発表資料 - 東京工業大学 長谷川晶一研究室

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Transcript 発表資料 - 東京工業大学 長谷川晶一研究室

University of Electro-Communications
Human Interface section
エンタテインメントは
工学になりえるか
電気通信大学 知能機械工学科
長谷川 晶一
工学とは
 工学とは
 科学、特に自然科学を利用
 実用的で社会の利益となるような,手法・技術を発見・発明
 自然科学
 一般的な法則をみつけだすこと
 自然科学の対象となるには
 「再現性のある定量的な計測」
+推計学(部分集団から母集団を推測)
物理・化学・・・
生体・心理・社会・・・
エンタテインメント工学でできることの候補
工学ができること
評価,予測,構成
エンタテインメントの評価・予測
計測法
計測・予測モデル
エンタテインメントの構成
設計モデル
設計法
エンタテインメントのモデル
エリス (M. J. Ellis)
遊びは重要 → 遊び行動に影響する要因を遊びを促進するよう
操作すべき
遊びについての理論を整理
ホイジンガとカイヨワ
遊びの行為に着目して遊びを議論
– 定義:自由な,隔離された,未確定,非生産的,規則のある,
虚構の,活動
– 分類:競争,運,模擬,眩惑
遊びの本質 楽しさについては説明しない
覚醒不足 最適覚醒
エリス:最適覚醒
=楽しい
感覚遮断の知見
遊び
– 独り言 口笛 幻覚…
低 情報負荷
過覚醒
休息
高
エンタテインメントのモデル
 エリス
 遊びとは最適覚醒を
維持するための活動
楽しさ
もの足りない
情報負荷
チクセントミハイ
(M. Csikszentmihalyi)
フロー
 没頭している状態
たくさんの人に
聞き取り調査
手に余る
心配
挑戦
スキル
フロー
退屈
スキル
エンタテインメントの分類
 1.植物にも見られる活動
 休息,癒し,リラックス
情報負荷
減
 温泉,日光浴,睡眠,ぼーっとする.
 2.動物に見られる活動
 緊張と弛緩
 お化け屋敷,ホラー,ジェットコースター,バンジージャンプ
 3.脳を持つ生物に見られる活動
 学習,遊び
 play 動機→学習(練習・思考)→達成,ゲーム本来の面白さ. 情報負荷
増
 狩猟(追跡,逃亡,etc...),パズル,整理,もの作り
 4.社会的動物に見られる活動
 情報交換,追体験,共感
 おしゃべり,小説,映画
エンタテインメントのモデル
 エンタテインメントをインタラクティブシステムと考えると
感覚入力
環境
行動
計測可能
情報負荷を計算できるか?
人
計測可能
情報負荷の制御入力?
情報負荷が上手く調整できている ⇒ エンタテインメント性が高い
(楽しい)
 計測と制御
 調整,評価,予測
 ゲームのレベルデザイン(難易度調整)
 作業のエンタテインメント性の評価
 システムの設計
 インタフェース・インタラクションの設計支援
難しさ
問題点
情報負荷= f(感覚入力)
感覚入力
環境
行動
は,学習により変化
計測可能
情報負荷を計算できるか?
人
計測可能
情報負荷の制御入力?
個人差も大きいかもしれない
定量的な計測は可能か?
脳計測?
エンタテインメントの構成法
設計
制作
設計
情報負荷の中身をどう作るか
ゲームのデザイン(設計)
開発フロー
役割と構造
H20.3
DCAJ
デジタルコンテンツ制作
の先端技術応用に関す
る調査研究報告書
5.コンテンツ管理技術
(フロムソフトウェア
三宅陽一郎)より
面白さのデザイン(設計)
 宮本茂(任天堂)のゲーム制作手順
 実験を少人数でやる(ゲーム設計者+プログラマ)
 実験しなくても分かることは実験しない
 完成形が読めるようになってから大勢でやる
 敵や演出に関することなどをあとから詰め込む
 Electric Arts: BOOMBLOX
 ホワイトボードでアイディアを書き連ねる
 1日のうちにいくつもプロトタイプを作っては試す
 ゲームの要素とその組み合わせ方
暗黙知 → 形式知にできないか?
