基準認証政策の現状と課題

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基準認証政策の現状と課題
~ 新たな時代にふさわしい
JIS制度の構築に向けて ~
経済産業省 産業技術環境局
基準認証ユニット
1
1.はじめに
~基準認証制度の概要~
標準化の意義・効用
JIS法の概要
JIS規格
12345678
JIS規格
2
1.はじめに
標準化の意義・効用
品質の確保
安全性の確保
互換性の確保
3
1.はじめに
現行JIS法の概要
主務大臣
日本工業標準調査会(JISC)における調査・審議
JISの制定 (約9000規格)
製品規格(約4100規格) 方法規格 基本規格
JISマーク対象品目
整
合
性
の
確
保
国際規格
ISO/IEC
JISマーク対象外
643品目
(H15.3月時点)
主務大臣による or 指定(承認)認定
製造業者の認定
機関による製造
業者の認定
自己確認 or 認定試験事業
者による試験
事業者による自己適合宣言
認定製造事業者によるJISマーク表示
4
2.社会ニーズに対応した
基準認証制度
環境JIS策定の加速化
高齢者・障害者に配慮した標準化
標準化によるIT化の促進
5
2.社会ニーズに対応した基準認証制度
環境JIS策定の加速化
【日本工業標準調査会(JISC)環境・資源循環専門委員会】
「環境JIS策定中期計画」を策定
~環境・資源循環に関する約207の
標準化テーマ( 2003年4月改定)
環境JIS策定中期計画の概要
◆3Rの推進 (67件)
溶融スラグ、コンクリート用再生骨材、スラグの安全性試験方法、ブラウン管ガラスカレット など
◆地球温暖化対策 (33件)
ハイブリッド自動車の燃費試験方法、ノンフロン型発泡プラスチック保温材 など
◆製品に係る有害化学物質対策 (52件)
建築材料等のホルムアルデヒド、 VOC(揮発性有機化合物)放散量測定方法、鉛フリーはんだ
◆環境配慮設計(DfE) (10件)
など
電気・電子機器の環境配慮設計 など
◆環境汚染(大気、水質等)対策 (45件)
光触媒に関する試験方法(有機物分解性能、抗菌・防かび性能、NOx分解性能等) など
6
環境JIS策定の加速化
環境JIS ①
エコセメント
都市ごみ焼却灰など
資源循環型の新しいセメント
-官民共同の実証研究
(METI/NEDOプロジェクト)
 再生骨材
建設廃棄物コンクリート塊など
加熱、破砕、すりもみ
再生骨材
-H14年度よりコンクリート長期耐久性
を保証する試験研究を開始
H16年度に
H14年7月に
JIS規格制定を目指す
JIS制定(JIS R5214)
●廃棄物の大量有効活用に期待大!
Ex.土木用コンクリート製品
インターロッキングブロック
Ex.施設より回収した再生骨材
解体
7
環境JIS策定の加速化
環境JIS ②
シックハウス対策(ホルムアルデヒド)
例)窒素化合物
(アミノ基)を固着
させた繊維製品
市場ニーズ:
室内環境汚染物質に
よる人の健康影響
アミノ基
(シックハウス症候群)
アミノ基
標準化の必要
性:
ホルム
アルデヒド
ホルムアルデヒド等低減製品の
適正な性能評価及び市場拡大
市場の期待: 数百億~数千億円規模
放散量測定方法の標準化
放散量を測定する試験方法:
→デシケータ-法をJIS化
→小型チャンバー法をJIS化
ホルムアルデヒドの放散量について
等級区分規定のJISを整備
(建築内装材、接着剤、塗料など)
基準認証研究開発:
試験条件設定のための研究開発
試験方法の検証
国際標準化:
-室内環境汚染物質低減製品
の吸着・分解性能評価方法
8
2.社会ニーズに対応した基準認証制度
高齢者・障害者に配慮した標準化
ISO/IECガイド71(JIS Z 8071)
「規格作成における高齢者、障害者のニーズへの配慮ガイドライン」
高齢者・障害者のニーズをどのように
明文化すればよいか、全般的な指針を提供
①基本規格
(ガイド71)
②グループ規格
(セクターガイド)
③製品・サービス等
個別規格
すべての製品・サービスにかかわる
基本となる規格
「操作性」「報知音」などのグループに
共通であるべき内容を示す規格
-今後は、生活用品・支援分野、情報機器分野、
生活環境分野など個々の分野に特化した
ガイドの作成の検討が必要
個々の製品・サービスごとの規格
9
2.社会ニーズに対応した基準認証制度
高齢者・障害者に配慮した規格の例
点字ブロック
缶ビールの点字
シャンプーボトルのギザギザ
牛乳パックの切り欠き
JIS規格
報知音
最小可読文字
・
・
・
10
2.社会ニーズに対応した基準認証制度
標準化によるIT活用の促進
IT活用における標準化の重要性
機器
機器
→もし標準化が図られないと・・・
~たとえば、
機器
人
コンピューターの文字化け!
