とする認証機関向けのものであったが、今年度はモデル事業を実施する事業者と、
その認証を行う認証機関の両方を募集している。応募期限は10月14日まで。
中環審・地球環境部会の状況(9月25日)
第8回会合が開催され、地球温暖化対策推進本部の結果(2001年度国内温室効果ガス排
出量、大綱の進捗状況等)及び「地球温暖化対策税制専門委員会報告」の報告と質疑、およ
び、温暖化対策税等に関する検討を行う「施策総合企画小委員会」の設置が提案され、承
認された。また、今後の国際的な対応(第2約束期間以降の枠組みに係る交渉等)について、
事務局から論点が提示された。
国内動向 (制度・政策)
Point ・共同実施等推進基礎調査、20件を採択。(NEDO)
◎その他省庁の動き

NEDO、共同実施等FSを採択(9月19日)
NEDOは、共同実施等推進基礎調査の公募において、応募総数81件中、20件のFS調査を
採択した。共同実施等推進基礎調査は、将来の京都メカニズム活用に結びつくような有望な
プロジェクトの発掘と、その実現を目指す日本法人支援を目的として、本年6月から公募して
いた。採択案件の分野別内訳は、熱電併給3件、製鉄1件、セメント1件、バイオマス2件、代替
エネルギー発電9件、鉱業3件、その他1件(民生等)であった。調査期間は平成16年3月10日
まで。(詳細はAppendixを参照)
国内動向 (民間)
Point ・環境税に対して強い懸念を表明。(日本経済団体連合会)
◎民間の動き

日本経団連 「税制改正に関する提言」で環境税に牽制(9月16日)
経団連は、発表した税制改正に関する政策提言の中で「諸点について、徹底的な議論・検
証が必要、歳出面に関してもエネルギー特別会計等との調整や一般会計との整理の問題も
検討されるべき。総合的・網羅的な検討が行なわれないまま、『環境税』の導入の議論を進め
ることは、本末転倒である」と述べ、環境税論議に強い懸念を示した。
国際動向
Points ・京都議定書の批准国は119ヶ国に。(UNFCCC)
・ロシアのプーチン大統領が議定書批准で後退発言。(世界気候変動会議)
・CDM実施を支援するCDMファシリティを発足。(アジア開発銀行)
◎京都議定書批准状況(9月30日現在(最新)の国連情報)
9月中にベリーズ(9/3)、ナミビア(9/4)、マダガスカル(9/24)が批准して、京都議定書批准国
の総数は119カ国、批准した附属書Ⅰ国のCO2排出量合計の割合は44.2%のままである。
◎ロシアのプーチン大統領が議定書批准で後退発言
9月29日よりモスクワで開催された「世界気候変動会議」の開会式で、ロシアのプーチン大
統領があいさつし、温暖化防止のための「京都議定書」について「ロシア政府は京都議定書に
関連した複雑な問題の全てを総合的に調査しており、その作業が終了した後に、ロシアの国益
に従って決定が行われる」と述べた。プーチン大統領は一時、ロシアの京都議定書批准に向け
て前向きな姿勢を見せたが、今回の発言は批准が大幅に遅れる可能性を確認し、当面の批准
がないことを強く示唆するものであった。
◎ADB、「CDMファシリティ」を発足
ADBは9月10日からマニラで主催した国際会議で、CDMファシリティの発足を発表した。同
ファシリティはCDMの支援対象国に対してCDM実施を支援する目的で設置されたものであり、
資金規模等詳細は未定であるが、今後日本その他の支援国、出資者(オランダ政府、及び民
間団体)と調整を進めながら、詳細を詰めていくとのこと。ADB代表団が10月22日から日本を
訪問し、政府との意見交換、民間向けのセミナーを行う。
国際動向
Points ・デンマークがJIプロジェクトの実施協力でブルガリアと合意。(デンマーク政府)
・シカゴ気候取引(CCX)が第一回オークションの結果を公表。(CCX)
◎デンマークがJIプロジェクトの実施協力でブルガリアと合意
デンマーク政府は、ブルガリア国内におけるJIプロジェクトの実施に関してブルガリア政府と協
