地球 - 中国の科学技術の今を伝える SciencePortal China
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Transcript 地球 - 中国の科学技術の今を伝える SciencePortal China
2008.12.10
日中科学技術シンポジウム
行動する大学
~ アジアからの発信 ~
東京大学総長 小宮山 宏
1
21世紀のパラダイム
爆発する知識
2000
1900
O2
Sunlight
CO2
Chlorophyll
H2O
H2O
Carbohydrate
CO2
光合成
高齢化する社会
有限の地球
20th
Century
無限の地球
21st
Century
•気候変動
•資源枯渇
•汚染
•食糧・水…
2
1950
2000
2050
•長寿
•少子化
•医療進歩
•社会の安全性
•ワークシェア
•バリアフリー…
2
小さくなった地球
高齢化する社会
先進国の需要減退 無理な需要喚起
金融危機
新パラダイムに沿った需要創出が鍵
鍵を握るアジア
知識の爆発
困難な演繹解
知の構造化、知の動員、社会実験
直ちにアクションが必要
行動する大学
3
2008 日中比較
©言論NPO
環境対策と経済成長
Q. 大気汚染や水質汚濁などの環境対策は経済成長を阻害するという意見もあります。そこで、環境対策
と経済成長との関係について、あなたの考えにもっとも近いものを選んでください。【単数回答】
日本世論(N=1000)
F
D
中国世論(N=1557)
A
D
0.4% 0.4%
0.8%
0.0%
A
E
7.2%
B
B
C
08年
2.3% 0.0%
経済成長のためには、
環境への配慮は行わな
くともよい
A
3.9%
経済成長を阻害しない
範囲で、環境対策を実
施するべきだ
C
経済成長を抑制しても、
環境を保全するべきだ
D
その他
E
わからない
F
無回答
46.9%
世論
F
C
39.0%
44.3%
有識者
E
B
54.8%
経済成長
のために
は、環境
への配慮
は行わな
くともよい
経済成長
を阻害し
ない範囲
で環境対
策を実施
すべき
0.4%
0.0%
44.3%
26.8%
経済成長
を抑制し
ても、環 その他
境を保全
すべき
46.9%
62.3%
0.8%
8.3%
わから
ない
無回答
7.2%
1.5%
0.4%
1.3%
経済成長
のために
は、環境
への配慮
は行わな
くともよい
3.9%
世論
08年
1.2%
学生
経済成長
を阻害し
ない範囲
で環境対
策を実施
すべき
経済成長
を抑制し
ても、環 その他
境を保全
するべき
54.8% 39.0%
40.8% 52.6%
0.0%
1.7%
わから
ない
無回答
2.3%
3.4%
0.0%
0.4%
4
2008 日中比較
©言論NPO
地球温暖化への対応
Q. 地球温暖化が世界的な問題となっている中、温室効果がある二酸化炭素の排出に関して、両国がどの
ように対処すべきかについて、あなたの考えにもっとも近いものを選んでください。【単数回答】
日本世論(N=1000)
E
0.3%
A
D
7.9%
A
31.7%
C
49.5%
B
10.6%
過去に大量の二酸
化炭素を排出して
きた、日本をはじめ
とする先進国が責任
を持って積極的に対
処すべきだ(31.7%)
B
中国は省エネなどの
排出抑制に取り組む
べきだ(10.6%)
C
中国も主要排出国
としての責任を負い、
排出削減に努める
べきだ(49.5%)
D
わからない(7.9%)
E
無回答(0.3%)
中国も主要
先進国が
中国が
排出国として
責任を持って 排出規制に
わからない
責任を負うべ
対処すべき 取り組むべき
き
世論
08年
有識者 08年
31.7%
12.8%
10.6%
16.3%
49.5%
68.8%
中国世論(N=1557)
7.9%
1.0%
C
16.1%
A
23.3%
B
56.7%
A
過去に大量の二酸
化炭素を排出して
きた、日本をはじめ
とする先進国が責任
を持って積極的に対
処すべきだ(23.3%)
B
中国と日本が技術面
などで協力して排出
抑制に取り組むべきだ
(56.7%)
C
中国も主要排出国としての
責任を負い、排出削減に
努めるべきだ(16.1%)
D
わからない(3.7%)
E
無回答(0.3%)
中国も主要
先進国が 中日が協力
排出国として
責任を持って して排出
わからない
責任を負うべ
対処すべき 規制すべき
き
無回答
0.3%
1.3%
E
0.3%
D
3.7%
世論 08年
学生 08年
23.3%
23.3%
56.7%
63.9%
16.1%
9.4%
3.7%
2.9%
無回答
0.3%
0.5%
5
「地球持続の技術」
日本語(1999)
中国語版(2006)
英語版(2008)
6
「地球」×「100年」での俯瞰
地球の未来100年、約40年後の2050年に何が起こるか?