情報技術を共通に利用できる
環境を整備するための標準化
を推進
11
標準化によるIT活用の促進
ITの活用①:バイオメトリクス
市場ニーズ
虹彩認証
顔認証
テロ
犯罪
指紋認証
etc・・・
確実な本人認証の必要性
パスポート
電子商取引
免許証
など・・・
海外でも、米国の入国管理
強化等による導入の動き
・各メーカーが独自の技術を使用
・評価基準が統一されていない
・同じ技術でも人種で認識率に差
世界市場規模:600億円(H15)
・国民共通 or グローバルな
サービスに適用するために、
国際標準化が必須
12
社会の情勢
ユビキタス時代の到来
ブロードバンド・モバイル環境の充実
①電子商取引の普及
②電子政府におけるサービス提供
バイオメトリクス認証情報による
利用者の本人特定
ホームランドセキュリティ
2001年9月11日の米国多発テロ
①ホームランドセキュリティの強化
入国査証・パスポートへの
バイオメトリクス認証情報の活用
国際標準化への対応
急速な国際標準化の流れ
①ISO/IEC SC37の活動
国産技術の集約と国際標準
への提案の実現
13
SC37設置の背景
・9月11日米国同時多発テロで、
入出国管理、(空)港管理の重要性増大
→IDカードにバイオメトリクス認証機能
・情報家電、ユビキタス機器の普及により、
パーソナルユーズの需要の立ち上がり
→モバイル認証にバイオメトリクス認証機能
ISO/IEC JTC1/SC37
(バイオメトリクス技術の国際標準化組織)
2002年12月に第1回総会
14
海外の標準化活動
INCITS TC M1 Biometrics
BioVisionプロジェクト
Generic Biometrics Standards
-Data formats
- Application profile
UK BSI IST44/BWG
INSPASS
プロジェクト
ISO/JTC1/SC37
Generic Biometrics
Standards
Germany DIN/TeleTrust
ISO JTC1/SC27
ISO JTC1/SC17
Korea KISA/KBA
WG11– Biometrics
- Logical Data Structure
-Other generic across ID doc.
標準データベース構築
プロジェクト
SPTプロジェクト
Japan INSTAC/BSC?
?
15
バイオメトリクス技術開発・標準化体制
関連省庁
ISO/IEC JTC1ほか
国際標準組織
関連
SC
政策
経済産業省
IPA
SC37
バイオメトリクス担当
・各国制度調査ほか
産業界共通課題検討
バイオメトリクス セキュリティ
コンソーシアム(BSC)
1.基盤技術の調査検討
2.運用仕様の調査検討
(プロジェクトの提案および実行)
実証
調査
独立法人
研究所
学術研究
電子情報通信学会
実証プロジェクト
INSTAC
NMDA
AIMJ
バイオメトリクスセキュリティに関す
る技術および社会環境に関する調
査研究
(バイオメトリクスセキュリティ研究会)
16
検討事例 1 Healthcare/Medical
目的
(1) ICタグによる物流管理に対して、バイオメトリクスによる
本人アクセス管理
(2)電子カルテ/医療情報システムにおける厳格な本人認証の必要性
(3)地域医療連携におけるネットワーク化の際の、確実な情報アクセス
コントロール
(4)出入り管理、出退勤管理、情報アクセス管理における、統合的な
システム構築
(5)患者の本人認証手段としての可能性検討
成果(1)ヘルスケア・医療分野における標準的な運用モデルの確立
(2)地域、医療機関(病院・診療所)を巻き込んでの広域実証試験
(3)普及しつつあるICカードとの併用モデルの確立
(4)認証局の立ち上げと運営
17
Healthcare/Medical :
地域医療連携における広域実証試験
院内での
利用
地域中核病院
出入り管理
情報アクセス
勤怠管理
地域中核病院
病院間・病診間で
の利用
情報アクセス
地域医療連携データセンター
患者情報システム
認証局
認証システム 紹介状システム
予約システム
画像システム
ICカードと
の併用
診療所
診療所
診療所
診療所
18
検討事例2 Homeland Security
