と パブリックビューイング現象

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Transcript と パブリックビューイング現象

パブリック・ビューイングの社会史
-街頭テレビからパブリックビューイングヘ-
吉田陽子
東洋大学社会学部
メディアコミュニケーション学科4年
パブリック・ビューイングとは?
 スポーツ観戦イベント
「みんなで選手やチームを応援しよう!」
-不特定多数の人々
-スタジアムや街頭
-大型措置(大画面)を使用
-中継映像
-選手のいない会場
-無料or有料
問題意識
①パブリックビューイングのような現象が
誕生した理由(意義)は?
②パブリックビューイングに集まる人々に
はどんな心理がはたらいているのか?
構成
第1章 街頭テレビとスポーツ中継
第2章 街頭テレビの衰退から復活までの間
第3章 パブリックビューイング前史
第4章 パブリックビューイングの誕生と心理
パブリックビューイングの定義
=感動を共有しあうことを目的として、大
人数が集まれる会場に集まり、画面の
前で一緒にスポーツを観戦する
パブリックビューイング現象
日韓W杯
2002年
パブリックビューイング
街頭テレビと街頭大型ビジョンの違い
共有意識が
高い
“パブリックビューイング現象”
の領域
無
料
街
頭
テ
レ
ビ
有
料
アルタ
ビジョン
共有意識が
低い
第1章
パブリックビューイング現象の起源
=
「街頭テレビ」
街頭テレビに集まった人々と、パブリックビューイン
グに集まった人々の様子は酷似している
テレビが誕生した当時から、大勢で画面に向かっ
て歓声を上げることで、感動を共有していた
街頭テレビと街頭大型ビジョンの違い
共有意識が
高い
“パブリックビューイング現象”
の領域
無
料
街
頭
テ
レ
ビ
有
料
アルタ
ビジョン
共有意識が
低い
パブリックビューイング現象の復活

1988年 ソウルオリンピック
衛星・ハイビジョン 「テレビ新時代」
最新技術の実験と普及
ソウルオリンピックで
「街頭テレビ」のアイデアを活用
クローズドサーキット
スポーツや演劇などのイベントにおいて、会場から
全国各地の上映会場へライブ映像を送り、有料でそ
の模様を見てもらうイベント
 映画関連会社や郵政省で発足させた「ハイビジョ
ン・クローズド・サーキット研究会」が、興行の姿が大
きく変わるのを期待して進めた計画

「パブリックビューイング」の前身
街頭テレビとクローズドサーキットの違い
共有意識が
高い
無
料
サク
ーロ
キー
ッズ
ト ド
街
頭
テ
レ
ビ
アルタ
ビジョン
共有意識が
低い
有
料
クローズドサーキットに関する記事の消滅
(件)
140
120
100
80
60
40
20
0
91
93
95
97
99 2000
2002
2004
2006
(年)
クローズドサーキット
パブリックビューイング
スポーツバー
日本に誕生したのは1989年あたり
 当初はアメリカ文化を味わえる場として始められた
ビジネスであったが、普及するにつれ徐々にスポー
ツファン(特にサッカーのサポーター)が集まる場と
しても利用されるようになった。

「スポーツバー」に関する記事数の推移
25
(件)
20
15
10
5
0
1984
1986
88
90
92
94 (年)
【図3.4】「スポーツバー」の特徴
共有意識が
高い
スポーツバー
無
料
サク
ーロ
キー
ッズ
ト ド
街
頭
テ
レ
ビ
アルタ
ビジョン
共有意識が
低 い 有
料
その他のパブリックビューイング現象
学校や集会所などで行われる観戦イベント
 選手の地元や母校では、大画面を設置した会場に
集まり応援する

その他のパブリックビューイング現象
共有意識が
高い
学校や
集会所
など
無
料
スポーツバー
サク
ーロ
キー
ッズ
ト ド
街
頭
テ
レ
ビ
アルタ
ビジョン
共有意識が
低い
有
料
1993年 Jリーグ発足

サッカーが大流行
クローズドサーキット・スポーツバー
役割はさらに大きく
パブリックビューイング現象の浸透に大きく貢献
「スポーツバー」に関する記事数の推移
25
(件)
20
15
10
5
0
1984
1986
88
90
92
94 (年)
パブリックビューイングの誕生

名付け親は高松聡氏
「パブリックビューイング・イン・東京」
各自治体の盛り上がり
パブリックビューイングは大きく国民に認知
され、浸透していった
「パブリックビューイング」と
パブリックビューイング現象
共有意識が
高い
学校や
集会所
など
無
料
スポーツバー
街
頭
テ
レ
ビ
パ ブリッ ク
ビュ ーイ ング
サク
ーロ
キー
ッズ
ト ド
アルタ
ビジョン
共有意識が
低 い
有
料
パブリックビューイングの心理
パブリックビューイング現象すべてに共通しているもの
「感動を共有したい」という心理
パブリックビューイングの発展
人がもともと持つ「共有意識」上手く働いたことで
発展したといえる
今後の展望

2011年 地上デジタル放送へと完全移行
各家庭で迫力あるハイビジョン映像が
楽しめるようになる
「感動を共有したい」という心理が存在し続けている限り、
パブリックビューイングは今後も人々にとって魅力的な
イベントであり続ける