(0-2)の延長 ②舌骨上筋群の活動時間(AC)

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Transcript (0-2)の延長 ②舌骨上筋群の活動時間(AC)

延髄外側梗塞における嚥下障害
(Wallenberg’s Syndrome)
4班
高 高嶋 高野 高橋(圭)
高橋(憲) 岩村
目的
Wallenberg’s Syndromeの嚥下障害について
その病態生理学的機構について知る
実験方法
被験者:
・Wallenberg’s Syndromeの患者20人
・片側性大脳半球麻痺(HS)の患者20人
・片側性舌咽、迷走脳神経麻痺の患者20人
・健常者20人
→以上の80名を2年間にわたって研究
実験方法
実験内容
・被験者の嚥下状態を臨床的に調査する
・被験者に一定量の水を座位にて嚥下してもら
い、嚥下限界量を調べる
・その際の筋電図をとり、嚥下の様子を電気生
理学的にも調査する
嚥下障害に関連した主な臨床的所見
臨床的所見
WS患者
発声障害
(%)
HS患者 (%)
HSvsWS
17
85
14
7
35
2
9
0.041
16
30
10
46
0.021
食塊を制御できない
6
80
14
64
0.029
口蓋麻痺
7
35
4
顔面運動の減退
3
15
12
55
0.008
口腔咽頭感覚の喪失
13
61
7
32
0.032
唾液貯留
12
60
13
59 ・・・
喉頭挙上の遅延
12
60
11
50 ・・・
4
20
2
9 ・・・
湿声、湿性嗄声
咳反射の減退
肺炎
声帯麻痺
舌運動の減退
20
・・・
100 ・・・
64 ・・・
17 ・・・
・・・
11
50 ・・・
あるWallenberg’s Syndrome患者の嚥下限界量
・上段のトレースは喉頭のセン
サーの動きを示す
・下段のトレースはオトガイ下
筋のセンサーの動きを示す
この患者が1回の嚥下
で飲み込めるのは<3
ml
5ml、10ml、15ml、
20mlでは嚥下の重複
が起こった
他の被験者の嚥下限界量
Wallenberg’s Syndrome患者グループの嚥
下限界量は全員が20ml未満
→臨床的な嚥下障害
嚥下限界量1mlという人が、Wallenberg’s
Syndrome患者の40%にも及ぶ
HS患者グループにおいても、80%の人が病
的な嚥下限界量(<20ml)
嚥下限界量の変化
嚥
下
限
界
量
一回目
二回目
喉頭のセンサー
•嚥下反射における喉頭の移動時
間(0-2)の延長
コントロール
→ワレンベルグ症候群で明らか
舌骨上筋群筋電図
に延長
•舌骨上筋群の活動時間(A-C)の
延長
片側性大脳半球麻痺
→嚥下咽頭期誘発時間(A-0)の
延長と嚥下反射における喉頭の
移動時間(0-2)の延長
ワレンベルグ
症候群
嚥下咽頭期の延長
舌咽Nと迷走N
の神経麻痺
随意運動
①嚥下反射における喉頭
の移動時間(0-2)の延長
②舌骨上筋群の活動時間
(A-C)の延長
③嚥下咽頭期誘発時間(A-0)
の延長
咽頭期の延長
反射運動
ワレンベルグ症候群患者と健常者との比較
・水3ml嚥下時の咽
頭のセンサー・シグ
ナルと舌骨上筋群の
筋電図
・0-2間と嚥下のjitter
がWSでは増加
TABLE2
健全者と患者より得た3mlの水を嚥下の統計学的分析のまとめ
(ワレンベルグ症候群)
(片側性大脳半球麻痺)
(コントロール)
①ワレンベルグ症候群での0-2 intervalと
0-2 interval=喉頭の移動時間
A-C interval=舌骨上筋群筋電図の持続時間
A-C intervalの著名な延長
② A-0 intervalは、血管障害の患者(ワレ
ンベルグ症候群、片側性大脳半球麻痺)の
A-0 interval=嚥下咽頭期誘発時間
jitter=5回の嚥下の変化性
増加
③ワレンベルグ症候群でのjitterの増加
→口腔咽頭の嚥下の神経機構の安全性
の低下を示している
嚥下機能に関わる神経機構
大脳
舌下神経
末梢
孤束核
疑核
咽頭神経・迷走神経
延髄
咽頭筋、喉頭筋、舌筋など
考察
上の図はLMI(延髄外
側梗塞)により影響され
る領域とNTS(孤束核)
とNA(擬核)の関わりを
示す
下の図は前運動神経と
その同側の第Ⅴ、Ⅶ、
Ⅸ、Ⅹ、ⅩⅡ脳神経と、
対側の疑核を示す
考察
疑核
LMI
孤束核
大脳皮質
疑核
疑核
孤束核
LMI(延髄外側梗塞)に
よりWSがおき、嚥下筋
の両側性機能不全を引
き起こす
LMIでは、疑核と疑核の
前運動神経とそれと繋
がる神経が影響をうける
嚥下関連脳運動神経
(5*7*12)や対側の疑核
との遮断→
WSにおける嚥下障害
考察
疑核
LMI
孤束核
大脳皮質
疑核
疑核
孤束核
結論として、WS患者に
おいて、嚥下障害として
みられる機能不全は疑
核の中や周りの前運動
神経の遮断と関連してい
る
しかし、延髄における残
りの障害のない同側の
前運動神経や対側の領
域が嚥下障害を操作し、
回復へ向かうという可能
性も考えられている。
おわり