目的(1)パスポート/ビザ
・ICAO標準によるパスポートへの生体認証活用の検証
(2)施設セキュリティ(空港セキュリティ)
・空港における旅客・職員向けのバイオメトリクス技術の活用の検討
成果(1)パスポート/ビザ
・ICAO標準および社会制度、国際制度の調査
・各種要素技術の選定
(2)施設セキュリティ(空港セキュリティ)
・パスポート発行~照合までの運用検討
・職員人退室管理におけるバイオメトリクス活用の検討
開発テーマ
スケジュール
電子パスポートシステム
の検討
空港セキュリティ
システムの検討
03年上期
03年下期
技術調査
仕様検討
技術調査
04年上期
04年下期
実証評価
仕様検討
05年上期
05年下期
展開
実証評価
19
Homeland Security
実証プロジェクトシステム構成(案)
●施設セキュリティ検討
●e-passport、VISA
国
海外空港との 海外機関との
情報交換
情報交換
空港
管理サーバ
空港セキュリティサーバ
個人情報
顔情報
生体情報
照合結果
行き先情報
カード不具合時の照合
発行端末
ICカードR/W
旅客照合結果↑
行き先情報 他
チェックイン時の↓
照合結果
行き先情報
職員入退室管理
サーバ
入退室
管理情報
ICカード
ブースPC
ブラック
リスト
法務省システム
航空会社システム
確認PC
確認PC
確認PC
ICカード
スキャナ
カメラ
生体登録装置
顔情報
指紋or虹彩
・パスポート
または
ICカード
R/W
本人確認
・戸籍抄本
・住民票
・免許書等
受渡
窓口
生体読取
ICタグ
装置
発行装置
ICカード
R/W
照合
カメラ
生体読取
装置
ICカード 生体読取
カメラ
R/W
装置
照合
手荷物
検査
ICカード
登録専用ブース
都道府県窓口
カメラ
人
手荷物
搭乗手続(チェックイン・搭乗ゲート)
旅客
照合
ICカード
ICカード
人
出国審査
職員
20
標準化によるIT活用の促進
ITの活用②:無線ICタグ
【物流センター】
◆出発点 →
交信
ICタグ
もし、発地、着地センターで異なる
システムを使用していると・・・
運用不可
or
システムを複数そろえる
必要が生じる
→
◆到着点
交信
ICタグ
システムの標準化が必要
【効果】
・通関期間の簡素化・短縮化(4→2日)
・流通コストの削減
→流通分野の国際競争力強化
21
3.強制法規への活用
~たとえば、
建築基準法
消防法
製品安全四法
水道法
薬事法
22
3.強制法規への活用


活用事例
建築基準法
 個別の建材JISにホルムアルデヒド放散量の
基準値・等級,表示方法等を規定化
消防法
 消防用設備等の技術基準の性能規定化を
図り、JISを引用
製品安全
四法
 ガス事業法,消費生活用製品安全法などの
分野で安全JISの制定を予定
 電気用品安全法:IEC準拠安全JISの原案を
3年計画で作成

水道法
 水道器具関連JIS43件の改正を実施
→水道法改正による水質基準省令とJIS規格
を整合化

薬事法
 審査基準としてJIS引用:今年度は超音波画像
診断装置,家庭用マッサージ器等のJIS制定
23
4.基準認証を巡る国際的動向
~標準を制するものが市場を制する~
国際標準獲得の成功例・失敗例
国際標準化活動の現状
WTO/TBT協定について
相互承認協定(MRA)について
24
4.基準認証を巡る国際的動向
国際標準獲得の成功例
○デジタルカメラのファイルフォーマット
-C社とF社の二方式を国内で一本化
日本方式
ISOの場で棲み分けに合意
2001年に規格化
米国方式(K社、P社)
家庭用デジカメの爆発的な普及が
可能に (我が国のシェア 8割以
上)
○時計(耐磁ウオッチ、水晶ウオッチの精度区分の評価方法)
-日本 :中国、インド、韓国に対し積極的な参加を働きかけ
これを背景に日本提案に対する欧州側の
ISOでは欧州主導
理解を獲得(02年7月規格制定)
○生分解プラスチック(水系培養液中の好気的究極分解度の求め方)
-1993年の日本提案に合わせ、ISO/TC61(プラスチック)/SC5(物理・化学的性質)
の中に WG22(生分解性) を設置
コンビナー(議長)を日本が引き受ける
ことに成功(99年規格制定)
○ハイブリッド電気自動車の燃費測定方法
etc...
