「未来を創る環境技術」 講義資料

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北方-ひびきの連携講義 「未来を創る環境技術」
バイオ燃料の製造技術
国際環境工学部・エネルギー循環化学科
朝見 賢二
講義の概要
自己紹介 (学科紹介)
 環境・エネルギー問題とバイオ燃料
 内燃機関とディーゼル燃料
 新しいバイオディーゼル製造法 1
BTL法 (バイオマスガス化→FT合成)
 新しいバイオディーゼル製造法 2
油脂接触分解法 (HiBD)

国際環境工学部 (ひびきの)
エネルギー循環化学科 (朝見・鈴木・門上)
 機械システム工学科
 情報メディア工学科
 建築デザイン学科
 環境生命工学科

エネルギー循環化学科の
教育研究分野
化学プロセス
クリーンエネルギーや新エネルギーの開発
地球に優しい物質合成の化学プロセスの開発
先進マテリアル
環境調和型の材料の開発
環境汚染物質の超高感度検出法の開発
環境プロセス
水環境の改善や水処理法の開発
土壌環境や地下水汚染の改善
化学プロセス分野
天然ガス・バイオマス・太陽電池を始めとするクリーンエネルギーの開発や、新しい発想に基づく
新エネルギーおよび地球に優しい物質合成の化学プロセスを開発します。
エネルギー化学
触媒工学
天然ガスやバイオマスなどからの
新エネルギー開発や新規太陽電池の開発
環境負荷の小さい物質合成の
化学プロセス開発
分析化学
分離工学
環境分析の現場に適用が可能な
小型の分析装置の開発
高度物質文明を支える物質の
高純度化プロセスの開発
希少資源の回収プロセス
環境・エネルギー問題とバイオ燃料
エネルギーとは?
物理的仕事を行わせることができるもの (仕事=力×距離)
化学エネルギー
発熱反応
吸熱反応
電気化学反応
光化学反応
地球環境問題

大気汚染
窒素酸化物 (NOx)
硫黄酸化物 (SOx)

地球温暖化
炭酸ガス温室効果
エネルギー問題と密接な関係
化学が大きく関わるクリーンエネルギー技術
(製造技術・利用技術)




クリーン燃料
・メタノール、ジメチルエーテル、合成ガソリン、
合成ディーゼル、バイオ燃料、水素等の製造
・脱硫、脱窒素技術
燃料電池
・電極技術、水素製造
自然エネルギー
・太陽電池材料
廃棄物浄化、資源リサイクル
バイオマス
「再生可能な植物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」
化石資源・・・ 生物の死体や枯れた植物などが長い年月をかけて地中
において変質してできたもので、短期間での再生が困難
枯渇性資源
廃棄物系バイオマス
●畜産資源
(家畜排せつ物等)
●食品資源
(加工残さ、生ごみ、動植物性残さ等)
●産業資源
( パルプ廃液等)
●林産資源
(製材工場残材、建築廃材等)
●下水汚泥
未利用バイオマス
●林産資源
(竹、間伐材 等)
●農産資源
(稲わら、もみがら 等)
資源作物
●糖質資源
(さとうきび、てんさい)
●でんぷん資源
(米、いも類、
とうもろこし等)
●油脂資源
(なたね、大豆、落花生等)
出典:バイオマス・ニッポン
11
バイオマス利用のメリットとデメリット
メリット
植物
光合成
変換利用
• 再生可能→循環型社会の形成に貢献
• カーボンニュートラル→二酸化炭素の排出抑制
• 莫大な賦存量を有する
バイオ燃料
CO2
エネルギー利用(燃焼)
図. カーボンニュートラル
デメリット
