Transcript 西原功修
阪大レーザー研の実験データ処理システム
と
EUV光源開発のための連携シミュレーションGRIDポータル
大阪大学レーザーエネルギー学研究センター
西原 功修
実験データベースサーバー
デイリースケジュールと
計測画像データの流れ
PW PC
生データ
格納領域
X線ピンホールカメラ
X線半影カメラ
GXII PC
X線分光器
HTMLファイルから
PWショットNo,時刻
等を抜き出し、
その日のショット順番
を付加してテキスト
ファイルに書き出す
飛行時間分解型
多チャンネル
中性子スペクト
ロメーター
(マンダラ)
HTMLファイル
www-local
レーザー
エネルギー
t050527b
ショット
データ
Oracle 10g
Oracle Application ServerDSFILE.CSV
X線画像計測
ファイル変換プログラム
(C言語+シェル)を
cronで自動実行
イメージングプレート
粒子トラックディテクタ(CR-39)
電子スペクトロメーター
デジタルオシロ
チャージコレクター
vista
sora
X線フレーミングカメラ
レーザーデータ
LFEX PC
X線時間分解計測
X線ストリークカメラ
粒子計測
画像データ(GIF)
格納領域
中性子計測
自動転送
Agカウンター他
放射化計測
image.fp
7
sido
デイリー
スケジュール
サーバー
TEXTファイル
lfex_shot.csv
TEXTファイル
pw_shot.txt
LFEXshotdata
PWshotdata
自動取り込み
主幹ノート_FB-01.fp7
TEXTファイル
FB03_nfs
リレーション
(画像)
shotdata
FileMaker Server Advanced 7
リレーション
(テキスト)
phc.fp7
xfc.fp7
xsc.fp7
XML
ds.fp7
カスタムweb公開
Webブラウザで表示
インスタントweb公開
インスタントweb公開
Webブラウザからショット予定入力
Webブラウザからテキストデータ入力
共有から開く
クライアントPC
計測主幹用 PC
FileMakPro 7
テキストデータ入力
デイリースケジュール入力画面
認証ウィンドウ
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IT利用シミュレーション研究
1. レーザーEUV光源開発のための
連携シミュレーションGRIDポータルシステム
2. GRIDを用いた大規模分子動力学シミュレーション
大阪大学レーザーエネルギー学研究センター
西原 功修,Vasilii V. Zhakhovskii, 福田 優子
レーザー技術総合研究所
砂原 敦, 古河 裕之
日本原子力研究開発機構・関西光科学研究所
佐々木 明
岡山大学大学院自然科学研究科
西川 亘
大阪大学サイバーメディアセンター
下條 真司
レーザーEUV光源開発のための
連携シミュレーションGRIDポータルシステム
半導体リソグラフィー露光波長と加工寸法
(≤45nmの細線:波長13.5nm)
スズ プラズマ 発光 10 kHz
(after Fujioka et al)
コンタクト露光
2000
1:1プロジェクション
1000
700
低
ULSIの微細化トレンド
X 0.7/3年
NA
g線
500
300
70
50
i線
KrF
高N
A弱
200
100
縮小投影露光
い超
解
高NA縮小投影光学系
(屈折光学系)での
実用的な解像限界
R~1/2λ
低NA縮小投影光学系
(反射光学系)での
実用的な解像限界
R~2λ
30
20
ArF
F2
像
強い
超解
像
反射率 (%)
集積回路の最小加工寸法、露光波長 (nm)
3000
EUV 13 nm
波長
10
1970
1980
1990
年代(西暦)
2000
2010
現在90nm細線加工,1年以内に60nm実用化
(nm)
背景 1
研究の目的: レーザーからEUV光への変換効率の最適化
研究目的 (リーディングプロジェクト(文科省)’03 –’07
EUVA(経産省))
EUV光源プラズマの物理を解明し,実用化への指針を与える.
高効率EUV光発生に必要な条件を明確にする.