25
4.基準認証を巡る国際的動向
国際標準獲得の 失敗 例
○第2世代移動体通信(デジタル携帯電話)
-日本のPDCはキャリア主導の開発
-国内市場重視
結果、通信市場のみならず端末・
中継機市場とも出遅れ (←→ 欧州のGSM)
・・・第3世代 :この反省を踏まえ日欧で共同開発したものの、普及は遅れている
○電気洗濯機(脱水機能)
-我が国で普及していた 電気洗濯機の二重ぶた構造 は、
欧州に例が無く、93年に日本提案は否決。
95年のTBT協定成立後、東南アジア諸国(IEC規格を採用)から
日系製品が締め出されることに。
○キャッシュカード(銀行カード)
-日本が先行していた 表面磁気ストライブ方式 が反対され、
国際規格は裏面磁気ストライブ方式に。
我が国のキャッシュカードは国際的に孤立。
銀行業界はICカード導入に合わせ国際標準に準拠する予定。
○高品位テレビ(アナログ)
など...
26
4.基準認証を巡る国際的動向
国際標準化活動の現状
◆国際規格・・・歴史的に欧州主導
米国: 近年、国際標準化活動に積極的に
→ 幹事国引受数の伸び大
95(‘90)→167(’02)
欧州の取組み:
欧州標準化委員会
CEN
欧州電気
標準化委員会
CENELEC
域内規格の統合を進め
これを国際規格化する
傾向が顕著
欧州企業は国際標準化
戦略を明確に位置付け
主要企業:
標準担当部局を置き、
継続的人材配置を実施
幹事国引受数
規格数
ISO
(146カ
国)
13,736
(2002末)
日本
米 独
英仏
138 121 104 84
IEC
5,004
(63カ
国)
(2002末)
40
27
20
日本
米 仏 英独
伊
29
28
25
24
12
11
7
我が国の現状
◆ 標準を担う人材の不足 /
企業における国際標準化担当部門の未整備
◆ ISO/IEC幹事国業務の引受数 ・・・全体の約5%
◆ 我が国からの国際規格提案数 ・・・ 〃
約8%
27
4.基準認証を巡る国際的動向
ISO/IECとは?
ISO(国際標準化機構)
対象:電気・電子分野以外
地位:スイス国の1法人
会員資格:1国1機関


IEC(国際電気標準会議)
対象:電気・電子分野
地位:
同左
会員資格:
同左

日本 →JISC(日本工業標準調査会)←
参加国数:146カ国
会長:Mr. Oliver Smoot(米)

次期会長は田中正躬氏
日本
参加国数:63カ国
会長:高柳誠一氏

(任期:2002~2004年)
(任期:2005~2006年)
※ ITU(国際電気通信連合):電気通信分野の標準化を担当
現在、事務総局長は内海善雄氏
28
4.基準認証を巡る国際的動向
WTO/TBT協定について
WTO/TBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)(‘95年)
国内の技術基準・任意規格、適合性
評価手続を国際規格・ガイドに整合化
国際規格・ガイド等を市場に
適合したものへと働きかけ
適合性評価の仕組みを
国際的に統合していく流れ
重複検査を可能な限り排除(ワンストップ・テスティングの実現)
29
4.基準認証を巡る国際的動向
相互承認協定(MRA)について
欧州共同体及びシンガポール共和国との間でMRAを締結
輸出国の当局が指定した適合性評価機関(第三者認証機関等)が、輸入国で要求
される基準及び手続に基づいて適合性評価(認証等)を行った場合、その結果を輸入
国が受け入れるというもの。
輸入国で要求される適合性評価の手続き(又はその一部)を輸出国内で
実施可能とすることにより、適合性評価に要する期間やコストの削減を図り、
貿易の円滑化に資する。
対象分野:日-欧 州 共 同 体:電気製品, 電気通信機器, 化学品, 医薬品
日-シンガポール:電気製品, 電気通信機器
MRA
政
府
指定
試験/認証機関
政
適
合
を性
受評
け価
入結
れ果
府
指定
試験/認証機関
30
5.産業競争力強化に資する
基準認証制度の確立
~光触媒の事例より~
◆酸化チタン光触媒塗料を塗装したガードレール
注:塗装後1年目の例
