Center2001 - kurimoto.ddo.jp(DO!.jp)

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青少年赤十字とトレーニン
グセンターの運営
その指導理念と方法論
日本赤十字社
歴史的背景
Historical Background
 1914~18年
第一次世界大戦の教訓
 1919年 五大国赤十字社会議
(ウィルソン大統領呼びかけ)
 1919年
赤十字社連盟の創設
 1922年 青少年赤十字の創設決議
(学校組織の中に結成)
少年赤十字の加盟第1号(滋賀)
青少年赤十字に関する
国際決議 Resolutions on Junior Red Cross
 赤十字社連盟総会の決議(1922)
(青少年赤十字の創設)
『青少年赤十字は、新しい平和の文明の備え
をするために、健康の増進と青少年間にお
ける人間相互の連帯という国際的な精神を
養うことを助成することにおいて、最も有
効な要素の一つである。
 すべての国の赤十字社が、青少年メンバー
の条件はその国の学校組織にそれぞれ適応
させるものとし、青少年赤十字として児
童・生徒を登録する組織づくりに努力する
よう勧告する。総会はこの運動の本来的な
指導者であり、その成功がその協力にか
かっているところの教職にあるメンバーの
見解に沿うことに、この問題の基本的な重
要性を認める。
『青少年赤十字は、その国の子ども
たちに平和の理想と、特に自分自身
と他人の健康への注意に関する奉仕
の実践、市民としての、また人間と
しての責任の理解と受容、及びすべ
ての国の子どもたちに対する友好的
な扶助の精神の育成と維持とを教え
ることを目的として組織される。』
目 的
Aims of JRC
 人の命と健康を大切にし、互いの尊厳を尊重
できる子どもの育成
 世界の平和に貢献できる子どもの育成
赤十字の理念を基盤
方法論
人道的価値観を身につけた青少年
実践目標と態度目標
(人の命と尊厳を大切にする価値観を基盤)
赤十字の理念
3つの実践目標
3つの態度目標
3つの実践目標
 健康・安全
 人の命と健康、尊厳を大切にするための活動を通
じた青少年育成
 奉仕
 地域社会や地球規模の諸問題の解決に貢献・奉仕
する活動を通じた青少年育成
 国際理解・親善
 世界の友達と仲良くでき、平和な世界の建設に貢
献する活動を通じた国際的に通用する青少年育成
3つの態度目標
気づき、考え、実行する
トレーニングセンターの役割と
青少年赤十字の機能
 主体的生活態度を身につけたメンバーを育成
する(リーダーシップを養う)。
 赤十字の歴史、諸原則及び国際人道法に理解
を深める。
そのために青少年赤十字の指導理念、方法論を
活用する。
目的:赤十字精神に基づいて青少年に人道的
価値観、生活態度を育み、人類の平和と福祉
に貢献できる人材を育成する。
青少年赤十字の指導理念
1.「自主自律」の精神の育成
・精神的、肉体的、社会的に自立した
個人として行動できることを目指す
・自分の行動を管理する(自己管理=
自律)能力を養う
・行動への責任の自覚と受容
自立した個人
2.ボランタリー・サービス
利己的動機によらない自発的な行動によ
り様々な問題の解決を図ろうとする行為。
・社会(集団)の一員であることの自覚
社会(集団)とともに生きる方法。
問題解決の手法。
・ニーズの発見~行動へのプロセス
3.先見の重視
いつ,どんなことが合っても,事態に
対処できるように日頃から備えて
おくこと。(赤十字の創設)
・先見の時間
・5分前行動
・注意深い生活態度
危険予知、危険回避、安全対策
4.号令・指示のない生活
他人に指示されて行動するのではな
く、自ら主体的に必要な行動を自発的
にとれるようになることを目指す。
・合図のない生活
・掲示板方式
必要な情報を注意深く自発的に選
する
択
5.待ちの姿勢
本人の気づきを待つ姿勢です。自分自
身が問題、ニーズを発見し、納得する
ことが、その後の取り組みのモチベー
ション(姿勢。意欲)を高める。
・投げかけ、ヒント、アドバイス、
・技術、知識の伝達との違い
6.人道の4つの敵を克服する
赤十字の人道活動の障害となる私たちの内に
ある4つの要素とは?
