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特論B
細胞の生物学
第1回 タンパク質の生合成と
タンパク質のはたらき(復習)
和田 勝
東京医科歯科大学教養部
この科目の概要
この科目では、すべての生物の基
本的な単位である細胞がどのような
物質からできているか、どのようにエ
ネルギーを獲得しているか、どのよう
に必要な物質を合成しているかを知
り、生きているとはどのようなことかを
学ぶ。動物の細胞生物学の基礎 (
Introduction to cell biology)といったと
ころになる。
講義の進め方
講義には必ず出席すること。
●
講義はパワーポイントを使って行う。
●
教科書は下記のものを指定する。た
だし教科書に沿って授業を進めるわけ
ではないので、該当する部分を読んで
おいてほしい。
●
『基礎から学ぶ生物学・細胞生物学』 和田勝
羊土社 2006年11月
講義の進め方
講義の内容は医科歯科大学のウエッ
ブ上に公開する。
●講義ノートは上記からダウンロードで
きるようにする。
●
教科書と講義ノートを事前に予習して、
講義に臨むことを要求する。
●
講義の内容をもう一度見たい人のた
めに、講義で使ったパワーポイントは上
記ウエッブサイトにアップロードする。
●
Webの利用
教科書で予習・復習をし、さらに発
展的に学習できるように、「特論B(平
成20年度)」ページを設けてある。
●
●http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/tokuron.htm
発展的学習
過去に行った講義「細胞生物学」で
発展的な学習ができる。各ページの
リンクをたどって自分で学習してほし
い。
●
そのほか、岩波新書や講談社ブル
ーバックスなどの生物関連のものを
積極的に読んで欲しい。
●
副読本等
「生物科学入門コース」1~8 岩波書店
「岩波講座・分子生物学」1~12 岩波書店
「理科系の作文技術」 木下是雄 中公新書624 昭和56年
「細胞を読む」 山科正平 講談社ブルーバックス B-623 昭和60年
「超ミクロ世界への挑戦」 田中敬一 岩波新書 赤96 1989年
「DNA学のすすめ」 柳田充弘 講談社ブルーバックス B-582 昭和59年
「RNA学のすすめ」 柳川弘志 講談社ブルーバックス B-812 1990年
「遺伝子が語る生命像」 本庶 佑 講談社ブルーバックス B-644 1986年
「酵素反応のしくみ」 藤本大二郎 講談社ブルーバックス B-1152 1997年
「生物物理の最前線」 日本生物物理学会 講談社ブルーバックス B-843 1990年
「細胞膜とは何か」 神原武志 講談社ブルーバックス B-702 昭和62年
「アポトーシスの科学」 山田 武・大山はるみ 講談社ブルーバックスB1006 1994年
「DNA複製の謎に迫る」 武村政春 講談社ブルーバックスB1477 2005年
「遺伝暗号のナゾにいどむ」 岡田吉美 岩波ジュニア新書560 2007年
「生命のセントラルドグマ」 講談社ブルーバックスB1544 2007年
評価
課題に対する提出物と定期試験期
間内におこなう試験によっておこなう。
●
講義の最後に、学生による授業評
価(WebCT上にある)を受ける。
●
今後の予定
第1回 7/8
第2回 7/8
7/15
第3回 7/22
第4回 7/22
第5回 9/16
第6回 9/16
第7回 9/18
第8回 9/18
DNAとタンパク質の働き(復習)
転写
外国出張のために休講
翻訳
タンパク質の構造と機能
エネルギー代謝
エネルギーはどこから
代謝経路のネットワーク
タンパク質がさまざまな機能を担う
試験は9月19日に実施
階層性
個体 (organism)
器官系 (organ system)
器官 (organ)
組織 (tissue)
細胞 (cell)
階層性
外皮系
骨格系
消化器官系
器官系
●外皮系
(Integmentary system)
●骨格系 (Skeltal system)
●筋系 (Muscular system)
●消化器官系 (Digestive system)
●循環器官系 (Circulatory system)
●呼吸器官系 (Respiratory system)
●泌尿器官系 (Urinary system)
●神経系 (Nervous system)
●内分泌系 (Endocrine system)
●生殖器官系 (Reproductive system)
組織
器官は、次の4つの基本的な組織から構成されている
●上皮組織
(epithelial tissue)
●結合組織 (connective tissue)
●筋組織 (muscle tissue)
●神経組織 (nervous tissue)
組織は、形態と機能からさらに分類される
上皮組織
(1)上皮組織は、
●単層扁平上皮
(simple squamous ep.)
