Transcript ポスター発表
目的 「夕食後に飲み忘れた 時は、寝る前までに飲 めばいいと教えてくれな かったから、何日も薬を 飲めなかった」 ① 「薬袋の用法を 夕食後~寝る前 と表示すべきだ」 ② と、夕食後に高脂血症治療薬を 服用している患者から苦情が寄せ られた。 そこで他の患者にどの程度飲み 忘れがあるのか、また飲み忘れた 時どのように対処しているのか調 査した。 ③ 方法 調査期間:平成20年2月の1ヶ月間。 対象患者:夕食後に服用する薬剤が 右の高脂血症治療薬(当院 採用薬)のみの外来患者。 ④ R R R クレストール ベザトール メバロチン リバロ R R R R R リピディル リピトール リポバス ローコール ⑤ 調査内 容: 現在処方されている高脂 血症治療薬の飲み忘れ の有無、また飲み忘れが ある患者には対処方法を、 薬局の窓口にて口頭で尋 ねた。 ⑥ 結果 136人の患者に調査した。内訳は男性35名、女性 101名で男女比は男性26%、女性74%であった。 男性 26% 女性 74% 図1.調査した患者の男女比 ⑦ 調査した患者の約56%に飲み忘れがあった。 70 飲 み 忘 れ の あ る 患 者 割 合 ( % ) 60 50 40 30 20 全体 男性 女性 10 0 調査人数 136 35 101 飲み忘れあり の人数 77 19 58 図2.性別ごとにみた飲み忘れの割合 ⑧ 調査した患者の年齢の内訳は以下の図のようになった。 30代 1% 80歳 以上 13% 70台 31% 40代 2% 50代 17% 60代 36% 図3.調査した患者の年齢別割合 ⑨ 30代は1名、40代は3名と患者数が少ないため、飲み忘れの ある患者の割合については50歳以上の患者について下の図に 示す。今回の調査では60代で飲み忘れが多く見られた。 飲 み 90 忘 80 れ 70 の あ 60 る 50 患 40 者 30 割 合 20 10 ( % 0 ) 調査人数 飲み忘れの ある人数 50代 60代 70代 80歳以上 全体 23 49 42 18 136 9 38 20 7 77 図4.年齢別にみた患者の飲み忘れのある人数と割合 ⑩ 飲み忘れることがある患者の、約70%の方が「1回分抜かし て飲まない」、約14%が「寝るまでの気付いた時に服用する」、 約15%が「翌日の朝食後に服用する」という回答を得た。 翌日の昼飲む 1% 翌日の朝飲む 15% 寝る前までの気 付いた時に飲む 14% 1回分抜かして 飲まない 70% 図5.飲み忘れ時の対処方法の割合(全体) ⑪ 飲み忘れたときの対処法については男 女間にあまり違いはなかった。 翌日昼飲む 2% 翌日の朝飲む 翌日の朝飲む 16% 寝る前までの気 付いた時に飲む 11% 15% 寝る前までの気 付いた時に飲む 15% 1回分抜かし て飲まない 73% 男性 1回分抜かし て飲まない 68% 女性 図6.性別ごとの飲み忘れ時の対処方法の割合(男女別) ⑫ 30代、40代は患者数が少ないため、飲み忘れた時の対処法 の割合については50歳以上の患者について下の図に示す。 どの年代においても「1回分抜かす」患者の割合が半数を超えた。 100 90 対 処 法 の 割 合 80 1回分抜かして飲まない 70 60 寝る前までの気付いた時 に飲む 翌日の朝飲む 50 40 翌日昼飲む ( % 30 ) 20 10 0 50代 60代 70代 80歳以上 図7.年齢別での対処法 ⑬ 考察 夕食後に服用する高脂血症治療薬を飲み忘 れることがある患者は約半数以上いて、飲み忘 れのある患者の多くは、1回分服用していないこ とがわかった。 「1回分抜かして飲まない」患者に、飲み忘れ たときの対処方法について指導することで、アド ヒアランスの向上が考えられる。 対処例)夕食後に飲み忘れた場合には、寝 る前までの気付いた時に服用してもらう。 メーカー回答では・・・就寝前までに気付いた場合には速やかに 服用。翌日の朝気付いた場合は朝食後までなら服用してもよい。 ⑭ 結語 初めて処方された患者に飲み忘れた 時の対処方法を説明する。 また、他の患者や、他施設を受診して いる患者にはお薬手帳等を活用し、残薬 の数、なぜ飲み忘れたのかの理由を確 認し、飲み忘れた時の対処方法を伝える ことで、飲み忘れが減らせるようにしてい きたい。 今回の調査結果を今後の日常業務に 活かしていきたいと思う。 ⑮