EUV光源出力 ≥ 350 W / 2πsr (波長13.5nm, 2%バンド幅 ):実用機の要求条件
レーザー照射強度
(W/cm2)
レーザープラズマシミュレーション:
変換効率の
・ レーザー強度依存性
(電子温度Te最適化)
・ レーザーパルス幅依存性 (放射のオパシティ・プラズマサイズ最適化)
・ レーザー波長依存性
(密度ni最適化)
・ ターゲット初期密度依存性 (密度ni最適化)
10
12 EUV変換効率
mm2sr
Etendue = 1
(光源サイズ = 700µm)
4%
11 2%
10
4%
10
EUV spectrum
(Nishimura et al)
2%
レーザーパルス
1.7 J
0.86 J
10
Sn+8 - Sn+12 (4d-4f)
Transition
10数万本の発光線
Etendue = 3.3 mm2sr
(光源サイズ = 1300µm)
10
9
1
10
レーザーパルス幅
100
(ns)
背景 2
IT利用: GRIDを用いた連携シミュレーション
・ 異なる研究機関で並行して複数のプログラムを開発
・ 各プログラムは連携して動作
・ 2-3年の短期間
原子モデル
(原研,北里大,奈良女,岡大)
4f
4d
4p
Sn15+He
charge
transfer spectroscopy (Tanuma)
Sn14+He
Sn13+He
Sn12+He
Sn11+He
Sn10+He
Sn9+He
Sn8+He
Sn7+He
Sn6+He
Sn15+Xe
Sn14+Xe
Sn13+Xe
Sn12+Xe
Sn11+Xe
Sn10+Xe
Sn9+Xe
Sn8+Xe
Sn7+Xe
Sn6+Xe
Sn5+Xe
4f
4d
4p
2D
100
100μm
10
12
14
16
0
opacity tin
100
0
(Nishimura,Sasaki )
10
configuration interaction
イオン密度ni
波動関数の重なり
200
23 (raw)
Experiment
Experiment (smooth)
Simulation (Te = 20.9 eV)
Simulation (Te = 31.0 eV)
Simulation (Te = 40.3 eV)
1.2
18
300
(μm
60
1.0
50
22
10
電子温度Te
0.8
40
0.6
21
光学的に希薄な
場合の放射能率
(emissivity)
10
0.4
20
0.2
plasma
8
プラズマダイナミックス
(阪大,レーザー総研)
Laser (cm-3)
Transmission
8
200
10
12
14
16
wavelength (nm)
状態方程式
(核科研,レーザー総研)
18
liquid
gas
10
0.0
8
9
10
11
12
13
14
Wavelength (nm )
15
16
17
19
吸収を考慮した
実効放射能率
20
19
10
wavelength (nm)
10
solid
18
10
liquid-vapor
18
30
0
0
放射輸送
10
20
30
40
50
Position (m)
(阪大,レーザー総研)
GRIDシステム
1
・
・
・
・
・
連携シミュレーションGRIDの設計指針
各サイトのWEBポータル上で実行
並行して各サイトでプログラムを開発
各サイトの計算資源を用いた連携シミュレーション実行
ナビゲーション機能つきワークフローで実行
データベース構築
☆ワークフロー候補を一覧表示
Web Client
ワークフロー一覧
・AP1→AP2→Ap3→AP4
・AP2→Ap3→AP4
・Ap3→AP4
PSEサーバー
ワークフロージョブ一覧
順
AP名 入力File 出力File・・・
1
AP1 FileA
FileB
2
AP2 FileB
FileC
3
AP3 FileC
FileD
・
・
・
☆APの入出力データをセットアップ
APセットアップ
AP名:AP1
入力ファイル指定
出力ファイル指定
・
・
⑤
計算ノードA
①ワークフロー
候補表示
・
・
・
☆ワークフロー内のジョブを一覧表示
ワークフロー
実行イメージ
WEBブラウザ
②ワークフロー選択指定
④ワークフロー
投入
③各ジョブ(計算AP)の
入出力情報をセットアップ
ワークフロー
定義DB
(イメージ)
ワ
ー
ク
フ
ロ
ー
エ
ン
ジ
ン
計算前
AP1起動
計算処理
AP1
⑥
⑦
処理AP
計算ノードB
AP2起動
計算処理
AP2
計算後
⑧
処理AP
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
GRIDシステム
2
ワークフローシステム機能の概要
・
・
・
・
・
一覧表示・詳細表示 (検索機能)
オンライン編集 (新規,変更,削除)
ナビゲーション機能
実行監視
データベース構築
ワークフロー作成・操作画面を表示します.
実行状況表示画面
登録されている,シミュレーション結果のファイルの参照,更新を行いま
(6つのプログラムの
す.