• 資源の発生分布が広く、薄い →収集・運搬が困難→中・小規模のプラント
• 水分含有量が多い→収集・運搬が困難、また乾燥させる場合に伴うコスト
• 食糧との競合 による食糧価格の高騰
12
内燃機関とディーゼル燃料
ガソリン車
ディーゼル車
炭素数
沸点 [℃]
ガソリン
C4~C10
30~180
灯油
C11~C13
170~250
軽油
C12~C20
240~350
高品質の炭化水素燃料
ガソリン
高オクタン価
ディーゼル
高セタン価
流動性
耐酸化性
発火(着火)性低
分岐体、不飽和、(芳香族)
発火(着火)性高
難固化(結晶化)性
難酸化性
直鎖体、飽和
炭素数分布、分岐体、不飽和
低不飽和(ジエン)
出典:三井物産「世界のバイオ燃料の使用と今後の展開」
出典:三井物産「世界のバイオ燃料の使用と今後の展開」
新しいバイオディーゼル製造法 1
BTL法 (バイオマスガス化→FT合成)
木質系バイオマスの液体燃料プロセス
エタノール合成
アルコール
発酵
糖化
濃縮
脱水
エタノール濃度15~20%
バイオマス
•木質系
•農業残渣系
【問題点】
•バイオマス構成成分のセルロース(40~50%)しか利用できない
•セルロース以外の成分は分解物、残渣あるいは発酵阻害物質
液体燃料
BTL合成
ガス化
800~1000℃
圧縮
精製
FT合成
(S,Cl,P)
<0.1ppm
2~5MPa
20
背景
エネルギー需要の増加
・石油の枯渇問題
・環境汚染の問題
・石油の価格高騰
石油に代わる供給安定性の高い新たなエネルギー資源の開発
天然ガス
石炭
or
バイオマス
改質
FischerTropsch合成(FT合成)
合成ガス
(H2/CO)
触媒
炭化水素
液体燃料など
ガス化
硫黄分や芳香族を含まないため
環境負荷が少ない
2
FT合成
nCO  2nH2  (CH2 )n  nH2O
CO  H2O  CO2  H2
反応式
シフト反応
触媒金属
価格比
Fe
1
Ni
250
Co
1000
Ru
50000
鉄触媒を使用
使用触媒 Fe-Cu-K/C
燃料炭化水素
ケロシン(ジェット燃料)
ガソリン
LPG
ディーゼル
C-number
1
2
3
22
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
本プロセスの概要・特徴
空気(酸素富化空気)
バイオマス
セルロース系
乾燥
産業廃棄物系
バイオガス(CO2+CH4)
ガス化
タールガス化
800~850℃
800~850℃
脱硫・脱塩
(固体吸着剤)
熱回収 高温(~250℃)
燃焼
空気
オフガス
スラリー系
F.T合成
250~270℃
炭化水素
C5~C20
鉄系廃触媒
本研究の範囲
○ワンパス転化率 ~90%
F.T軽油
(高セタン価)
○総合エネルギー効率 ~45%
○全圧 20気圧以下
製鉄原料へ
リサイクル
○排水無し(全ドライプロセス)
○オフガスは熱エネルギーとして
使用可能
FT合成装置
・リアクター×2系統、分析装置×1系統
・典型的触媒を用いた反応で、既設装置と同様の反応
結果が得られたことを確認後、本運用開始
24
新規担持鉄触媒の開発
生成炭化水素,CO2
CO/CO2/H2
スラリー床反応器
粉末触媒の分散能力が高い
除熱、ワックス除去が可能
反応中の触媒の抜出し、投入が可能
反応溶媒
粉末触媒 媒体油との分離が悪い
former catalyst present catalyst
K
K
Fe
Fe
K