「人工物の飽和」
(次頁以降でご説明)
現在は
パラダイムの
転換点
「地球温暖化の進行」
(皆さんご存知の通り)
「有限の地球」
「資源の欠乏」
(皆さんご存知の通り)
7
知の構造化で解決策 = ビジョン2050
「理論的・技術的に適切」な水準を見極めることが肝要
(「地球持続の技術」岩波新書1999、「地球温暖化問題に答える」東大出版会1995)
2050年に起こること
ビジョン2050
「人工物の飽和」
エネルギー効率3倍
(今ご説明)
「地球温暖化の進行」
(皆さんご存知の通り)
「資源の欠乏」
(皆さんご存知の通り)
物質循環システムの構築
再生エネルギー2倍
8
本質は定量化
暖房エネルギーは9分の1に
家の断熱
焚き火
0
あばらや 寺の本堂
1
5
住宅
エコハウス
30
100
理想
∞
エアコン
1990以前 1997
3
4
2004
2006
ビジョン2050
理論
5
6
12
43
1/3×1/3 = 1/9
9
本質は表現
自動車は10分の1
0.2
米欧車
日本車
燃料消費量 [L/km]
0.15
0.1
0.05
ハイブリッド
電気自動車
0
0
500
1000
Data Source:Yahoo! Japan Autos
1500
2000
車体重量 [kg]
2500
3000
10
エネルギーシナリオとCO2濃度
(a) 現状
60
CO2 3 6 9 pp m
15
化石
非化石
(b) 2050 (なりゆき)
22 0
15
CO2 6 0 0 pp m
(c) ビジョン2050
45
30
CO2 4 6 0 pp m
(d) 22世紀以降
CO2 2 8 0 pp m
11
ビジョン2050の具現化
先進国と発展途上国が共有できるビジョン
Emission, G C-ton
20
17.5
15
10
5
5.0
なりゆき
5.8
1.7
2.5
2050
1997
0
1997
先 進Countries
国
Developed
化石資源
fossil
2050
発展途上国
Developing
Countries
non-fossil
非化石資源
12
日本の消費エネルギー:知の構造化
エネルギー変換
30.3%
ものづくり
30.6%
そ
の
他
化 学
5.3% 10.5%
発 電
25.0%
鉄鋼
7.5%
ガラス・セメント他 1.5%
紙・パルプ 1.7%
農水鉱業 2.2%
その他製造業
7.2%
貨物
6.4%
旅客
10.1%
家庭
9.5%
オフィス
13.0%
日々のくらし 39.1%
総合エネルギー統計2007年版 (データは2005年)
注:エネルギー変換部門での消費は発電所で電気にならなかった部分や自家消費された部分である。
13
ものづくり
日本は何をすべきか
日
々
の
く
ら
し
家 庭
日
々
の
オフィス
く
ら
し
運 輸
もも
のの
づ
くづ
りく
り
「日々のくらし」を削減する
14
小宮山エコハウス:現状技術でもできる!
太陽電池: 3.6 kW
ヒートポンプ給湯: COP=4
高断熱: K=1.6 W/m2K
エアコン新設
エネルギーネット消費:8割減
15
15
15
小宮山の行動
家庭と運輸の8割削減モデル!
エコハウス
断熱
電気
エアコン
ヒートポンプ給湯
太陽電池
12年で償還!
ハイブリッドカー
冷蔵庫
都市ガス
ガソリン
1990~2001
20800 kwh
2002~2004
2005~2007
5090 kwh
2008~
~4000 kwh
16
16
行動する大学
オフィス効率化のモデル
ー東大サステイナブルキャンパスプロジェクトー
2012 年 15%減
2030 年
50%減
家電の大量発注、先端技術の実験を続けます!
