参考資料:SFC発Web社会調査レポートプロジェクト

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Transcript 参考資料:SFC発Web社会調査レポートプロジェクト

慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス・SFC研究所
御中
SFC発:Web社会調査レポート・プロジェクト(仮称)
提案
2007年4月
深谷昌弘&(株)ゲイン
SFC発:Web社会調査レポート・プロジェクト(仮称)提案趣旨
Web社会調査法開発:ソシオセマンティクス
(TL)深谷昌弘
ソシオセマンティクス工房(代表・深谷昌弘)は、政策COE「日本アジアにおける総合政策学先導拠点」研
究プロジェクト・Web社会調査法開発:ソシオセマンティクス(深谷班)として、IT・ネットワークを基盤
とした新しい社会調査法の開発研究を進めてきた。
この研究は、IT・ネットワーク社会の進展によって人々の意味表出データ・テクストが豊富に利用可能に
なったことに着目して、人々の意味世界に踏み込んだ社会調査法を開拓することを目指すものであり、コト
バ・意味・コミュニケーションに関する新しい理論パラダイム(意味づけ論)、そのパラダイムに立脚した
大量テクストデータを意味解釈する方法・手法(テクスト意味空間分析法)、そして、それを支援する自然
言語処理システム(TextImi)、この三つの開発研究からなる。
今般、この一連の開発研究は特許申請、学会発表、事業化のための実証実験などを経て、本格的な実用化に
踏み切る段階に至った。この新しい社会調査法を用いたSFC・総合政策学から社会への情報発信を定常的に
行う仕組みを構築しそのあり方を実証実験を通じて研究すること、これが本提案の目的である。
政策に関わる問題発見・解決につながる社会への情報発信をSFC独自の方法・やり方で実行する仕組みをも
つこと、このことはキャンパスのかねてよりの懸案であった。Webをはじめとするネットワークを活用して、
社会的・政治的、経済的なさまざまな事象に関する市井の人々の思い・考えを明らかにして、イッシューを
発見し政策につながる提言のプラットフォームを提供する本プロジェクトは、SFC・総合政策学のかねてか
らの懸案を実現する端緒の一つとになりうると、提案者たちは確信している。
以下、本提案の具体的内容、すなわち、プロジェクト推進組織、活動内容、業務分担と進め方などの概要に
ついて、ゲイン社からのメッセージに次いで、記す。
(注記:一連の開発研究は深谷研究室、富士ゼロックス・研究本部、ゲイン社(ネットリサーチ会社)の協
働で進められており、本提案もその活動の中で誕生した。実用化のための実証実験とノウハウの蓄積を行っ
てきたゲイン社が本プロジェクトの共同推進者となることが適切であり、研究室とゲイン社の共同提案と
なっている。)
パートナー・ゲイン社から
弊社は、深谷昌弘教授の理論構築に基づくテクスト分析ソフトウエアTextImiの、マーケティング領域におけ
る事業化/実用化といった観点で検証を重ね、このたびライセンス契約締結を期して本格事業化に着手した。
弊社は、TextImiの主としてマーケティング領域における事業利用というベクトルと平行して、社会調査領域
での活用という両輪を駆動させ、「ソシオセマンティクス」の確立を図ることが、同時に、事業領域におけ
る進化/深化を促すものと認識している。
これまで取りにくかった人々の生の声を、弊社のもつデータ収集機能(携帯電話、パソコンへの書き込み)
をとTextImiの優位性に基づき弊社で開発した「NEXT EYE分析ノウハウ」を連携させ解析し、深谷研究室及
び貴大学の専門家各位が分析・解釈するならば、革新的な知見が得られるであろうと確信している。
このことは本プロジェクトが、貴大学のオリジナルな観点であるSFC・総合政策学において、Webをはじめ
とするネットワークを活用したイシューの発見・提言のプラットフォームになりうることを意味している。
上記の視点に基づき、本プロジェクトを共同提案するものである。
プロジェクトの概要(案)
○プロジェクト名:SFC発:Web社会調査レポート(仮称)
○設置場所:SFC研究所 SFC発:Web社会調査レポート・ラボ(代表・深谷昌弘)
○目的
1、WEBをはじめとするネットワークを活用したデータ収集、分析によるイシューの発見・提言
2、上記に付随あるいは上記より派生するさまざまな活動
○構成(案):ラボ構成委員会、ラボ総会、プロジェクト推進委員会、調査チーム、事務局からなる
ラボ構成委員会(最高意思決定機関)・総会
申請書記載の構成員会委員と学内外構成員全員
からなり年2回程度同時開催し活動全般について審議・意思決定する
推進委員会 小島 国領 熊坂 深谷(以上、学内) 井上(ゲイン社) Y氏(マスコミ系)
年間テーマ選定(複数)、スケジュール、テーマ別調査チーム編成
調査チーム 委員会が指名した各調査チーム責任者(SFCスタッフ)が編成する
○事務局:総括事務局をSFC研究所内に設置するとともに調査活動担当事務局をゲイン社内に設置する
○調査活動における役割分担(案)
・調査の設計:各テーマに関する専門家チームが担当
・データ収集、基礎分析:深谷研究室&株式会社ゲイン ※データ収集手法はテーマ、対象に応じて選定
・解釈・提言、展開:調査チーム
*深谷研究室、ゲインがサポート
○調査テーマ(例示案)
・いじめ・少子高齢化・介護・格差社会
等
・1年間に特定テーマに基づく調査→分析→展開を3サイクル行う
参考:「NEXT EYE」
NEXT EYE
基本メソッド:①自由記述文のTextImiによるすばやい、的確な分析、分類により定量化(コード化)
②属性とのクロス分析により、従来のテキストマイニングやFA分析では得られない知見を得る
③今後特化係数や優位性検証等の統計的手法の適用により、結果有意性を示していく
(NEXT EYE例)
全体
3ヶ月未満
(776)
(34)
(41)
%
先生には会ったことがない
入所のときに説明が一度あっ
たきりだ
患者本人が穏やか
にしていられるとよい
病状に変化があったら対応し
てもらえる
5.9
感謝している
3.4
家族への治療の説明が欲し
い
3.2
治療方針について聞きたい
2.7
よくわからない
1.5
定期的に状況報告を欲しい
1.0
その他
無回答
%
-7.0
9.9
%
-0.2
6.1
0.0
-0.4
1.0
2.3
-0.1
1.2
2.4
1.8
-3.4
6.6
0.2
2.2
7.3
-1.3
70.2
-0.1
0.9
4.9
7.2
0.2
0.4
-1.9
-2.2
0.4
0.0
-0.4
-1.7
0.4
0.3
-0.4
-0.5
0.1
-0.4
-7.0
-0.2
-0.6
-0.1
-2.3
%
-0.4
0.2
1.4
(304)
0.6
1.5
2.6
2.7
3年以上
%
1.2
-1.0
-0.5
1年~
3年未満
(263)
%
-0.1
-2.9
8.8
6ヶ月~
1年未満
(117)
6ヶ月未満
1.5
-1.0
-0.7
-0.6
3.2
大手介護病院利用者アンケート結果におけるNEXT EYE分析により、「6ヶ月」を契機に利用者のコメントの質が変わる
ことが発見され、病院運営の意思決定に大きな有用性を持つことが評価された
参考:いじめData
○データ収集:株式会社魔法のiらんど社が有する270万人の携帯電話ユーザーに、自由意志に基づくアン
ケート回答を依頼し、収集(11143ss)
○簡易分析:上記1万超のサンプルより約1000ss無作為に抜き出しNEXT EYEにより分析した一例は下記。