利己心
:自分さえよければという心
認識不足
:事実を知らないということ
無関心
:関わりたくないという心
想像力の欠如:相手のことをわかろうとする心
【問い】なぜ、これらが敵なのか。これらを克服するため
に、私たちはどうしたらよいかを考えてみよう。
課題】私たちの周りで、次のことが原因
でおこっていると思われる事件、出来事
があれば挙げて見ましょう。
利己心:
認識不足:
無関心:
想像力の欠如:
7.赤十字の基本原則を理解する
特に公平と平等、比例の原則と差別につ
いて考え、理解を深める。
課題】
例)差別はどんなもの、公平、平等っ
てどんなことか考えてみよう?
事例1)ある管理者の指導
部下A】あなたはトムやビルには、管理型の指
導を強くだしていますね。なのに何故、
スミスやケントには同じ手法をつかわな
いのですか。
課長】私は、スミスやケントには、特定の問題
をどう解決すべきかとか、個々の仕事の
達成をどうやるべきかに口だしはしな
い。彼らの思考を広げ、自ら責任を負う
ことを奨励するような質問をして、自ら
自分の解決案に到達するように援助して
いるのです。
部下A】すると、トムとスミスでは扱い方が
違っているということは、一貫性にかけ
るということにならないでしょうか。
課長】いや、一貫しているとも。最も、私の一
貫性の定義は、君のとは異なっているよ
うに思うけど。君の定義では『誰も彼も
同じように扱うこと』が一貫しているこ
とだというように聞こえるが、私の定義
では『類似の状況では同じようなリー
ダーシップスタイルを使うこと』なんだ
よ。
部下A】ですが、人によって扱い方が異なるの
は不公平ではありませんか。
課長】あの壁にかかっている額を見てごらん。
--そこには、課長の好きなエマー ソン
の格言が掲げてあった-----平等でないものを
平等に扱うことほど
不平等なことはない。
参考: K.ブランチャード他著『一分間リーダーシップ』
行政機構とNGO活動の特性
行政機構:
すべての国民に平等に対応しようとする傾
向がある。一人一人のニーズの多様性に対応
することは制度として困難。一貫性を重視
NGO、ボランティア活動:
人々を状況により、平等、かつ公平に扱う
ことが可能である。一人一人のニーズの違い
にきめ細かな対応が可能である。柔軟性を重
視。
課題】次の文章のカッコの中の
適切な方を○で囲みましょう。
1.選挙権は、すべての成人に(平等、公平)
に与えられなければならない。
2.言論の自由は誰にも(平等、公平)に与え
られるべきだ。
3.地震の被災者に対する援助は、
(平等、公平)に行き渡るようにしなさい。
4.健常者と障害者への対応は、
(平等、公平)でなければならない。
JRCの理念と方法論の関係
人道的価値観を
身につけた人間
自立した個人
行
動
理 念
(赤十字精神・原則)
方法論
(VS方式、先見、
指示のない生活、
態度目標、etc.)
