研修会のプレゼンテーション・ファイル

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LD等特別な支援が必要な児童生徒の
基礎理解とその支援
京都市立西総合養護学校 支援部山元政枝
障害について
福祉制度における障害種別
身体障害
知的障害
精神障害
学校教育における類型
肢体不自由 知的障害 情緒
言語
聴覚
視覚
病弱
特別支援教育の考え方
「場」の教育
盲・聾・養護学校
育成学級
対象を明確にする
障害種別に応じた指導が中心
「ニーズ」から、考えていく教育
躓き 困り
理解や行動の特性
教育的ニーズに応じた
相談・支援
障害とは?
車いすの人が障害を感じる社会は
障害のある社会である
環境との関係
・機能欠損
・活動の制限
・参加の制約
LD・ADHD・高機能自閉症
・LD
(学習障害)
聞く、読む、書く、計算、推論、
特定の能力の習得、使用の困難がある
・ADHD(注意欠陥多動性障害)
不注意 多動性 衝動性
・高機能自閉症
知的機能の遅れがない
社会性のなさ コミュニケーション困難 こだわり
普通学級におけるサポート
LD ADHD 高機能自閉症
学習 学校生活
困り つまずき
適切な
支援・手立て
環境要因が大きい=対人関係でのつまずき
適切な環境設定&サポート ⇒バリアフリーな状況づくり
LD(学習障害)
~環境要因ではない~
① 学力の特異な困難
→読み 書き 算数(計算・推論)
② 話しことばの特異な困難 (聞く・話す)
③ 社会性の困難
④ 運動能力の困難
⑤ 注意集中困難・多動性
ADHD
注意欠陥多動性障害
不注意 多動性 衝動性
→年齢・発達に不釣り合いな注意力、衝動性、
多動性を特徴とする行動の障害…
社会的な活動、学業の機能に支障をきたす…
→7才以前に現れ、その状態が継続し、中枢神
経系に何らかの要因による機能不全が…
ADHD
~不注意が目立つケース~
一定時間注意を保つことが難しい
短時間に記憶・その応用が難しい
話を聞いていない・聞こえていないように
空想しているかのようにぼんやり
細部に注意を払えない・聞き漏らす
集中できない・興味がないとしない
だらしない
忘れ物・なくし物・周りに物が散乱
ADHD
~多動が目立つケース~
一定時間じっとできない
落ち着くことができない
ずっと着席していられない・歩き回る
そわそわ・身体のどこかを動かしている
学習中しゃべっている事が多い
文字・作業が乱雑
場をかき乱す
興味のないことしない
ADHD
~衝動が目立つケース~
自分の言動をコントロールする事が難しい
教師に質問に対して出し抜けに発言
早くやりたい・・・順番が守れない
遊びのルールが守れない
何気なく友達にちょっかい・叩く
高機能自閉症
~アスペルガー症~
社会性のなさ
相手の意図がわからない
コミュニケーション困難 会話のやりとり難しい
興味関心の狭さ・固執 話題が狭い
→他人との社会的関係の困難さ、言葉の
発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のも
のにこだわることを特徴とする….
→知的機能の遅れを伴わない…
中枢神経系に何らかの要因が….
教育上の留意点
環境
~構造化~
→手順 指示 予定が明確
重要なことが際だっている
→視覚的手がかり ヒント
一貫性がある
動機を高める
→肯定的なフィードバック
授業が面白い
→創造的 目新しい 想像力と好奇心
環境 ~構造化~
・1日のスケジュールを具体的に伝える。
時間の流れを視覚的に示す
急な予定変更はできるだけ避ける
・落ち着いた学習の環境
余計な刺激(目・耳に入るもの)を減らす
必要な情報だけに整理整頓
・頻繁に穏やかな言葉かけ
重要なことが際だっている
・視覚的手がかりを使って伝える。
実物・写真・絵・文字
・指示を与える前に、子供の注意を引きつける。
アイコンタクト、ボディタッチなど
・言葉かけは短く、簡単に。
・具体的に、明確に伝える。
一貫性がある
・型にはまった活動・・・わかりやすい
~の時は~
いつも同じパターン
・場合によってよい事が代わる・・・理解しにくい
動機を高める
・自分自身の存在に自信が持てるような
言葉かけ・態度
・クラス全体にお互いを認め合う雰囲気づくり。
周囲の人に認められる場面を設定
得意な面を見つけやる気を育てる
・望ましい行動を教え育てるためには
ほめる すぐほめる
罰を与えるのは得策ではない。
授業が面白い
・学習行動を具体的に教える
・教材・内容・場所を工夫し、変化を持たせる。
・教材提示
言葉・写真、色・形でレイアウトを考え
区切りをわかりやすく目立つようにする
・学習の中でかみ合う部分を見つけ、
必ずできる課題を与える。
個別の指導の要点
漢字の読み、計算など,生活に応用できる課題を選択
学習の動機づけ,あるいは達成感を得やすい課題設定。
-買い物するために計算をする
-自分の住所や氏名はしっかりと書くことができる
個別の学習で取り組み習得できたことを通して,クラス
などでの活躍の場面を意図して設定すると効果的。
