Transcript PPP - 札幌市立大学

札幌市の少子化
その特徴と背景
2006-8-2
札幌市立大学 デザイン学部
教授 原俊彦
合計特殊出生率の推移
合計特殊出生率の推移1960年-2005年：全国・北海道・東京・札幌市
2.40
全国
北海道
東京
札幌市
2.20
2.00
1.80
1.60
1.40
1.20
1.00
0.80
1960
61
62
63
64
1965
66
67
68
69
1970
71
72
73
74
1975
76
77
78
79
1980
81
82
83
84
1985
86
87
88
89
1990
91
92
93
94
1995
96
97
98
99
2000
01
02
03
04
2005
合
計
特
殊
出
生
率
年次
Sapporo City University
2
全国との出生力格差
合計特殊出生率(全国)との格差 1960年-2005年 ：北海道・東京都・札幌市
1.20
北海道
東京
1.10
札幌市
1.00
0.90
0.80
0.70
0.60
1960
61
62
63
64
1965
66
67
68
69
1970
71
72
73
74
1975
76
77
78
79
1980
81
82
83
84
1985
86
87
88
89
1990
91
92
93
94
1995
96
97
98
99
2000
01
02
03
04
2005
全
国
の
合
計
特
殊
出
生
率
を
１
と
し
た
場
合
年次
Sapporo City University
3
年齢別出生率の特徴
年齢５歳階級別出生率：札幌市の特徴
0.60
北海道
札幌市
0.50
全国
25-29歳：東京都
の次に低い。
13大都市
東京都
0.40
年
齢
別
出
生
率
0.30
30-34歳
政令指定都市中
最低
0.20
35-39歳
政令指定都市
中最低
0.10
0.00
１５～１９歳
２０～２４歳
２５～２９歳
３０～３４歳
３５～３９歳
４０～４４歳
年齢階級
Sapporo City University
4
（１）年齢別有配偶出生率
年齢５歳階級別有配偶出生率：札幌市の特徴
3.50
北海道
3.00
札幌市
全国
13大都市
2.50
東京都
年
齢
別
有
配
偶
出
生
率
2.00
1.50
30-34歳
政令指定都市中
最低
1.00
35-39歳
政令指定都
市中最低
25-29歳：政令指
定都市の平均お
り低い
0.50
0.00
１５～１９歳
２０～２４歳
２５～２９歳
３０～３４歳
３５～３９歳
４０～４４歳
年齢階級
Sapporo City University
5
（２）年齢別有配偶率
年齢５歳階級別女子有配偶率：札幌市の特徴
0.90
0.80
北海道
札幌市
0.70
全国
25-29歳：政令
指定都市の平均
よりわずかに高
い
13大都市
年
齢
別
有
配
偶
出
生
率
0.60
東京都
35-39歳
政令指定都市の
平均僅かに低い
30-34歳
政令指定都
市の平均僅
かに低い
0.50
0.40
0.30
0.20
0.10
0.00
１５～１９歳
２０～２４歳
２５～２９歳
３０～３４歳
３５～３９歳
４０～４４歳
年齢階級
Sapporo City University
6
（３）女子未婚初婚率
年齢５歳階級別女子未婚初婚率：札幌市の特徴
0.65
北海道
0.55
札幌市
全国
13大都市
0.45
年
齢
別
女
子
未
婚
初
婚
率
東京都
25-29歳
東京都と
並び政令
指定都市
中最低
0.35
35-39歳
政令指定
都市の中
では一番
低い
0.25
30-34歳
政令指定都市の
中では一番低い
0.15
0.05
１５～１９歳
２０～２４歳
２５～２９歳
３０～３４歳
３５～３９歳
４０～４４歳
-0.05
年齢階級
Sapporo City University
7
全国値との格差：要因分解
2000年の合計特殊出生率：全国値との格差要因分解
北海道
札幌市
13大都市
東京都
0.05
0.00
-0.05
全
国
値
と
の
格
差
-0.10
-0.15
-0.20
-0.25
-0.30
全体の格差
年齢別有配偶出生率による格差
年齢別有配偶率による格差
-0.35
地域
Sapporo City University
8
有配偶出生率による格差
年齢別有配出生率による格差
0.06
0.04
北海道
札幌市
13大都市
東京都
0.02
全
国
値
と
の
格
差
0.00
-0.02
-0.04
-0.06
-0.08
１５～１９歳
２０～２４歳
２５～２９歳
３０～３４歳
年齢階級
３５～３９歳
Sapporo City University
４０～４４歳
9
年齢別有配偶率による格差
年齢別有配偶率による格差
0.06
0.04
北海道
札幌市
13大都市
東京都
0.02
0.00
全
国
値
と
の
格
差
-0.02
-0.04
-0.06
-0.08
-0.10
-0.12
１５～１９歳
２０～２４歳
２５～２９歳
３０～３４歳
年齢階級
３５～３９歳
Sapporo City University
４０～４４歳
10
女子未婚初婚率への影響要因
女子未婚初婚率の重相関・決定係数：2000年　都道府県別データ
ステップワイズ法による回帰分析結果
1.000