要素の分類:情報負荷の種類
脳の機能だけ,
面白さの要素=情報負荷があるのでは?
ミンスキー「心の社会」
→ 脳の機能を単純な機能のエージェントたちの
社会として説明
エージェントの数は? そもそも数えられるのか
数が多いだけで数え上げ可能かもしれない.
無限かもしれない.
連続なものの一部に名前を割り当てただけかもしれない.
デザイン(設計)の工学
 デザインを扱う先輩分野
 建築
 ヒューマンインタフェース
 ソフトウェア工学
 ガイドライン
 B. Shneiderman: ユーザー・インタフェースの設計
―使いやすい対話型システムへの指針
 悪くないシステムを作るのには良い
 要素の研究
 iPhoneの要素(Multi touch)は,研究として発表されている.
 デザインパターン
 頻出する要素とその組み合わせのパターン
 ソフトウェア工学で成功,HCI・ゲーム開発では発展途上
デザイン(設計)の工学
 デザインを扱う先輩分野
 建築
 ヒューマンインタフェース
 ソフトウェア工学
 ガイドライン
 B. Shneiderman: ユーザー・インタフェースの設計
―使いやすい対話型システムへの指針
 悪くないシステムを作るのには良い
 要素の研究
 iPhoneの要素(Multi touch)は,研究として発表されている.
 デザインパターン
 頻出する要素とその組み合わせのパターン
 ソフトウェア工学で成功,HCI・ゲーム開発では発展途上
要素は,コンテンツ?メディア?
 メディアアート
 コンテンツとメディアが別れていない.
 デバイスアート
 1:部品や技術、ツールを隠さず、それらも含めてコンテンツとする。
 2:デバイス(装置)やガジェット(小物)の形で日常生活の中に入ってゆく。
 3:発想の背後に、日本的な感性とモノづくり伝統がある。
 ゲーム
 プログラムの中に,メディアな部分とコンテンツな部分がある
Ex:ジャンプ動作の気持ちよさ,移動時の加速感
要素とパターンのカタログが欲しい
制作支援(生産技術)
 制作支援
 ツール
⇒生産技術
最近ゲーム開発
の場合需要は
デザイン:生産
=1:100くらい
(人数比)
制作支援(生産技術)
 工業製品との違いは何か?
⇒性能の評価
 面白さ
 感動
 情動
 リアリティ
 自己投射性
「Kobito」のキーフレームとシミュレーションによる動作生成
 中身に踏み込まない支援
 その道のプロの知識をまとめる
 知識工学・エキスパートシステム
 その道のプロにとって使いやすい道具を作る
 モデリングツール etc.
まとめ
エンタテインメントを計測・制御できる可能性
エリスの最適覚醒と情報負荷の話
再現性のある計測は可能か?
エンタテインメント計測用の人間モデル
エンタテインメントの構成支援
要素とパターンのカタログが設計に役立つ可能性
評価・調整には,計測技術が役立つ可能性
最近のゲーム産業は,生産技術を求めている
CEDECラボのご紹介
 CEDECとは
CESA=ゲーム産業の業界団体の開発者向け講演会
 主な対象:プログラマ,アーティスト,デザイナ
 ゲームとゲーム開発の実際が良く分かる
 完成したゲームをどうやって作ったか
– コナミ Metal Gear Solid 4, ナムコ Soul Edge … グラフィック,モーション…
 技術のチュートリアル
– グラフィクス,物理シミュレーション,AI,幾何学 ...
 CEDECラボとは
 大学などの研究者の講演(研究紹介・チュートリアルなど)
 A+E研究会からもプログラム委員会に参加
 詳しくは 「CEDECラボ」 をGoogle検索してください