●単層立方上皮 (simple cuboidal ep.)
●単層円柱上皮 (simple columner ep.)
●重層扁平上皮 (stratified squamous ep.)
●多列上皮 (pseudostratified ep.)
結合組織
(2)結合組織は、
●疎性結合組織
(loose con.)
●密繊維性結合組織 (dense con.)
●弾性結合組織 (elastic con.)
●細網結合組織 (reticular con.)
●脂肪組織 (adipose con.)
●軟骨組織 (cartilage con.)
●骨組織 (bone con.)
●血液 (blood)
結合組織
ふつうはコラーゲンなどが
細胞外マトリックス
筋組織
(3)筋組織は、
●骨格筋
(skeltal muscle)
●心筋 (cardiac muscle)
●平滑筋 (smooth muscle)
神経組織
(4)神経組織は、
●ニューロン
(neuron)
●グリア細胞 (glia cell)
それぞれの組織は、組織に特有な形態と機能を有する
細胞から構成されている
個体は細胞から
動物細胞の構造
DNAの構造
ヌクレオソーム
ヌクレオソームが下のような繊維
構造を取る。これがクロマチン。
染色体(細胞分裂のときだけ)
DNAからタンパク質へ
セントラルドグマ
遺伝の暗号
T
1
番
目
の
塩
基
C
A
G
T
Phe
2番目の塩基
C
A
Ser
Tyr
G
Cys
Phe
Ser
Tyr
Cys
Leu
Ser
Stop
Stop
Leu
Ser
Stop
Leu
Pro
His
Trp
Arg
Leu
Pro
His
Arg
Leu
Pro
Gln
Arg
Leu
Pro
Gln
Arg
Ile
Thr
Asn
Ser
Ile
Thr
Asn
Ser
Ile
Thr
Lys
Arg
Met
Val
Thr
Lys
Arg
Ala
Asp
Gly
Val
Ala
Asp
Gly
Val
Ala
Glu
Gly
Val
Ala
Glu
Gly
T
C
A
G
T
C
A
G
T
C
A
G
T
C
A
G
3
番
目
の
塩
基
転写の過程
一つの遺伝子は一本のポリペプチド
鎖をコードしているのだから始まりと
終わりがあり、これに対応する開始コ
ドンと終止コドンがある。
DNAには開始コドンから終止コドンま
で一まとまりのセンテンスが、カセット
テープに複数の曲が録音されている
ように、線状に並んでいる。
転写の過程
(5') ATGGAATTCTCGCTC(3')(コード鎖、sense strand)
(3') TACCTTAAGAGCGAG(5')(鋳型鎖、antisense strand)
(5‘) AUGGAAUUCUCGCUC(3’)(転写された一本鎖RNA)
RNAの鎖の伸長は必ず5’→3’の方向
RNAポリメラーゼ
転写は酵素であるRNAポリメラーゼに
よって触媒
RNAポリメラーゼ
RNAポリメラーゼは、DNAの二重ラセ
ンをほどきながら、二本鎖のうち鋳型
となる鎖の塩基の配列を読んで、これ
と相補的な塩基をもったヌクレオチド
を取り込み結合していく
RNAの鎖の伸長は必ず5’→3’の方
向
転写(頭だし)の過程
DNAの塩基配列にはアミノ酸配列をコ
ードしている領域と、転写の調節に関
与する領域がある。
開始コドン(ATG)のすぐ上流にプロモ
ーターと呼ばれている領域がある。
真核生物では、プロモーター領域に
TATAAAという配列が共通して存在す
る(開始コドン上流30塩基を中心)。
転写(頭だし)の過程
この領域をTATA boxとか
ホグネス配列とか呼ぶ。
TATA boxに転写因子(タ
ンパク質)が結合。
これを目印にRNAポリメラ
ーゼ(やその他の転写因
子)が結合。
転写の方向
プロモーターはRNAポリメラーゼの着
地点であるとともに、この酵素がDNA
上を滑っていく方向も規定する。
したがって、二本鎖のうちのどちらが
鋳型鎖になるかは、プロモーターの配
置によって決まる。