(左:光触媒塗装品、右:従来塗装品)
31
5.産業競争力強化に資する基準認証制度の確立
光触媒製品の性能評価
酸化チタン光触媒は
日本のオリジナル技術
機能
技術
空気浄化、水質浄化、脱臭、
抗菌、殺菌、防汚、曇り防止
紫外線等の光により
有機物を分解・超親水化
酸化分解機能
太陽光線等
太陽光線等
有機物
性能評価・試験方法の
国際標準化
超親水化
水は広がる
分解
光触媒
(酸化チタン
TiO2)
光触媒
(酸化チタンTiO2)
効果が疑わしい
製品の蔓延
防止
経済効果
世界市場の急成長
日本製品の市場拡大
標準化の必要性
光触媒製品の
適切な普及
32
5.産業競争力強化に資する基準認証制度の確立
標準化と研究開発
 知的財産戦略本部
総合科学技術会議
知的財産推進計画
(H15.7月)
知的財産戦略について(意見)
①戦略的国際標準化活動の支援
(H15.6月)
国の研究開発プロジェクト等における、研究開発、知的財産権
取得、標準化を一体的に推進
産官学による戦略的な国際標準化活動の強化
標準化に関する人材育成のための環境整備を進める
標準化に関する研究を行う
②民間の標準化活動の促進
③技術標準に資する特許集積(パテントプール)の支援
パテントプール形成を支援
パテントプールに参加しない権利者等の取扱いを検討
33
6.マネジメントシステム規格
ISO9000s、ISO14000s
QMSの「負のスパイラル」
新しい分野での
マネジメントシステム規格
34
6.マネジメントシステム
ISO9000s,ISO14000sとは?
マネジメントシステム規格: 方針及び目標を定め、その目標を
達成するためのシステム規格
ISO9001:2000
ISO14001
-品質管理マネジメントシステム
-環境マネジメントシステム
~マネジメントシステムのさらなる普及
・ 製造業からサービス業、行政サービスなどへの普及拡大
・ 強制法規、公共調達等における活用の期待
・ 一般消費者、株主などの認知向上による期待の変化と
社会的責任の増大
認証制度における情報公開
審査の内容・審査員の質の向上 が課題
「負のスパイラル」からの脱却!
35
6.マネジメントシステム
QMSの「負のスパイラル」
社会的信頼の低下
審査登録機関の
役割の認識不足
コンサルタントへの依存
コンサルタントと審査の迎合
認証費用の下げ圧力
中小企業への普及
収益水準の低下
安く簡単に認証すれば
儲かるという考え方
認証さえ取れれば
良いという考え
認証取得の本来
意義の認識が不足
調達条件の要件化
審査員/審査プログラムの
質維持が困難
形式的審査
低品質審査
への疑問と妥協
信頼感の喪失
審査登録機関
の運営負担増加
審査員の水準低下
研修内容の限界
ISO9000sの普及
組織側
社会的信頼の低下
審査員評価登録の限界
認証制度の仕組み側
出典:JISC「管理システム規格専門委員会報告」(H14.6月)より 36
6.マネジメントシステム
新しい分野でのマネジメントシステム
セクター別品質マネジメントシステム規格の制定
・自動車部品、医療用具、電気通信、航空宇宙、食品安全
といった様々な分野への応用
新しい分野でのマネジメントシステムの制定
・情報セキュリティ、労働安全衛生、リスクマネジメント、
CSR、苦情対応、ADR など
~たとえば、
CSR(企業の社会的責任):
-企業が、法律遵守にとどまらず、自ら市民、地域および社会を利するよう
な形で、経済、環境、社会問題においてバランスの取れたアプローチを行う
ことにより事業を成功させること
→2005年度までにISOでTR(Technical Report)を作成予定
37
6.マネジメントシステム
マネジメントシステムの広がり
ヨコへの
広がり
MS(マネジメントシステム)ファミリー
ISO9000s
M
S
M
S
広 タ QS9000
がテ
りへ
の
航
空
宇
宙
M
S
食
品
安
全
M
S
AS9000
ISO15161
・・・
ECS 2000
自
動
車
部
品
M情
S報
セ
キ
ュ
リ
テ
ィ
BS 7799/ISMS
ISO14000s
苦
情
処
理
M
S
