Transcript 融資の際の決算書の見方
融資の際の決算書の見方 平成24年○月○日(○) 日本政策金融公庫 国民生活事業 △△支店 今日お話しする内容 1 金融機関からみた良い会社とは? 2 応援したくなる会社の共通点とは? 3 金融機関は「決算書」のココに注目! (1)金融機関が融資したい企業 経営内容が良く、安全性が高く、リスクが小さい企業 ・・・当然の話だが、これが基本 100万円融資して、年2~3万円利息収入しかないのに、 融資した100万円が焦げ付いたら、その損失はなかな か取り戻せない。 面白味はないが、 金融機関にとっては、堅実が一番 一発逆転、大勝負には腰が引ける 大勝負 (2)経営内容と取引状況で判断します • • • • 決算の状況 企業や代表者等の資産の状況 担保や保証 預金等の取引状況 ⇒民間の金融機関は、予想される貸倒リスクか ら融資条件(利率や保証条件等)を決定します とりあえずは、経営内容を良くするしかないが・・。 (3)1に信用、2に信用 日々の積み重ねが重要 ■「支払いがきちんとしている。」 ⇒融資してもきちんと返してくれるだろう。 ☆これも、可能なものは「モノ」で示す。 ■「約束はきちんと守る。」 ⇒金融機関のみでなく、取引先との信用も作れ るだろう。 ■「話が一貫している。」 ⇒話がコロコロ変わっては信用できない。 (1)担当者が安心できる! (金融機関の担当者の本音) 融資したいんだけど、大丈夫かなあ・・・。 ・この計画ならうまくいくだろう。 この商品なら売れそうだ。 他社との差別化もされている。 立地も良好だ。取引基盤もできている。 ・この社長なら、きちんと返してくれるだろう。 この社長なら、従業員を引っ張ってやれるだろう。 信用して間違いなさそうだ。 (2)事業計画がわかりやすい 不透明感があるのは当然! ただし、「売れる」理由は明確に、簡潔に! 《ポイント》 ・商品・サービスの特徴 ・競合する商品・サービスとの違い ・ターゲットとする顧客 ・顧客が商品・サービスを買う(選ぶ)理由 ・立地・販売ルート・従業員など、「売り方」の大事! ※「売れる」→「利益が出る」→「資金計画は妥当!」 (3)「売れる!」ことが説明できる 「商品がすばらしい」 ことを説明するのではない 「売れる」を説明できるのも能力のうち。 「売れている」ことを証明するのが最も早道。 (実績があれば、それを示しながら具体的に!) (4)「きちんと利益がでる!」ことを説明 ・売上原価は業界平均地と比較 ・経費は積み上げる ・売上はどのくらいあがるのか? 1日○人来客、1日○台売れる等。 ・・・ここをどうやって説明するかが課題 (出来るだけ具体的に説明することが重要) ※販売が予定通りにいかない場合の対策は? (1)決算書の信頼性が重要! 〔従来の金融〕 保証人や不動産を担保とした融資 〔求められる金融〕 決算書(企業自体)を担保とした融資 ⇒わかりやすいと融資しやすい。 (2)わかりやすいと融資しやすい ■企業の実態がわかりづらいケース ・社外流出(仮払金や貸付金など)が多い。 ・資産の中に不良債権が混入している。 ・帳簿外の負債が存在する。 儲かってるの?赤字なの? 大丈夫なの?そうじゃないの? (3)社外流出が多いと・・・ 仮払人や貸付金に資産計上されていると・・・ ■「資産性があるのだろうか?」 きちんと経理処理がされてないのかな? 本当は赤字? 経理がずさん? ■「会社の資金が事業以外に使われている。」 融資してもきちんと事業に使ってくれるだろうか? 会社は誰のものなのだろう・・・? (4)売掛金や在庫が多い(月商比)と・・・ ■不良債権が多いのではないのかな? (焦げ付き、不良在庫の存在) ■前倒しで売り上げ計上したりしてないのか な? (時期の売り上げを今期に計上) ■資金が回っていかないのではないか? (資金が固定化) (5)帳簿外の負債が存在する そもそも、この決算書を信用して 判断してもいいのかな? (6)経営者に期待するもの ★自社の抱える課題を、決算書等から 経営者自身が認識し、 ★その対策を、経営者自身が策定・実行し、 ★経営者自身が説明できる!! 金融機関から借入するためには・・・ ①今後の事業計画はわかりやすく ②経営者の能力、信用をアピール ③今までの取引実績をアピール バランスがとれていることが重要 融資の手続き 《日本公庫の場合》 ・申込(決算書、事業計画書等の提出 ・面接(事業内容、事業計画の調査) ・訪問(事業所等の訪問) ・融資の決定 ・契約(契約書等の作成、担保設定等)→送金 ・返済