Transcript 2008春季(江村)
ガンマ線バースト偏光検出器GAPの
詳細設計と性能評価
金沢大学 江村尚美 村上敏夫 米徳大輔 藤本龍一
青山有加 児玉芳樹 藤本大史
理研
三原建弘
山形大学 郡司修一 門叶冬樹
目次
ガンマ線バースト(GRB)偏光検出機GAPのデザインの最適化
性能を左右するパラメータ
→ 検出効率 モジュレーションファクタ LD
宇宙空間でのGAPが受けるバックグラウンド
光子バックグラウンド(CXB) 粒子バックグラウンド(CR)
衛星本体からの散乱による影響
GAPによるGRBの偏光観測期待数
BATSEのカタログから1972イベントについてFluxと観測時間か
ら計算する
EGSシミュレーション
hとMの関係
①検出効率h
検出器に入射した光子のうち
偏光観測に使える光子の割合
②モジュレーションファクタM
d
r02 (1 sin2cos2)
d
Nmax Nmin
sin2の振幅
M
Nmax Nmin 強度分布の平均
hを良くするためには、散乱体から吸収
体を見こむ立体角を大きくする
相反する!
Mを良くするためには、散乱体から吸
収体を見こむ立体角を小さくする
EGSシミュレーションの結果
model1
model2
model3
35mm
70mm
f140mm
検出効率h
f50mm
f50mm
モジュレーションファクタM
プラスチックシンチ
レータのThreshold
は7 keV
プラスチックシンチ
レータとCsIシンチ
レータの同期イベン
トを読み出す
モデル3,4,5について テーパーが付くと…
•反応する体積が減るのでhは減少する。
•Mの高い中心付近での散乱光がCsIまで届きやすくなりMは増加する。
•Mの低い外側付近の体積が減るので、Mは増加する。
検出可能最小偏光度
(MinimumDetectablePolarization)
T
3 23 2hFS B1
MDP
MDP
MM
hS
FSTFT
100
%% h
100
LDレベル
LD=10.5keV
テーパーなし
F:GRBのフラックス S:有効面積
B:バックグラウンド(CXB+CR)
T:観測時間
M ηが大きいほど
Energy [keV]
テーパーあり
LD=8.5keV
低い偏光度の光源でも
検出できる
Energy [keV]
テーパー加工でLDが改善された
テーパーを付けるほ
ど性能は良くなるが、
衛星に載せる検出器
として、安全な形
バックグラウンドのレートの見積もり
光子バックグラウンド(CXB)
Gruber et al. (1999)
ApJ, 520, 124
7.877 E–1.29 exp(-E/41.13) … (3 – 60 keV)
N(E) = A (E/60)–6.5 + B (E/60)–2.58 + C (E/60)–2.05 … (> 60 keV)
(A = 0.0259/60, B = 0.504/60, C = 0.0288/60)
[photon/keV/cm2/sec/str]
CsI : 67.9 [Hz/CsI] × 12枚 = 815 [Hz] …30~300keV
プラシンチ : 570 [Hz/Plastic] …7~300keV
粒子バックグラウンド
N(E) = 2 x 10–4 [cts・n/cm2/s/str/MeV]
CsI : 32.5 [Hz/CsI] × 12枚 = 390 [Hz]
プラシンチ : 193 [Hz]
CsI
プラシンチ
合計
光子BGD
815Hz(LD=30keV) 570Hz
1385Hz
粒子BGD
390Hz
193Hz
583Hz
1585Hz
1585Hz
GRB
(10photon/cm2/s)
衛星本体からの散乱光子の影響
GAP + 燃料タンク(Al) に入射
GAPのみに入射
GRB
燃料タンク(Al) のみに入射
タンクからの散乱
光子の影響は、
GRBのカウント
の2%
散乱光子
スラスタ用
燃料タンク
GRBの偏光検出期待数
3 2
MDP
M100%
hFS BT
前方の立体角60度以内のGRB
前方の立体角30度以内のGRB
hFST
BATSEのカタログに掲載されて
いる1972イベントのGRBにつ
いてFluxとT90を代入する。
金星まで約200日かけて接近する。
その後、通信が途絶えるまで運用
検出器の前方の立体角30度以内
GRBが40%の偏光度 運用1年で1.5event
60%の偏光度
3event
斜めから入射する場合
強度分布が検
出器の形状の
影響を受ける
補正を行い
偏光度を求める
まとめ
•テーパー加工を施すことでモジュレーションファクタMが良くなる
→MDPが良くなる
•テーパー加工を施すことでLDが改善される
→実験から明らかになった
•衛星本体からの散乱は見込む立体角が小さいため効かない
•1年間の運用でGRBの偏光観測が可能
2010年5月
打ち上げ予定