CMSAS 86:2000
C
S
R
A
D
R
M
S
・・・
38
7.新制度(案)の概要
~
新たな時代にふさわしい
基準認証政策の構築に向けて
~
行政改革と規制改革の推進
JIS制度改革の方向性
新たなるJIS制度のイメージ
(JISC「新時代における規格・認証制度のあり方検討特別委員会」報告書より)
39
行政改革と規制改革の推進
公益法人に対する行政関与の改革
◆「公益法人に対する行政の関与の在り方の
改革実施計画」
(H14.3閣議決定)
事業者の自己確認・自主保安を基本とし,
必要に応じて登録機関により補完
JIS法については、
・JISマーク表示制度
・JNLA制度
H17年度までに登録制度へ
40
行政改革と規制改革の推進
規制改革の推進



事業者の自己確認・自主保安が基本の制度への移行
基準の国際整合化(技術基準とJISとの整合化) ,
性能規定化(性能規定の仕様例としてのJISの整備)
重複検査の排除
41
JIS制度改革の方向性
①規格のあり方
(JISC「新時代における規格・認証制度のあり方検討特別委員会」報告書より)
1. 我が国発の技術の国際標準化
 国際標準獲得の促進
1. 国際規格化のための体制整備
2. フォーラムとの連携
2. 規格作成の迅速化・効率化
 規格作成プロセスの電子化
 民間活力を最大限活用
→ e-JISC
→ CSB
(特定標準化機関)
→ TS
(標準仕様書)
42
JISC体制の改善と制度の見直し
目標:これまでのJIS主体→ISO/IEC主体
理由:
(1)WTO/TBT、調達コードはISO/IEC準拠
(2)一旦日本に不利な国際規格が決められると適正化
には、時間と労力が相当かかる
(3)JISはISO/IECに整合化されるのであれば、日本か
ら提案していった方が得策
(4)研究開発の成果を国際規格にする戦略的動きが活
発化している(欧州、米国)
(5)日本の得意な分野の技術を国際規格化する
→日本の産業競争力強化策として使えないか
43
国際化のための方策
JISC体制
JISCでの審議として新規提案、投票状況のチェック
規格作成の迅速化
ファーストトラックの活用
国内審議団体のパフォーマンス評価
JISC事務局体制
ISO/IECのケア(意識改革)
国際規格作成作業への主体的な参画
そのためのJIS作成業務の縮小
原案作成団体
質の高い規格作成(全員一致を強制にしない)44
ファーストトラックによる提案
JIS提案
原
案
作
成
団
体
・
フ
ォ
|
ラ
ム
国際提案
JISC
ISO/IEC
Fast-track
procedure
ECMA、ASTM等
のSDO
JISにしない方法
45
規格作成の迅速化
大臣制定は維持
大臣はプロセスの適正化を審査
規格の内容は作成団体が責任を持つ
市場適合性に委ねるシステムを導入
TS(標準仕様)制度の導入
事務局によるチェックを最小限にとどめる
作成後5年で要望がなければサンセット
CSB(Competent Standardization Body)制度
一定の要件を備えている団体を登録
原案をTSとして公表、3年以内に市場適合性をも
とにJISにする。(サンセットの対象)
46
現在のJIS制定の体制
国のニーズに基づき
調査研究を実施して
JISCに11条原案
H13FYJIS原案
提出件数 19件
調査研究課題 67件
工業会、JSAからの
原案委託などにより
大臣に12条申し出
H13FY実績
JSA共同提案 461件
工業会提案
52件
JSA共同提案の場合の
工業会の労力 14人日
JSAの労力
8人日
(1件提出当たりの労力)
11条原案
工
業
会
か
ら
の
1
2
条
申
出
全てについてJISC事務局
(経済産業省標準課員)が
内容を審査して作り直した
上でJISC標準部会各専門
委員会で審議、その後
パブリックコメントを受けて制定
実績
H12FY 452件(制定)
313件(改正)
H13FY 289件(制定)
284件(改正)
労力として 6人日/件
この他、JISC事務局の
負担として専門委員会
開催事務処理、WTO
関連業務etc.