前回設定したワークフロー
連携シミュレーション)
シミュレーション結果,入力ファイルのデータベースへのアップ
検索条件で絞りこまれたワ
ークフロー一覧を表示
実行中
ナビゲーション
機能を用いた
ワークフロー作成
連携ジョブ
岡山大学
ロード
画面を呼び出します.
阪大・総研
終了待ち
原研
前回の検索条件
入力ファイ
ル転送中
検索条件にマッチした一覧を表示します.
GRID実証
ナビゲーション機能付きワークフローによって
連携シミュレーションを実行
原子コード,
状態方程式コード
放射 - ハイドロコード
EUV放射特性を計算するプログラム
岡山大
(西川)
EUV放射特性を計算
するプログラム
詳細な原子構造を
計算するプログラム
原研
(佐々木)
阪大・総研
(古河)
高温度・高密度プラズマの
状態を計算するプログラム
阪大・総研
(砂原)
阪大
(西原・前原)
レーザー生成EUV光源プラズマの
ダイナミックスを計算するプログラム
EUV放射光のスペクトルを
計算するプログラム
日刊工業新聞(朝刊)平成17年6月3日
連携シミュレーション
GRIDのパワー 1
シミュレーションの検証: 実験結果の再現
(EUVスペクトル,電子密度プロファイル, 最適レーザー強度など)
実験スペクトル
EUV intensity (a.u.)
8.8x1010 W/cm2
3.0x1011 W/cm2
9.0x1011 W/cm2
0
Conversion Efficiency [%]
変換効率のレーザー強度依存性 Sn
シミュレーションによる実験EUVスペクトルの再現
2Dシミュレーションによる
実験による検証
(レーザー強度依存性)
実験電子密度プロファイルの再現
4
シミュレーション結果
1D Sim.
2D Sim. with 1D cond.
2D Sim.
1x1011 W/cm2
3
theory
2x1011 W/cm2
2
1
1x1012 W/cm2
from high density
0200
10
15
2011
10 5
Wavelength (nm)
10
Wavelength (nm) 10
5
10
15
12
2
laser intensity [W/cm ]
10
(世界最高値:実用化に必要なEUV出力(>850W)が可能であることを実証)
EUV連携シミュレーションGRIDのパワー:
シミュレーションにより最適化条件を解明
連携シミュレーション
GRIDのパワー 2
実用化に向けた多くの指針を提供
・ 最適レーザー波長
・ 最適レーザー強度・パルス幅
・ 最適ターゲット物質
経産省プロジェクトへのフィードバック
変換効率のレーザーパルス幅依存性
2 ~ 3 ns
1.2 ns
2.0
1.0
1.5
0.8
0.6
1.0
0.4
8 ~ 10 ns
10 ns
0.5
0.2
0.0
0.0
1010
2
3
4 5 67
2
3
4 5 67
1011
Laser intensity (W/cm2)
1012
2
CE simulation (%)
CE experiment (%)
1.2
electron temperature [eV]
シミュレーションにより,レーザーからEUV光へ
の変換効率の密度, 温度依存性 を明らかにし,
レーザーの最適条件などを示した
(実線:変換効率(%),
破線:レーザー強度(W/cm2)
2.5
1.4
3年未満の短期間
に指針を提供
80
Sn 2ns
50
30
20
10
1017
1018
ion density [cm-3]
1019
1020
GRIDを用いた大規模分子動力学シミュレーション
(Phase diagram of WDM)
ln p
i
liquid
a
pcc
T=0
liquid-vapor
b
pt
V. Temnov PhD Thesis (2004)
solid-vapour
フェムト秒レーザー加熱 液相-気相混合状態の形成
t
solid
pressure
gas
i0
density
フェムト秒レーザー加熱 弾性波,非弾性波,溶融などの形成
n
背景
GRIDを用いた大規模シミュレーションの可能性
背景
・ Super-SINETで接続されたスーパーコンピュータが使用可能になった
・ NAREGIの使用が見込まれる
・ 計算機資源の有効利用
問題点
・ 性能の異なる計算機が混在する
・ 他の不特定ユーザーと同時使用
・ しかし,ジョブスケジューラが未発達
計算機の環境に応じて動的に分割領域を最適化するプログラムの開発
MP-D3 (Material Particle - Dynamic Domain Decomposition)手法の開発
Material Particle D3 (Dynamical Domain Decomposition) Method
1 M (i )
R(i)
rk ,
M (i ) k 1
2D Voronoi
decomposition
Rk , Wk
of simulation domain
Rl , Wl
where R(i) is a center of i-th MP,
rk are atom positions
W (i )
Ri , Wi
t w (i )
,
P (i )te (i )
Rj , Wj
W(i) is a weighting factor within [0,1].