17
17
中国は何をすべきか
1.「ものづくり」のエネルギー効率2倍
2.「日々のくらし」の省エネ化・エコ化
先端エコハウス
先端オフィス
先端太陽電池
先端風力発電
先端バイオマスシステム
先端廃棄物システム
エネルギー効率倍増は、発電量倍増より、はるかに良い!
18
本質は理論
セメントのエネルギー消費
(MJ/t) 6,000
US
Denmark
Belgiu
France
m
Swede
n Japan
トン当たりの消費
5,000
4,000
3,000
2,000
理論値
1,000
0
1960
1970
1980
1990
年
Source: Japan Cement Association
19
セメント生産量
3000
2500
World
China
2000
1500
1000
500
0
1900
1920
1940
1960
Year
1980
2000
20
G8 大学サミット
35大学が結集
G8含む14カ国から代表的大学 (イエール、ケンブリッジ、
北京、インド工科大、など)、国連大学が参加
札幌サステイナビリティ宣言
- Knowledge innovation
-Network of networks
行動宣言
21
「ネットワーク」から「ネットワーク・ネットワーク」へ
(Image)
NNs
22
ジェロントロジー国際拠点:世界からの熱い視線
情報ネットワーク
個々の状況に応じた
移動手段
元気高齢者を
地域の支え手に
ニーズに即した
多様な住居
評価
高齢者の
QOL
病院から在宅へ
家族の
QOL
地域
病院
健康情報
遠隔医療
プライマリケア体制
24時間対応の訪問看護・介護
薬局
コスト
かかりつけ医
患者学
Hiroko Akiyama
23
スウェーデン国会議員団が視察
24
科学技術がある
(血清分析)
1.無痛針製作
6.健康マーカー測定
Na+,K+,Ca+,pH、pO2,pCO2、
尿素,グルコース、クレアチニン等
4.血液分離
遠心分離用
U字型キャピラリ
ISFET 検出器
3.生体適合性
5.電気浸透ポンプ
(血球分析)
7.リンパ球の分離
2.チップ製作技術(石英・PET)
血液・尿で在宅診断
25
25
医療費で成長するイノベーション
情報連携
モ
ニ
タ
リ
ン
グ
食習慣情報
運動情報
バイタルサイン
感覚器/ 運動器情報
血液・生化学検査
自動送受信
(健康情報/アドバイス)
各種IT
検体送付
検査
センター
検査結果
健康情報
データベース
症例
データベース
(データセン
ター)
解析用
データベース
研究機関
ソフトウェア技術(データベース、データマイニング)
健康寿命の延伸
生活者(在宅)
<血液・尿分析>
ナノ、バイオ、マテリアル
<免疫分析>
診断・分析チップ
<スクリーニング>
放射線・薬物感受性
チェックチップ
モニタリングデバイス
個
体
の
機
能
ヘルスケアと医療の進歩に
よる個体機能の向上
就労・自活期間
就労・自活期間の延長
年 齢
新産業を世界との連携でリードする
26
26
高齢化社会:柏国際学術都市での実験
駅前研究室
オンデマンドバス・自転車共用利用・
ベロタクシー実験・LRT構想
柏の葉キャンパスシティITコンソーシアム
柏ジェロントロジープロジェクト
十坪ジムプロジェクト
ほのぼのプロジェクト
ケミレスタウンプロジェクト
柏の葉診療所
柏の葉鍼灸院
柏エコ・ライフイノベーションプロジェクト
27
新パラダイムを反映した新しい社会
教育システム
省エネルギー社会
新エネルギーシステム
健康医療システム
男女共同参画社会
年金システム
水・食料・自然・安全・・・
新経済システム
アジアに位置する意味
28
28
日中協力は不可欠
1
2
3
4
5
6
快適ハウス
都市(廃棄物、巨大都市構造)
漁業(黒潮、アジアの海・・・)
バイオマス・飼料用水田
ゲノム医療
・・・
「知の細分化」のもとで
「有限の地球」「高齢化社会」にふさわしい
新しい社会を作る
29
29
21世紀の「行動する大学」
持続可能な
社会
科学
大学
中立性
客観性
社会
政治
30