JIS化したものは、制定から5年以内に改正・確認・廃止
の手続きが行われる。
47
規格化に国が関与する範囲を限定する
国によってJIS化する分野
11条原案
行政コストを支払っても
JISにしなければならない
提工
案業
会
か
ら
の
1
2
条
申
出
分野を特定する。
市場適合性によりJIS化
する分野
市場で活用されているかどう
かを見た上でJISする。
具体的には、申し出時点で
市場適合性が確認できない
場合にはTS(仮称)にした上
で、3年以内にJISにするか
どうかをJISCで包括的・形式
的に審査して決める。
JISになった後も、サンセッ
ト方式で申し出がない場合
は廃止とする。
仮に公益性のある分野
に限定するとこれまでの
制定実績では
H12FY 約310件
H13FY 約170件
上記の分野以外の
これまでの制定実
績は
H12FY 約140件
H13FY 約120件
JISのメンテナンス
のうち、改正につい
ての実績は
H12FY 313件
H13FY 284件
48
民間能力を活用した新たな体制(イメージ)
11条原案
特定標準化団体(Competent
Standardization Body)を指定し、
国が積極的に関与すべき分野で
あっても、当該団体からの申し出
案件は、JISCの審議を簡素化し
て、JIS制定等の迅速化を図る。
これまでの12条申し出案件の
制定実績のうち、団体規格を保
有する団体からの申し出件数
H12FY 約50件(約85件中)
H13FY 約50件(約90件中)
C
S
D
S
O
B
か
ら
の
1
2
条
提
申
案
出
工
業
会
か
ら
の
1
2
条
申
出
市場適合性によりJIS化
する分野
市場で活用されているかどう
かを見た上でJISする。
具体的には、申し出時点で
市場適合性が確認できない
場合にはTS(仮称)にした上
で、3年以内にJISにするか
どうかをJISCで包括的・形式
的に審査して決める。
JISになった後も、サンセット
方式で申し出がない場合は
廃止とする。
49
JIS制度改革の方向性
②適合性評価制度のあり方
(JISC「新時代における規格・認証制度のあり方検討特別委員会」報告書より)

新JISマーク制度
政府認証から(民間)第三者機関(登録機関)による
認証へ
 マークへの登録機関名/ロゴの併記、「側面」や等級
も表示可能に
 全ての製品JISに対してJISマークの貼付を認める
とともに、JISマーク以外の方法によるJIS適合宣言
/表示を可能に

新JNLA制度
登録制度へ移行
対象を全ての製品JIS・試験方法JISに拡張
50
新制度(案)の概要
新たなJIS制度のイメージ
新しい時代のニーズにマッチし,
幅広い規格・適合性評価の共通基盤となる
新しいJIS制度の構築
「一つの規格,一つの認証システムによりどこでも受入れ可能に」
“One standard, One test, Accepted Everywhere ”
One standard
国際整合性の確保されたJISの活用
One test
国際的な指針(ガイド)に合致した
適合性評価手続きの活用
Accepted Everywhere
重複検査の排除
(ワンストップ・テスティングの実
現)
51
新制度(案)の概要
現行制度
新JIS制度で何が変わるか
JIS該当性の政府認証 及び認定
試験事業者の試験証明(JNLA)
を活用した自己適合宣言
◆政府責任
指定商品・加工技術制
指定商品等に対しJISマーク以外の
規格該当性表示を禁止 (§19 Ⅶ)
◆政府による認定
認定の一部および公示検査を
政府代行性のある指定機関に委任
JISマークは政府による認定を
受けていることを示す
◆信頼性確保
指定商品等の個別審査事項は
主務大臣が定める
指定商品等へのJISマーク以外の
規格該当性表示、非指定商品への
JISマーク表示を罰則付で禁止
新JIS制度
◆事業者責任
新JISマーク制度とともに、事業者に
よる自己確認を補完するものとして
登録試験事業者による試験証明
(新JNLAテストレポート)も位置付け
全てのJIS製品規格を対象
新JISマーク以外の規格該当性表示を自由化
◆登録機関による認証
国に登録された第三者認証機関が
サーベイランスを含め一元的に責任を持つ
登録認証機関に対し、ISO/IECガイド65(製品認証