mRNAのプロセシング
大事な用語は
エクソンとイン
トロン。エクソ
ンは情報領域
でイントロンは
非情報領域。
イントロンを切
り取ってエクソ
ンだけをつな
ぎ合わせること
をスプライシン
グという。
実例(ヒトβグロビン遺伝子)
CCCTGTGGAGCCACACCCTAGGGTTGGCCAATCTACTCCCAGGAGCAGGGA
GGGCAGGAGCCAGGGCTGGGCATAAAAGTCAGGGCAGAGCCATCTATTGCT
TACATTTGCTTCTGACACAACTGTGTTCACTAGCAACCTCAAACAGACACC
ATGGTGCACCTGACTCCTGAGGAGAAGTCTGCCGTTACTGCCCTGTGGGGC
AAGGTGAACGTGGATGAAGTTGGTGGTGAGGCCCTGGGCAGGTTGGTATCA
AGGTTACAAGACAGGTTTAAGGAGACCAATAGAAACTGGGCATGTGGAGAC
AGAGAAGACTCTTGGGTTTCTGATAGGCACTGACTCTCTCTGCCTATTGGT
CTATTTTCCCACCCTTAGGCTGCTGGTGGTCTACCCTTGGACCCAGAGGTT
CTTTGAGTCCTTTGGGGATCTGTCCACTCCTGATGCTGTTATGGGCAACCC
TAAGGTGAAGGCTCATGGCAAGAAAGTGCTCGGTGCCTTTAGTGATGGCCT
GGCTCACCTGGACAACCTCAAGGGCACCTTTGCCACACTGAGTGAGCTGCA
CTGTGACAAGCTGCACGTGGATCCTGAGAACTTCAGGGTGAGTCTATGGGA
CCCTTGATGTTTTCTTTCCCCTTCTTTTCTATGGTTAAGTTCATGTCATAG
GAAGGGGAGAAGTAACAGGGTACAGTTTAGAATGGGAAACAGACGAATGAT
TGCATCAGTGTGGAAGTCTCAGGATCGTTTTAGTTTCTTTTATTTGCTGTT
CATAACAATTGTTTTCTTTTGTTTAATTCTTGCTTTCTTTTTTTTTCTTCT
CCGCAATTTTTACTATTATACTTAATGCCTTAACATTGTGTATAACAAAAG
GAAATATCTCTGAGATACATTAAGTAACTTAAAAAAAAACTTTACACAGTC
TGCCTAGTACATTACTATTTGGAATATATGTGTGCTTATTTGCATATTCAT
AATCTCCCTACTTTATTTTCTTTTATTTTTAATTGATACATAATCATTATA
CATATTTATGGGTTAAAGTGTAATGTTTTAATATGTGTACACATATTGACC
AAATCAGGGTAATTTTGCATTTGTAATTTTAAAAAATGCTTTCTTCTTTTA
ATATACTTTTTTGTTTATCTTATTTCTAATACTTTCCCTAATCTCTTTCTT
TCAGGGCAATAATGATACAATGTATCATGCCTCTTTGCACCATTCTAAAGA
ATAACAGTGATAATTTCTGGGTTAAGGCAATAGCAATATTTCTGCATATAA
ATATTTCTGCATATAAATTGTAACTGATGTAAGAGGTTTCATATTGCTAAT
AGCAGCTACAATCCAGCTACCATTCTGCTTTTATTTTATGGTTGGGATAAG
GCTGGATTATTCTGAGTCCAAGCTAGGCCCTTTTGCTAATCATGTTCATAC
CTCTTATCTTCCTCCCACAGCTCCTGGGCAACGTGCTGGTCTGTGTGCTGG
CCCATCACTTTGGCAAAGAATTCACCCCACCAGTGCAGGCTGCCTATCAGA
AAGTGGTGGCTGGTGTGGCTAATGCCCTGGCCCACAAGTATCACTAAGCTC