「ちかい」とJRCマークの
指導について
・『ちかい』の扱いは:
やらねばならいのか
・マークの意味は
意味づけは、どう指導したら
・朝のつどいの意味は:
なぜ「つどい」をやるのか
朝のつどいの効果とねらい
朝のつどいには、次のような効果、ねらいがある
と考えられます。
1.モチベーション高揚効果
一日の初めに当たり、同じ目的のもとに集
まった集団が、共通の目標に向かって共に頑
張る意識を確認しあう。
2.生活リズム創出効果
集団生活に規律とリズムを作り出す。
3.健康確認効果
一日の初めに各自の健康状態を確認しあう。
スタディーセンターの
最近のプログラムから
リーダーシップ関連
①グループワーク
「バスは待ってくれない」
「アイドルを探せ」
②問題発見
自分発見:自分とは誰だろう(ジョハリ
の窓活用)
問題発見シート:何が問題なのか。
国際人道法関係
非暴力キャンペーンポスターの作成,ワークブッ
クの活用
健康安全関係
①救急法、家庭看護法の講習
災害救護炊き出し体験
①みんなで作るハイゼックス食(昼食兼)
国際理解関係
①開発ゲーム
先進国と発展途上国の資源格差をパンを
使って体験する。
②世界の子どもたちの実情学習
世界の子供の死亡原因について考える。
世界の子供の病気とネパールの現状を理
解。ORSを作ってみる。
③海外派遣員の体験を聞く
ラオスの血液事業支援、カンボジ
アの地雷犠牲者支援
④国際電話でインタビュー
ペルー、ネパール、バングラデシュ、カン
ボジアの派遣員と
ノーマライゼーション講座(障害者理解)
①視覚障害、聾唖職員による講座
視覚障害者向けの商品開発、講話
簡単な手話講習、ゲームその他
各種グループワーク
①ロビンソンクルーソーの悩み
人間BHNについて考える
②未来への大波紋ゲーム
ある出来事が社会や世界に及ぼす
影響を創造性豊かに考える
③ニーズ発見ミニツアー
研修施設近郊のニーズ発見のため
のミニ調査を実施する。
④ディベート
ボランティアの義務化の是非について
野外活動、レクリエーション等
①風船バレーボール
障害者と共にできる風船バレーボールのトーナ
メント試合
②石割山登山、
三国山チャレンジハイキング
4~5キロのコースにチェックポイントを設置、
ちょっとハードな登山ハイキングを体験
集い、アイスブレーキング、
①英語ラジオ体操ほか
The end of part 1
ジュネーブ条約の条文
 『この条約に加盟した国は、この条約
の原則を自国のすべての住民に知らせ
るため、平時であると戦時であるとを
問わず、自国においてこの条約の本文
をできる限り普及させること、特に、
軍事教育及びできれば、非軍事教育
(一般教育)の課目の中で、この条約
の研究を含ませることを約束する。』
(第4条約144条ほか)
赤十字国際会議の決議
(各国政府代表、各国赤十字代表参加、決議)
 『1949年の第4ジュネーブ条約の144条
は、本条約の文面および精神を全国民
に知らせることが本条約を批准した政
府の義務としているのに鑑み・・・ま
た、青少年層をジュネーブ条約の精神
において教育することが緊急であるの
に鑑み・・・
赤十字国際会議の決議
 青少年赤十字がジュネーブ条約を青少
年間に普及するための最も効果的な手
段の一つであることが教育関係者に
よって認識されるようにすること、そ
して政府との交渉にあたり、各社は赤
十字の歴史と目的及びジュネーブ諸条
約の基本原則のための時間を組み入れ
るよう努力することを勧告する。』
(決議第29、ニューデリー、1957年)
青少年への人道教育
 『代表者会議は、人類が国際理解と平
和を達成するためには、青少年に人道
の諸原則を教えるのみならず、これら
の原則を実践する機会を提供すること
が必要であると考え、
 赤十字は、ジュネーブ諸条約に現れて
いる理想と価値とにより、かつ生命を
保護するための事業によって、人道主
義の教育に具体的に有効に貢献しうる
と考え、この分野における教育者の重
大なる役割と赤十字が提供しうる諸手
段とを認め、以下のことを勧告する。
世界教育者会議の決議
 『各国赤十字社に対し、学校当局に対
し友人の奉仕に関する関心を喚起し、
教育を与えることに努める者からなる
青少年赤十字委員会の設立を奨励する
こと、教育者に対し青少年赤十字活動
を利用して青少年に人生の目的と問題
に対処する機会を与え、他人に対する
責任感を喚起することを勧告する。』
(決議B、ローザンヌ、1963年)
 この考え方は、赤十字の発展途上国への援
助 に も 当 て は ま り ま す 。 「 教 育 (education)」とは、「本来、その人間がもって
いる能力を引き出す」という意味があるよ
うに、子どもたちが自ら学んでいくことを
支援すること、つまり「自立への支援」が
青少年赤十字の基本的な考え方なのです。