機関に対する一般要求事項)への適合性を要求
新JISマークは登録機関による認証を受けている
ことを示す(登録機関の名称/ロゴを表記、「側面」
「等級」の表示も可能に)
◆信頼性確保
認証手順は基本的に認証機関が定めるが、認
証の
水準維持のため、アウトラインは主務大臣が定める
(「一般+分野別認証指針」)
新JISマークの不正表示を禁止
52
1-2.(基本認識)政府認証から自己確認・自主保安へ
非系列
海外企業
×
非系列
企業C
×
系列
親企業
系列重視の
固定的流通
企業B
取引
取引
海外企業A
経済のグローバル化
規制緩和
企業B
企業A
海外企業B
系列
企業A
企業C
【国のお墨付きとしてのJISマーク】
【自己確認・自主保安の支援策としての新JISマー
ク】
日本政府
JISマーク制度
【政府認証】
革新
指定認定
機関
大企業
工場B
大企業
中小企業
(高いブラン
ドネーム)
国の認証
工場A
工場A
工場B
工場C
工場D
中小企業
大企業
中小企業
規格適合性
の宣言
製品
グローバルかつ
自由な流通
規格適合性
の宣言
製品
し「
て第
の三
新者
J製
I品
S認
マ証
ー
ク制
制度
度」
と
サポート
53
1-3.第三者認証制度への転換
-政府の役割は「認証主体」から「登録主体」に-
現行制度
新制度
政府責任による検査等
登録機関による検査等
→検査結果に対して政府が責任を負う
政府の代行
検査等
公益法人
等
政府
公益法人
等
事業者
政府
指定制
行政
→検査結果に対して第三者機関が責任を負う
民間
行政
第三者
チェック
事業者
行政の裁量の
ない登録制
民間
(注)公益法人改革のポイント(行政改革事務局)資料を基に作成
54
1-4.現行制度及び新制度の骨格案
第三者
現行制度
JISに該当しな
い旨の「申し出」
指定
JASC
立入検査、適合命令、
報告徴収、指定取消し
国
JASC
指定
個別審査事
項等で審査
指定認定機関
指定検査機関
or
認証
製
造
業
者
公示検査
報告
ユーザー
製品購入
検査品目の公示、試買検査、立入検査、報告徴収、販売停止、認証の取消し
試買検査
JISに該当しな
い旨の「申し出」
Accreditation
(認定)制度
国
新制度骨格案
第三者
認証手順等に関する情報
登録
認証
立入検査、適合命令、
報告徴収、登録の取消し
契約
登
録
試買検査結果を踏まえ、又は申し 機
関
出があった場合検査実施要請
製
造
定期検査 業
臨時検査 者
検査結果報告
認証取消し
認証方法に関する指針
(ガイドライン)を法令で規定
登録機関が品目ごとに作成
する「認証手順」により審査
新JISマーク
特定の「側面」
and/or
等級・グレード
ユーザー
登録機関名
製品購入
試
買
55
2-1.指定品目制の廃止による自由度の高い制度へ
規格適合性の表示方法は、
JISマークによる表示が主
規格適合性の表示方法は、多様
な手段から最適なものを選択
指定品目については、JISマーク以外の
適合性表示を厳しく禁止
J
I
S
マ
ー
ク
制
度
【指定品
目】
企業
JIS工場のJIS
マークによる規
格適合性宣言
規格適合性
の自己宣言
製品
JNLA制度
【非指
定品
目】
JNLA試験証明
書を活用した規
格適合性宣言
製品
JISマーク以外の表示不
可
JIS工場以外は、JISマー
ク表示不可
JISマーク表示は不可
JISマーク以外の規格
適合性表示が可能
国が対象品目を指定
約1300規格
その他の品目
約2800規格
指定品目制度がなくなり、マーク対象品目(製品規格)について
も、JISマーク以外の方法による規格適合性表示が可能
新
J
I
S
マ
ー
ク
制
度
企業
JNLA制度
選 択
JISマークによ
る規格適合性
宣言
規格適合性
の自己宣言
製品
JNLA試験証明
書を活用した規
格適合性宣言
製品
JIS(製品規格)
=
JISマーク対象品目
56
8.おわりに
経済社会のニーズや変化に対応した、
よりよい基準認証政策を目指します
顧客満足を最大化するJIS制度の
構築を目指して制度を改革していきます
日本工業標準調査会
(JISC)ホームページ
http://www.jisc.go.jp/
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