個別の学習の場面で,キーパーソンとなる指導者が
すべき行動や日課の約束,できたことの評価をすること
で, ソーシャルスキル習得のきっかけとするのが良い。
ソーシャルスキルの習得 ⇒ 具体的な場面での体験
を通して身につけていく
< ADHD児童生徒の特性 >
Ⅰ行動傾向
Ⅱ学習特徴
不注意
未学習
多動
不足学習
衝動性
誤学習
< 不適応行動 >
騒ぐ
物に当たる
落ち着かない
離席
課題拒否
喧嘩・乱暴
<周囲の反応 >
否定的評価
否定的指摘
叱責
強制的制止
無視
Ⅲ 情緒面
失敗観 挫折感
自己否定 予期不安
<意味>
注目・要求
逃避・防衛
二次的な問題の予防
LD等の子ども
「できない」 「うまくいかない」 「しかられる」
自信喪失 集団不適応 反抗的
不登校
できることで自信を持たせ、二次的な
問題の予防を
生徒の気になる行動への対処
ー基本的な考え方ー
本質は「適応的な行動」がとれないこと
↓
「適応的な行動「望ましい行動)」を育てる
教師が味方になる 規範モデル(他の生徒にも)
言動の意味と背景を理解
得意としている事や好きな事を取り入れる
可能な限り誉める場面を見つける
学習や行動をフィードバックし行動を修正する手がかりに
LD等児童生徒への地域支援
~京都市立学校のサポートシステム~
学校サポートチーム
西・北・東・呉竹 各総合養護学校に設置
<メンバー>
地域支援コーディネーター 副教頭
巡回相談員 指導主事
大学教員
医師
臨床心理士
⇒ 毎月「サポート会議」を開催
ケース検討
巡回相談
支援プラン作成
報告書提出
昨年度のサポート依頼
養護学校のセンター機能
保護者との相談のすすめ方
相談のきっかけは?
★ 先生から勧められて...
★ 関係機関からの紹介
★ 保護者が自ら進んで連絡してくる。
相談者への配慮
不安や困惑が先立つ場合
くわしい情報、学校への期待の大きい場合
⇒ 目標や手立てを具体的な姿で考えていく
⇒ 生徒の行動・言動の変容を評価していく
小学校からの依頼ケース
・ 学びにおける躓き
(書字・計算)
・ 教室での不適応行動
→席を離れる
→多言
→友達に手を出す,トラブル
→不注意
・
不安感の増大
→教室に入れない
→自分はできない と考える
中学校からの依頼ケース
・ソーシャルスキル が課題
(コミュニケーションスキル)
→ 掃除当番ができない
→ 困ったと 言えない
・自己評価が低い
(2次的問題)
→ 回避する行動 意欲減退・反抗etc
→ めざす目標が分からない
保護者からの相談
・ 就学前の療育機関(児童相談所など)や、
主治医からのアドバイスをどう学校(担
任)に伝えるのか?
・ 「LD等の子ども」への支援を受けたいが、
どうすればいいのか?
・ 子育てへの不安や心配が大きい。
中学卒業後の進路が心配である。
依頼のケース①
・小学生低学年
男子
・ 教室で「立ち歩く」「座り込む」など落ち着
かない。
・ 片付けが苦手で,持ち物を自分の席の床に,
ところかまわず置き散らかす。
・ 自分から一方的に話し、他の児童とのコミュ
ニケーション取りづらい。
サポートの具体例①
・ 視覚や聴覚からの刺激が入ると反応する。
環境への配慮が必要。
・ 物を種類ごとに分類する,仕分けた物を
決めた場所に置くというルールが飲み込
めていない(推論の困難さ)。
・ ソーシャルスキル(友達とのやりとり
等)を、設定遊びやロールプレイで体験
から学ぶ。
保護者と優先すべき目標として確認。
依頼のケース②
・小学生低学年
男子
・ 不注意が目立ち、課題の取りかかりが遅いな
ど教室で友達と行動できない。
・ 計算や漢字のドリルは自分のペースでできる。
・ 周りの様子を見て、ゆっくりペースで動く。
言葉の説明では理解が難しい。
サポートの具体例②
・事前に、するべきことを約束する、知らせ
ておくなど、スケジュールの見通しが持ち
やすい様に手立てを打つ。枠組みの限定。
・「うまくできないこと」がクローズアップ
されない環境の設定が必要。
・クラスの中で、活躍できる場面を意図して
設定し、自己評価と他者評価を同時に高め
ていく。
依頼のケース③
・中学生
男子
・ 授業中、得意なことには取り組むが、全般に
学習への意欲が減退している。
・ 友達とのかかわりを求めているが、周囲の評
価を強く気にしている。
・ 大人への反発的な行動言動が、ささいなきっ
かけで出てしまう。
サポートの具体例③
・本人の達成感を得られる、適切な評価を分
かりやすく(即時的、視覚的に)提示する。
・ソーシャルスキル(コミュニケーションの
取り方など)に焦点化した、支援の実施。
・中学校進学後の学習目標の明確化。
⇒保護者へのサポートと小・中連携
の推進
LD等児童生徒への継続した支援
・乳幼児期の気づき ⇒
・小学校での躓き
⇒
・進級進学の躓き
⇒
・2次的な躓き
⇒
・将来への不安
⇒
・社会生活への不安 ⇒
アセスメントが必要
早期の支援
支援の継続
自尊心を高める支援
達成感の積み重ね
自信と安心のフォロー
子どもの育ちの観点 = 子育てへの家族支援