GCTTTCTTGCTGTCCAATTTCTATTAAAGGTTCCTTTGTTCCCTAAGTCCA
ACTACTAAACTGGGGGATATTATGAAGGGCCTTGAGCATCTGGATTCTGCC
TAATAAAAAACATTTATTTTCATTGCAATGATGTATTTAAATTATTTCTGA
ATATTTTACTAAAAAGGGAATGTGGGAGGTCAGTGCATTTAAAACATAAAG
AAATGAAGAGCTAGTTCAAACCTTGGGAAAATACACTATATCTTAAACTCC
ATGAAAGAAGGTGAGGCTGCAAACAGCTAATGCACATTGGCAACAGCCCTG
ATGCCTATGCCTTATTCATCCCTCAGAAAAGGATTCAAGTAGAGGCTTGAT
TTGGAGGTTAAAGTTTTGCTATGCTGTATTTTACATTACTTATTGTTTTAG
CTGTCCTCATGAATGTCTTTTCACTACCCATTTGCTTATCCTGCATCTCTC
AGCCTTGACTCCACTCAGTTCTCTTGCTTAGAGATACCACCTTTCCCCTGA
AGTGTTCCTTCCATGTTTTACGGCGAGATGGTTTCTCCTCGCCTGGCCACT
CAGCCTTAGTTGTCTCTGTTGTCTTATAGAGGTCTACTTGAAGAAGGAAAA
ACAGGG GGCATGGTTTGACT……
実例(ヒトβグロビン遺伝子)
核膜孔からサイトゾールへ
リボソームの模式図
翻訳の開始
mRNA + リボソーム小顆粒
リボソーム大顆粒
メチオニンtRNA
(P部位に座る)
隣席のA部位に対応するアミノアシル
tRNAが座り、翻訳開始
ペプチドの伸長
遺伝の本体
遺伝子型
(genotype)
DNA
→
表現型
(phenotype)
→
タンパク質
DNAからタンパク質へ
DNAの5’→3’の並び方
アミノ酸のN末端からC末端への並び方
《ただし3つの塩基(コドン)が
1つのアミノ酸を指定》
DNAからタンパク質へ
こうして、染色体を構成しているタンパ
ク質とDNAのうち、DNAに遺伝情報が
書き込まれていることが明確になった。
3つの塩基の組み合わせ(コドン)がア
ミノ酸を指定(コード)している。
塩基が変わればコードするアミノ酸が
変わり、タンパク質が機能を失うことが
ある。これが突然変異。
染色体
染色体の各部の名前
これは体細胞分裂中期
の染色体
P腕
セントロメア(+キネトコア)
Q腕
番地が決まっている
タンパク質のはたらき
種類
役割
例
構造タンパク質
支持
コラーゲンやエラスティンのよ
うに組織の形を保つ。ケラチン
のように毛髪や爪をつくる
貯蔵タンパク質
アミノ酸の貯蔵
卵白のオボアルブミンやミルク
タンパク質のカゼイン
運搬タンパク質
物質の運搬
ヘモグロビンは酸素を運搬
ホルモンタンパク
質
ホルモンとして生体の調
節
インシュリンのようにホルモン
としてはたらく
受容体タンパク質
信号分子を受取る
ホルモンなどの信号分子と結合
して信号を細胞に伝える
収縮タンパク質
細胞運動
アクチンとミオシンは筋収縮を
になうタンパク質
防御タンパク質
病気から生体を防御
抗体は細菌やウイルスに対抗す
る
酵素タンパク質
化学反応を選択的に促進
消化酵素は食物を分解。細胞内
のあらゆる化学反応を触媒する
酵素トリプシン
ジスルフィド結合(S-S結合)で三次元構
造を保つ
酵素トリプシン
基質
結合
ポケット
酵素トリプシン
活性中
心
ペプチ
ド結合
を切る
ナイフ
の役目
酵素の性質
結合部位ポケットのかたちで基質特異
性が生まれる。
基質が結合部位ポケットに捕捉されて、
活性中心と作用を受ける部位が近づく
ことにより作用する。
熱運動による衝突のチャンスと不安定
さのバランスで最適温度が決まる。
タンパク質の働きで、、、
こうして、設計図とおりに作られた各種
のタンパク質が働いて細胞が生きてい
る。
細胞のはたらきを考える上で、酵素は
特に重要。