Graphite (<100nm)
鉄-炭素錯合体触媒の開発
 低原子価の鉄塩より得られるFeO(触媒
活性点)
 π電子系を持つ多孔質グラファイト担体
(鉄種の安定化)
 アルカリ金属(電子供与体)からなる
複合触媒体の製造法を確立する
Fe-Cu-K/Cg触媒上での炭化水素分布とASFプロット
0
3
0
5
10
15
20
25
30
35
40
-2
y = -0.1811x - 3.72
R2 = 0.8666
-4
ln[Wn/n]
Yield[C-mmol/h・ kgcat]
2.5
-6
2
-8
1.5
-10
-12
1
ASFプロット
Carbon Number
0.5
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829303132333435
Carbon Number
n-paraffinparaffin 1-olefin
olefin other
Others
活性劣化のメカニズム
Oil
流出
K2CO3
Fe3O4
微粉化、流出
酸化
FeCx
活性点被覆
担体崩壊
ワックス
●反応100時間後の生成物と触媒
劣化機構
・ワックスによる活性点被覆
・反応器内の生成物の重質化
・カリウムの溶媒油中への流出
・炭化鉄の微粉化、流出、酸化
・担体の崩壊
オゾンによる触媒担体の表面改質
細孔をメソ孔にすることで細孔につまったWAXが溶媒に
よって抽出されやすくなる
オゾンによる酸化
未処理活性炭
オゾン処理活性炭
O3
アモルファスな炭素がオゾンによる酸化で
除去された
細孔容積[ml/g]
0.49
0.47
微細孔容積[ml/g]
0.06
0.08
表面積[m2/g]
1190
1170
活性炭表面の反応イメージ
X1-O-O
X2‐O
O
X3-C-OH
‐
オゾン処理
活性炭
3.75
=
細孔径[nm]
未処理
活性炭
1.88
分解
分解
CO2+CO
CH+CO2
*Xは活性炭表面の炭素
オゾン処理ヤシがら活性炭を用いたときの安定性評価①
Ca-O3
Ca
HC STY=450,C5+sel=85%
HC STY=420,C5+sel=84%
新しいバイオディーゼル製造法 1
油脂接触分解法 (HiBD)
バイオディーゼル(BDF)の現状
・廃食用油の利用は世界的に進んでいない(約2000万t/年)。
・BDF以外の利用法には限界あり(石鹸、飼料、ボイラー)
・バイオ燃料導入の推進
☆バイオディーゼル
油脂を改質し軽油代替燃料として利用する技術
(世界で1100万kℓ/年が生産)
輸送用バイオ燃料の導入目標
<世界>
・ディーゼル車の多いEUが中心となって使用され、近年東南アジア
でも導入が進んでいる(すでに市販済み、使用の義務化も進む)
・EUでは菜種やひまわり、東南アジアではパームやココナッツが主流。
・温暖化問題対策と余剰生産物の食用外利用が目的。
<日本>
・油脂の約9割が輸入のため、廃食用油の利用が主流で小規模施設が多い。
・廃食油は約60万t/年排出されるが、BDF導入量は4000-5000kℓ/年(5%)程度。
<従来のバイオディーゼル製造法>
FAME
BHD
原料
生成物
副生物
油脂,
メタノール
脂肪酸
メチルエステル
(FAME)
グリセリン
油脂, H2
パラフィン
H2O, CO2
反応
反応条件
低温,
エステル交換
常圧
水素化分解
高圧
Catalyst
アルカリ触媒
(NaOH, KOH,
CH3ONa etc.)