年齢階層
0.900
15-19
0.800
20-24
0.700
R
・
R
２
・
調
整
済
み
R
２
25-29
0.600
30-34
0.500
0.400
35-39
R
R2
調整R2
0.300
0.200
40-44
0.100
0.000
15-19
20-24
25-29
30-34
年齢階級
35-39
40-44
主要な決定要因
β係数
0.56
00最終学歴高卒男1519
-0.37
00消費者物価
沖縄ダミー
0.31
00最終学歴小中高卒男子2029割合
0.54
00国調男子就業率2024
0.30
00教育費支出ＡＶ3
-0.20
00国調男子就業率2529
0.71
00男子第２次産業従事者比率（15-6４）0.24
00最終学歴高卒男女比2029
0.16
00女子第２次産業従事者比率（15-64） 0.47
沖縄ダミー
0.48
-0.64
00完全失業率(男）
00女子第２次産業従事者比率（15-6４）0.40
0.50
00最終学歴高卒男女比3039
00最終学歴格差3039大学Ａ
0.31
男子高校生の大学等進学率7983ＡＶ -0.23
-0.22
昼 夜 間 人 口 比 率00
00最終学歴格差4049大学Ｂ
-0.26
00男子第１次産業従事者比率（15-6４）0.96
00女子第２次産業従事者比率（15-6４）0.44
保育所定員比率2000
-0.27
所定内給与額（女）地域間物価補正20001.21
00完全失業率(男）
-0.91
沖縄ダミー
0.91
東京ダミー
-0.34
Sapporo City University
11
有配偶出生率への影響要因
女子有配偶出生率の重相関・決定係数：2000年　都道府県別データ
1.000
ステップワイズ法による回帰分析結果
年齢階層
主要な決定要因
00男子第２次産業従事者比率（15-64)
15-19
00消費者物価
00女子パート賃金
20-24
00最終学歴大卒男女比2029
女子高校生の大学等進学率8993ＡＶ
25-29
所定内給与額25-29（男）
沖縄ダミー
人工死産率
30-34 00動態女子平均初婚年齢
人口集中地区人口比率％00
女子高校生の大学等進学率8488ＡＶ
沖縄ダミー
男子高校生の大学等進学率7983ＡＶ
所定内給与額3539賃金格差
35-39
00教育費支出ＡＶ3
00動態女子平均初婚年齢
人工死産率
沖縄ダミー
00男子第２次産業従事者比率（15-6４）
00動態男子平均初婚年齢
40-44
00最終学歴高卒男女比4049
00最終学歴格差4049大学Ａ
00国調男子就業率4044
0.900
0.800
0.700
R
・
R
２
・
調
整
済
み
R
２
0.600
0.500
0.400
R
R2
0.300
調整R2
0.200
0.100
β係数
-0.58
-0.50
-0.79
-0.24
0.55
-0.91
0.74
0.48
0.71
-0.62
0.23
0.71
-0.29
-0.26
-0.28
0.54
0.35
0.45
-0.28
0.30
0.30
0.27
-0.27
0.000
15-19
20-24
25-29
30-34
年齢階級
35-39
40-44
Sapporo City University
12
シミュレーションによる分析
1965年から2000年までの時系列相関
＜人口学的要因＞
 女子未婚初婚率
 女子有配偶出生率
＜社会経済要因＞
 男子の最終学歴高卒割合
 男子の第２次産業就業割合
Sapporo City University
13
女 子 の 未 婚 初 婚 率 倍 数 20-24
1.2
1.4
1
1.2
0.8
倍数　1965＝1.00
倍数　1965＝1.00
女 子 の 未 婚 初 婚 率 倍 数 15-19
0.6
0.4
0.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
0
1965-70 1970-75 1975-80 1980-85 1985-90 1990-95 1995-00
1965-70 1970-75
1975-80 1980-85 1985-90
年次
年次
女 子 の 未 婚 初 婚 率 倍 数 25-29
女 子 の 未 婚 初 婚 率 倍 数 30-34
1.2
1.2
1
1
0.8
倍数　1965＝1.00
倍数　1965＝1.00
1990-95 1995-00
0.6
0.4
0.2
0.8
0.6
0.4
0.2
0
0
1965-70
1970-75
1975-80
1980-85
年次
1985-90
1990-95
1995-00
1965-70
Sapporo City University
1970-75
1975-80
1980-85
1985-90
1990-95
1995-00
14
女 子 の 未 婚 初 婚 率 倍 数 40-44
1.2
1.2
1
1
0.8
0.8
倍数　1965＝1.00
倍数　1965＝1.00
女 子 の 未 婚 初 婚 率 倍 数 35-39
0.6
0.4
0.2
0.6
0.4
0.2
0
0
1965-70
1970-75
1975-80
1980-85
1985-90
1990-95
1995-00
1965-70
1970-75
1975-80
年次
1980-85
年次
