Transcript H18講義スライド(MS-PowerPoint)
第11章 機構と機械要素の概要
●マイコン回路とプログラミング ●センサと計測 ●アクチュエータ(モータ) ●機械制御法 モータのマイコン制御が可能! 機構(メカ)を作れば,メカトロニクス機械が完成する! ●モータから有効な仕事を取り出す ●機構と機械要素の紹介 ●機構設計・要素設計の考え方
●「機構」と「機械要素」 機構 ある部品の運動を利用して,別の部品に望みの運動 を生じさせるしくみ。 頭の中で動きをイメージできる能力(メカのセン ス)が重要! 機械 要素 ボルト,ナット,歯車,軸受など,機械を構成する分解 可能な最小単位の部分。 市販品を有効活用する必要があり,規格や部 品の種類・特徴など,多くの知識を持つことが 重要!
11.1 運動の形式
回転運動 往復運動 一定速度=扱いやすい 速度変動=慣性力の増大=設計困難
(1) 回転運動を直線運動に変換するメカニズム 実験用魚ロボット
(1) 回転運動を直線運動に変換するメカニズム 実験用魚ロボットの駆動機構
(1) 回転運動を直線運動に変換するメカニズム 実験用魚ロボットの駆動機構
(2) 運動の伝達と運動形式の変換 運動の大きさや力,向きを変える! 様々なリンク機構
(3) メカトロニクス技術の利用 機械 ●機械は強く,大きな力で重いものを動かすこ とができる。 ●細かい動きや複雑な動きは苦手。 電子 ●電子そのものでは重いものを動かすことはで きない。 ●センサやマイコンを使って複雑な動きを制御 できる。 両者の特徴を融合することで,高性能なメカトロニ クス機械を作り上げることができる。
11.2 回転運動に用いる機械要素
(1) 軸受 ●転がり摩擦を利用し ているため低摩擦。 ●消耗品(交換部品)と して使用できる。
●軸受を使用する際の要点 ①軸受の固定方法
軸方向に動かな いように固定す る。
②回転体との接触
内輪・外輪が滑らかに回るようにする。
(2) 軸継手(カップリング) ●回転軸を連結する重要な部品
●ゴム・樹脂カップリング
衝撃的な荷重を吸収できる。
●金属カップリング
回転方向のバックラッシ(遊び)が少ない。 回転運動を正確に伝達できる。
●ユニバーサルジョイント
2本の軸の角度が大きい場合に使われる。
●カップリング選定の要点 ①許容トルク
許容トルクが,実際に使用するトルクを上回るこ と!
②軸との固定方法
機械の構造や用途に適した固定方法を選ぶ!
③回転角度の精度
(3) 歯車 平歯車 ウォームギヤ かさ歯車 ●運動を正確に,しか も高効率で伝達できる。
●歯車使用時の要点
歯の大きさが同じでなければ,歯車は適切に 機能しない。 モジュール モジュール 歯の大きさを表す重要な数値 ピッチ円直径
m
d z
歯数
●歯車使用時の要点
バックラッシ 歯面間の「遊び」 ★ 小さすぎると,潤 滑が不十分になり やすく,歯面同士 の摩擦が大きくな る。 ★ 大きすぎると,歯 のかみ合いが悪く なり,歯車が破損し やすくなる。
(4) チェーン チェーン 使用例 ★ 滑りがなく大きい動力を確実に伝えることができる。 ★ しかし,重い!
(5) ベルト 平ベルト Vベルト ★ 軽量で静粛。 ★ 衝撃的な荷重をベルトで吸収できる。 ★ 潤滑の必要がない。 タイミングベルト
11.3 直線運動に利用する機械要素
(1) 直動軸受 ★ 回転運動用の転がり軸受と同様,球 の転がり運動を利用している。
(2) リニアガイド 直動軸受とレールを組み合わせたガイド
(3) カムフォロア カムフォロア ★ カム機構などの支持などに使う。
(4) ロッドエンド ロッドエンド 模型用ロッドエンド ★ 往復運動のロッド端部の取り付けなどに使う。
11.4 機構設計・要素設計の要点
●機械をどのように運動させたいのか? ●要求される機械の仕様は(大きさ,スピード,力,精度・・・)? ●利用できる最適な要素部品は何か? ●マイコン制御などのメカトロニクス技術が有効か?
★レポート課題について 1.提出期限 一次締切:平成19年1月11日(木) 最終締切:平成19年1月18日(木) 2.レポート課題の概要 サーボモータまたは直流モータを動かすマイコン回路を利用し たメカトロニクス機械を考え,製作する。製作したメカトロニクス機 械の開発コンセプト,マイコン回路,モータ制御方法,プログラム 並びにメカニズムについて説明し,メカトロニクス機械のシステム 設計について考察する。
★レポート課題について 3.グループ 原則として,マイコン回路を製作したグループ(A~F)をさらに2 つに分けて,それぞれサーボモータまたは直流モータを使ったメ カトロニクス機械を製作する。レポート提出は1人ずつとする。
★レポート課題について 4.レポートの内容 提出するレポートには以下の内容が含まれていること。ただし, 必要事項が記述されていれば,構成は問わない。 ①開発コンセプト ②製作したメカトロニクス機械の説明 マイコン回路の概略説明 使用したモータの基本構造 制御方法(サーボ制御またはPWM制御) プログラムの概略説明 メカニズムを含めた全体構造の説明 ③メカトロニクス機械または技術に関する考察 例:メカトロニクス機械を作り上げる際に重要な点は何か。 ④感想
平成17年度:メカトロ製作課題の発表
平成17年度:メカトロ製作課題 (a) 耐震実験装置 (b) メトロノーム (c) マイコン制御野球盤 (d)ステアリング機能付きミニ四駆 (e)ペットボトルのフタを開ける機械
【演習問題】
★ 各グループに分かれて,直流モータまたは R/Cサーボモータを使ったメカトロニクス機械 の案を考えなさい。 *レポート提出用 *実際に作ることができるもの