水素化触媒
既存のバイオディーゼル(BDF)の問題点
<FAME法>
・石油由来の副原料(メタノール)の使用。
・副生物(グリセリン)の有効な利用法に乏しい。
・目的物と副生物との分離操作が必要でコスト高。
・FAME燃料の品質面の問題
(燃料の固化、エンジントラブル)。
・適用できる油脂が少ない。
<BHD法>
・副原料としてH2を大量に使用。
・高圧反応であるため設備コストが高い。
副原料を用いず、副生物を出さない、
新しいバイオディーゼル製造法の開発
<固体触媒を用いた接触分解法の検討>
・高効率な炭化水素(灯軽油分)への変換
・油脂分解用触媒の開発
・原料の多様化
・低コストでシンプルな反応方式の検討
本研究の狙い
新バイオディーゼル HiBD
副原料を用いず、副生物を出さない、
新しいバイオディーゼル製造法
HiBD
(High Quality Bio-Diesel)
脱炭酸反応
<固体触媒を用いた接触分解法>
・軽油と同じ成分(炭化水素)への変換
・原料油脂の多様化
・低コストでシンプルな反応方式(分解&蒸留)
油脂の構造と油脂植物の脂肪酸
油脂:グリセリンと脂肪酸とのエステル化合物
石油製品の炭素数と沸点
炭素数
沸点 [℃]
ガソリン
C4~C10
30~180
灯油
C11~C13
170~250
軽油
C12~C20
240~350
<油脂植物に含まれる脂肪酸>
80
70
laulic acid(C12:0)
myristic acid(C14:0)
60
palmitic acid(C16:0)
stearic acid(C18:0)
50
oleic acid(C18:1)
40
linoleic acid(C18:2)
30
linolenic acid(C18:3)
20
10
0
corn oil soybean sunflower palm oil canola oil jatropha
oil
oil
oil
34
BDF製造法の理論収率
☆FAME
O
O
CH2 -O-C-C17H33
O
CH -O-C-C17H33
CH2-O-C-C17H33
分子量
O
884
*オレイン酸100%の場合
CH3OH
+
CH3OH
CH3OH
CH3-O-C-C17H33
O
CH3-O-C-C17H33
O
CH2-OH
+
CH-OH
CH2-OH
CH3-O-C-C17H33
96
888
92
理論収率:100.4%
☆接触分解 (HiBD)
O
分子量
CH2 -O-C-C17H33
O
C17H33
CH-O-C-C17H33
C17H33
CH2 -O-C-C17H33
O
C17H33
884
711
理論収率:80.4%
3CO2
CH3-CH=CH2
144
16.3%
41
4.6%
反応条件と装置
<基本反応条件>
原料:動植物油脂
投入速度 : 0.25ml/min
触媒量: 50ml
LHSV : 0.3h-1
反応温度 : 400~430℃
反応圧力: 0.1MPa(常圧)
キャリアガス流量(He) : 50ml/min
<反応器外見>
<内部撹拌式反応装置フロー図>
<反応器詳細図>
パーム分解油の見た目
40℃
25℃
Raw materials
Carbon,
MgO/CarbonA
MgO/CarbonD
Spent FCC
SiO2
SpentFCC
(NaCl)
MgO/SiO2
Al2O3
MgO/Al2O3
Percentage [wt%]
Catalytic Cracking of Various Materials
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
Beaf tallow
Lard
Rice bran
0
5
10
15
20
Carbon Number [-]
Lard
Beef tallow
Rice Bran
25
30
35
パーム分解油の化学構造(水素化処理後)
MgO/SiO2
MgO/Carbon
SATREPSとは
地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム
Science and Technology Research Partnership
for Sustainable Development
SATREPSホームページ
http://www.jst.go.jp/global/index.html
SATREPS(サトレップス)とは、
独立行政法人科学技術振興機構(JST)と
独立行政法人国際協力機構(JICA)
が共同で実施している、
地球規模課題解決のために
日本と開発途上国の研究者が共同で研究を行う3~5年間の研究プログラム。
★SATREPSは、以下3つのポイントの達成を目指している
①
②
③
日本と開発途上国との国際科学技術協力の強化
地球規模課題解決のための新たな技術の開発・応用および科学技術
水準の向上につながる新たな知見の獲得
キャパシティ・ディベロップメント
*キャパシティ・ディベロップメント:国際共同研究を通じた開発途上国の自立的研究開発能力の向上と課題解決に
資する持続的活動体制の構築、また、地球の未来を担う日本と途上国の人材育成とネットワークの形成
平成22~26年度 “新バイオディーゼルの合成法の開発”として
HiBDが採択された!!