力することで合意した。デンマーク政府は、これまでにもスロバキア、ルーマニア及びウクライナと
JIプロジェクトに関する包括的な協力を行うことで合意しており、また、チェコ、エストニア、ラトビア、
リトアニア、ロシア、ポーランド等とも同様の合意の締結を目指して交渉を行っている。
◎シカゴ気候取引(CCX)が第一回オークションの結果を公表
シカゴ気候取引(Chicago Climate Exchange:CCX)は、初回のCO2排出割当量オークション結
果を公表した。今回のオークションの対象になった排出割当量は2003年分の25,000t-CO2及び
2005年分の100,000t-CO2であり、平均落札価格はそれぞれ0.98$/t-CO2及び0.84$/t-CO2で
あった。CCXでは、今回のオークション結果は、今後のCCXにおける排出権の取引価格の1つの
目安になると予想している。
注)CCXは、GHG削減に関する自主的なコミットメントを最も費用効率的な方法で達成することを目的とした自主規制
排出権取引である。主な参加メンバーは、北米企業、自治体、その他機関などであり、CCXで売買される排出権
クレジットは京都議定書上のクレジットとは別のものである。
Appendix (国内動向)
NEDO共同実施等推進基礎調査の採択結果一覧。
提案TYPE A:第三者機関によるPDDの有効性審査を実施しないもの。調査委託費の上限は1,000万円/1件。
提案TYPE B:第三者機関によるPDDの有効性審査を実施するもの。調査委託費の上限は4,000万円/1件。
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番号
提案
TYPE
提案者名
対象国
1
A
東京電力
インドネシア
2
B
パシフィックコンサル
タンツインターナショ
ナル
インドネシア
3
A
清水建設
ウクライナ
4
B
東洋エンジニアリ
ング
カザフスタン
5
B
みずほ証券
ポーランド
6
B
三菱証券
タイ
タイ国における埋め立てガスのエネルギー利用事業
7
B
出光興産
中国
中国における産業用石炭ボイラーの効率改善
8
B
日本プラント協会
中国
中国北京市清華大学における天然ガスコジェネ導入事業
9
B
住友商事
中国
中国黒龍江省鶴崗地区における炭鉱メタンガスの回収利用
10
B
日立造船
チェコ
チェコ共和国におけるLandfillガスの有効活用可能性調査
調査名
インドネシア・スマトラ島での製糖工場のバガス利用代エネ事業
インドネシア国パーム油廃棄物からのバイオディーゼル製造事業
ウクライナ国における埋め立て処分場メタンガス有効利用調査
カザフスタン共和国における炭鉱メタンガス利用プロジェクト
ポーランド国における菜種油製造残渣利用熱電併給計画調査
Appendix (国内動向)
番号
提案
TYPE
提案者名
対象国
11
B
豊田通商
トンガ
トンガ王国における太陽光発電小規模CDMプロジェクト
12
B
三菱総合研究所
ハンガリー
ハンガリー国におけるバイオマス熱電供給プロジェクト
13
B
電源開発
ブルガリア
ブルガリア国ルセ市における地域暖房拡張計画
14
B
鹿島建設
マレーシア
マレーシア国における廃棄物処分場バイオガス回収有効利
用調査
15
B
JFEエンジニアリ
ング
マレーシア
16
A
三井物産
南アフリカ共和国
17
A
プロアクトインター
ナショナル
ラオス
18
A
電源開発
ルーマニア
ルーマニア国コンスタンッア市における風力開発計画
19
B
中部電力
ルーマニア
ルーマニア国におけるグリナごみ埋立処分場メタンガス回収
計画
20
B
新日本製鐵
ロシア
ロシアでの温暖化ガス排出削減に向けたガスパイプライン網
の改修
調査名
マレーシア国におけるセメント焼成炉省エネルギー事業調査
バイオディーゼルリファイナリー建設計画
ラオス国ビエンチャンスチール棒鋼工場における省エネル
ギー計画