光の性質と色

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光の性質と色
分光分布
光の特性を表す
白熱電球の分光分布は、長波長域のエネルギー量が
多いため、光の色は赤みの黄であることがわかる
分光反射率曲線
物体の色の特性を表す
リンゴの色は、反射率曲線に高低差があるため彩度が高
く、反射率では橙から赤の成分である長波長域が高い
物体に当たった光の反射と吸収
約380~600nm
の波長の光の多く
が吸収される
青紫 藍 青
緑
約600nm以上の
長波長域の光の
多くが反射される
黄
橙
赤
反射
吸収
分光反射率曲線で見る色
無彩色である白、灰色、黒は特定の波長域
の光だけを反射したり吸収したりしないことか
ら分光反射率曲線は水平に近くなる
分光反射率曲線で見る色
有彩色の場合、反射率の高さと色の明るさは
必ずしも一致しない
視覚系の構造と色
視細胞の分布
錐体
黄斑部分の中心窩に集
中して分布し、10°付
近までに密集
杆体
網膜全体に広く分布し、
中心窩から20°付近に
分布のピークがある
視細胞の分布
フィル・イン
錐体も杆体も分布
していない部分
視神経乳頭=盲点
錐体細胞は中心窩
以外の部分では
色の感度が低い
欠けた部分を周囲の情報が埋め
る
フィル・イン
錐体の波長別感度
S錐体 B(青)短波長の光
錐 M錐体 G(緑)中波長の光
体
L錐体 R(赤)長波長の光
分光感度(錐体の感度曲線)
S錐体、M錐体、L錐体の波長別の感度を
グラフ化したもの
私たちの色感覚は
B(青)、G(緑)、
R(赤)の三つの感
覚により生み出さ
れている
2.0
S錐体
1.5
M錐体
感
度
1.0
L錐体
0.5
0
400
500
波長(nm)
600
700
視細胞の感度
視感効率(視感度、比視感度)
視細胞がどの波長の光に対して、どのくらいの
感度があるか→視感効率(視感度、比視感度)
分光視感効率曲線
網膜上の視細胞(錐体・杆体)が、どの波長の
光に対してどのくらいの感度があるかをグラフ化
したもの
1.0
明所視(明順応)
錐体視の視感効率
暗所視(暗順応)
C 杆体視の視感効率
I
E
分
光
視
感
効
率
0.5
507
555
0
400
500
波長(nm)
600
700
視物質
杆体にある視物質をロドプシン(視紅)という
光が当たると退色し、分解されるが、暗くなると
再び合成される
L錐体→赤オプシン
錐体の
M錐体→緑オプシン
視物質
S錐体→青オプシン
明順応、暗順応
周囲の環境に眼が慣れること
暗さに眼が慣れること→暗順応
完全に順応するには30分程度
明るさに眼が慣れること→明順応
順応は数分で完了
明所視、暗所視、薄明視
明所視 明順応した眼が錐体だけで見ている状態
(錐体視)
暗所視
暗順応した眼が、杆体だけで見ている状
(杆体視) 態
薄明視
明所視から暗所視に変わっていく中間の
状態
プルキンエシフト
明るい場所では長波長の光に対する感度が高
く、暗くなると短波長の光に対する感度が高くな
る→プルキンエシフト
プルキンエ現象
暗くなるにつれ短波長の色が明るく
鮮やかに見える現象
色順応
周囲の色に眼が順応すること
網膜上の錐体の感度が調整されることにより
起こる現象
白熱電球で照明された部屋に入ると、最初は部屋全体
が黄みがかって感じられるが、時間とともに眼が慣れる
サングラスをかけると、最初は風景の色が変化して感
じられるが、やがて眼が慣れて違和感を感じなくなる
色の恒常性(色彩恒常)
照明光が変化しても物体の本来
の色を推測して見ることができるこ
と
私たちの脳が対象から眼に反射してくる光を、周囲の
照明環境から推測して見ているために起こる現象
白い紙を蛍光灯の下で見ても、白熱灯の下で見ても、
白く感じる
白い壁は夕焼けの赤い光の中で見ても、白く感じられる
照 明
照明の表し方
照度
光源に照らされた面(場所)の明るさ
を表す
単位=lx(ルクス)
光源からの距離が離れると照度は減少する
照明設計の基本となり、JIS規格によって
場所や作業内容ごとに 照度基準が規定さ
れている
照明の表し方
光色
照明の光の色みのこと
光源の分光分布で知ること
ができる
短波長域の
成分が多い
青みの光
長波長域の
成分が多い
赤みの
光
照明の表し方
色温度
熱を加えたときの物体の温度とそこから発す
る光の色を、色の表示と結びつけたもの
単位=K(ケルビン)
色温度
光色
高い
青白い
低い
赤みを帯びる
照明の雰囲気と色温度、照度
室内の雰囲気は光源の色温度
(光色)によって大きく変化する
色温度
が高い
色温度
が低い
クールで
さわやかな印
象
暖かく
落ち着いた印象
演色と演色性
光で照明された物体の色の見え方を演色という
物体の色の見え方に影響を与える照明光の
特性を演色性という
演色と演色性
演色評価数
光源の演色性は演色評価数で表し、一般に
平均演色評価数Raで示される
・最も高い演色評価数は100
・一般的に80を越えると演色性がよいとされる
・基準光として自然昼光、白熱電球
演色と演色性
明るさ感と演色性
演色性の違いによる明るさの感じを明るさ感という
一般的に物の色の彩度が高いと明るく感じられる
ランプの種類
新しい光源
LED
1993年に、高輝度青色発光ダイオードが量産
化されたことにより、光の三原色である赤・緑・青
が揃い、様々な色の光を作ることができるように
なった
発熱が少なく、長寿命
波長域が可視光線の範囲内
ランプの種類
白熱ランプ
白熱電球 色温度が2800K程度のやや赤
みを帯びた暖かみのある白色光
演色性に優れる
光の量を自由に調節でき、
変化に富んだ照明が可能
白熱 ホワイトラン ・・・まぶしさが少なくソフトな光
電球 プ
クリアランプ
・・・きらきらした装飾的な光
ランプの種類
白熱ランプ
ハロゲンランプ
ランプが小形で明るく、経済的で長寿命
色温度が白熱電球よりも高い
高演色性で高級感のある
光
商業施設の照明や看板、サインなどの照明な
どに用いられる
ランプの種類
蛍光ランプ
蛍光ランプ
光色の種類が豊富で様々な色温度のものがあ
る
白熱ランプよりも効率がよく、寿命が長い
消費電力が小さい
高演色形
蛍
光
3波長域発光形
ラ
ン
普通形
プ
ランプの種類
メタルハライドランプ
HIDランプ
スタジアムや体育館
などのスポーツ施設
高効率、高演色、大光量 高演色タイプはデ
パートなどの店舗照
明
水銀ランプ
白熱電球の約3倍の
発光効率、長寿命
演色性が悪い
道路、公園、工場、倉
庫の照明
ランプの種類
HIDランプ
高圧ナトリウムランプ
長寿命、高効率、大光量
スポーツ施設、道路
照明、景観照明のライ
アップなど
山岳道路や高速道路
低圧ナトリウムランプ のトンネル内の照明
高効率、霧や煙の中での など
光の透過性が高い
オレンジ系の単色光で演色性が悪い