40
JST-JICA SATREPSプロジェクト
●バンコク
プロジェクトの概要
バイオディーゼル
植物由来の油脂 → 高品質のディーゼル燃料に改質
環境にやさしい石油代替燃料として注目
本研究開発
高効率のバイオディーゼル合成法のさらなる発展
(北九州市立大学で独自開発)
チュラロンコン大学(タイ)と共同で、現地で
容易に工業化しうる新しい技術を確立
再生性資源から輸送用燃料を生産
→ 石油への依存度を下げ、低炭素社会の構築に
寄与することを目標
SATREPS研究体制
(1)「北九州市立大学」グループ
研究題目:新バイオディーゼルの合成法の開発
(2)「アジアシード」グループ
研究題目:タイ側パイロットプ ラント設置に
関わる調査、及び管理
(3)「FAIS」グループ
研究題目:新バイオディーゼル合成実証実施に
係る検討・支援
(4)「KITA」グループ
研究題目:廃食油を中心とする油脂の
収集システムの調査及び検討
(5)「日本工業大学」グループ
研究題目:新バイオディーゼル合成法の
LCA 解析
43
ベンチプラントの建設と運転 (北九大、チュラ大)
ベンチプラント(タイ)
・反応方式: 内部攪拌型
・原料供給量: 2L/h
・装置サイズ: 2000×1000×1500mm
・反応器サイズ: φ100×380mm (3L)
流動床型ベンチプラント(日本)
・反応方式: 流動床型
・原料供給量: 500 mL/h
・装置サイズ: 1500×700×1400mm
・反応器サイズ: φ80×800mm (4L)
ベンチプラントの運転の様子
<装置の組み立て>
<触媒の充填>
<触媒の充填>
<分解油の抜出し>
45
ワックス生成とその対策 (北九大、チュラ大)
•
ワックスの構造解析 - C-NHR,H-NMR,IR,GC-MS分析により
→左右に長い炭素鎖を持つケトン
であると判明
還流塔
還流塔
無
有
※ワックスの対策
①還流塔の設置
還流させることで、高沸点物であるワックス
を反応器に戻し、分解させる。
②固体酸でワックスを分解
(→ゼオライト(ZSM-5)、FCC、硫酸Alなど)
触媒作用により、分解させる。
ZSM-5
無
有
パイロットプラントの建設と試運転
(北九大、FAIS、チュラ大)
・反応方式: 内部攪拌型
・原料供給量: 10L/h
・反応器サイズ: 30L
パイロットプラント贈呈式 (2013.5.23)
@チュラロンコン大学サラブリキャンパス
パイロットプラント
<能力> 反応器のタイプ: 撹拌式
反応器サイズ: 45L
処理量 : 10L/hr
処理材料 : 廃食油
Waste pail oil
触媒: MgO/Active carbon
<フロー図>
<略図>
原料
反応器
コンデンサー
①
②
③
可
燃
性
ガ
ス
ナフサ
重油
HiBD
49
廃食油による運転試験結果
<生成物>
<反応条件>
温度 : 430℃
処理速度: 10L/hr
触媒 : 10wt%MgO/carbon (35L)
LHSV : 0.3h-1
Carrier gas feed late : 60L/hr
100
Residual oil
80
Con.1
Con.2
Con.3
重油
WAX
HiBD
ナフサ
Yield [wt%]
Condenser4
60
Condenser3
(ナフサ)
40
Condenser2
(HiBD)
20
Condenser1
(重油)
0
2.19
2.20
2.21
HiBD (Condenser 2)
50
HiBDの性状結果
<留分分布>
20
Percentage [%]
Percentage [%]
<炭素数分布>
15
10
5
100
80
60
40
20
0
0
1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29
Carbon number [-]
蒸留がしっかりと出来ており、