te - elapsed time (sys_clock),
tw - processor dependent time,
P(i) is a loading factor within [0,1]
Good balance condition:
W (i ) W ( j )
The displacement of the i-MP center can
be evaluated as following:
R (i )
N (i )
aL(i, j )
R (i,j )
W(i)
W(j)
R (i,j )
N (i )
j 1
where L(i,j) is a symmetrical function of i, j
L(i, j ) min L(i), L(j)
At next step (n+1) a new desired position here L(i) is a linear size of the i-MP
R 0n 1 (i ) R n (i ) R(i )
Zhakhovskii & Nishihara CCGRID (2005)
Grid大規模シミュレーションの実証
ダイナミック領域分割法のスケーラビリティ
720台のプロセッサーを用いて実証
(約3桁のスケーラビリティ)
Normalized performance, p = N0 N0) / N)
103
80 CPU cluster, N0=2
5
720 CPU cluster, N0=19
3
linear function, p = N
2
102
5
3
2
10
1
5
3
2
2
3
5
101
102
Number of CPU, N
2
3
5
2
3
5
103
number of particles
2,551,472
22,961,888
Grid大規模シミュレーションの実証
Super-SINET上のスーパーコンピュータ上で実現
• GT2.4 を用いて,Super-SINETで接続されたスーパーコンピュータ上で
ダイナミック領域分割法(LPD3)の有効性を実証
・ NAREGI上でのテストを予定
Osaka U. SX5 8cpu
Tohoku U. Sx7 7cpu
2004年11月 実ユーザー環境で実行
animation of collision of 2 solids by MPD3 method
On SX5(Osaka) – SX7(Tohoku) connected with Super/SINET
Grid大規模シミュレーションの実証
ダイナミック領域分割法(MPD3)の有効性実証
35
time, sec/ step
(2)
(1)
30
25
elapsedtime
20
15
waitingtime
10
CPUtime
5
0
0
1000
2000
3000
simulation step
(1)占有使用時の実行時間 (右図2-3)
(2)SX5上で他のユーザーが使用している
時の実行時間の時間経過
(LPD3により,SX5上の計算領域が
小さくなり,実行時間が改善される:
waiting時間のほとんどは他のユーザー
の計算時間実行である)
1.SX5(阪大), SX7(東北大)上での
入力した領域分割
2-3.占有使用時の領域分割
4.SX5上で他のユーザーが使用して
いる時のダイナミック領域分割
(SX5上の各領域の大きさは,
SX7に比べ小さい)
IT利用シミュレーション研究
結論
・ レーザーEUV光源開発のための連携シミュレーションGRIDポータルシステム
- 複数の研究機関で並行してプログラムを開発
- 複数プログラムをネットワークを介して連携シミュレーションを行う
Gridシステムを構築
- 開発期間を飛躍的に短縮
・ 世界に先駆け,光源開発に不可欠なレーザーの最適条件を解明,
実用化に弾みがつくものと期待される
・ GRIDを用いた大規模分子動力学シミュレーション
- ダイナミック領域分割法MPD3 (Material Particle Dynamic Domain
Decomposition) を開発
- 不特定多数のユーザが同時に使用している遠隔地の複数のスーパー
コンピュータを用いた大規模シミュレーションが可能,
非常に高いシステム利用効率を実現
- Super SINET上で有効性を実証 (NAREGI上でのテスト予定)
・ MD流体シミュレーションなどの大規模シミュレーションが可能,
計算資源の有効利用
謝辞
レーザー実験データ処理システム
島田京子,白神宏之,畦地宏
EUV連携シミュレーションGRIDポータル
日本原子力研究開発機構
平山俊雄,中島憲宏,山岸信寛 上島豊
NECシステムテクノロジー
山下晃弘,中島登美子,池田和之
Super – SINET上のスーパーコンピュータGRID
東北大学・情報シナジーセンター
曽根秀昭,小林広明,伊藤英一
大阪大学・サイバーメディアセンター
秋山豊和,加藤精一,宮永勢次
NEC
妹尾義樹,田村正典,加藤隆士
•
データmpg2, 4でよいか