1985-90
1990-95
1995-00
女子の未婚初婚率倍数45-49
1.2
女子未婚初婚率
倍数　1965＝1.00
1
最終学歴高卒以下割合男子
0.8
0.6
第二次産業就業者割合男子
0.4
0.2
予測値
0
1965-70
1970-75
1975-80
1980-85
1985-90
1990-95
1995-00
年次
Sapporo City University
15
年 齢 別 女 子 有 配 偶 出 生 率 20-24 倍 数
3
1.20
2.5
1.00
2
0.80
倍数
倍数
年 齢 別 女 子 有 配 偶 出 生 率 15-19　倍 数
1.5
0.60
1
0.40
0.5
0.20
0
0.00
1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000
年次
1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000
年次
年 齢 別 女 子 有 配 偶 出 生 率 25-29 倍 数
年 齢 別 女 子 有 配 偶 出 生 率 30-34 倍 数
1.20
1.80
1.00
1.60
1.40
1.20
0.60
倍数
倍数
0.80
0.40
1.00
0.80
0.60
0.40
0.20
0.20
0.00
1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000
年次
0.00
1965
Sapporo City University
1970
1975
1980
1985
年次
1990
1995
2000
16
年 齢 別 女 子 有 配 偶 出 生 率 40-44 倍 数
年 齢 別 女 子 有 配 偶 出 生 率 35-39 倍 数
2.00
3.00
1.80
2.50
1.60
1.40
1.20
1.50
倍数
倍数
2.00
1.00
1.00
0.80
0.60
0.50
0.40
0.00
0.20
1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000
年次
0.00
1965
1970
1975
1980
1985
年次
1990
1995
2000
年齢別女子有配偶出生率　45-49 倍数
1.40
(年齢別有配偶出生率(女
1.20
倍数
1.00
最終学歴高卒以下割合男子
0.80
0.60
第二次産業就業者割合男子
0.40
0.20
予測値
0.00
1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000
年次
Sapporo City University
17
表７　シミュレーション結果の比較（未婚初婚率と有配偶出生率の影響）
年齢別出生率（合計）
実際の変化
両倍数=1
両倍数とも推計値
未婚初婚率倍数のみ
有配偶出生率倍数のみ
1965
1.87
1.87
1.87
1.87
1.87
1970
1.84
1.84
1.88
1.84
1.88
1975
1.68
1.77
1.69
1.71
1.75
1980
1.51
1.76
1.50
1.49
1.76
1985
1.45
1.76
1.30
1.25
1.79
1990
1.31
1.76
1.22
1.11
1.85
1995
1.17
1.76
1.16
1.00
1.92
2000
1.07
1.76
1.10
0.93
1.96
図８　シミュレーション結果の比較（未婚初婚率と有配偶出生率の影響）
2.20
札
幌
市
の
合
計
特
殊
出
生
率
2.00
1.80
1.60
1.40
1.20
1.00
0.80
1965
1970
1975
1980
1985
年次
実際の変化
両倍数とも推計値
未婚初婚率倍数のみ
有配偶出生率倍数のみ
1990
Sapporo City University
1995
2000
両倍数=1
18
シミュレーション結果のまとめ




1965年から2000年にかけての札幌市の合計特殊
出生率の動向をよく再現している。
1965年以降の出生力低下は、主として女子未婚初
婚率の低下→女子有配偶率の低下を反映したも
のである。
これに対し女子の有配偶出生率は1980年以降は
むしろプラスに作用していたと解釈できる。
男子第２次産業就業者割合と最終学歴高卒以下
割合の二つの変動要因で十分に説明しうる 。
Sapporo City University
19
札幌市の少子化対策との関連



少子化の進行・全国との格差拡大は、学術
ｻｰﾋﾞｽ産業都市としての市の特性に起因して
いると考えられる。
従って、政策的な対応により出生力を上昇さ
せることは難しいと思われる。
むしろ少なく生まれる子供たちを大切に育て
ることに重点を置くべきだろう。
Sapporo City University
20
少子高齢化：その他の影響要因
転
出
低出生力
再生産年齢人口
転
入
年少人口割合
他の大都市圏への流出：特に若年層
周辺地域への流出：特に家族形成期
平均寿命の延び
他の大都市圏からの流入・周辺地域へ
の流入：特に若年層と高齢者
生産年齢人口割合
Sapporo City University
老年人口割合
21
Sapporo City University
22