目的生成物を得ることが出来ている。
沸点 [℃]
<蒸留曲線>
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
標準軽油*
HiBD
灯油
0
10
20
30
40 50 60
留出量 [%]
70
80
90
100
*1:島津分析結果参照値
*2:kerosene(和光純薬工業㈱)の分析
51
EFB搾り油
Flesh Palm
(果肉)
Crude Palm Oil
(CPO パーム粗油)
Kernel
(10)
(核果)
(パーム核油)
Fresh Fruit Bunch
(FFB 果実房)
Fruit
(果実)
EFB搾り油
(1)
Empty Fruit Bunch
(EFB 空果房)
JST-JICA SATREPSプロジェクト
●バンコク
●スラタニ
サザンパーム(スラタニ)
EFB
900 t/d
水分(>60%)、
カリウム
EFB搾り油
(Sludge Oil)
遠心分離
精製油 30 t/d
(Decanted Oil)
水分、不純物、
リン脂質、ガム質
重油代替燃料
工業用せっけん
(マレーシア)
HiBD製造原料としてのEFB搾り油
・タイでのパーム増産 → 多量のEFB排出 (2百万トン以上)
・水分の事前除去、裁断の必要性、ボイラー燃焼時のカリウム対策、臭気、
輸送コスト → 発電事業の経済性低
・Sludge Oil パーム全体の0.5% → 効果的な利用が強く望まれている。
・新規開拓のパーム農場 BDF製造には使用しない(農業省関係者)
EFB搾り油からのHiBD製造はタイのバイオ燃料導入に大きく貢献
EFB搾り油の性状
パーム油
EFB搾り油
Sludge Oil
Acid value [mg-KOH/g]
<酸価>
35
30
25
20
15
10
5
0
廃パーム油(EFB搾り油)による運転試験結果
<原料>
<反応条件>
<運転結果>
温度 : 430℃
触媒 : MgO/carbon +spentFCC
運転時間
Run1 : 2日(18h)
Run2 : 1日(24h連続)
Run3 : 2日(26h)
<生成物>
分解油収率:約70wt%
HiBD収率:約30wt%
酸価:0.5mg-KOH/g以下
ガス量は、廃食用油より大
残油(未反応油)なし
<HiBDの蒸留性状>
56
本研究で用いるバイオディーゼル製造法
HiBD(High quality Bio Diesel)
[例]
反応式
触媒
(MgO/SiO2)
植物油脂
脱炭酸分解
利点
•石油系ディーゼルと
同じ成分
•副原料がいらない
•流動点が低い
反応直後
HiBD
C17H34~36
3CO2
C3H6
問題点
•時間経過による色調変化
•酸価がニート規格
0.5[KOH-mg/g]を満たして
いない
7日後
30日後
HiBDの品質
向上が必要
2次処理(廃食油由来)
<分解油 (5ヶ月後)>
<色調>
色合い(グレー値)
<2次処理装置>
2次処理による
酸価の低減
色調の向上
色品質:高い
100
80
60
40
20
0
色品質:低い
0
100
透視度 [mm]
200
<酸価>
酸価 [KOH-mg/g]
パイロットプラントからの分解油
ある一定以下の酸価の低減が難しい
色調の変化(黒色化)→スラッジの生成
5
4
3
2
1
0
処理前
処理後
予算支援
北九州市立大学
環境科学研究所
燃料性状分析 (交通安全研、昭和シェル石油)
EFBデカントオイル
○
○
○
△
△
※
△
※
○
○
○
△
○
○
△
△
○ 規格クリア
△ 蒸留条件、エンジンチューニング等で対処可
※ 改善のための技術開発が必要
エンジンテスト (交通安全研)
予算支援
北九州市立大学
環境科学研究所
排出量 (測定値3回および平均値)
CO
NOx
NMHC
PM
燃料消費
+4~5%
ピックアップトラック、
フォークリフトの実装
H27年1月21日
(チュラロンコン大学)